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経理職転職の面接で使える「逆質問」と成功のためのポイント

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2025年7月11日ジャスネットキャリア編集部

転職活動において、面接の終盤に必ずと言っていいほど聞かれる「何かご質問はありますか?」という言葉。この逆質問は、単なる形式的なやり取りではなく、あなたの本気度を示し、入社後のミスマッチを防ぐための重要な機会です。特に経理職の転職では、数字に対する責任感や継続的な学習意欲が重視されるため、適切な逆質問によって専門性への理解と向上心をアピールできます。

目次

■ 経理の転職面接における逆質問の重要性

(1)逆質問が求められる理由

面接官が逆質問の時間を設ける背景には、候補者の真剣度を測りたいという意図があります。経理職は企業の経営状況を把握し、正確な数値管理を行う重要なポジションです。そのため、採用側は「この人は本当に当社で働きたいと思っているのか」「経理業務に対してどの程度の理解と関心を持っているのか」を見極めたいと考えています。

準備された質問は、あなたがその企業について真剣に調べ、入社後のビジョンを具体的に描いている証拠でもあります。逆に「特にありません」という回答は、企業への関心の薄さや準備不足を印象づけてしまう可能性があります。経理職の面接では細かな準備と計画性が求められるため、面接準備の段階で逆質問を考えておくことが重要です。

(2)逆質問が面接に与える影響

適切な逆質問は、面接全体の印象を大きく左右します。面接は相互理解の場であり、企業があなたを評価するのと同時に、あなたも企業を評価する機会です。質の高い逆質問は、あなたが単に仕事を探している人ではなく、その企業で成長し貢献したいと考えている人材であることを示します。

また、逆質問を通じて得られる情報は、入社後のギャップを最小限に抑える効果もあります。経理職は各企業の業務フローや使用システムによって働き方が大きく異なるため、事前に詳細を把握しておくことで、入社後のスムーズな業務開始につながります。面接官も、現実的で具体的な質問をする候補者に対しては「実際に働くイメージを持っている」と好印象を抱きやすいものです。

■ 逆質問を成功させるための準備

(1)事前リサーチの重要性

逆質問を成功させるためには、徹底的な事前リサーチが欠かせません。企業のホームページやIR情報、業界レポート、企業の決算説明資料や有価証券報告書などを詳しく調べることで、表面的ではない質の高い質問を準備できます。特に経理職の場合、企業の財務状況や事業戦略を理解した上で質問することで、専門知識と分析力をアピールできます。

業界全体の動向についても把握しておくことをおすすめします。デジタル化が進む中で、業界における経理業務の自動化やAI活用がどの程度進んでいるかを調べれば、面接先企業の経理業務の効率化やAIシステムの活用度合いについての具体的な質問が可能になるでしょう。

(2)質問内容の整理と練習

事前リサーチで得た情報を整理し、実際に質問する内容を厳選することが大切です。面接時間は限られているため、最も重要で効果的な質問に絞り込む必要があります。質問は優先順位をつけて整理し、面接の流れに応じて柔軟に選択できるよう準備しておきましょう。

質問の練習も重要なポイントです。頭の中で質問内容を整理していても、実際に声に出してみると不自然になることがあります。家族や友人に協力してもらい、実際の面接を想定して質問の練習をすることで、自然で印象的な質問ができるようになります。また、質問に対する相手の回答を受けて、さらに深掘りする追加質問も準備しておくと、より充実した対話になります。

質問メモを作成する際は、丸暗記するのではなく、要点をキーワードで整理することがコツです。「決算業務・システム・チーム・成長機会」といった具合に、話題ごとにポイントを整理しておけば、面接の流れに応じて適切な質問を選択できます。

■ 逆質問の注意点と避けるべき質問

(1)調べればわかる内容を質問しない

企業のホームページや求人情報に明記されている基本的な情報について質問することは避けましょう。「御社の事業内容について教えてください」「従業員数はどのくらいでしょうか」といった質問は、事前準備の不足を露呈してしまいます。経理職では正確な情報収集と分析能力が重要視されるため、このような質問は能力への疑問を招く可能性があります。

代わりに、公開情報を踏まえた上でより深い部分について質問することが大切です。「ホームページで拝見した新規事業について、経理部門としてはどのような体制でサポートしていく予定でしょうか」といった具合に、既知の情報に基づいて発展的な質問をしましょう。

(2)待遇や条件に関する質問のリスク

給与や休暇制度、福利厚生については、確認したい気持ちは理解できますが、面接の場では慎重に扱う必要があります。特に初回面接で待遇面ばかりを質問すると、仕事内容よりも条件を重視していると受け取られる可能性があります。

どうしても確認が必要な場合は、表現を工夫しましょう。「長期的にキャリアを積んでいきたいと考えているのですが、経理職としてのスキルアップに応じた昇進制度について教えていただけますでしょうか」といった具合に、成長意欲と絡めて質問すると自然です。

