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財務職の転職成功法!求人傾向や必要スキルとは

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2025年9月19日 ジャスネットキャリア編集部

企業の経営戦略を支える重要なポジションである財務職。数字を扱うだけでなく、会社の未来を左右する意思決定に深く関わる、やりがいのある職種です。近年、企業のグローバル化や事業環境の変化に伴い、財務職への転職を考える方が増えています。

しかし、財務職への転職は簡単ではありません。経験や専門的な知識が求められ、競争も激しい分野です。そこで本記事では、財務職への転職を成功させるために必要な知識やスキル、具体的なステップについて詳しく解説します。

目次

■財務とは

(1)財務の業務

財務は企業の資金調達から投資判断まで、お金に関わる戦略的な業務を担当する重要な部門です。具体的には、資金繰りの管理や銀行との融資交渉、株式発行による資金調達、M&Aに関する財務分析、投資案件の収益性評価などを行います。

財務担当者は単に数字を管理するだけでなく、企業の将来性を見据えた資金戦略を立案し、経営陣に対して適切なアドバイスを提供する役割を果たしています。例えば、新規事業への投資が適切かどうかを判断するため、市場分析やリスク評価を行い、投資収益率を算出して経営判断の材料を提供します。

また、財務部門は株主や投資家とのコミュニケーションも重要な業務の一つです。決算説明会での資料作成や、投資家からの質問への対応、企業価値を適切に伝えるためのIR活動なども財務職の責任範囲に含まれることが多いのです。

(2)経理とどう違うのか

財務と経理は混同されがちですが、実際には役割や業務内容が大きく異なります。経理は過去の取引を正確に記録し、財務諸表を作成することが主な業務です。日々の仕訳処理や月次決算、年次決算などの定型業務が中心となります。

一方、財務は未来志向の業務が中心です。資金計画の策定や投資判断、リスク管理など、企業の将来を見据えた戦略的な判断を行います。 経理が「記録する」仕事であるのに対し、財務は「判断する」仕事と言えるでしょう

また、経理は主に社内の関係者とのやり取りが中心ですが、財務は銀行や投資家、監査法人など外部の関係者との折衝も頻繁に行います。そのため、より高度なコミュニケーション能力や交渉力が求められる傾向があります。

企業規模によっては、財務と経理の境界が曖昧な場合もありますが、大企業では明確に分かれており、財務職の方がより戦略的で高度な判断を求められる職種として位置づけられています。

■財務職に求められるスキル

(1)基本的な財務知識

財務職で成功するためには、まず 財務会計や管理会計に関する深い理解が不可欠です 。貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を読み解く力はもちろん、これらの数字から企業の財務状況や課題を的確に把握する能力が求められます。

また、企業価値評価の手法についても理解しておく必要があります。DCF法やマルチプル法などの評価手法を用いて、M&Aや投資案件の妥当性を判断できる知識が重要です。さらに、金融商品や金融市場についての基本的な理解も欠かせません。

税務に関する知識も財務職には重要です。企業の税務戦略を立案したり、節税効果を考慮した資金調達方法を検討したりする際に必要となります。国際税務についても、グローバル企業では特に重要な知識となっています。

(2)分析力とコミュニケーション能力

財務職では複雑なデータを分析し、そこから有用な情報を抽出する能力が非常に重要です。単に数字を計算するだけでなく、 その数字が示す意味を理解し、将来への示唆を導き出す力 が求められます。

Excel等の表計算ソフトを高度に使いこなす能力も必要です。大量のデータを効率的に処理し、わかりやすいグラフや表にまとめて、経営陣や関係者に情報を伝える技術が重要になります。

さらに、分析結果を経営陣や他部門の担当者に分かりやすく説明するプレゼンテーション能力も欠かせません。複雑な財務分析の結果を、財務の専門知識がない相手にも理解してもらえるよう工夫して伝える技術が求められます。

