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経理未経験者が「しんどい」と感じる理由と乗り越え方は?

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2025年8月28日 ジャスネットキャリア編集部

経理職に未経験で挑戦したものの、「想像以上にしんどい」「毎日が辛い」と感じている方は決して少なくありません。専門用語が飛び交う会議、一つのミスが大きな影響を与える数字の責任、覚えなければならない業務の多さに圧倒されてしまうのは自然なことです。

しかし、多くの経理のパーソンも同じ道を通ってきました。
本記事では、経理未経験者が「しんどい」と感じる具体的な理由を分析し、それぞれに対する実践的な解決策をお伝えします。また、経理業務に慣れるまでの期間や、モチベーションを維持しながら成長していくためのコツも詳しく解説していきます。

目次

■なぜ経理未経験者は「しんどい」と感じるのか

経理未経験者が業務を「しんどい」と感じる背景には、いくつかの共通した要因があります。

(1)経理業務特有の専門性の高さ

最も大きな要因は、経理業務特有の専門性の高さです。一般的な事務職とは異なり、 経理では会計の基礎知識、税務の理解、財務諸表の読み方など、専門的な知識が前提として求められます。

(2)数字に対する責任の重さ

さらに、数字に対する責任の重さも大きなプレッシャーとなります。一円の誤差であっても貸借が合わなければ原因を突き止める必要があり、決算時期には会社全体の業績に直結する重要な数字を扱うことになります。この責任の重さは、未経験者にとって大きな心理的負担となることが多いのです。

(3)毎月の決まったサイクル

また、経理業務には独特のリズムがあります。月初の売掛金回収確認、月中の支払処理、月末の締め作業、そして月次決算と、毎月決まったサイクルで業務が繰り返されます。 このリズムに慣れるまでは、常に何かに追われている感覚を持ちやすく、精神的な余裕を持てずにいる未経験者が多く見られます。

■どのように専門用語の壁を乗り越えるか

経理業務では日常的に専門用語が使われ、これが未経験者にとって大きな壁となります。「仕訳」「勘定科目」「貸借対照表」「損益計算書」といった基本的な用語から、「減価償却」「繰延資産」「引当金」など、より複雑な概念まで理解する必要があります。

(1)日商簿記3級程度の知識を身につける

専門用語を効率的に習得するためには、まず基礎的な用語から段階的に学習することが重要です。 日商簿記3級程度の知識を身につけることで、日常業務で使われる用語の多くは理解できるようになります。 また、用語を単独で覚えるのではなく、実際の業務の流れの中で理解することで、より実践的な知識として定着させることができます。

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(2)分からない用語は、その場で確認

職場での専門用語に対する対処法としては、分からない用語が出てきた際に、その場で確認する習慣をつけることが効果的です。ネットで調べるか、調べられない環境であれば「〇〇という用語の意味を教えていただけますか」と素直に質問することで、先輩社員からの信頼も得られ、学習効率も向上します。恥ずかしがって分からないまま放置すると、後々より大きな混乱を招く可能性があります。

■なぜ数字の責任が重く感じられるのか

経理業務において数字の正確性は絶対的な要求事項です。 未経験者が特にプレッシャーを感じるのは、この「絶対に間違えてはいけない」という責任の重さ です。一般的な事務作業であれば多少のミスは修正可能ですが、経理の数字は会社の財務状況を表す重要な情報であり、誤りがあると税務申告や株主への報告に影響を与える可能性があります。

入社から日が浅い担当がここまでの責任を負うことはまれですが、まず ミスを防ぐための仕組みを理解し、活用すること が重要です。多くの会社では、入力作業と確認作業を分離する「相互チェック制度」や、重要な処理については「承認フロー」を設けています。稲盛和夫氏の「実学」ではダブルチェックという言葉で出てきます(こちらの本はオススメです)。

これらの仕組みは、個人の責任を軽減し、組織全体でミスを防ぐためのものであることを理解しましょう。

また、完璧主義になりすぎず、「ミスは学習の機会」として捉える考え方も大切です。経験豊富な経理担当者も、過去には様々なミスを経験し、そこから学んできています。 重要なのは、同じミスを繰り返さないよう、ミスの原因を分析し、再発防止策を講じることです。

