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初心者でもわかる!経理担当者に最低限必要なExcel(エクセル)への理解と知っておくべき関数

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ジャスネットキャリア編集部

経理担当者として求められるスキルの中で、今や「Excelが使えるかどうか」は業務の正確さとスピードを左右する重要な要素です。

本記事では、初心者でも理解できるように、経理業務でExcelが必要とされる理由から、実際に使われる関数、便利な機能やショートカット、さらには効率的な学習法までをわかりやすく解説します。

「何から学べばいいかわからない」「最低限押さえるべきポイントが知りたい」といった方にも最適な内容です。

目次

■経理に置換が必要な理由

経理業務においてExcelが必要とされる理由は、大きく3つあります。

①データの整理と集計においてExcelは非常に柔軟であり、帳票作成やレポート作成に適している。
②他の業務ソフト(会計ソフトや販売管理システムなど)と連携しやすく、データの取り込み・加工が容易である。
③Excelは再現性と拡張性に優れており、一度作成したテンプレートやマクロは繰り返し使うことができ、業務の標準化にも貢献できる。

現場の声として、ある経理マネージャーは「会計ソフトで処理できることには限界があり、分析や社内用の資料作成はほとんどExcelで対応している。特に決算期はExcelが使えるかどうかで仕事の質が変わる」と述べています。
Excelのスキルは、まさに経理の“実務力”そのものといえるでしょう。

■置換を使う経理業務

経理業務において、Excelが活躍する場面は非常に多岐にわたります。 例えば、仕訳入力のためのテンプレート作成や、請求書・入金管理、経費精算のデータ集計、月次・年次決算資料の作成、さらには税務申告の補助資料作成まで、幅広い業務に関わっています。

月次決算時にはExcelを使って各勘定科目の金額を集計し、前年同月や予算と比較する資料を作成します。売掛金や買掛金の管理にも、請求データをExcelで一覧にし、入金状況と照合することでスムーズな消込が可能となります。

さらに、経費精算においては、申請されたデータをExcelで取りまとめ、不備のチェックや科目分類を行うことで、ミスの少ない仕訳処理につながります。

【Excelを使う経理業務一覧】

業務内容 Excelの用途
仕訳入力 データ整理・仕訳テンプレート作成
売掛・買掛管理 請求書一覧・入金管理・消込表作成
経費精算 申請データ集計・不備チェック
月次・年次決算 勘定科目別集計、分析資料作成
税務申告 申告資料の下準備

このように、Excelは単なるデータの記録ツールではなく、経理業務における「集計」「分析」「確認」のための中核的なツールといえるのです。

■経理業務で役立つ置換関数

(1)基本計算で使う関数

●SUM 関数(合計算出)
用途:指定範囲内の数値の合計を自動で計算する関数です。
使用例:=SUM(B2:B10)
経理での使い方:月間の経費や売上、仕訳金額の集計に利用されます。たとえば、交通費精算書で1か月分の交通費合計を求める際に使用。

● AVERAGE 関数(平均値算出)
用途:選択された範囲内の平均値を自動算出する関数です。
使用例:=AVERAGE(C2:C10)
経理での使い方:部署ごとの平均売上や、過去数か月の平均支出額を把握する際に活用。

● MAX 関数(最大値)
用途:指定された範囲内で最も大きい数値を抽出します。
使用例:=MAX(D2:D12)
経理での使い方:最大支出金額や最高売上額を確認する際に有効。

● MIN 関数(最小値)
用途:指定範囲の中で最も小さい数値を抽出します。
使用例:=MIN(D2:D12)
経理での使い方:最低経費や最低入金額のチェックに使用。

● ROUND / ROUNDDOWN / ROUNDUP(端数処理)
用途:ROUND 四捨五入 / ROUNDDOWN 切り捨て / ROUNDUP 切り上げ
使用例:=ROUND(E2, 0)(小数点以下を四捨五入)
経理での使い方:消費税計算や単価の調整、会計上の端数処理に不可欠。

(2)データ処理で使う関数

● IF 関数(条件分岐)
用途:指定した条件に応じて、数値や表示を自動で変えられる関数です。
使用例:=IF(A2>1000, "高額", "通常")
経理での使い方:経費が一定額を超えた場合にフラグを立てる、勘定科目の自動振り分けなど。

●COUNT 関数(件数カウント)
用途:指定した範囲内で、数値が入力されたセルの数をカウントします。
使用例:=COUNT(B2:B100)
経理での使い方:請求書の枚数、仕訳件数などのカウントに使用。

●VLOOKUP 関数(データの照合抽出)
用途:指定した範囲内から条件と一致する値を探して取得する関数です。
使用例:=VLOOKUP(1001, A2:D10, 3, FALSE)
経理での使い方:社員番号に応じた氏名や部署名、科目コードに対する勘定科目の取得に活用。
※最近では XLOOKUP 関数が推奨されるケースもあります。

