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経理DX! イベント・セミナーレポート
PCA FES 2024 レポート

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税理士 山中 宏

2024年8月7日(水)、東京のザ・プリンスパークタワーで開催されたPCA FES 2024「総務・人事・経理の今知りたいが集まる日」では、多くのビジネスパーソンが集まり、デジタル変革(DX)や最新技術の活用方法についてのセミナーが行われました。

■ セミナーレポート「ChatGPTとノーコードが牽引する新たなDXの世界」

その中で「ChatGPTとノーコードが牽引する新たなDXの世界」について参加してきました。

(1)ChatGPTの業務での活用例

登壇したアステリア株式会社の中山五輪男氏は、ChatGPTを生成AIの代表例として紹介しました。ChatGPTは膨大なデータから学習し、確率に基づいて文章を生成します。

その実用例として、シナリオ作成、ビジネス文書作成、法律相談、面接練習、他国語翻訳、アプリ開発、アンケート作成、議事録作成、市場リサーチ、旅行プラン作成などが挙げられました。

(2)ノーコードツールの活用で業務が変わる

次に中山氏は、中小企業がDXを進める方法としてノーコードツールの活用を提案しました。

ノーコードとは、プログラムを書かずにアプリやWebサイトを作成する技術です。特に、資金や専門人材が不足している中小企業にとって有効です。アステリア社のPlatioというノーコードツールを用いれば、様々な業界向けの業務アプリを簡単に作成できます。

Platioを導入した企業では、現場社員が短時間の講習でアプリを使いこなし、業務の効率化を実現しています。

(3)Platio導入事例の紹介

セミナーでは具体的な導入事例も紹介されました。

例えば、ある製造業では紙の点検表をデジタル化するためにPlatioを導入し、効率が大幅に向上しました。また、ノーコードツールはデータ連携が容易で、Platioとkintoneを連携させることで店舗スタッフの管理業務を効率化。

株式会社リンガーハットでは、紙の書類による煩雑な管理をノーコードツールで解消し、業務負荷を軽減したとのことです。

PCAフェス 2024のセミナーは、生成AIとノーコードツールを活用した自社主導のDXの重要性を再認識する場となりました。

イベント写真

■ Chat GPTによって、経理業務がどのように変わるか(税理士の近未来予測)

ここからは今回のセミナー出席をうけて、どのような業務がChat GPTやノーコードツールを使ってのアプリに置き換わるか考えてみます。

長らく、一般事業会社の経理部で働いていたわたしとしては、下記の4つがまず考えられます。

(1)立替金仕訳の自動処理

営業担当者が「電車賃300円立て替えて支払った」際に、アプリ上に「電車賃300円」と入力すると、ChatGPTはその情報を自動的に会計ソフトに仕訳として入力します。この自動化により、経理担当による手動入力によるミスが減少し、簿記の仕訳の知識がなくても経費処理を行うことができるようになります。

また、頻繁に発生する経費についてはオリジナルのGPTをつくってテンプレート化してしまえばミスを大幅に減らすことができます。

(2)リアルタイムのフィードバック

経費申請が入力されると、ChatGPTはその内容を即座に分析し、適切かどうかをリアルタイムでフィードバックします。

例えば、申請された金額が予算内であるか、必要な添付書類が揃っているかなどをチェックし、申請者に改善点を提示します。これにより、経理担当の大幅な業務省力化が図られるばかりか、申請の精度が向上し、後続の手続きがスムーズになります。

(3)帳簿の整合性チェック

ChatGPTにより、会計システムに入力されたデータの不整合やエラーを自動検出し、修正案を提示します。

例えば、二重入力や金額の不一致などを検出し、担当者に通知します。これにより、帳簿の正確性が保たれ、監査時、税務調査時に指摘される問題を事前に知ることができます。

(4)社員の業務管理

社員一人一人でオリジナルのGPTを使うことにより、「今日やることはなに?」と質問すればChatGPTが答えてくれて管理までしてくれるといった未来も考えられます。

ChatGPTのカメラ機能と連携することにより、「2時間働いたからそろそろ休憩してください」「その仕事は前月(先週)より15%効率が上がってます」等、仕事の能率管理の役割も果たしてくれます。

経理部において、なにか一つの業務にこういった新しい技術が導入されると、その後、その組織で広まっていくスピードは早い気がします。

このように、ChatGPTを経理プロセスに組み込むことで、社員のモチベーションを保ち、業務の正確性、効率化の向上、省力化が図れるのではないでしょうか。これまで夢物語だったことも、現事実に近づいているのではと感じるセミナーでした。

執筆者プロフィール

山中 宏(やまなか ひろし)
税理士

1995年中小企業診断士取得、2014年税理士登録、2020年ウェブ解析士取得。2021年6月山中宏税理士・中小企業診断士事務所開業。

会計事務所、大手自動車メーカー他実務経験が豊富。管理職経験が長く会社間や人とのコミュニケーション能力が高い。

現在では税理士として決算、税務相談、確定申告を行うだけでなく、中小企業診断士・ウェブ解析士として実地のコンサルティング、ウェブ集客・SNS集客を通して売上拡大、集客拡大の支援を行う。

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