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USCPA(米国公認会計士)と簿記1級、キャリア形成に有利なのはどっち?日本での活かし方を徹底比較

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2026年1月16日 ジャスネットキャリア編集部

会計分野でキャリアアップを目指す際、「USCPA」と「簿記1級」という二つの選択肢で悩む方もいると思います。どちらも会計の専門知識を証明する資格ですが、取得までの道のりや日本でのキャリアへの影響は大きく異なります。

簿記1級は日本の会計基準に精通した証として国内企業から高く評価される一方、USCPAは国際会計基準やグローバルビジネスの知識を持つプロフェッショナルとして外資系企業や海外展開企業で重宝されます。

本記事では、試験の特性や難易度、学習に必要な時間と費用、そして何より重要な「取得後のキャリア」という観点から、両資格を詳しく比較していきます。あなたの描くキャリアビジョンに合った資格選びの参考にしてください。

目次

■USCPAと簿記1級は、そもそもどう違うのか

⑴資格としての性質の違い

USCPAと簿記1級は、どちらも会計の専門知識を証明する資格ですが、その性質は根本的に異なります。

【USCPA】 米国各州が認定する公認会計士資格 で、アメリカの会計基準(US GAAP)を中心としたグローバルスタンダードの会計知識を学ぶもの。国際会計の専門家としての知識を持つことを証明する。

【日商簿記1級】 日本商工会議所が実施する検定試験 で、日本の会計基準や商業簿記、工業簿記の高度な知識を評価するもの。

この違いは資格の位置づけにも表れています。USCPAは履歴書や名刺に「USCPA(米国公認会計士)」と記載し、専門性を示す資格として活用されるケースが一般的です。

対して簿記1級は「検定試験の合格」という位置づけになります。もちろん簿記1級も履歴書に記載できる立派な資格ですが、USCPAとは性質が異なると言えるでしょう。

⑵試験の実施形式

試験の実施形式も大きく違います。

【USCPA】 年間を通じてテストセンターで受験でき、日本国内でも東京や大阪の会場で受験可能。一度に全科目を受ける必要はなく、一科目ずつ受験することもできる。

【日商簿記1級】 年2回(6月と11月)の統一試験日に全国一斉に実施され、商業簿記・会計学と工業簿記・原価計算を同日に受験する必要がある。

出題される内容の違いも重要なポイントです。

USCPAは2024年以降、CPA Evolutionにより試験構成が変更されました。現在は、コア科目として財務会計(FAR)、監査及び証明業務(AUD)、税法及び関連法規(REG)の3科目が必須となり、さらに選択科目(Discipline)として、ビジネス分析及びレポーティング(BAR)、情報システム及びコントロール(ISC)、税務コンプライアンス及びプランニング(TCP)の中から1科目を選択する方式になっています。

簿記1級では日本の企業会計基準に基づく商業簿記・会計学と、製造業における原価計算や管理会計を中心とした工業簿記・原価計算が出題範囲となります。

⑶合格基準の違い

合格基準にも違いがあります。

USCPAは各科目75点以上(100点満点換算)で合格となり、一度合格した科目の合格ステータスは18か月間保持されます。例えば、1科目目に合格した後、18か月以内に残りの3科目すべてに合格すれば、USCPA試験をクリアできるという仕組みです。

簿記1級は70点以上で合格ですが、商業簿記・会計学、工業簿記・原価計算それぞれで40%以上得点する必要があるという足切り制度があります。

〈参考記事〉

USCPA(米国公認会計士)が活躍できる転職先と、そのメリット、デメリットは?
https://career.jusnet.co.jp/cpa/cpa_98_01.php

【日商簿記1級を活かせる仕事7選】年収・キャリア・将来性まで徹底解説|転職成功事例つき~最終チェックリストつき~
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_103_01.php

■試験難易度と必要な学習時間を比較する

⑴学習に必要な時間

【USCPA】

合格までに必要な学習時間は1,000~1,500時間程度と言われています。会計の基礎知識がある方なら1,000時間程度、初学者の場合は1,500時間程度を見込むとよいでしょう。平日2時間、休日5時間学習すると仮定すれば、約1年から1年半で合格レベルに到達できる計算になります。

