外資系企業の経理職で働くことは、日系企業での経理業務とどのような違いがあるのでしょうか。
経理の経験はあるものの、外資系企業では働いたことのない方のために、外資系企業専門のエージェントが、その違いと仕事内容、必用な英語力、働くメリット・デメリットについてお話いたします。
いずれ外資系企業で働きたい、今後の転職先として興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
わたしでも入れる?外資系企業の経理部での仕事内容、必用な英語力は?
外資系企業の経理職で働くことは、日系企業での経理業務とどのような違いがあるのでしょうか。
経理の経験はあるものの、外資系企業では働いたことのない方のために、外資系企業専門のエージェントが、その違いと仕事内容、必用な英語力、働くメリット・デメリットについてお話いたします。
いずれ外資系企業で働きたい、今後の転職先として興味があるという方は、ぜひ参考にしてみてください。
一番の大きな違いは、やはり英語の使用頻度と外国人の方とのやり取りの機会が圧倒的に多いことが挙げられます。日系のグローバル企業でもそのような機会はありますが、外資系企業では日常的なため、頻度が違います。
また本国にある本社の権限が強く、経営方針や採用方針などは本国の指示を仰ぐ必要があるなど、日本国内の支社のみで判断できることは少ないのも特徴です。
業務内容として挙げられるのは、会計基準の違いでしょうか。
本国の基準に合わせているため、US-GAAP(米国会計基準)やIFRS(国際会計基準)などが採用されている場合が多いです。
本国へのレポーティングが毎月ある、決算期が12月であることが多い、また当然ですが通貨も違うため、日本円で計算したあとにレポートの際には相手国の通貨に直すなどの作業も必要、なども外資系企業ならではの業務です。会計システム自体も海外と共通なため、SAPやオラクルなどを使用していることが多いです。
アメリカの企業文化として、スピーディな報告を求めるという傾向があるため、欧米系の企業は締め日がタイトな場合が多いです。そのため、たとえ日本の暦で祝日などがあった場合でもそこは考慮されません。
一方、アジア系企業では年末年始の休みや祝日なども考慮してくれる傾向がありますし、本国との時差も少ないため、会議などもタイムリーにやり取りができるメリットがあります。
まずオンオフがはっきりしているため、不要な残業は求められない、仕事終わりの飲み会などのつきあいが少ないなどの傾向はあります。
しかし、本国に家族との時間を大事にする文化が強い傾向があると、ファミリーデーがあったり、ホームパーティなどで親睦を深めたりする機会はあるかもしれません。また規模が小さい企業の場合は、日系企業よりも従業員同士のファミリー的なつながりを重視することもあります。
休暇についても、本国に合わせて2週間の夏のバケーション休暇、12月25日から1週間のクリスマス休暇などが取れる場合もありますが、一方で1月1日からは通常通り業務を行う企業もあるなど、やはり日本の文化とは違う部分も多くあります。
また年功序列の文化はなく、自分の実績を評価されるため、きちんと成果をアピールする必要もあります。
求人票に明記されることは少ないですが、やはり日常的に英語を使うためTOEIC650以上というのは目安になると思います。
さらに重視されるのは、「実務でどのように英語を使用していたか」という部分です。例えば会計システムを英語で使用していた、本国と英語でこのような内容をやり取りしていたなど、採用の際には実務レベルを問われます。
役職によって求められる英語レベルは大きく違うため、スタッフレベルでは読み書きが多少可能でこれから英語を学ぶ意欲のある方、程度でも問題ない場合もありますが、マネージャークラスになると当然、会議などで発言できるレベルの英会話力が求められます。
経理の最低限の知識として、日商簿記3級、できれば2級はあった方がいいと思います。さらにUS-GAAP(米国会計基準)やIFRS(国際会計基準)の知識もあると、なおよいのではないでしょうか。
また、日系企業よりも積極性、主体性を重視し、周りとのコミュニケーション能力などマインドの部分を求める傾向が強いです。
英語の職務経歴書では、「業務でこのような改善をした」「自分がこのようにリードした」などの書き方が好まれることからも、きちんと成果をアピールできる人材を求めているのがわかります。
一般的に給与は日系企業より高い傾向があり、役職が上がるにつれてその伸び幅も大きくなっていきます。
日系企業との平均年収の比較では、スタッフレベルで50~100万、シニアスタッフレベルで100~150万、マネージャーレベルで100~200万、コントローラーレベルで200~400万くらいは高いとお考えください。
一方でボーナスは業績変動制やインセンティブ制など企業によってまちまちなため、最初の時点では金額を明言されない場合もあります。
確定拠出年金を退職金としている企業が多く、日系企業より金額は少ない印象です。
業務時間自体は日系企業とあまり変わりませんが、フレックス制度の会社が多いです。またコロナ禍前から在宅勤務やリモートワークを取り入れており、働き方にバリエーションがあります。
そもそも外資系企業での働き方として、スキルアップ、キャリアップのための転職は当然という認識があるため、日系企業に比べれば離職率は高くなります。
そのため転職回数などにはこだわらず、きちんと経験を積んでいれば、むしろそういった前向きな転職姿勢を評価してもらえるでしょう。
しかし外資系企業の場合は、そもそも日本を撤退する、事業を縮小する、部署が業務委託などでなくなる、などのケースで突然解雇される可能性はあります。
その会社である程度の成果を出し、本人が希望すれば可能性はあると思います。しかし、もし海外での仕事を希望する場合は、日系のグローバル企業における駐在員などの方が求人数は多くあります。
以上になりますが、これから外資系企業の経理で働きたいと考えている方の参考になりましたでしょうか。
外資系企業で働くことで英語力を確実に伸ばすことができますし、給与水準が高いことや、オンオフがはっきりしていることは大きなメリットだと思います。
一方で雇用が不安定であること、即戦力として採用する傾向が高いのですぐに成果を求められることなどは、デメリットかもしれません。
そもそもは、日本に進出している企業ということは、本国では大企業であることが多いため、そこで働くことは転職市場での自分の価値を上げることにもつながります。
また実力主義ということは、裏を返せば実力がつくということです。自分のスキルアップのためにも、外資系企業で働く利点はあるのではないでしょうか。
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