■経理職から財務職に転職するには

(1)社内で異動希望を出す

財務職への転職を考える際、まず検討すべきは社内での異動です。同じ企業内であれば、会社の事業内容や文化を理解している分、スムーズに業務に取り組むことができます。

社内異動を希望する場合は、直属の上司や人事部門に相談することから始めましょう。ただし、単に「財務部門に興味がある」というだけでは説得力がありません。 なぜ財務職を希望するのか、どのようなキャリアビジョンを持っているのかを明確に示すことが重要 です。

また、財務部門で活用できる自分のスキルや経験をアピールすることも大切です。経理経験がある人であれば、経理業務で培った会計知識や数字への感覚、細かい作業への集中力などは、財務職でも十分に活かすことができます。

社内異動の機会を増やすためには、普段から財務部門の業務に関心を示し、可能な範囲で財務関連の勉強を進めておくことも効果的です。

(2)転職を考える

社内異動が難しい場合や、より大きなキャリアチェンジを求める場合は、他社への転職を検討することになります。転職活動では、これまでの業務経験をどのように財務職で活かせるかを具体的に示すことが重要です。

転職活動を始める前に、自分の市場価値を客観的に把握しておくことが大切です。現在の給与水準や持っているスキル、経験年数などを踏まえ、どの程度の条件で転職が可能かを現実的に評価しましょう。

また、転職先として想定する企業の規模や業界についても十分に検討する必要があります。大企業では財務と経理が明確に分かれているため財務職の専門性が高い一方、中小企業では財務と経理を兼任する場合も多く、幅広い業務経験を積むことができます。

転職活動では、財務職への意欲と学習姿勢をアピールすることが重要です。財務関連の勉強を進めていることや、将来的なキャリア目標を明確に示すことで、採用担当者に良い印象を与えることができます。

■財務職に関連する資格

財務職を希望する場合、 転職をするにせよキャリアアップを考えるにせよ資格を得ることでスキルアップをはかることができます 。ここでは財務に関連する資格を紹介します。

(1)公認会計士

公認会計士は財務・会計分野における最高峰の国家資格です。監査法人での監査業務はもちろん、事業会社の財務部門でも高く評価される資格です。公認会計士の資格を持つことで、財務諸表の作成や分析、内部統制の構築など、幅広い業務で専門性を発揮することができます。

ただし、公認会計士試験は非常に難易度が高く、合格まで数年間の集中的な学習が必要となります。働きながらの取得は困難であり、多くの場合は仕事を一時的に離れて受験に専念する必要があります。

すでに社会人として働いている方にとっては、時間的にも労力的にもコストが高い資格です。取得できれば財務職としてのキャリアの幅が大きく広がることは間違いありませんが、挑戦をする場合はよく下調べをしてからにしましょう。

(2)税理士試験の科目合格

税理士試験は科目合格制度を採用しており、全科目に合格しなくても個別の科目合格が履歴書に記載できる点が魅力です。特に法人税法は、財務職での税務知識として直接活用することができます。

働きながらでも比較的取り組みやすく、1年に1科目ずつ合格していくことで段階的にスキルアップを図ることができます。科目合格があることで、税務に関する一定の専門知識があることを客観的に証明できます。

(3)日商簿記検定

日商簿記検定は会計の基礎知識を証明する最もポピュラーな資格です。財務職を目指す方にとって、 最低でも2級、できれば1級の取得が望ましいとされています

日商簿記1級は公認会計士や税理士試験の基礎となる知識が含まれており、原価計算や連結会計など、財務職で必要となる高度な会計知識を身につけることができます。

取得にかかる時間や費用も比較的リーズナブルであり、働きながらでも十分に合格を目指すことができる点が魅力です。財務職への転職を考える方にとって、最初に取り組むべき資格と言えるでしょう。