■ 経理職に特化した逆質問の例

(1)自分の意欲を示す質問

「経理部門での成果はどのような指標で評価されるのでしょうか」

「月次決算の精度向上や処理時間短縮など、具体的にどのような貢献を期待されているでしょうか」

意欲を示す逆質問では、あなたの成長志向と向上心を伝えることが大切です。成果に対する意識の高さを示すなら上記のような質問も効果的です。これらの質問は、あなたが結果を重視し、明確な目標を持って業務に取り組む姿勢を持っていることを示します。

(2)企業への理解を深める質問

「御社の事業拡大に伴い、経理部門ではどのような業務量の変化や新たな課題が想定されるでしょうか」

企業研究の深さを示す逆質問は、あなたの本気度を強く印象づけます。事前に企業の財務状況やビジネスモデルを調べた上で質問すれば、企業の将来性を踏まえた上で転職を検討していることが伝わります。

「御社の業界特有の会計処理や税務対応について、入社前に勉強しておくべき分野があれば教えていただけますでしょうか」

業界特有の会計処理について関心を示すことも重要です。専門知識習得への積極性と業務への責任感をアピールできます。

(3)業務内容に関する質問

「月次決算の締め日から完了までの期間はどのくらいでしょうか。また、決算業務において最も重視されているポイントがあれば教えてください」

経理業務の具体的な内容について質問することで、実務への理解と関心を示せます。上記のような質問は、決算業務の重要性を理解していることをアピールできます。

「現在使用されている会計ソフトと、今後導入予定のシステムがあれば教えていただけますでしょうか。また、新しいシステムに適応するために必要なスキルがあれば事前に学習したいと考えています」

会計ソフトについても重要な確認ポイントです。こういった質問は、システム対応力と学習意欲を同時にアピールできます。

(4)チーム文化や職場環境についての質問

「経理部門のチーム構成と、メンバー間でのコミュニケーション方法について教えていただけますでしょうか。特に繁忙期の連携体制について知りたいです」

経理部門のチームワークについて質問することで、協調性への関心を示せます。こういった質問は、チーム一員として貢献したい意欲を表現できます。

「経理部門の皆さんが最もやりがいを感じる瞬間はどのような時でしょうか。また、業務で大切にしている価値観があれば教えてください」

職場の雰囲気についても適切に質問すれば好印象を与えます。質問をすることで、企業文化への適応性と長期的な勤務意欲を示すことができます。

(5)キャリアパスや成長機会に関する質問

「経理職から管理職や経営企画部門への異動など、キャリアアップの道筋について教えていただけますでしょうか」

将来的なキャリア発展について質問することで、長期的な視点を持っていることをアピールできます。上記のような質問は、成長意欲と責任感の高さを示します。

「簿記以外にも取得を推奨している資格や、業務に活かせるスキルがあれば教えてください。また、資格取得に対する会社のサポート制度についても知りたいです」

専門性向上の機会についても重要な質問です。教育体制や資格取得に関する質問は、継続的な自己研鑽への意識を表現できます。

■ 経理職の面接での逆質問のタイミング

(1)面接の流れに合わせた逆質問

基本的に逆質問は「何か質問はありますか」と問われたタイミングで聞くのがいいでしょう。ただ、面接中に自然な流れで質問する機会があれば、それを活用することもポイントです。

面接官が業務内容について説明している際に「その点について詳しく伺いたいのですが」と適切なタイミングで質問を挟むことで、積極的な姿勢を示せます。ただし、面接官の話を遮らないよう、相手の話が一段落してから質問するよう注意しましょう。

質問の順序も考慮が必要です。業務内容や職場環境について先に質問し、待遇面については最後に控えめに確認する程度に留めるのが適切です。面接官の反応を見ながら、相手が興味を示した話題について深掘りしていくことで、より有意義な対話が実現できます。

(2)最終面接での逆質問のポイント

最終面接では、自分が経営層になったつもりでの質問が効果的です。「経理部門として会社の成長にどのような貢献を期待されているでしょうか」「今後の事業展開において、経理部門が担う役割についてお聞かせください」といった質問は、経営目線での思考力をアピールできます。

また、入社への強い意欲を示すために「もし内定をいただけた場合、入社までに準備しておくべきことがあれば教えてください」といった質問も効果的です。これは前向きな姿勢と責任感を同時に表現できる質問として、最終面接で特に印象に残ります。

■ まとめ

経理職の転職面接における逆質問は、あなたの専門性への理解と成長意欲、そして企業への本気度を示す重要な機会です。表面的な質問ではなく、経理業務の本質を理解した上での具体的な質問を心がけることで、面接官に強い印象を残すことができます。

成功の鍵は事前準備にあります。企業研究を徹底的に行い、業界動向も把握した上で、質の高い質問を厳選して準備することが重要です。また、質問は一方的なものではなく、相互理解を深めるためのコミュニケーションであることを忘れずに、自然な会話の中で適切なタイミングで行うことが大切です。

よく準備された逆質問は、面接全体の印象を向上させ、あなたが求める職場環境について重要な情報を得ることにもつながります。転職成功に向けて、逆質問の時間を最大限に活用してください。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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