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【2025年版】経理の年収はどれくらい?年代別・業界別・資格別に徹底解説!

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ジャスネットキャリア編集部

経理とはどの企業にも存在する会社の金銭出納・財産に関する事務処理およびそれに従事する人のことです。どんな仕事をして、どれほどの年収をもらっているのか気になっている人も多いかと思います。

この記事では、経理の基本業務から世代・役職・性別ごとの年収や、年収を上げるのに必要な資格やスキル、転職事例などを紹介します。

目次

■ 経理の仕事内容とは?

(1)経理の基本業務

経理業務とは、「お金やモノのやり取りや出入りを記録する」業務に従事する作業のことです。基本的には以下の業務に分けられます。

出納業務 企業のお金、つまり現金や預金の入出金を記録・管理する経理業務のことで最も基本的な業務です。
現金出納帳や預金出納帳に記録し、帳簿との照合や資金の動きを把握する役割を担います。
記帳業務 事業活動で発生する取引(売上、仕入、経費など)を帳簿に記録する業務です。
帳簿の記録は、税金の計算や経営状況の把握のために重要であり、法人・個人事業主問わず義務付けられています。
税務 会社が納めるべき税金を算出した「法人税の申告書」を作成することを目的とします。

出納業務・企業業務・税務は会計制度に基づいて行われます。こうした会計制度に対し、会社経営に必要なお金についての計画を立て、資金を管理することが財務です。財務もどの業種・規模の企業にも欠かせない存在であり、経営の根幹を支える重要なポジションになります。

(2)経理の主な業務内容

具体的には以下のような業務を行うことになります。

■ 出納業務

出納業務の主な内容は以下の通りです。
現金の入出金記録:現金出納帳に日々の入出金を記録し、残高を確認します。
預金の入出金記録:預金出納帳に預金の入出金を記録し、通帳残高との照合を行います。
小口現金の管理:会社が手元に置いておく小額の現金(小口現金)を管理し、支出を記録します。
支払処理:請求書を確認し、支払伝票を作成したり、銀行振込を実行したりします。
収入処理:入金事実を確認し、入金伝票を計上します。
残高照合:出納帳の残高と銀行の通帳残高が一致しているか確認します。

■ 記帳業務

日々の取引で発生した売上や経費などを、帳簿に記録する作業を行います。「帳簿付け」とも呼ばれます。
この日々の取引を帳簿に記入する時には「勘定科目」に振り分けます。この振り分ける作業を「仕訳」といいます。
帳簿に記録された日々の取引は、最終的に損益計算書、貸借対照表といった決算書にまとめられます。

■ 税務

国に納付すべき税金の額を算出し申告する業務です。税額を算出するために必要な課税所得に関する一連の手続のことを指します。
税金には所得税や法人税などがありますが、税務では法人税に関わる申告書の作成がメインとなります。

こうした作業に加えて、企業規模や業種、会社の組織構成によっては別の業務が入ってきます。

たとえば以下の業務が別途行われることになります。

業務名 内容
原価計算業務 管理目的、予算管理目的、経営計画目的など会計とは異なる目的で行われる業務になります。
IPO準備業務 上場を目指すために経理業務を迅速にし、上場会社としてふさわしい体制構築を行う業務になります。
監査法人対応業務 上場準備会社や上場会社は監査法人に対して企業の会計が信用できるというお墨付きをもらうことが必要です。
また内部統制の対応を行うこともあります。
開示業務 会社の財政状態・経営成績を外部の利害関係者に公表するための資料を作成する業務です。
IFRS業務 企業の作成した財務諸表を日本の会計基準ではなく海外の基準に合わせるための業務です。

■ 経理の平均年収は低い?ズバリ年収を紹介

(1)経理職の平均年収は529万円

経理・会計分野に特化した転職エージェント「ジャスネットコミュニケーションズ」の最新データによると、経理職(正社員)の平均年収は529万円です。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると給与所得者の平均給与は460万円です。比較すると経理の平均年収は約69万円ほど高いため、年収は決して低いとは言えません

経理の平均年収 529万円(正社員)
給与所得者の平均年収 460万円(国税庁出典)