(4)FASS検定

FASS検定は経済産業省が後援する経理・財務スキル検定です。実務に直結した内容が出題されるため、即戦力としての能力を証明することができます。

資産、決算、税務、資金の4分野について総合的な知識が問われるため、財務職に必要なスキルを体系的に習得することができます。また、受験後には詳細なスコアレポートが提供されるため、自分の強みや弱みを客観的に把握することが可能です。

二期制受験(上期:5/1~7/31、下期:11/1~1/31)となっていて、比較的受験しやすい検定です。転職活動において、実務能力の高さをアピールする材料として活用することができます。

■財務職への転職成功のポイント

(1)自己分析とスキルの棚卸し

転職活動を成功させるためには、まず自分自身を客観的に分析することが重要です。 これまでの職歴の中で、どのような経験を積み、どのようなスキルを身につけてきたかを詳細に整理しましょう

特に財務職への転職では、数字に対する感覚や分析力、コミュニケーション能力など、直接的に活用できるスキルがあるかどうかが重要になります。経理業務で培った会計知識や、プロジェクト管理の経験、顧客対応で身につけた交渉力なども、財務職で活かせる可能性があります。

また、自分の弱みについても正直に向き合うことが大切です。財務職で求められるスキルのうち、まだ不足している部分があれば、転職活動と並行して学習を進める必要があります。

(2)求人情報の収集と応募

財務職の求人情報は、一般的な転職サイトだけでなく、会計・財務専門の求人サイトや人材紹介会社を活用することで、より多くの情報を収集することができます。

求人情報を見る際は、単に給与や勤務条件だけでなく、業務内容や求められるスキル、企業の成長性なども総合的に評価することが重要です。自分のキャリア目標に合致する企業かどうかを慎重に検討しましょう。

応募書類の作成では、これまでの経験をどのように財務職で活かせるかを具体的に記載することが重要です。数字で表せる実績があれば積極的に盛り込み、客観的な評価ができるよう工夫しましょう。

【参考リンク】

【目的別】経理の志望動機例文集|転職でそのまま使える高評価テンプレート
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_76_01.php

【業種別】経理職の職務経歴書はこう書く!企業に刺さる構成・表現とは?【サンプルダウンロード可】
https://career.jusnet.co.jp/resume/keiri/

面接対策では、財務に関する基本的な知識はもちろん、志望動機やキャリアビジョンを明確に答えられるよう準備しておくことが大切です。

【参考リンク】

【元面接官が教える】経理転職の面接、こんなステレオタイプの回答はダメ!
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_95_01.php

(3)転職エージェントの活用

財務職への転職では、専門的な知識やスキルが重要になるため、会計・財務分野に特化した転職エージェントの活用が効果的です。専門エージェントであれば、求人企業のニーズを詳しく把握しており、適切なマッチングを提案してくれる可能性が高くなります。

会計・財務分野に特化した転職エージェント「ジャスネットコミュニケーションズ」は、数千社以上との取引実績や豊富な求人を誇ります。専門分野に精通したキャリアアドバイザーが業界知識に基づく親身なキャリア支援を実施しており、選考対策や応募書類の添削も丁寧です。

ジャスネットは正社員だけでなく派遣や紹介予定派遣、在宅勤務など多様な雇用形態に対応しており、企業の経理部門や現場管理層と直接強いパイプを築いているため、他では得にくい非公開求人や内部情報の提供が期待できます。財務職への転職について、エージェントに無料で相談してみましょう。

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■財務職の求人事例

以下は、ジャスネット掲載の財務職の求人事例です。

CBT試験方式のパイオニア企業!将来のCFO候補

仕事内容
  • 財務戦略の立案〜実行
  • 資産活用の財務/投資計画を策定と推進
  • 予実管理
  • キャッシュフロー管理
  • 資金調達
  • コスト管理
  • 内部統制 等
応募条件 下記いずれかの経験のある方
  • 資金管理(資金繰り・資金調達・資金移動等)
  • 資金計画の策定
  • 金融機関(銀行・信金系など)での業務経験
想定年収
    700万円 〜 800万円

