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経営企画を目指す人のためのオススメ資格完全ガイド~なぜ必要で、どのように取得すべきか~

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2025年9月9日 ジャスネットキャリア編集部

「経営企画を目指したいが、どんな資格を取ればいいのかわからない」「未経験でも経営企画に転職できるのか不安」「今の自分に足りない知識やスキルが何なのかを知りたい」…
このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。

経営企画は企業の中核を担う重要なポジションでありながら、具体的になるための道筋が見えにくい職種の一つです。実は経営企画に必須の資格は存在しませんが、戦略的な資格取得により大幅にキャリアアップの可能性を高めることができます。

本記事では、キャリアパス別の最適な資格戦略から実務での活用方法まで、経営企画として成功するための具体的なロードマップをお示しします。

目次

■経営企画における資格の真の価値とは

「経営企画を目指すなら、どの資格を取ればいいのでしょうか?」
これは私がキャリア相談を受ける際に、多く聞かれる質問の一つです。しかし、まず最初に明確にしておきたいのは、 経営企画に就くために必須の資格は存在しない ということです。多くの優秀な経営企画担当者が、特別な資格を持たずにその職責を果たしているのが現実です。

この事実を踏まえた上で、なぜ多くの人が経営企画と資格を関連付けて考えるのでしょうか。それは、経営企画という職種の性質上、極めて幅広い専門知識が要求されるためです。 財務分析から事業戦略立案、M&A実行、新規事業開発まで、経営企画は企業の頭脳として機能する部署であり、単一の専門性だけでは対応できない複合的な業務を担当します。

資格は、この複雑で多岐にわたる経営企画業務に必要な知識体系を体系的に習得し、その専門性を対外的に証明するための有効なツールとなります。つまり、資格は必須ではないものの、経営企画として成功するための強力な武器になり得るということです。

特に以下のような場面では、資格の価値が顕著に現れます。 未経験から経営企画への転職を目指す場合、実務経験がない分を知識と学習意欲で補完する必要があります。 また、現在の業務で不足している専門知識を補強したい場合、体系的な学習機会として資格取得は非常に効果的です。さらに、 将来的なキャリアアップや転職時の差別化を図りたい場合、客観的な能力証明として資格は大きな武器となります。

経営企画において資格が持つ価値は、知識習得と信頼性証明の二つの側面があります。実務経験が豊富であっても、それを短時間で客観的に証明する手段として資格は極めて有効です。特に転職市場においては、限られた面接時間の中で自分の専門性と学習能力をアピールする必要があるため、資格という明確な指標は採用担当者にとって分かりやすい判断材料となります。

重要なのは、資格取得の目的を明確にすることです。何のために資格を取るのか、それが現在の自分のキャリア目標とどう結びつくのかを深く考えた上で、戦略的に資格取得に取り組むことが成功の鍵となるでしょう。

■資格①:経営企画の基盤となる「中小企業診断士」

中小企業診断士は、経営企画を目指す人にとって最も価値の高い資格の一つです。「経営コンサルタントの唯一の国家資格」という位置付けが示すように、経営全般に関する幅広い知識を体系的に学習できる点で、経営企画業務の土台作りには最適な資格の一つといえます。

(1) 学習内容が経営企画の実務に直結している

この資格の最大の魅力は、学習内容が経営企画の実務に直結していることです。
企業経営理論では組織論やマーケティング戦略を、財務・会計では財務分析や管理会計を、運営管理では業務プロセス改善や品質管理を学びます。また経営法務、経営情報システムなどの実務知識も習得することができます。 これらの知識は、経営企画部門で日々扱う業務そのものであり、資格取得の過程で身につけた知識をすぐに実務に活用することができます。

また、中小企業診断士の学習プロセスは、経営企画に必要な思考力も養ってくれます。多角的な視点から企業を分析し、課題を特定し、解決策を提案するという一連の思考プロセスは、まさに経営企画業務の核心部分です。試験勉強を通じて、この思考の型を身につけることができるのは大きなメリットです。

(2)転職市場での評価も非常に高い

転職市場での評価も非常に高く、特に 未経験から経営企画を目指す場合には、この資格があることで大きなアドバンテージを得られます。 採用担当者にとって、中小企業診断士の資格は「経営に関する基礎的な知識を体系的に学んでいる」「継続的な学習能力がある」「経営への関心が高い」という複数のメッセージを同時に伝える強力なシグナルとなります。