(2)経理の年代別想定年収

また、経理の年収は年代によっても変わってきます。ジャスネットの登録者5万人のデータをもとにした情報によると、20代後半で想定年収456万円、30代後半で想定年収584万円となります。これは一般社員と仮定した場合の想定年収なので、役職が上がったりスキルが付加されたりするとさらに年収が上乗せされます。

年齢 想定年収
20代前半 445万円
20代後半 456万円
30代前半 466万円
30代後半 584万円
40代 647万円
50代以上 796万円

※ジャスネットコミュニケーションズ「年収診断」を利用
勤務地東京・日商簿記資格あり・スタッフ(一般社員)職・在宅ワーク希望・強みは「年次決算経験」にて試算

(3)経理の役職別想定年収

経理の年収は役職や上場企業の経理経験の有無によっても大きく左右されます。30代後半の簿記資格取得者をモデルにした場合、一般社員から役員パートナーまでの想定年収例は531~750万円です。 ただし、実際にはここにも年齢や経験・資格が加わっていくため、経理マネージャーやCFOでは年収1000万円を超えることも珍しくはありません。

役職 想定年収
スタッフ(一般社員) 531万円
係長(シニアスタッフ) 537万円
課長(マネージャー) 575万円
部長(シニアマネージャー) 620万円
役員(パートナー) 750万円

※ジャスネットコミュニケーションズ「年収診断」を利用。
勤務地東京・日商簿記資格あり・30代後半・グローバル志向・強みは「年次決算経験」「上場企業経験」にて試算

■ 経理の年収が知りたかったら「年収診断」を利用しよう

紹介してきたように、経理の年収は年齢や役職、持っている資格によっても異なり、幅が広くなっています。「今の自分のキャリアでの年収相場が知りたい」「マネジメント経験を積んだら年収はいくらになるのか」など、気になる方はジャスネットコミュニケーションズが提供する「年収診断」を利用してみましょう。統計情報だけでは知ることのできなかったご自身の市場価値を知ることができます。

7つの質問に答えるだけで想定年収をすぐに把握することが可能で、転職を考えていない人でも、無料で気軽に利用できます。

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■ 経理の年収、男性女性の差額

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、経理の年収は男女によって差があります。

2023年に10人以上規模の企業に勤める経理職(会計事務従事者)を調べたところでは、男性の平均給与額は38万6400円、女性は29万1100円でした。1000人以上の大企業になると男性は43万3800円、女性は約32万1800円でした。いずれの企業規模でも男性のほうが給与が高く、10万円ほどの差額が出ていることが分かります。

経理職は、パートやアルバイトといった非正規雇用者も多く、女性の場合は雇用形態が多種多様であることが理由のひとつであると考えられます。

もっとも、経理職はキャリアアップや転職による年収アップに性別はさほど関係なく、実務経験を積みながら専門知識やスキルを身につけることで、高年収が見込めることができます。

派遣経理の時給相場については、解説している以下のリンクをご参照ください。

派遣経理の時給相場について知りたい方、必見!業界ごとの違いと高時給の業種3選

経理職という形で手に職を身に着けることで、自身が描くライフプランを立てることができると見ることもできます。

■ 経理の年収が高い企業・低い企業

(1)どんな企業が年収が高い?

経理の年収が高いか低いかどうかは、結局のところ企業や属する業界によるということができそうです。

企業規模の観点でみると、従業員の少ない中小企業の経理は想定年収が低い傾向があります。一方、大企業や上場企業、外資系企業は年収が高い傾向があります。

業界で言えば、IT業界や金融業界、製薬業界などは経理職においても高水準の年収が想定されるでしょう。

ただし年収が高い分、特殊な知識が必要とされる仕事も増えます。たとえば、外資系では、語学スキルを加えたうえで企業本国の会計基準の知識の習得が必要になってきますし、為替換算処理の認識なども必要になってくるかもしれません。金融業では金融庁による検査もありまし、上場企業では会計監査で求められることを理解する必要があります。

(2)中小企業の経理で働くメリットは?

