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経営企画は本当に出世コースなのか? 将来性とキャリアパスを徹底検証

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2025年10月21日 ジャスネットキャリア編集部

「経営企画は出世コース」「経営企画に配属されれば将来安泰」という話をよく耳にします。確かに経営陣に近い位置で働き、企業の戦略立案に関わる経営企画職は、多くのビジネスパーソンにとって憧れのポジションです。
しかし、この「出世コース」という評価は本当に正しいのでしょうか。

現実には、経営企画から順調にキャリアアップを果たす人もいれば、期待したほどの成果を得られない人もいます。
本記事では、経営企画の真の将来性を検証し、成功するために必要な戦略をお伝えします。

目次

■なぜ経営企画が「花形部署」と呼ばれるようになったのか?

経営企画が花形部署と呼ばれる理由は、企業における「経営企画」の特殊な位置づけにあります。俗に一定規模以上の会社になると、社長個人で組織を掌握することが難しくなり、「経営企画」と「内部監査」は社長直属の組織として置かれることになります。

「経営企画」は、経営者の目線で会社の事業戦略を企画し、「内部監査」は、経営者の目線で会社の組織が適切に運営されているか監視する役割を担います。

かつて高度経済成長期、多くの日本企業が急速な事業拡大を経験する中で、経営の複雑化に対応するために「経営企画」部門が設置されました。当初から、この部門には各部署の優秀な人材が集められ、将来の幹部候補を育成する場として機能してきました。

経営企画が花形視される最大の理由は、社長及び経営層との物理的・心理的距離の近さにあります。 日常的に社長や役員と接する機会があり、重要な意思決定の場に同席することも多々あるため、経営の神髄を学べる貴重なポジション として認識されています。また、企業の機密情報にアクセスでき、他部署では知り得ない全社的な戦略や将来計画に関わることができます。

さらに、経営企画の業務は非常に多岐にわたります。 戦略立案、予算編成、予算統制、M&A検討、新規事業開発、組織再編、機関投資家対応、対外リサーチ、特命の企画業務など、企業運営のあらゆる側面に関与するため、幅広いビジネススキルを習得できます。 これらの総合的な経験が、将来の経営幹部に求められる能力の土台となると考えられています。

このような花形イメージの背景には、企業側の戦略的な意図も存在します。優秀な人材を経営企画に集めることで、企業の競争力を高めると同時に、将来の経営陣を社内で育成するという長期的な人材戦略をとっているのです。つまり、経営企画の花形イメージは、企業の人材戦略と業務内容が相互に作用して形成されたものといえるでしょう。

■どのような企業であれば経営企画からの出世が実現しやすいのか?

(1)中堅企業からIPO準備中のベンチャー企業

経営企画からの出世可能性は、企業の規模、業界、成長段階によって大きく異なります。最も出世が実現しやすいのは、中堅企業からIPO準備中のベンチャー企業です。これらの企業では、経営企画は少数精鋭で運営されており、場合によっては経理部門の担当者が兼任の場合もあるでしょう。 一人当たりの責任と裁量が大きく、成果が直接評価に反映されやすい環境があります。

成長段階にある企業では、経営企画の重要性が特に高まります。事業拡大に伴う組織再編、資金調達、新規事業開発など、経営企画が中心となって推進するプロジェクトが企業の命運を左右するため、成果を上げた経営企画担当者は高く評価され、短期間での昇進も期待できます。

(2)IT・テクノロジー業界、金融業界、コンサルティング業界

業界別に見ると、IT・テクノロジー業界、金融業界、コンサルティング業界での出世可能性が高い傾向があります。あくまでも傾向の話です。これらの業界では、スピードを重視した戦略的思考と分析能力、企画実行力が特に重視され、経営企画での経験が直接的に評価される文化があります。また、 業界全体の成長性が高く、新しいポジションが継続的に創出されることも、出世機会の拡大につながっています。

(3)外資系企業

外資系企業では、日系企業とは異なる出世パターンが見られます。実力主義が徹底され、経営企画で優秀な成果を上げれば、年齢に関係なく上位ポジションに抜擢される可能性があります。特に、 グローバル展開を進める企業では、経営企画での戦略立案経験は高く評価されます。

(4)戦略重視の経営スタイルを取る企業

企業文化も重要な要因です。創業者やトップマネジメントが戦略重視の経営スタイルを取る企業では、経営企画の発言力が強く、出世の可能性も高くなります。

(5)企業の成長ステージ

企業の成長段階や財政状況も出世可能性に影響します。業績好調で拡大基調にある企業では、新しいポジションが次々と創出されるため、経営企画からの昇進機会も豊富です。

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■身につければ出世の確率が高まる5つのスキル

上記のような求人のある経営企画ですが、どのように経営企画の一員になり、所属する経営企画での転職を目指すべきでしょうか。
考えられるスキルが下記のようになります。

(1)財務スキル

経営企画からの出世を実現するためには、単に業務をこなすだけでなく、戦略的にスキルを身につける必要があります。最も重要なのは、数値に基づく論理的思考力です。 経営判断は常にデータに基づいて行われるため、財務分析、市場分析、競合分析などの定量的分析能力は必須 です。