ただし、中小企業診断士の資格取得には相応の時間と努力が必要です。一次試験の7科目すべてに合格し、さらに二次試験の論述・口述試験を突破する必要があります。働きながらの取得を目指す場合、1年から2年程度の学習期間を見込んでおくべきでしょう。しかし、この投資に見合う価値は十分にある資格です。

■資格②:経営企画としての競争力を高めることのできる「MBA」

MBA(経営学修士)は、経営企画職において最高レベルの専門性と信頼性を証明する資格として位置づけられています。 特にグローバル企業や外資系企業での経営企画を目指す場合、MBAの価値は計り知れないものがあります。

(1)戦略的思考力を養成できる

MBAが提供する第一の価値は、戦略的思考力の体系的な養成です。 経営戦略論、組織行動論、マーケティング戦略、ファイナンス理論など、経営企画に直接関わる分野を学術的な裏付けとともに深く学ぶことができます。
ケーススタディを中心とした実践的な学習方法により、複雑なビジネス課題を構造化して分析し、論理的な解決策を導き出す能力が身につきます。

(2)グローバルな視点が身につく

MBAプログラムで培われるグローバルな視点も、現代の経営企画には不可欠です。多様な文化背景を持つ同級生との議論を通じて、日本だけでなく世界各国の市場特性やビジネス慣行を理解することができます。これは、海外展開を検討している企業や、外資系企業での経営企画業務において大きなアドバンテージとなります。

(3)資産となるネットワーク

MBAホルダーのネットワークも見逃せない価値です。同窓生には将来的に各企業の経営層となる人材が多く含まれており、このネットワークは長期的なキャリア形成において貴重な資産となります。

ただし、MBAには取得コストと時間投資の大きさという課題があります。国内のMBAプログラムでも年間200万円程度、海外の一流校であれば1000万円を超える費用が必要です。また、フルタイムプログラムの場合は2年間の就業停止が必要となり、キャリアの中断というリスクも考慮しなければなりません。

近年では、 働きながら取得できるエグゼクティブMBAやオンラインMBAプログラムも充実してきており、これらを活用することで時間とコストの制約を軽減できる 場合があります。また、企業によってはMBA取得支援制度を設けているところもあるため、現在の勤務先でそのような制度が利用できるかを確認してみることをお勧めします。

MBAの価値を最大化するためには、取得タイミングも重要です。ある程度の実務経験を積んだ後にMBAを取得することで、学習内容を実体験と結びつけて理解することができ、より深い学びを得ることができます。

■資格③:経営企画の必須スキルとしての「簿記検定」

日商簿記検定は、経営企画を目指す人にとって最も基礎的でありながら、重要な資格の一つです。「数字を読めない経営企画はあり得ない」というほど、財務・会計の知識は経営企画業務の根幹を成しているからです。経営企画を希望するならば必要最低限のハードルとして「日商簿記検定2級」資格は必要かと思います。

(1)日商簿記2級レベルは最低限の必要条件

簿記2級レベルの知識は、経営企画における最低限の必要条件 といえます。

貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の構造を理解し、これらの財務諸表から企業の財務状況や経営課題を読み取る能力は、日々の業務で欠かせません。予算策定、業績分析、投資判断など、経営企画の主要業務はすべて数字に基づいた分析が前提となっています。

簿記1級まで取得できれば、より高度な管理会計の知識を証明できます。原価計算、予算管理、業績評価システムなど、経営企画部門で扱う管理会計の領域について深い理解を持っていることのアピールになるでしょう。特に、事業部門別の収益性分析や、投資プロジェクトの経済性評価などの業務では、簿記1級で学ぶ知識を直接活用することができます。

(2)最大の利点は、取得の確実性と費用対効果の高さ

簿記検定の最大の利点は、取得の確実性と費用対効果の高さです。 他の高度な資格と比較して、比較的短期間で確実に取得できるため、経営企画への転職準備の初期段階で取り組むのに最適 です。受験料も他の資格と比べて格段に安いのも魅力です。

実務での活用場面も非常に具体的で分かりやすいのが特徴です。月次業績レビューでの数値分析、新規事業の採算性検討、M&A案件のデューデリジェンス、予算策定時の各部門との調整など、簿記の知識が直接役立つ場面は日常的に存在します。