■どうすれば効率的に業務を覚えられるか

経理業務は覚えることが多く、未経験者にとっては圧倒的に感じられることがあります。しかし、効率的な学習方法を用いることで、この負担を大幅に軽減することができます

ポイント①処理と理由をセットに

最も効果的なのは、業務を「なぜその処理が必要なのか」という理由とセットで覚えることです。 単純に手順を暗記するのではなく、その業務が会社全体の中でどのような意味を持つのかを理解することで、記憶に定着しやすくなります。

例えば、売掛金の管理であれば、「売上を計上したが、まだ現金を受け取っていない状態を管理する」という目的を理解することで、関連する処理の意味も明確になります。

ポイント②自分なりの業務マニュアルを作成

また、自分なりの業務マニュアルを作成することも非常に有効です。 先輩から教わった内容を自分の言葉でまとめ直し、疑問点や注意点を書き加えることで、個人専用の参考資料を作ることができます。 このマニュアルは、業務に慣れるまでの心強い味方となり、不安な気持ちも軽減されます。

■なぜ決算期が特別にしんどいのか

決算期は経理部門にとって一年で最も忙しい時期であり、未経験者にとっては特に「しんどい」と感じる期間です。通常業務に加えて決算特有の作業が発生し、普段よりも長時間労働となることが多く、精神的・肉体的な疲労が蓄積しやすくなります。

(1)普段行わない特別な処理が多数発生する

決算期がしんどく感じられる理由の一つは、普段行わない特別な処理が多数発生することです。棚卸資産の評価、減価償却の計算、引当金の計上、税効果会計の適用など、 年に一度しか行わない複雑な処理に取り組む必要があります。 これらの処理は専門性が高く、未経験者には理解が困難な場合が多いのです。

(2)厳格な期限が存在する

また、決算期には厳格な期限が存在することも大きなプレッシャーとなります。法定の決算期限、監査法人との調整、株主総会の開催日程など、動かすことのできないスケジュールに向けて作業を進める必要があり、時間的な余裕がない状況での業務が続きます。

(3)事前の準備も重要

決算期を乗り切るためには、事前の準備が何より重要です。 決算期に入る前に、必要な資料の整理、過去の決算資料の確認、不明点の洗い出しなどを行っておくことで、当期の作業負荷を軽減できます。

また、決算期は学習の機会でもあると捉え、先輩社員の作業を観察し、質問を通じて知識を深めることで、将来の決算作業に向けた準備を進めることができます。

■どのように先輩や同僚との関係を築くか

経理未経験者にとって、職場の人間関係は業務を覚える上で極めて重要な要素です。特に経理部門では、業務の連携が密接であり、チームワークが欠かせません。しかし、専門用語が多く、責任が重い環境では、質問しづらい雰囲気を感じることも少なくありません。

良好な関係を築くためには、まず謙虚な姿勢で学ぶ意欲を示すことが大切です。 「教えていただきたいことがあります」「勉強不足で申し訳ありませんが」といった前置きを使うことで、相手に対する敬意を示し、指導を受けやすい環境を作ることができます。

また、教わったことに対する感謝の気持ちを適切に表現することも重要です。業務を教えてもらった後には、「ありがとうございました。おかげで理解できました」といった具体的な感謝の言葉を伝えることで、指導者のモチベーション向上にもつながります。

質問のタイミングと方法も工夫が必要です。相手が忙しそうな時間帯を避け、「お時間のある時に質問があります」と事前に相談することで、双方にとって負担の少ない形で学習を進めることができます。また、 同じ質問を繰り返さないよう、教わった内容はメモを取り、後で見返せるよう整理しておくことが大切です。

■どうすれば長期的なキャリア形成ができるか

経理未経験からのスタートは確かに大変ですが、長期的な視点で見ると、非常に安定したキャリアを築くことができる職種でもあります。経理スキルはどの業界でも必要とされる普遍的なものであり、一度身につければ転職市場での価値も高くなります。

