企業の経理部と部門のリーダーに求められる役割は?
公認会計士 江黒 崇史
■経理部門リーダーの仕事内容とは
(1)経理部門の役割は?
経理部門の役割としては大きくは「会計業務、予算管理、税務申告、資金管理、財務報告、内部統制、監査対応、現金預金管理」などです。
このように経理部は会社の様々な情報を入手して、会社の業績を把握したり、その情報を社内外の利害関係者へ報告したり、企業価値向上につながる活動をする部門となります。
(2)経理部門リーダーに求められる役割は?
その中での経理部門のリーダーの仕事内容は、大きくは下記になるでしょう。
- 財務、経理関連業務の統括
- 予算と実績の管理業務
- 経理(管理)人員の管理、指導
- 戦略的意思決定や経営企画業務等の支援
- 社内外の監査の対応
- 財務の安定と透明性の確保
- 社外関係者への説明、対応
経理部門のリーダーは会社情報の入手、分析、報告の責任者となります。気にしなくてはならない一例としては、下記のようなことが挙げられます。
「予算計画通りに売上や支出、業績が推移しているか」
「前年または例年と比較して、異常値となっている事象や入出金状況はないか」
「会社の成長を支援するためにできることはないか」
「経営者の意思決定を支えることができる情報はないか」
「投資家へ提供する有益な情報はないか」
会社情報や管理業務の総監督の視点で情報を把握してまとめて、問題や改善点があるのであれば経営陣や他部門に報告する立場です。
さらに管理職として、部門の人員管理や部下の育成、マネジメントにも携わらなくてはなりません。企業によっては、管理部門の採用や人事考課全般に携わることもあるでしょう。
近年では経理部長からCFO(最高財務責任者)へと進み経営者ポジションへ就く方も増えており、経理部門リーダーは大変やりがいのある仕事と言えるでしょう。
では企業ステージ別に経理部門リーダーの業務を見ていきましょう。