ただ、中小企業であれば、年収は低かったとしても広範囲な業務に携われるため、汎用性の高い広範なスキルがつきやすいなどの利点があります。他方、大企業では、業務が細分化され、その企業に特化したスキルとなってしまい汎用的なスキルが得られず結果的には生涯年収が逆転することもあります。

短期的な年収の高い低いだけで見るのではなく、自身のスキルや今後のキャリアを見据えて企業を探していくといいでしょう。

■ 経理の年収を上げる3つの方法とは?

経理職の年収を上げる方法はいくつかありますが、ここでは3つのポイントに絞ってお伝えします。

(1)転職でキャリアアップ

経理の年収は業種やポジションによって大幅に変わります。転職を検討することで年収アップを考えていくのが一般的な方法になるでしょう。先述した通り、年収が上がりやすい上場企業や外資系の求人を探していくのも良いですし、マネージャーや部長級といった管理職のポジション募集が多いベンチャー企業を狙ってみるのもありです。

上場企業での経理経験や上場準備企業における上場準備経験などは思いのほか需要はあります。所属先で身に着けた経験は、スキルとしてさらなるステップアップにも役立ちます。

ただし業種によって経理で必要とされるスキルも変わってきますので、それぞれの企業で求められる知識レベル、経験レベルを確認しておくことも必要です。

(2)資格取得とスキルアップ

経理の仕事にも変化の波が押し寄せています。デジタル化移行や毎年変わる税法知識への対応など、担当者には日々の学びが欠かせません。そういった学びの姿勢は、企業に評価され年収アップのきっかけとすることもできます。

王道の方法としては簿記検定試験があります。特に簿記1級ともなると上場企業の経理でも一目をおかれます。

また会計ソフト(freee、弥生会計など)の習熟やRPA・Excelマクロの活用ができると、どんな企業でも歓迎されるでしょう。

積極的にグローバル展開を行う企業では経理職でも英語が求められます。英語スキルとIFRS(国際会計基準)の知識があると年収アップも含めてさらに広い分野で活躍できます。

資格やスキルの取得は、社内で評価されるだけでなく転職でも有力な武器になります。日々の研鑽は怠らないようにしましょう。

(3)社内評価・昇進を狙う戦略

昇進が年収アップに大きな効果をもたらすことは統計データから見ても明らかです。日商簿記の資格取得や税理士試験科目、公認会計士試験の合格は、知識の裏付けが保証されて仕事でのチャンスが得られやすくなるので、キャリアアップのきっかけになります。

また、多くの企業で社内評価が高いのが決算業務と税務です。決算と一言で言っても月次決算や年次決算、連結決算業務など多岐に渡ります。これらの決算業務に速やかに対応できると社内評価も高くなります。税務スキルは多くの人が敬遠するので、会計事務所に外注する企業が大半になりますが、会計事務所からスキルを吸収すると自己の武器になります。税務申告書作成が一通りできると言えるとこちらもかなり高く評価されます。

その他に予算管理や資金繰り管理なども含めて、社内の経理業務で求められていることをしっかりと把握し企業に貢献していきましょう。

■ 経理の年収を上げるのに役立つ資格やスキルは?

経理職の資格やスキルは実務とも直結することが多く、重要な戦力の証明となります。これまでに合格してきた資格や身に着けたスキルがある人は存分にアピールしましょう。

(1)経理の年収を上げるのに役に立つ資格

  • 日商簿記2級・1級
  • 公認会計士(CPA)
  • 税理士(科目合格含む)
  • FP(ファイナンシャルプランナー)
  • USCPA(米国公認会計士)

(2)経理の年収を上げるのに役に立つスキル・経験

  • 会計ソフトの操作スキル(freee・マネーフォワードなど)
  • Excelスキル(VLOOKUP・ピボットテーブルなど)
  • 実務経験年数(3~5年以上)
  • マネジメント経験
  • 英語力

■ 経理で年収を上げるための転職を成功させるには?