また、簿記検定は他の高度な資格への橋渡し的な役割も果たします。公認会計士や税理士などの会計系資格、中小企業診断士の財務・会計科目、MBAのファイナンス科目など、経営企画に関連する多くの資格で簿記の知識が基盤となります。 最初に簿記をしっかりと学んでおくことで、後の学習効率を大幅に向上させることができるのです。

ただし、簿記の知識だけでは経営企画業務の全てをカバーすることはできません。 財務・会計は経営企画の重要な要素の一つですが、 戦略立案、マーケティング、組織論、経営法務など他の専門領域との組み合わせによって 初めて経営企画としての価値を発揮します。簿記検定を足がかりとして、段階的に専門性の幅を広げていく学習戦略を立てることが重要です。

■資格④:高い専門性と信頼性を証明する「公認会計士」

公認会計士は、経営企画において非常に高い専門性と信頼性を証明する資格です。 これらの資格保持者は、財務・会計分野における最高レベルの知識とスキルを持っているものとして評価され、特に財務戦略や投資判断が重要な経営企画ポジションでは大きなアドバンテージとなります。

(1)公認会計士

公認会計士の最大の強みは、監査業務を通じて培われる企業分析能力です。多様な業界の企業を監査した経験により、業界特性を踏まえた財務分析や、リスク要因の特定能力が身についています。経営企画においてM&A案件を検討する際のデューデリジェンス、新規事業の収益性評価、既存事業の業績改善策立案など、公認会計士としての経験と知識が直接活用される場面は多岐にわたります。

また、公認会計士は監査法人での勤務経験を通じて、大企業の経営層との折衝経験を豊富に持っていることが多いのも特徴です。この経験は、経営企画として経営陣に対して戦略提案を行う際のコミュニケーション能力や、経営層の思考パターンの理解につながります。その他に公認会計士は、一定レベル以上の経営学の知識や経営法務の知識を有していることが期待されます。こうした多角的な知識を活かせば経営企画の実務に有効に反映されることになります。

(2)経営企画から先のキャリアも目指せる資格

この資格の転職市場での価値も非常に高く、特に上場企業や外資系企業の経営企画ポジションでは、会計士資格の保有が応募要件に含まれることも珍しくありません。また、これらの資格を持っていることで、CFOやCEOといった将来的な経営層ポジションへのキャリアパスも見えやすくなります。

ただし、これらの資格取得には相当な時間と労力が必要です。公認会計士は合格まで2~3年、実務経験や実務補習を含めると5年程度の期間が必要です。また、資格取得後も継続的な研修や専門知識のアップデートが求められるため、長期的なコミットメントが必要な資格といえます。

実務での活用を考える際は、これらの高度な専門性を経営戦略の文脈で応用することが重要です。単なる会計・監査の専門家ではなく、これらの知識を活用して企業価値向上に貢献できる経営企画担当者としての価値を発揮することが求められます。そのためには、会計・監査の専門知識に加えて、戦略論やマーケティング、組織論などの経営学的な知識も合わせて学習することが効果的です。

■資格⑤グローバル企業の経営企画で高い評価を受ける「英語力」

グローバル化が進む現代において、英語力は経営企画担当者にとって必須のスキルとなっています。経営企画のTOEIC受験者の平均点は771.9点で、「企画/管理」系14職種中トップという事実が示すように、経営企画では高い英語力が求められ、それが職種の特徴となっています。

(1)TOEIC800点以上が応募資格

経営企画における英語の必要性は多岐にわたります。海外子会社や海外拠点との戦略会議、外資系企業とのM&Aや業務提携交渉、海外市場参入戦略の立案、グローバル本社への業績報告など、国境を越えたビジネス活動が日常的に行われているからです。これらの業務では、単なる日常会話レベルではなく、ビジネスの専門用語を駆使した高度なコミュニケーション能力が求められます。

TOEIC800点以上のレベルになると、英文の財務諸表や契約書の読解、英語でのプレゼンテーション、海外の投資家との面談対応なども可能 になります。このレベルの英語力があることで、外資系企業やグローバル企業の経営企画ポジションへの応募資格を満たすことができ、キャリアの選択肢が大幅に広がります。

英語力を証明する資格として、TOEICが最も一般的ですが、近年ではTOEFLやIELTS、英検1級なども評価される傾向にあります。また、MBA留学経験やビジネス英語検定(BULATS)なども、実務で使える英語力の証明として有効です。重要なのは、単に資格スコアが高いだけでなく、実際のビジネス場面で使える実践的な英語力を身につけることです。

