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税理士・会計事務所の退職理由9選。その対策はどうすればいい?

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ジャスネットキャリア編集部

転職活動をしていて、なかなか内定をもらえない…

そんな時は、もはや内定をもらうことがゴールになってしまったりもします。

しかし本当にいい転職とは「前の退職理由が解消されていること」です。なぜ転職しようと思ったのか、その目的を忘れてはいけません

ここでは多数の転職者をサポートしてきたエージェントが、会計事務所に多い退職理由と、それを解消するための対策をお話いたします。

内定を得るためだけに「できます」「頑張ります」というイエスマンになってはいけません。最終的にあなたが満足できる転職を目指しましょう。

目次

■よくある退職理由パターンの解説

■それぞれの退職理由の解決策

■よくある退職理由パターンの解説

税理士・会計事務所出身者の退職理由
ターゲット:20~50代 計50名
期間2022年11月~2023年10月
(ジャスネット調べ)
図1

(1)残業が多い、ワークライフバランスがとれない

税理士・会計事務所は仕事内容的に残業が発生しやすい業種です。

全体的には6割くらいの事務所で、恒常的に残業が行われているという印象があります。繁忙期には残業が40~60時間、土日出勤もあるなど、働く方にかなりの負担になる場合もあります。

急に人が辞めてしまった、所長が見境なくクライアントを増やす、利益率の悪い仕事ばかりを引き受けているなど、理由は様々です。つまりは人手が足りていないために仕事に忙殺されてしまうと言えるでしょう。

(2)給与・待遇面での不満

最初に聞いていた待遇には問題がなくとも、働いているうちに給与・待遇面で不満が出てくるのはよくあることです。

担当企業数が増えていったり、業務改善に尽力したり…

それでも、最初と全く同じ給与・待遇のままでは頑張ろうという気持ちもなくなるかもしれません。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • 入社後、残業代が全然出ない状況で、とうとう労働監査がはいった。結果、残業代が支払われることになったが、その分、手当の支給がなくなり、給与全体は減ってしまった

(3)キャリアアップしたい

会計事務所で記帳、決算、申告などの業務に一通り携わり、さらにキャリアアップをしたいという理由で転職する方もいらっしゃいます。

「相続税に興味を持った」
「上場企業の会計に携わりたい」
「コンサル的な仕事をしたい」

などの理由で大手税理士法人や一般企業の経理部を目指す方が多い印象です。

割合としては一般企業の経理部を希望される方が8割。

現在の職場では不可能なキャリアや待遇面での改善を目指して、大手税理士法人などに転職される方が残りの2割でしょうか。

コンサルへの転職に関しては絶対数が少なく、まれにいらっしゃるという感じです(体感で1%くらい)。

(4)コーチ、フォロー体制に問題がある

特に中小税理士・会計事務所では、中堅と言われる新人を指導する立場の方が人手不足な場合が多いです。そのため未経験で働き始めたとしても、上司や先輩からの指導がなく、いきなり案件を任されて自分で調べながら仕事をしていかなくてはならない、などということもあり得ます。

これは即戦力である中堅の税理士は、転職市場でも需要が高いためです。ある程度の経験を積んだあと、一般企業や大手会計事務所などに転職してしまう、というのも要因の一つです。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • マネージャーが放任主義で、業務におけるコミュニケーションが取れないことに違和感があった
  • 業務を教えてくれる方が2名しかおらず、どちらも忙しくて教育してもらえなかった
  • 教えてもらえる環境がないこと。社内でたて続けに離職者が出たこと。など環境面が大きい

(5)勉強を優先したい

税理士や社会保険労務士などの試験勉強のために、転職をしたいという方です。

忙しい会計事務所ではやはり勉強時間が取れないため、仕事を辞めるか、もしくは資格試験の勉強に理解のある事務所で働きたいと希望して転職される方が多いです。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • 入社前に聞いていた残業時間と大きく異なり、勉強の時間を確保できないため

(6)キャリアチェンジをしたい

会計事務所での経験を活かし、一般企業の経理部に転職したいという方がほとんどです。

理由としては、「経理部のメンバーとして企業の内部で数字を作る側の仕事をしたい」「顧問先からスカウトを受けた」などが多いです。

(7)先行きが不安

「現在の会計事務所の所長が高齢にも関わらず後継者がいない」
「退職者が多数で業務がまわらない」
「M&Aなどの失敗により業務規模が縮小した」

など転職理由は本当に様々です。現在の職場でこのまま働いていてよいのか、という不安による転職理由になります。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • 現職では巡回は先生が1人でやっていて、いま以上、クライアントが増えることは考えにくく、担当が増える可能性は低い
  • 保険や節税対策商品の販売が中心で、所長が税務に関心がない
  • 所長が全然オフィスにいない。聞きたいことも聞く時間がない

(8)人間関係の問題、離職率が高い

これはハラスメントが問題になるケースです。

パワハラ、セクハラ、モラハラなど、働き始めてからでないと分からないことがほとんどです。

現在、このようなことで悩んでいる場合は労働基準監督署に相談するなどの手段があります。しかし、現実的には新たな転職先を探す方が早いでしょう。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • パワハラ、モラハラが横行