年収を上げるためのスキル、経験の解説をしてきました。
具体的に年収の高い経理求人への転職を成功させるためには、以下の点を留意することが必要です。

① 業界の動向を把握すること
② 自分の強みを履歴書や職務経歴書にしっかりと落とし込むこと
③ 転職エージェントの力を借りること

(1)企業や業界の動向を把握する

企業の成長フェーズによって求められる経理像は変わってきます。どういった業界がどのような経理職を求めているのか、求人を調べて把握しましょう。

また、年収が高い傾向がある外資系やIT系、金融系などは経理業務にも業界独自の知識が必要とされる場合もあります。自分の経歴で応募が可能かどうかもチェックしてみることをおすすめします。

(2)通過する志望動機や自己PRを練る

これまでに経験してきた業務と関係性を見出せるような内容にするといいでしょう。

志望動機であれば、どうしてその企業の経理職を選んだのか、これまでの経験やスキルをどう生かせるか、です。入社後の貢献性やキャリアビジョンまで描けているとなお良いでしょう。

また、自己PRでは、定型業務以外にも、具体的なスキルにフォーカスするのが大切です。「売掛債権が滞留していたが、管理を工夫したことで回収が5日以上早まった」といったように数字を交えて自身が行ったことをアピールするようにしましょう。

【目的別】経理の志望動機例文集を見る

経理の職務経歴書テンプレートと書き方を見る

(3)転職エージェントに相談する

経理職で年収を上げたいなら、転職エージェントに相談するといいでしょう。特に経理職支援に特化したエージェントであれば、一般的な転職サイトでは公開されていない高年収の独占求人を紹介してくれることもあります

経理の転職は業界や企業によっても書類・面接対策の方向性が異なりますが、転職エージェントでは苦手な部分も徹底サポート。エージェントとも付き合いの長い企業も多く、入社した後のキャリアプランまで相談に乗ってくれることもあります。

■ 経理で年収を上げた転職成功事例

ジャスネットコミュニケーションズでは、転職によって年収アップを叶えた事例を多数扱っています。

【ケース1】子育て中でも年収が220万円アップ:Bさん

大学卒業後に営業職に就職、その後は学習塾の運営サポートと経理業務、さらに非上場IT企業にて経理・労務・営業事務と、幅広い社会人経験を積んできたBさん。

子供が小さく時短勤務中だった一方、さらなる待遇改善とスキルアップを考えてジャスネットに登録しました。前職からも強い引き留めにあいましたが、最終的にジャスネットが独占で人材紹介を依頼していたプライム上場企業での連結決算をメイン業務とする求人に転職しました。

転職前 転職後
380万円(IT・通信系) 600万円(IT・システム系)
【ケース2】求人数が急減する40代後半の転職で年収アップ:S・Kさん

専門商社で経理部門のマネージャー職を務めていた40代後半のKさんは、多忙を極めており、残業や休日出勤が常態化。「定年まで働き続けるのは難しい」と考え、転職を考えました。ただし、40代後半になると求人の数は激減、紹介できる会社は限られてしまうのが現実。

そこでジャスネットの転職エージェントが管理会計やマネジメントの経験も豊富で饒舌なKさんに対し、弁が立つことを武器にできそうなITコンサルティング会社を紹介。一次面接で両者はすっかり意気投合し、内定を得ることができました。

転職前 転職後
530万円(専門商社) 600万円(ITコンサルティング)
【ケース3】条件面以上に社風が合い、年収も830万円に:K・Oさん

12年間経理職として勤めていたOさんですが、直前になって海外赴任が白紙になるなどの対応で不審を抱き、転職を決意。

IFRS(国際会計基準)を導入している東証一部上場の金属メーカーを紹介されました。コミュニケーション力も高く、面接も問題ないだろうと判断されたOさんでしたが、「アガリ症」のため一次面接の挨拶のみエージェントが同行。Oさんの性格、経理に対する考え方に合った社風の会社であったことが功を奏し、無事に内定を得ることができました。

転職前 転職後
600万円(制御機器メーカー) 830万円(金属メーカー)

さらに「経理の転職成功事例」を見る

■ まとめ

経理職は平均的な給与も高く、年齢や役職によっても年収が上がっていく魅力的な職種です。働き続けるだけでも年収は上がる傾向がありますが、さらに年収を上げたいと思う人は、転職・資格取得・スキル強化の3つを意識し、継続的な努力をしていきましょう。

転職を検討する際には、高年収の独占求人を持つ経理特化の転職エージェントに登録することをおすすめします。さまざまな業界の経理求人を紹介してくれるだけでなく、綿密な転職支援で内定まで徹底サポートしてくれるでしょう。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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