(1)基本的なスキルの習得

キャリア形成の第一歩は、基礎的なスキルの確実な習得です。日常的な仕訳処理、月次決算、年次決算といった基本的な業務を確実にこなせるようになることで、経理担当者としての土台を固めることができます。 この段階では、速度よりも正確性を重視し、一つ一つの業務を丁寧に行うことが重要 です。

(2)専門性を高めるための資格や知識の習得

次の段階では、専門性を高めるための資格取得や、特定分野での深い知識習得を目指します。

簿記検定、ビジネス会計検定、税理士試験の科目合格、個人の興味や適性に応じてキャリアパスを選択することができます。また、管理会計や財務分析といった戦略的な業務領域への展開も可能です。

(3)長期的には経理業務の枠を超えた知識を

長期的なキャリア形成においては、経理業務の枠を超えた知識の習得も重要です。IT技術の進歩により、経理業務の自動化が進んでいるため、システム導入やデータ分析といった新しいスキルを身につけることで、将来的な市場価値を高めることができます。

■モチベーションを維持するために必要なこと

経理未経験者が業務に慣れるまでには、一般的に6か月から1年程度の期間が必要とされています。 この期間中にモチベーションを維持することは、その後のキャリア形成において極めて重要です。途中で諦めてしまうと、せっかく積み上げた知識と経験を無駄にしてしまう可能性があります。

モチベーション維持のためには、小さな成功体験を積み重ねることが効果的 です。「今月は仕訳処理でミスがなかった」「決算資料の作成時間が短縮できた」「後輩に業務を教えることができた」といった具体的な成果を認識し、自分の成長を実感することで、継続的な学習意欲を保つことができます。

また、経理業務の社会的意義を理解することも重要なモチベーション源となります。経理担当者の仕事は、会社の健全な経営を支える重要な役割を担っており、正確な財務情報の提供によって、経営者の意思決定や投資家の判断を支援しています。このような使命感を持つことで、日々の業務に対する意識も変わってきます。

■自分に合った学習方法を見つける

経理知識の習得には様々な方法がありますが、個人の学習スタイルに合った方法を見つけることが効率的な成長の鍵となります。視覚的な学習が得意な人もいれば、実践を通じて覚える方が効果的な人もいます。

(1)書籍やテキスト

書籍やテキストを用いた学習は、体系的な知識習得に適しています。 簿記の教科書や経理実務の解説書を読むことで、理論的な背景を理解し、業務の意味を深く把握することができます。また、資格試験の勉強を通じて、段階的にスキルアップを図ることも効果的です。

(2) 実際の業務を通じた学習

一方、実践的な学習を好む人には、実際の業務を通じた学習が最も効果的です。 先輩社員の業務を観察し、質問を重ねながら実際の処理を覚えていく方法 です。この場合、失敗を恐れずに挑戦し、ミスから学ぶ姿勢が重要になります。

(3)オンライン学習

オンライン学習も現代的な選択肢として注目されています。動画講座や eラーニングシステムを活用することで、自分のペースで学習を進めることができ、通勤時間などの空き時間も有効活用できます。

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■まとめ:未経験からでも乗り越える道を探す

経理未経験者が「しんどい」と感じるのは決して異常なことではありません。専門性の高い業務、数字への責任、覚えることの多さなど、確かに挑戦的な要素が多い職種です。しかし、適切な学習方法と心構えを持つことで、これらの困難は必ず乗り越えることができます。

重要なのは、短期的な困難に惑わされず、長期的な成長を見据えることです。最初の数か月は確かに大変ですが、基礎的な知識と経験を積むことで、徐々に業務に余裕を持って取り組めるようになります。そして、一度経理のスキルを身につければ、安定したキャリアと充実した職業人生を送ることができるのです。

経理未経験からのスタートは、挑戦でもあり、同時に大きな成長の機会でもあります。今感じている「しんどさ」は、将来の自分への投資として捉え、一歩ずつ着実に前進していきましょう。多くの先輩たちが同じ道を歩み、成功を収めています。あなたも必ずその仲間入りができるはずです。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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