【日商簿記1級】

合格までに必要な学習時間は600~800時間程度とされています。簿記2級までの知識がある前提で、さらに半年から1年程度の学習期間が必要です。ただし、簿記1級は合格率が10%前後と非常に低く、複数回受験する方も珍しくありません。実際には合格まで1年半から2年程度かかるケースも多く見られます。

⑵それぞれの難易度

【USCPA】

出題範囲が広く、英語で受験する必要があるため、会計知識に加えて一定の英語力が求められます。TOEIC700点程度の英語力があれば対応可能とされていますが、実際には会計用語の英語に慣れが重要になります。

【日商簿記1級】

出題範囲が深く、特に工業簿記・原価計算では複雑な計算問題が出題されます。時間内に正確に解答する計算力とスピードが重要になります。

⑶合格率

合格率で比較すると、 USCPAは科目ごとに約50%前後、簿記1級は全体で約10% となっています。単純に合格率だけ見ると簿記1級の方が難しそうに見えますが、これは母集団の違いも影響しています。USCPAは受験料が高額(1科目あたり約10万円)なため、ある程度準備を整えた受験者が多いのです。簿記1級は受験料が7,850円と比較的手頃なため、準備不足の受験者も含まれやすい傾向があります。

⑷学習のしやすさ

学習のしやすさという点では、USCPAは予備校のカリキュラムが体系的に整備されており、オンライン学習環境も充実しています。アビタスやTACなどの大手予備校が提供する教材は品質が高く、効率的な学習が可能です。

簿記1級も市販のテキストや予備校の講座がありますが、出題範囲が広く深いため、予備校を利用して体系的に学習する方が合格率は高まります。独学での合格も不可能ではありませんが、相当の覚悟と計画性が求められます。

■取得にかかる費用を詳しく見てみる

⑴資格取得にかかる費用

【USCPA】

トータルで60万円から100万円程度の費用を見込む必要があります。内訳としては、予備校の受講料が40万円から70万円程度、受験料が4科目で約40万円、その他教材費や出願費用などが含まれます。受験地を海外のグアムやハワイに選ぶ場合は、渡航費も加わります。

日本国内での受験の場合、東京や大阪のプロメトリックテストセンターで受験できますが、国際受験手数料として1科目あたり約500ドルが追加でかかります。(州・時期により変動)また、ライセンス取得には実務経験の証明が必要な州もあり、その場合の申請費用も考慮する必要があります。

【日商簿記1級】

費用は大幅に抑えられます。受験料は7,850円、市販のテキストと問題集で2万円程度、予備校を利用する場合でも10万円から20万円程度で対策が可能です。独学でチャレンジする方もいますが、合格率を考えると予備校の利用が現実的な選択肢となります。

⑵費用対効果という視点

ただし、費用対効果という視点で考えると、USCPAの高額な投資が将来のキャリアでどれだけ回収できるかが重要になります。後述しますが、USCPAホルダーは外資系企業や海外事業を展開する企業で高く評価され、年収アップにつながるケースが多いのです。初期投資は大きいものの、長期的なリターンを考慮すれば十分に元が取れる投資と言えます。

また、学習期間中の機会費用も考慮すべきポイントです。USCPAは1,000時間以上の学習時間が必要ですが、その間の休日や平日の夜の時間を勉強に充てることになります。

簿記1級も同様ですが、学習期間が比較的短いため、機会費用は相対的に低くなります。

■USCPAを活かせるキャリアパスとは

USCPAを取得すると、どのようなキャリアパスが開けるのでしょうか。

⑴外資系企業の経理・財務部門

最も代表的なのは、外資系企業の経理・財務部門への転職です。グローバル企業では連結決算や海外子会社との連携が日常的に発生し、国際会計基準や米国会計基準の知識が不可欠です。USCPAホルダーであれば、こうした業務をスムーズに担当できる人材として高く評価されます。

具体的な企業例を挙げると、外資系メーカー、外資系IT企業、外資系金融機関などでUSCPAの需要が高まっています。これらの企業では、日本法人の決算業務だけでなく、本社への報告資料作成や海外拠点との調整業務が発生します。英語力と会計知識を併せ持つUSCPAホルダーは、こうした業務の中核を担える人材として重宝されるのです。

⑵監査法人

監査法人でのキャリアも有力な選択肢です。Big4と呼ばれる大手監査法人(デロイト トーマツ、PwC、EY、KPMG)では、海外案件や国際会計基準適用企業の監査において、USCPAホルダーの採用を積極的に行っています。特にアドバイザリー部門では、クロスボーダーM&Aやグローバル税務のアドバイザリー業務でUSCPAの知識が直接活かせます。