特に財務スキルは、経営幹部への道において極めて重要です。P&L管理、キャッシュフロー分析、投資回収率の計算、企業価値評価など、CFOレベルの財務知識を身につけることで、経営陣からの信頼を獲得できます。経営企画に必須の資格はありませんが、簿記1級、公認会計士、MBA(特にファイナンス分野)などの資格取得も、専門性の証明として有利な資格です。

(2)戦略立案スキル

戦略立案スキルも出世には欠かせません。3C分析、SWOT分析、ポーターの5Forces分析などの基本的なフレームワークの習得に加え、実際のビジネス課題に適用できる応用力が求められます。戦略コンサルティングファームでの研修受講や、MBAプログラムでのケーススタディ学習が効果的です。

(3)プロジェクトマネジメント能力

プロジェクトマネジメント能力は、経営企画の実務において日常的に必要とされるスキルです。実際の大型プロジェクトでのリーダー経験、マネジメント経験を積むことで、この能力を証明できます。特に、異なる部署のメンバーを巻き込んだ全社プロジェクトでの成功体験は、将来の経営幹部としての適性を示す重要な実績となります。

またリーダーシップの能力も重要です。チームをまとめ、方向性を示し、成果を出すという経験を積むことで、将来の経営幹部としての素質を証明できます。社内外での勉強会の主催、プロジェクトチームのリーダー経験、後輩の指導などを通じて、リーダーシップを発揮する機会を積極的に作ることが重要です。

(4)コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力

コミュニケーション能力とプレゼンテーション能力は、アイデアを実現・可視化するために不可欠です。経営陣への提案、他部署との調整、外部ステークホルダーとの交渉など、様々な場面で高度なコミュニケーション能力が求められます。英語力も、グローバル企業では必須のスキルとなります。

(5)デジタル技術に対する理解

近年特に重要性が増しているのは、デジタル技術に対する理解です。AI、IoT、ブロックチェーンなどの新技術が経営に与える影響を理解し、ビジネスや現場感覚を踏まえたデジタル戦略を立案できる能力は、次世代の経営幹部に必須の資質となっています。

■なぜ経営企画から役員になれる人とそうでない人がいるのか?

経営企画からの出世において明暗が分かれる最大のポイントは、「戦略の実行力」の有無です。

多くの経営企画担当者は優秀な戦略立案能力を持っていますが、その戦略を実際に現場で実行し、成果を出すことができる人は限られています。 役員になれる人は、立案した戦略の実行まで責任を持ち、具体的な成果を数値で示すことができる人 です。

(1)成果を可視化する

成果の可視化能力も重要な分岐点となります。経営企画の業務は無形の成果が多いため、自分の貢献を具体的にアピールすることが難しい職種です。しかし、役員まで昇進する人は、「自分が主導したプロジェクトにより売上が〇〇億円向上した」「コスト削減により〇〇万円の効果を創出した」など、定量的な成果を明確に示すことができます。

(2)経営陣と良い関係を築く

経営陣との関係構築能力も大きな差を生みます。単に優秀な分析レポートを提出するだけでなく、経営陣の真のニーズを理解し、期待を上回る提案を継続的に行える人が高く評価されます。

経営陣の考えを先読みし、彼らが必要とする情報を適切なタイミングで提供できる人は、信頼関係を構築しやすくなります。

(3)経営者マインドを持つ

視座の高さも重要な要因です。目の前の業務に追われるのではなく、常に企業全体の将来を考え、長期的な視点で提案できる人が経営幹部としての適性を認められます。これは単なる知識やスキルではなく、経営者マインドを持てるかどうかの問題です。

(4)失敗を恐れず、そこから学ぶ

リスクテイク能力も差を分けるポイントです。経営企画の業務では、不確実性の高い状況での意思決定が求められます。リスクを適切に評価した上で、必要に応じて大胆な提案を行える人が、経営幹部としての資質があると認められます。

また経営企画の業務では、すべての提案が採用されるわけではなく、実行した施策が必ずしも成功するとは限りません。失敗を次の成功につなげられる学習能力と精神的な強さを持つ人が、長期的には高い評価を得ることができます。

(5)社内での政治的センスを磨く

政治的センスも無視できないポイントです。組織内の力学を理解し、適切な人間関係を構築できる能力は、実力だけでは補えない重要な要素です。経営企画は社長直属の組織であることから、多くのアクセス経路を持つことになりますが、社内で構築した人脈を活かした組織作りは組織の発展に不可欠な能力になります。

(6)運を味方にする

企業の成長段階、業界の動向、経営陣の交代時期などのタイミングも、昇進の可能性に大きく影響します。自分の強みが最も活かせるタイミングを見極め、適切な時期にアピールできる人が成功を収めています。運は自分でうまく使うのも能力の一つということができます。