●RANK 関数(順位付け)
用途:範囲内での数値の順位を表示します。
使用例:=RANK(E2, E2:E10)
経理での使い方:支出額が多い部署のランキング表示や、売上ランキング作成など。

※Excelの新しいバージョンでは RANK.EQ(同順位の場合、同じ順位)や RANK.AVG(平均順位)を使うことが推奨されています。

●SUBTOTAL 関数(集計)
用途:フィルタ適用後でも正しく合計・平均などを出すことができる集計関数。
使用例:=SUBTOTAL(9, C2:C10)(9は合計)
経理での使い方:フィルタで特定部門や条件を絞り込んだ後の合計や平均を取得する際に便利。

●TODAY 関数(日付)
用途:今日の日付を自動で表示します。
使用例:=TODAY()
経理での使い方:報告書や帳票の「作成日」欄に使用。日付の自動更新が可能。

●TEXT 関数(表示形式の整形)
用途:数値や日付を指定した形式で文字列として表示。
使用例:=TEXT(A1, "yyyy/mm/dd")
経理での使い方:通貨記号を付ける、桁区切りを追加する、日付フォーマットを統一するなどの用途に最適。

■経理が使うその他のExcel機能

Excelには、関数だけではなく業務効率を飛躍的に高める多くの機能があります。

(1)フィルター

大量のデータから特定の条件に合致するデータだけを抽出するための機能です。これにより、効率的にデータの抽出や検索が可能となります。例えば、売上データから特定の期間の売上を抽出したり、特定の商品の売上だけを表示することができます。

(2)ピポットテーブル

大量のデータの中から、作業に合わせて必要なデータを抽出して集計表を作成する機能です。置換画面中に表示された集計用のスペースに、データを整理して表示できます。ピボットテーブルを使うと、売上データの中から月ごとに商品別の集計表を作成するような作業を効率化することが可能です。

(3)条件付き書式

セルの値に応じて色やフォントを変更できる機能で、未入力や異常値を視覚的に把握するのに最適です。

(4)テーブル機能

データ範囲の指定や自動拡張、フィルタリングなどがスムーズに行え、安定したデータ管理が可能です。

(5)マクロ(VBA)

請求書の自動作成や定型フォーマットへのデータ転記といった、繰り返し作業を自動化できます。日々の決まった作業や月次処理など、一定のパターンで行われる業務は、マクロ機能でワンクリック操作が可能になります。 これにより、作業時間の大幅な短縮とヒューマンエラーの削減が実現できます。

実際には「マクロの記録」という機能を使い、自動化したい処理をひと通り操作して記録すると、次回からは一連の処理が自動的に実行されるのです。

■経理業務で役立つ置換ショートカット

業務効率化において見落とされがちですが、Excelのショートカットを使いこなすことで、作業スピードは大幅に向上します。

【経理業務で役立つ置換ショートカット一覧】

操作 ショートカットキー
行の挿入 Ctrl + Shift + +
行の削除 Ctrl + -
セル内改行 Alt + Enter
フィルタ設定 Ctrl + Shift + L

このようなショートカットを覚えておくことで、マウス操作を最小限に抑え、業務時間を20〜30%削減することも可能です。

■40代経理の転職の成功事例

Excelスキルを高めるには、日常業務をベースにした実践的な学習が最も効果的です。とくに社内で実際に扱うデータや帳票を使って、自分なりのフォーマットを作成したり、既存のテンプレートを改善したりする中で「生きたスキル」が身につきます。
たとえば、実際の交通費精算表をもとに IF 関数や VLOOKUP を使って自動判定を加えるといった取り組みは、学びと実務が直結する好例です。

また、書籍での学習も有効ですが、最近ではYouTubeやUdemyといったオンライン学習プラットフォームが人気です。これらでは、経理に特化したExcel講座や、ピボットテーブル・マクロの使い方など実務に直結した内容を動画で学べます。特に動画形式は視覚的に理解しやすく、実演を見ながら手を動かせるため、初心者にもおすすめです。

さらに、スキル証明として「MOS(Microsoft Office Specialist)」などの置換実務検定資格を取得することもキャリアアップに有効です。企業によっては、採用や人事評価においてMOS保持者を優遇するケースもあります。資格取得の過程で網羅的なスキル習得も期待できるため、一石二鳥といえるでしょう。

■経理担当者におすすめのExcel学習法

経理担当者にとって、Excelはもはや単なるツールではなく「仕事の品質を決定づけるスキルセット」です。関数を使いこなせば計算や分類が瞬時に行え、ピボットテーブルやマクロで分析や自動化まで実現可能です。さらに、ショートカットや書式設定の知識があれば、日常業務の生産性が格段に向上します。

今後、経理業務のデジタル化やクラウド化が進んでも、Excelスキルはその基盤となる力として求められ続けるでしょう。日々の業務に活かしながら、最新の学習法や資格取得などで自らのスキルを磨き続けることが、経理としての市場価値を高める最善の方法です。

Excelを使いこなすことで、「作業者」から「提案できる経理」へと一歩前進することができるはずです。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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