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仕事内容 【職務概要】
財務コンサルタントとして、財務分析に加え、事業計画の策定・実行をサポートし、会計・財務面から経営改善を支援します。経営のパートナーとして、あらゆる経営課題に対応し、お客様に寄り添うコンサルタントとして活躍してください。
【主な職務内容】
★担当企業の中期・単年度経営計画策定、行動計画策定
★P/L、B/S、CF等の定期モニタリング
★M&A、事業再生、事業承継、組織再編
★お客様との定期的な財務会議
応募条件 <MUST>
  • 弊社のMVVに共感いただける方
  • 会計事務所での実務経験が2年以上ある方
<WANT>
  • 税理士2科目以上合格されている方
  • コンサルティング業務に興味がある方
想定年収
    500万円 〜 799万9,999円

■財務職のキャリアパス

(1)経営企画

財務職から経営企画部門へのキャリアチェンジは、自然な流れの一つです。財務で培った数字に対する感覚や分析力、戦略的思考力は、経営企画の業務で大いに活かすことができます。

経営企画では、中長期的な事業計画の策定や新規事業の検討、M&Aの企画・実行など、企業の成長戦略に直接関わる業務を担当します。財務での経験があることで、計画の実現可能性や収益性について、より現実的な視点から評価することができるでしょう。

また、経営企画では社内の各部門や外部のコンサルタント、投資銀行などとの調整業務も多く、財務職で培ったコミュニケーション能力や折衝力が重要な武器となります。

経営企画への転職では、戦略コンサルティングファームでの経験や、MBA取得などが評価される場合もありますが、財務での実務経験も十分に価値のあるバックグラウンドとして認められます。

(2)管理職

財務部門内でのキャリアアップとして、管理職への昇進があります。財務マネージャーや財務部長として、部門全体のマネジメントを担当することになります。

管理職では、個人の専門スキルに加えて、チームをまとめるリーダーシップや、経営陣との橋渡し役としてのコミュニケーション能力が重要になります。また、部下の育成や評価、採用活動なども重要な業務となります。

財務部門の管理職は、単に部門内の業務管理だけでなく、企業の財務戦略の立案・実行において中心的な役割を果たします。そのため、高い専門性と同時に、経営的な視点を持つことが求められます。

管理職としての経験は、その後のキャリアにおいて大きな価値を持ちます。他社での上級管理職や役員への転職、独立してのコンサルタント業など、様々な選択肢が広がります。

(3)CEO

財務出身者がCEOまで上り詰めるケースも少なくありません。特に数字に強く、リスク管理能力に長けた財務出身者は、経営者として高く評価される傾向があります。

CEOになるためには、財務の専門性だけでなく、営業やマーケティング、人事など、事業全般に関する幅広い知識と経験が必要になります。財務職としてのキャリアを積みながら、他部門との連携を通じて、徐々に事業全般への理解を深めていくことが重要です。

また、CEOには高いコミュニケーション能力とリーダーシップが求められます。財務職での経験を通じて、これらの能力を継続的に向上させていくことが、将来の経営者への道につながります。

ベンチャー企業や中小企業では、財務担当者が経営陣の一員として事業運営に深く関わるケースも多く、経営者への道筋がより見えやすい環境と言えるでしょう。

■まとめ

財務職への転職は決して簡単な道のりではありませんが、適切な準備と戦略があれば必ず成功することができます。まずは財務と経理の違いを理解し、財務職に求められるスキルを身につけることから始めましょう。

転職活動では、専門エージェントの活用や徹底した企業研究により、自分に最適な転職先を見つけることができるでしょう。そして転職後も継続的にスキルアップを図れば、経営企画や管理職、さらにはCEOといった上位のキャリアパスを目指すことが可能です。

財務職は企業の成長を支える重要な役割を担う、やりがいのある職種です。しっかりとした準備と明確な目標を持って転職活動に取り組めば、きっと理想のキャリアを実現することができるはずです。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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