⑶コンサルティングファーム

コンサルティングファームへの道も開かれています。財務・会計系のコンサルティングプロジェクトでは、クライアント企業のグローバル展開支援や会計システムの導入支援などでUSCPAの専門知識が求められます。アクセンチュアやデロイト トーマツ コンサルティングなどのファームでは、会計専門家としてのバックグラウンドを持つコンサルタントの需要が高いのです。

⑷海外展開を加速している日系企業

日系大手企業でも、海外展開を加速している企業ではUSCPAホルダーの価値が高まっています。製造業、商社、小売業など、海外売上比率が高い企業では、海外子会社の管理や国際会計基準への移行プロジェクトなどでUSCPAの知識が活用できます。経理部門のマネージャーやCFO候補としてのキャリアパスも見えてきます。

⑸独立して会計事務所を開業する

独立して会計事務所を開業する道もあります。 日本ではUSCPAライセンスだけで監査業務を税務申告を行うことはできませんが、国際会計・英文財務諸表作成・海外進出支援などの分野で専門性を発揮できます。 特に、日本企業の米国進出や米国企業の日本進出をサポートするニッチな分野で専門性を発揮できます。

⑹年収面

年収面でも、USCPAは大きなアドバンテージをもたらします。実務経験やポジションによって差はありますが、600〜1,000万円程度のレンジで評価されるケースも多く見られます。監査法人やコンサルティングファームでも、USCPA保有は昇進や報酬アップの材料となります。

■簿記1級が評価されるキャリアアップの道とは

簿記1級は日本国内での評価が非常に高い資格です。特に日系企業の経理部門では、簿記1級保有者は会計の専門家として一目置かれる存在となります。 上場企業の経理部門では、決算業務や開示業務において高度な会計知識が求められ、簿記1級レベルの理解が実務に直結します。

⑴製造業

製造業での活用も簿記1級の大きな特徴です。工業簿記・原価計算の知識は、製造業の経理部門や管理部門で特に重宝されます。原価管理、予算管理、経営分析といった業務において、簿記1級で学ぶ内容が実践的に活かせるのです。自動車メーカー、電機メーカー、化学メーカーなどの大手製造業では、こうした管理会計の知識を持つ人材が求められています。

⑵税理士事務所や会計事務所

税理士事務所や会計事務所への就職・転職においても、簿記1級は強力な武器になります。職員に簿記1級の取得を推奨している税理士事務所もあり、資格手当として月額1万円から3万円程度を支給するケースも。特に、将来的に税理士資格の取得を目指す方にとって、簿記1級は会計知識の基礎を固める最適な資格と言えます。

⑶経理部門でのキャリアアップ

経理部門でのキャリアアップにも簿記1級は有効です。一般企業の経理担当者として入社した後、簿記1級を取得することで、決算業務の中核メンバーや経理チームのリーダーとして抜擢される可能性が高まります。上場企業の連結決算や税効果会計、減損会計といった高度な会計処理には、簿記1級レベルの知識が不可欠だからです。

⑷中小企業の経営幹部

中小企業の経営幹部としての道も開かれています。中小企業では経理責任者が経営判断にも関わることが多く、財務分析や経営計画の立案において簿記1級の知識が活きてきます。将来的に経理部長やCFOを目指す場合、簿記1級は重要なステップとなるでしょう。

⑸公認会計士や税理士を目指すステップとして

公認会計士や税理士を目指すステップとしても、簿記1級は価値があります。 公認会計士試験の短答式試験では簿記1級の範囲と重なる部分が多く、簿記1級合格者は会計学の学習がスムーズに進みます。

税理士試験の簿記論・財務諸表論についても同様で、簿記1級の学習が直接的に試験対策になります。

⑹年収面

年収への影響については、簿記1級単体で大幅な年収アップは期待しにくいものの、昇進や転職の際の評価材料として機能します。経理職の転職市場では、実務経験と組み合わさることで簿記1級保有者は簿記2級保有者と比べて50万円から100万円程度年収が高くなる傾向があります(弊社調べ)。特に、管理職候補としての採用では、簿記1級の有無が選考に影響することも少なくありません。