■ポイントは転職エージェントの活用! 経営企画のキャリアを最大化するために

経営企画のキャリアを最大化するためには、転職エージェントとの戦略的なパートナーシップが不可欠です。 経営企画の求人は非公開案件が多く、限られた情報の中で最適な機会を見つけるためには、プロフェッショナルな支援が必要です。 転職エージェントを最大限活用することで、個人では入手困難な情報やチャンスにアクセスできます。

ステップ①経理・会計にくわしい専門のエージェントを選ぶ

転職エージェント選択の戦略的アプローチが成功の出発点となります。経営企画に特化した専門エージェントや、ハイクラス転職に強いエージェントを複数選択し、それぞれの強みを活用することが重要です。

大手総合型エージェントは求人数の豊富さで、ジャスネットのような経理・会計分野に特化型エージェントは専門性の深さで、それぞれ異なる特色あります。各エージェントとの初回面談では、自分のキャリアビジョンと希望条件を明確に伝え、エージェントの専門性と自分のニーズの適合性を確認しましょう。

特にジャスネットは人材紹介業の他に人材派遣業もやっています。このことで、エージェントは企業の人事部門だけでなく経理や経営企画部門の担当者とも繋がっています。このことで、あなたに最適な企業をご紹介することができます。

ステップ②市場価値の客観的評価を受ける

市場価値の客観的評価を転職エージェントから受けることで、現実的なキャリア戦略を立てられます。経験豊富なエージェントは、あなたのスキルや実績を転職市場の基準で評価し、適正年収や転職可能性について具体的なアドバイスを提供してくれます。この客観的な評価を基に、スキルアップの優先順位や転職時期の最適化を図ることができます。

定期的にエージェントと面談を重ね、市場価値の変化を把握することで、戦略的なキャリア形成が可能になります。

ステップ③非公開求人へアクセス

非公開求人への優先的アクセスは、転職エージェント活用の最大のメリット です。経営企画の上位ポジションや将来性の高い企業の求人は、機密性の観点から非公開で募集されることが多く、転職エージェント経由でのみ紹介されます。複数のエージェントに登録することで、より多くの非公開求人にアクセスでき、選択肢を大幅に拡大できます。また、エージェントとの良好な関係を築くことで、新着求人の優先的な紹介を受けることも可能になります。

ステップ④職務経歴書と面接対策の専門的支援

職務経歴書と面接対策の専門的支援により、転職成功率を飛躍的に向上させることができます。経営企画の採用担当者が重視するポイントを熟知したエージェントからの指導により、書類選考通過率を大幅に改善できます。

面接対策では、企業ごとの面接傾向や過去の質問例、評価ポイントなどの詳細情報を提供してもらえるため、的確な準備が可能です。模擬面接やプレゼンテーション練習を通じて、面接での説得力を高めることができます。

ステップ⑤具体的な条件の交渉

年収交渉の専門的サポートは、転職エージェント活用の重要な役割の一つです。 個人では難しい年収交渉も、市場相場データを持つエージェントが代行することで、より高い条件を引き出すことが可能 です。同職種・同レベルの転職実績データを基に、適切な年収レンジを設定し、企業との交渉を有利に進めてもらえます。

また、年収以外の条件(ストックオプション、福利厚生、勤務条件など)についても、総合的なアドバイスをもらえます。

また、転職エージェントからは客観的な第三者としての意見をもらうこともできます。転職先企業の財務状況、組織文化、将来性などについて、公開情報だけでは分からない詳細な情報を提供してもらえます。また、内定獲得後の意思決定においても、冷静な判断をサポートしてもらえるため、転職後のミスマッチリスクを限りなく減らすことができるでしょう。

ステップ⑥長期的なキャリアのフォローを受ける

キャリアの長期的設計においても、転職エージェントは貴重なアドバイザーとなります。単発の転職支援だけでなく、5年後、10年後のキャリアビジョンを踏まえたアドバイスを受けましょう。これができるエージェントとできないエージェントに分かれると思いますが、それはみなさんで見分けましょう。

信頼のおけるエージェントなら、転職してからもフォローアップを通じて、長期的な視点でのその後のキャリアの方向性について相談に乗ってもらったり、意思決定をサポートしてもらえるでしょう。

■まとめ

経営企画は確かに出世の可能性を秘めた魅力的なキャリアパスです。しかし、その可能性を現実のものとするためには、戦略的な思考と継続的な努力が不可欠です。花形部署という甘い誘惑に惑わされることなく、客観的な現実を見据えながら、自分なりの成功を追求することが、真の意味での「出世コース」を歩むことにつながるのです。

また最終的に、転職エージェントとの長期的なパートナー関係を構築することで、キャリア全体を通じた継続的な支援を受けることができます。一度良好な関係を築けば、将来の転職時にも優先的なサポートを受けられ、より良いキャリア機会を獲得できる可能性が高まります。転職エージェントを単なる転職の手段ではなく、キャリア形成のパートナーとして活用することで、経営企画キャリアの真の最大化が実現できるのです。

経営企画での経験を最大限に活用し、あなたの理想のキャリアを実現してください。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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