(9)条件違い

「面接の前後で提示された条件が違う」
「聞いていた業務内容と違うものを任せる」
「残業時間が聞いていたより大幅に多い」
「残業代が出ない」

などの声をよく聞きます。

採用のためによい面しか提示しなかった、という問題のある場合が多いです。

(実際の入社1年以内の退職理由)

  • 自分がイメージする業務難易度と、事務所が希望する業務難易度が異なった
  • 役員の上司からは高評価をもらっていたにも関わらず、試用期間の最終日に突然契約打ち切りにしたいと言われた。理由は曖昧

■それぞれの退職理由の解決策

(1)残業が多い、ワークライフバランスがとれない

できれば再就職先に選ばない方がよい事務所は、以下のようなところです。

「記帳代行などの細かい業務で利益を上げている」
「安い顧問料を売りにしている」
「急激に業務を拡大しており、未経験のスタッフが多い」

これは「ある程度、規模が大きい」「在宅勤務やリモートワークを推奨している」「自計化率の高いクライアントが多い」などの事務所を選ぶことで、残業時間や大きな業務の偏りは避けられると思います。

(2)給与・待遇面での不満

面接の際に、給与評価制度、人事評価制度について確認することが重要です。

明確な評価基準が設けられていれば、不満はできる限り回避できると思います。エージェントから確認することもできますので、疑問に思った場合は必ず確認しましょう。

一方で、あまりに評価制度が固定化していたり、年功序列の文化が強い場合は、条件をクリアしないと絶対に給与があがらないという場合もあります。柔軟な評価制度であるかどうかも重要です。

(3)キャリアアップしたい

やはり様々な業務に携わるためには一般事業会社の経理部、大手税理士法人や少数精鋭で専門に特化した税理士・会計事務所など、自分の希望に合った転職先を選ぶことが重要です。

特に少数精鋭の専門に特化した事務所は、

「代表がBig4などの大手出身である」
「具体的にコンサルやアドバイザリー業務を行っている」
「上場企業のクライアントを持っている」

などの特長があります。

専門分野で積み上げた実力がなくてはできないような仕事を行っている会計事務所を選ぶとよいでしょう。

(4)コーチ、フォロー体制に問題がある

これは面接の際に確認することで、ある程度は判別することができます。

業務に対してフォローができずに人が辞めるのが当たり前になっているような事務所では、実務について具体的に話さない傾向があります。

入ってからこんなはずではなかったとならないためには、そこで働く具体的なイメージを持って自ら確認するような積極性も必要です。

選考と言われると相手から選ばれるような印象を持ちますが、求職者側も選ぶ立場であり、あくまで対等です。転職では自分がゆずれないポイントを持ちましょう。それについては納得しなければお断りするくらいの気持ちを持って、活動してください。

(5)勉強を優先したい

仕事を辞めて勉強に専念する環境があればいいのですが、やはり難しい場合も多いのではないでしょうか。

また実感として、働きながら勉強をするような訓練をしていないと、毎年改正される税法などについていけず、仕事が辛くなってしまうようにも思います。

資格取得を応援してくれる事務所は多数ありますので、できれば働きながら資格取得を目指すことをおすすめいたします。

(6)キャリアチェンジをしたい

最初は一般企業の経理部を希望して転職活動をする方がほとんどです。

しかし、具体的にキャリアについて掘り下げていくと、必ずしも一般企業の経理部が最適解ではない方もいらっしゃいます

今は会計事務所でも様々な働き方があり、希望のキャリアチェンジが叶うところも多数です。視野を広げるためにも、ぜひ一度エージェントにご相談ください。新たな可能性を見つけることができると思います。

(7)先行きが不安

先行きが不安な理由は様々だと思いますが、転職をする場合は

「なるべく規模の大きい会計事務所や税理士法人を選ぶ」

ことで、ある程度の不安は解消できると思います。

また若手の所長が開業している、先進的な取り組みをしているなど、今後のキャリアを考えてプラスになるような選択をすることも重要です。

(8)人間関係の問題、離職率が高い

これは実際に働かなくては分からない部分なので、なかなか確認することは難しいのです。

エージェントに確認するもの一つですが、

「直近で辞めたスタッフの退職理由」
「先輩や上司はどんな人であるか」

などを質問することで、多少は把握できる面もあると思います。

(9)条件違い

まずは必ず内定通知書をもらいましょう

給与面や条件について、言った・言わないという混乱を生まないためにも非常に重要なものになります。

また自分が実際に働くことをイメージして、具体的に知りたいことを確認してみましょう。クライアントの担当数、担当企業の規模、会計ソフトはどのようなものか、そして今回の募集背景などです。

正直に話してくれる事務所であれば信頼できますし、実際に働き始めてから条件と違うということも少ないと思います。

以上、よくある税理士・会計事務所の退職理由とその対策をまとめてみました。みなさんの参考になれば幸いです。

執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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