■外資系企業と日系企業、それぞれの評価の違い

⑴外資系企業での評価

外資系企業と日系企業では、USCPAと簿記1級に対する評価が大きく異なります。外資系企業の採用担当者にとって、USCPAは即座に理解できるグローバルスタンダードの資格です。履歴書に「USCPA」と記載されていれば、国際会計基準や米国会計基準の知識を持ち、英語で業務ができる人材だと判断されます。

一方、簿記1級は外資系企業ではあまり認知されていないケースがあります。「Japanese bookkeeping certification」と説明しても、その難易度や価値が伝わりにくいのが実情です。ただし、日本の会計基準や税制に精通していることを示す材料としては評価される場合もあります。特に、日本法人として日本基準での決算も必要な企業では、簿記1級の知識が実務で役立ちます。

求人票を見ると、外資系企業の経理職では「USCPA優遇」「国際会計基準の知識を持つ方歓迎」といった記載が目立ちます。年収レンジも600万円から1,000万円と高めに設定されていることが多いです。

⑵日系企業での評価

日系企業、特に国内事業が中心の企業では、評価が逆転します。簿記1級は「会計のプロフェッショナル」として広く認知されており、経理部門への配属や昇進において大きなアドバンテージとなります。上場企業の経理部門では、簿記1級保有者が決算チームの中核を担うことが一般的です。

海外展開を積極的に進めている日系企業では、USCPAと簿記1級の両方が評価されることがあります。例えば、海外子会社を多数持つ商社や製造業では、国際会計の知識を持つUSCPAホルダーが海外事業の経理を担当し、日本基準に精通した簿記1級保有者が本社の決算を担当するといった役割分担が見られます。

求人票を見ると、日系企業の経理職では「簿記1級歓迎」「日商簿記1級保有者優遇」といった表現が一般的で、年収レンジは400万円から700万円程度が中心となります。

⑶キャリアについて

キャリアの安定性という観点では、日系企業で簿記1級を活かす方が、長期雇用の文化の中で安定したキャリアを築きやすい傾向があります。外資系企業は成果主義が強く、高い年収が期待できる反面、業績不振時のリストラや事業撤退のリスクもあります。

転職市場での評価を見ると、USCPAは転職エージェントからのスカウトが多く、選択肢の幅が広がります。特に、Big4監査法人や外資系コンサルティングファームからのオファーは、USCPA保有が前提条件となっていることも珍しくありません。簿記1級は日系企業の経理職への転職で強みを発揮し、着実なキャリアアップの道筋を描けます。

■実務で求められる知識はどう違うのか

⑴USCPAの場合

実際の業務で求められる知識という視点で、両資格を比較してみましょう。USCPAで学ぶ内容は、グローバルビジネスの現場で即座に活用できます。例えば、連結決算において海外子会社の財務諸表を取りまとめる際、各国の会計基準の違いを理解し、IFRSやUS GAAPに統一して報告する作業が発生します。USCPAの学習で得た知識が、こうした業務の理論的背景を支えます。

クロスボーダーM&Aのデューデリジェンスにおいても、USCPAの知識は威力を発揮します。買収対象企業の財務諸表を分析する際、その企業が適用している会計基準を理解し、適切な調整を行う必要があります。また、買収後の統合プロセスでは、会計システムの統一や報告体制の構築が課題となり、国際会計の知識が不可欠です。

⑵日商簿記1級の場合

簿記1級の知識は、日本企業の日常業務により直結しています。月次決算における仕訳処理、決算整理仕訳の作成、財務諸表の作成といった基本業務はもちろん、税効果会計や退職給付会計、減損会計といった複雑な会計処理にも対応できます。特に、上場企業の四半期決算や年度決算では、短期間で正確な財務諸表を作成する必要があり、簿記1級レベルの正確な知識が求められます。

製造業の原価管理では、簿記1級の工業簿記・原価計算の知識が直接活かせます。標準原価計算による差異分析、直接原価計算による損益分岐点分析、活動基準原価計算(ABC)による正確な製品別コスト把握など、経営判断に必要な情報を提供する業務において、理論と実践を結びつける力が養われています。

⑶予算管理業務について

予算管理においても両資格で学ぶ内容が役立ちますが、アプローチが異なります。USCPAではCVP分析(Cost-Volume-Profit分析)や予算編成の理論を学びますが、どちらかといえば経営管理的な視点が強調されます。