(2)継続的な学習と実践的な使用経験の蓄積が不可欠

外資系企業での経営企画を目指す場合、英語は単なるコミュニケーションツールを超えて、思考言語として機能する必要があります。英語で戦略を立案し、英語で分析結果をまとめ、英語でプレゼンテーションを行うことが日常業務となるためです。このレベルに達するには、継続的な学習と実践的な使用経験の蓄積が不可欠です。

英語力向上のための具体的な方法として、経営・ファイナンス関連の英語文献の多読、海外のビジネスニュースの定期的な視聴、英語でのケーススタディ分析、オンライン英会話でのビジネス英語練習などが効果的です。また、社内の国際的なプロジェクトに積極的に参加することで、実際のビジネス場面での英語使用経験を積むことも重要です。

ただし、英語力だけでは経営企画として成功することはできません。 英語は専門知識を効果的に伝えるためのツールであり、その基盤となる経営・財務・戦略に関する専門知識があってこそ価値を発揮します。 英語学習と並行して、経営企画に必要な専門知識の習得も継続的に行うことが、真の競争力構築につながります。

■キャリアパス別で変わる「あなたに必要な資格」

経営企画へのキャリアパスは多様であり、それぞれの出発点と目指す方向性によって、最適な資格戦略は大きく異なります。自分の現在地と目標を明確にした上で、最も効率的な資格取得プランを策定することが成功の鍵となります。

どのパスを選択する場合でも、資格取得は段階的に進めることが重要です。一度に複数の高難度資格に挑戦するよりも、一つずつ確実に取得し、その知識を実務で活用しながら次のステップに進む方が効果的です。また、資格取得と並行して、実務経験の蓄積も怠らないようにすることが、経営企画としての真の実力向上につながります。

(1)未経験から経営企画を目指す

未経験から経営企画を目指す場合は、まず経営企画業務への適性と意欲を示すことが最優先となります。このため、 中小企業診断士と簿記検定2級以上の組み合わせが最も効果的 です。

中小企業診断士は経営全般への理解を、簿記検定は財務分析の基礎能力を証明する資格として機能します。これらの資格があることで、未経験であっても経営企画への転職成功率を大幅に向上させることができます。

(2)財務・経理からの転職

財務・経理から転職する場合は、 既存の財務知識を戦略的思考に発展させることが重要 です。公認会計士資格を持っている場合は、それらをベースに中小企業診断士やMBAで戦略論を学ぶことで、財務と戦略の両面に強い経営企画担当者としてのポジショニングが可能になります。簿記1級保有者も、同様のアプローチで専門性の幅を広げることができます。

(3)コンサルティングファームからの転職

コンサルティングファームから転職する場合は、既に戦略的思考力は身についているため、 事業会社特有の実務知識を補完することが焦点となります。

業界特有の会計基準や規制要件の理解、長期的な組織運営の視点などを身につけるため、簿記検定や業界特化型の資格取得が有効です。また、特定の業界での専門性を深めるための業界資格取得も考慮すべきでしょう。

(4)営業・事業部門からの転職

営業・事業部門からの転職では、現場感覚という強みを活かしつつ、分析的思考力と財務知識を補強することが必要です。たとえば簿記検定で財務の基礎を固め、その後中小企業診断士で全体的な経営知識を体系化するというステップが効果的です。 業界経験という強みがあるため、同業界での経営企画ポジション獲得には高い成功可能性があります。

(5)IT・技術系からの転職

IT・技術系からの転職では、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が重要な経営課題となっている現代において、技術的知見は大きな競争優位となります。技術的専門性に加えて 経営・財務の知識を習得することで、技術戦略と経営戦略を統合できる希少人材としてのポジショニングが可能です。

(6)外資系企業を目指す

外資系企業を目指す場合は、英語力が絶対条件となります。 TOEIC850点以上、できれば900点以上のレベルが求められる ことが多く、加えて海外MBAやUSCPA(米国公認会計士)などの国際的な資格があると強いアドバンテージとなります。グローバルな視点での戦略立案能力を証明する資格群の取得が重要です。

