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【企業のステージ別】経理部門リーダーに求められる役割と業務内容
プライム上場企業編 日本航空株式会社

様々な企業の経理部門で、リーダーとして働く方を紹介するこのコーナー。

今回は空運業で日本を代表する企業の日本航空株式会社にて、財務・経理本部の経理部 決算グループでマネージャーを務める山本一刀様にお話をお伺いしました。

目次

■現在の会社の事業内容は?

■経理部の構成、会社の中での経理部の役割は?

■これまでの職務経歴は?

■マネージャーとして業務で気を付けていること、現在の経理部の魅力は?

■経理パーソンとして今後の目標は?

山本一刀氏_写真

日本航空株式会社 財務・経理本部 経理部 決算グループ マネージャー 山本 一刀 氏

■現在の会社の事業内容は?

わたしが勤めている日本航空株式会社(JAL)は、ご存じのとおり航空機の運航による旅客・貨物輸送サービスの提供を主な事業内容とし、「移動」と「つながり」の力で日本と世界中の国々が直面している社会課題の解決に注力することで、中長期的な成長を目指しています。

わたしが働く財務・経理本部は、JALが成長し続けるための基盤を作る縁の下の力持ちとしてコーポレート部門を担う一角になります。

■経理部の構成、会社の中での経理部の役割は?

わたしが所属しているのは財務・経理本部の経理部「決算グループ」です。
20名ほどのチームで単体決算、連結決算といった上場企業に求められる制度会計に対応しています。

また、JALではアメーバ経営をベースとした「部門別採算制度」をとっており、日々の伝票起票は経理部で実施せず、実際に事業を遂行する各本部が責任をもって実施する体制をとっています。そのため、経理のバックグラウンドが無い社員が伝票起票する機会や、複雑な会計処理を検討する機会が発生するため、決算グループのチームメンバーに本部ごとの窓口を割り振り、正しい経理処理が行われるようサポートできる体制をとっています。そのため、チームメンバーは日々問い合わせや相談対応で忙しくしています。

また経理部全体では50名ほどが在籍しており、その他のグループとして「資産会計グループ」「税務グループ」「業務企画グループ」「事業支援グループ」があります。

■これまでの職務経歴は?

(1)新卒で海運会社に入社し、経理部に配属

わたしは大学卒業後に新卒で海運業の企業に入社しました。何かのスペシャリストではなくゼネラリストとして社会人キャリアを積んでいきたいという思いで入社し、入社時は営業を志望していましたが、経済学部卒だったためか経理に配属。

最初の3年は子会社に出向してSPC(特別目的会社)の経理業務全般、その後本社に戻り4年ほど連結決算全般、という経理経験を積みました。

(2)最初の転職、関西の大手製鉄業の経理部へ

東京で6年ほど働くうちに、できれば将来を見据えて出身地である関西方面で働きたいという思いが目覚めたことから、関西の大手製鉄業の経理部に転職いたしました。そこで3年ほど連結決算業務や、グループ全体の経理業務を標準化するプロジェクトの推進、グループ会社へ出向しての子会社管理などを行いました。

(3)JALに転職した経緯は?

社会人として10年を迎えた2019年、「これまでを振り返った時に経理のみのキャリアしかなく、今後も経理だけのキャリアでいいのか?」、「社会人になった時のキャリアビジョンを果たすには、そろそろラストチャンスでは?」という思いが芽生えました。その時、たまたま日本航空がゼネラリストのキャリア採用を行っているのを知り、試しに受けてみようと再転職を決意したのです。

選考では自分のキャリアビジョンなどを語って内定を得たので、経理部以外の配属になるかなと思ったのですが、気づけば、今までのキャリアや事前準備を怠らない性格などが評価されたのか、配属は経理部でそのまま現在に至るということに。

最初は戸惑ったのですが、ゼネラリストとして採用されたということで、将来的には経理部以外への配属可能性もあります。どこへ配属になっても経理で培った経験・スキルが生かせるよう、今は仕事をしています。

■マネージャーとして業務で気を付けていること、現在の経理部の魅力は?

(1)意識している新人へのかかわり方

20名ほどの組織の中でグループ長、総括マネージャーがおり、その下でわたしが業務のとりまとめや、各メンバーからの相談事を解決するマネージャーとして業務を行っています。

実はマネージャーに昇格したのは、1カ月ほど前です。ですから、マネージャーとして気を付けていることと聞かれると難しいのですが、昇格前から全体の総括業務を3年ほど行ってきていますので、その中で特に気を付けてきたことと言えば新人へのかかわり方でしょうか。

経理部は黙々と作業をしている方が多いので、新人の方は最初、質問しづらい雰囲気だと感じるかもしれません。そこでこちらから積極的に話しかけたり、サポートしたりするように意識しています。会計基準や開示のルールは決まっていますので、わからないことがあれば、すぐに解を提供するのではなく、どのようにアプローチすればいいかという考え方が伝わるように心がけています。

(2)枠にとらわれない業務経験が魅力

また日本航空の経理部の魅力は、若手の枠にとらわれない業務経験をさせてもらえるところでしょうか。例えば製造業の経理部などでは、まずは工場の原価計算の一部のみを担当するといったように細分化された業務の一部を担うだけといった場合が多いと思います。

ですが日本航空の場合は、例えば最初にお話しした本部との窓口の役割も、「若手であってもまずは全てを任せる」といった考えのもと、経理部の代表として各本部とやりとりをしてもらいます。

もちろん放任するということではなく適宜フォローはしますが、課題をしっかり検討し、社内外のステークホルダーと調整するといった経験を若手のうちから積んでもらうのです。

そのため実力がつくだけではなく、人脈もしっかり築くことができ、長い目で見たときに円滑な業務遂行の一助になるものと思います。

また、仕事をする中で、経営陣との距離が近いのも魅力だと感じており、経営者の視点を身近に感じることができるのもよいところです。

■経理パーソンとして今後の目標は?

(1)作成した数字を「利用」するための仕組み作りを

決算グループの主要な業務である、財務数値の取りまとめや報告といったもののクオリティに自信はあります。ただ、数字を「作成」することに終始するのではなく、「利用」すること、「利用」しやすい社内環境をいかに整備していくのかが、今後の課題であると思っています。

経理部は各部署からの情報を吸い上げて、公表できる資料にまとめる役割を担っています。しかし「なぜそうなったか?」「今後どうなるか?」という詳細な分析や、深堀りをしようとすると、時間がかかる上に情報量に限界があるのが実情です。

例えば「今年度の旅客収入や燃油費といった各種費用の増減理由は?」という問いに対し突っ込んだ分析をするとします。これは各本部しか知らない情報があるため、経理部が持っている情報量だけでは限界があります。

(2)経理部が各本部における分析手法確立のリード役に

一方、各本部側においても、分析手法がシステマティックになっていなかったり、分析業務に十分な時間が確保されていなかったり、まだまだ改善余地があるのが実態です。

そのため、経理部として積極的に各本部に入り込んでいき、本部ごとに適した分析手法を共に考えたり、各本部の経理業務の標準化・効率化のリード役を担うことで、分析と今後の打ち手をスムーズに経営に提供できる環境を築いていければと思っています

VUCAな時代において、会社自体も非航空領域の分散型のビジネスを模索しています。そのような中で、数字を通じて、経営陣に対し会社の利益につながる提案をタイムリーにできるようになるのが目標です。

日本航空株式会社_写真
執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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