簿記1級では、より詳細な製造間接費の配賦や部門別計算など、実務的な計算技術に重点が置かれています。

⑷開示業務について

開示業務における違いも顕著です。USCPAホルダーは英文決算書の作成や、海外投資家向けのIR資料作成において強みを発揮します。SEC基準での開示やIFRS適用企業の注記作成など、国際的な開示要件に対応する知識を持っています。

簿記1級は日本の金融商品取引法や会社法に基づく開示書類の作成に必要な知識を提供します。

■あなたに向いているのはどちらの資格か

ここまで両資格を比較してきましたが、結局のところ、どちらを選ぶべきかは個人のキャリアビジョンによって決まります。

⑴将来的に求める環境

まず、将来どのような環境で働きたいかを考えてみましょう。 グローバルな環境で、世界を相手に仕事をしたいという志向が強いなら、USCPAが適しています。 国際的なプロジェクトに携わり、海外のメンバーと英語でコミュニケーションを取りながら働くことに魅力を感じるなら、USCPAの取得を検討する価値があります。

一方、 日本国内でじっくりとキャリアを築きたい、地域に根ざした企業で長く働きたいという方には、簿記1級が向いているでしょう。 日本の商習慣や会計基準を深く理解し、国内企業の経理のプロフェッショナルとして成長したいなら、簿記1級から始めるのが現実的です。

⑵英語力との兼ね合い

英語力との兼ね合いも重要な判断材料です。現時点で英語が苦手だが、今後グローバルキャリアを目指したいという方は、USCPA取得を通じて英語力と会計知識を同時に高めることができます。逆に、英語学習に時間を割くよりも、会計の専門性を深めたいという方は、簿記1級に集中する方が効率的です。

⑶年齢やキャリアステージ

年齢やキャリアステージも考慮すべきポイントです。20代で時間的余裕がある方は、USCPAに挑戦して長期的なキャリアの選択肢を広げるのも良いでしょう。30代で既に経理職として働いている方は、現在の職場で評価される簿記1級を取得し、着実なキャリアアップを図る方が実践的かもしれません。

⑷転職市場での競争力

転職市場での競争力という観点では、USCPAの方が差別化要因となりやすいのは事実です。経理職の求人倍率は一般的に低く、競争が激しいのですが、USCPA保有者向けの求人は応募者が限られるため、選考を有利に進められます。

ただし、求人の絶対数は簿記1級を活かせる日系企業の経理職の方が多いため、就職先の選択肢の広さでは簿記1級も十分な価値があります。

■まとめ:あなたのキャリアビジョンを実現する資格選び

USCPAと簿記1級は、どちらも会計分野でキャリアを築くための強力な武器となりますが、その性質と活用方法は大きく異なります。USCPAは国際会計のプロフェッショナルとして、グローバルなビジネスの場で活躍するための資格です。外資系企業、監査法人、コンサルティングファームなどで、高い年収と国際的なキャリアを実現できる可能性を秘めています。学習には1,000時間以上の時間と100万円近い費用が必要ですが、長期的なキャリアへのリターンは大きいと言えます。

簿記1級は日本の会計基準と実務を深く理解するための資格で、国内企業の経理部門でプロフェッショナルとして評価されます。製造業の原価管理や上場企業の決算業務など、日本企業の実務に直結した知識を提供し、着実なキャリアアップの道を開きます。費用を抑えて比較的短期間で取得でき、国内でのキャリアを確実に築きたい方に適しています。

どちらを選ぶかは、あなたが描くキャリアビジョンによって決まります。世界を舞台に活躍したいならUSCPA、日本国内で専門性を深めたいなら簿記1級が適しています。英語力、年齢、費用、時間的余裕など、現実的な制約も考慮しながら、自分に合った資格を選びましょう。

重要なのは、資格取得そのものを目的とするのではなく、資格を通じて得た知識とスキルを実務でどう活かすかです。USCPAも簿記1級も、取得後のキャリア形成において、あなたの専門性を証明し、新たな機会を引き寄せるツールとなります。自分のキャリアビジョンを明確にし、そのビジョンを実現するために最適な資格を選択してください。そして、資格取得後も継続的に学び続け、実務経験を積み重ねることで、真のプロフェッショナルへと成長していくことができるでしょう。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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