■なぜ資格よりも実務経験が重視される場面があるのか

「資格はあくまで入り口であり、実務経験こそが経営企画の真の価値を決定する」
これは多くの経営企画責任者が共通して口にする言葉です。資格が知識の体系的習得と専門性の証明という重要な役割を果たす一方で、経営企画の現場では資格だけでは解決できない複雑で多面的な課題が日常的に発生するためです。

ただし、これは資格の価値を否定するものではありません。実務経験と資格知識は相互補完的な関係にあり、両方を兼ね備えることで経営企画としての真の実力を発揮できます。 資格によって体系的な知識基盤を構築し、実務経験によってその知識を実践的に活用する能力を養う。この両輪がバランス良く機能することが、優秀な経営企画担当者の条件 といえるでしょう。

(1)経営企画業務の複雑性と不確実性

実務経験が重視される最大の理由は、経営企画業務の複雑性と不確実性にあります。
教科書的な理論と現実のビジネス環境には大きなギャップが存在し、そのギャップを埋めるためには実際の業務経験から得られる実践的な判断力が不可欠です。例えば、財務分析の手法は資格勉強で学べますが、その結果をどう解釈し、どのような戦略提案につなげるかは、実際の業務経験を通じて身につく能力です。

(2)多様なステークホルダーとの調整業務

また、経営企画では社内外の多様なステークホルダーとの調整業務が重要な要素となります。経営陣への提案、各部門との調整、外部パートナーとの交渉など、これらのコミュニケーション能力や調整力は座学では身につかない実践的なスキルです。相手の立場や利害関係を理解し、Win-Winの解決策を見出す能力は、実務経験を通じてのみ養われます。

(3)実務経験から生まれるプロジェクトマネジメント能力

プロジェクトマネジメント能力も実務経験から生まれる重要なスキルです。
経営企画が立案した戦略や施策を実際に実行に移すためには、複数の部門や外部のパートナーを巻き込んだプロジェクトを成功に導く必要があります。スケジュール管理、リスク対応、品質管理、チームビルディングなど、プロジェクト成功のための要素は実際の経験を通じて学ぶものが大部分を占めています。

(4)業界特有の知識や経営法務、商慣行の理解

業界特有の知識や経営法務、商慣行の理解も、実務経験によって培われる重要な要素です。
同じ財務分析手法であっても、製造業とサービス業では注目すべきポイントが異なり、業界の競争構造や法的な規制環境を理解していなければ適切な戦略立案はできません。この種の実践的な業界知識は、その業界での実務経験を通じてのみ習得可能です。またビジネスを進めていくにあたっては法的素養を身につけておくことは最低限必須です。こうした素養を養うことは経営企画を多面的に実行するために必要な要素です。

(5)実際のビジネス現場でのトライアンドエラー

経営企画では「仮説思考」と「実行力」が重要視されます。限られた情報と時間の中で最適と思われる仮説を立て、それを検証しながら修正していく能力は、実際のビジネス現場でのトライアンドエラーを通じて身につくものです。
資格勉強で学ぶ理論は重要な基盤となりますが、それを現実の課題解決に応用する能力は実務経験によってのみ培われます。

まとめ:経営企画における資格活用の展望

経営企画を取り巻く環境は急速に変化しており、従来の資格体系や評価基準も大きく変わりつつあります。デジタル化の進展、ESG経営の重視、グローバル化の深化など、これらの変化を踏まえた新しい資格戦略を構築することが、将来の経営企画として成功するための鍵となります。

このような変化に対応するため、経営企画を目指す人は従来の資格に加えて、新しい分野の知識とスキルを継続的に学習する姿勢が不可欠です。資格取得を通じた学習習慣の確立、学習能力の向上、新しい分野への適応力の養成など、資格取得プロセスで培われる「学習する力」こそが、変化する環境での競争力の源泉となります。

経営企画という職種は、企業の未来を創造する重要な役割を担っています。そのために必要な知識とスキルは多岐にわたり、一朝一夕に身につくものではありません。しかし、適切な資格取得戦略を立て、継続的に学習を重ね、実務での活用を通じて専門性を深化させることで、必ずや企業の成長と自身のキャリア発展を同時に実現できる経営企画担当者になることができるはずです。

資格は目的ではなく手段です。真の目的は、これらの資格を通じて得た知識とスキルを活用し、企業価値向上に貢献することにあります。この視点を常に持ち続けながら、戦略的かつ継続的な学習に取り組むことで、経営企画としての輝かしいキャリアを築いていってください。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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