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経理に向いている人・向いていない人を徹底解説!経理職に必要なスキルや仕事のやりがい

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2025年9月3日 ジャスネットキャリア編集部

「自分は経理の仕事に向いているのだろうか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。経理は企業の財務管理を担う重要なポジションであり、どのような人が適しているのかを理解することで、キャリア選択の参考になります。

この記事では、経理に向いている人の特徴から、必要なスキル、業務の魅力まで詳しく解説します。経理への転職や就職を検討している方、現在経理として働いているけれど自分の適性に不安を感じている方にとって、有用な情報をお届けします。

目次

■経理の仕事とは?

(1)経理の基本業務

経理の仕事は、 企業のお金の流れを正確に記録し、管理すること が中心となります。日々の取引を帳簿に記録する日次業務から始まり、月末の締め作業、四半期や年次の決算業務まで、幅広い業務を担当します。

具体的には、売上の計上、仕入れや経費の処理、給与計算のサポート、税務申告の準備などが含まれます。また、取引先への請求書の発行や協力企業からの請求書の支払い作業なども重要な業務の一部です。これらの作業を通じて、企業の財務状況を正確に把握し、経営陣に必要な情報を提供する役割を果たしています。

経理業務は月次、四半期、年次というサイクルで動いています。特に決算期には、一年間の企業活動の成果を数字として正確に表現する必要があり、経理担当者の専門性と責任感が強く求められる時期となります。

(2)経理の役割と重要性

経理は 単なる数字の記録係ではなく、企業経営の根幹を支える重要な部門 です。正確な財務情報の提供により、経営陣が適切な経営判断を下すためのサポートを行います。また、株主や取引先、金融機関などのステークホルダーに対して、企業の財務健全性を示す役割も担っています。

法的な観点からも、経理の役割は極めて重要です。税務申告の正確性はもちろん、会社法や金融商品取引法などの法令遵守においても、経理部門の専門知識と正確な業務遂行が不可欠となります。間違いが許されない領域だからこそ、経理には高い専門性と責任感が求められるのです。

■経理に向いている人の特徴

(1)数字に強い人

経理に向いている人の最も重要な特徴として、数字に対する親和性が挙げられます。ここでいう「数字に強い」とは、必ずしも高度な数学的能力を指すわけではありません。むしろ、数字を丁寧に扱い、 数字の背後にある意味を理解しようとする姿勢が大切 です。

日々の業務では、売上高、仕入原価、人件費、減価償却費など、さまざまな数字を扱います。これらの数字を単純に指の作業として入力するだけでなく、なぜこの数字が出てきたのか、前月や前年と比較してどのような変化があるのかを考える習慣がある人は、経理業務に大きな適性を示します。

また、計算ミスを防ぐための 確認作業を苦に感じない人も、経理に向いています。 同じ計算を複数回行って結果を照合したり、異なる方法で同じ結果を導き出したりする検証作業は、経理業務の基本です。このような地道な作業を通じて、企業の財務情報の正確性を保つことができるのです。

(2)細かい作業が得意な人

経理業務は細部への注意が極めて重要な仕事です。一円の違いでも見逃すことができず、 すべての数字に整合性が求められます。 そのため、細かい作業を丁寧に継続できる人は、経理職において大きな強みを発揮します。

請求書の金額と振込金額の照合、領収書の内容確認、勘定科目の適切な分類など、経理業務には細心の注意を要する作業が数多くあります。これらの作業を正確かつ効率的に行うためには、集中力を持続させながら、一つひとつの作業を丁寧に進める能力が必要です。

さらに、法令や会計基準の細かな規定に従って業務を進める必要があるため、ルールや手続きを正確に理解し、それに従って作業を行う几帳面さも重要な特徴です。このような性格を持つ人は、経理業務において高い信頼を得ることができるでしょう。

(3)責任感が強い人

経理業務は企業の財務情報を扱う重要な仕事であり、ミスが企業経営に大きな影響を与える可能性があります。そのため、 強い責任感を持って業務に取り組める人が経理に向いています。

決算書の作成や税務申告など、法的な期限が設定されている業務では、確実に期限内に正確な作業を完了させる必要があります。このような状況で、プレッシャーに負けることなく、最後まで責任を持って業務を遂行できる人は、経理職において非常に重要な存在となります。

また、経理担当者は企業の機密情報に触れる機会が多いため、情報管理に対する責任感も求められます。財務データや取引情報、取引先に関する与信などの機密性の高い情報を適切に管理し、外部に漏洩させることがないよう細心の注意を払う姿勢は、経理職として欠かせない資質です。

(4)論理的思考ができる人

経理業務では、 複雑な取引や会計処理を論理的に整理し、適切な勘定科目で処理する能力が求められます。 論理的思考ができる人は、会計のルールや原則を理解し、それを実際の業務に応用することができます。

例えば、複数の要素が絡み合った取引について、それぞれの要素を分析し、会計基準に従って適切に処理する際には、順を追った思考が不可欠です。また、決算整理仕訳や税務調整などの複雑な処理においても、首尾一貫して考える能力が重要でしょう。

さらに、経営陣に財務状況を報告する際には、数字の背景にある要因や今後の見通しについて、しっかりと説明する能力も求められます。単に数字を報告するだけでなく、その数字が示す意味や企業への影響を論理的に分析し、わかりやすく伝える能力は、経理職として大きな価値を提供します。

■経理に向いていない人の特徴

(1)数字が苦手な人

経理業務の中心は数字の処理であるため、 数字に対して強い苦手意識がある人 は、業務を進める上で困難を感じる可能性があります。計算自体が苦痛に感じられたり、数字を見ることでストレスを感じたりする場合は、日々の業務が負担となってしまうでしょう。

ただし、ここで重要なのは「苦手」と「嫌い」の区別です。数字の計算が得意でなくても、電卓やコンピューターを活用すれば正確な計算は可能です。しかし、数字そのものに対して強い嫌悪感がある場合は、経理業務を継続することが難しくなる可能性があります。

(2)大雑把な性格の人

経理業務では一円単位での正確性が求められるため、 細かい作業を苦手とする大雑把な性格の人 は、業務を進める上で困難を感じる可能性があります。「だいたい合っていれば良い」という考え方は、経理業務においては通用しません。

領収書の整理や帳簿の記帳、請求書の照合など、経理の日常業務は細かい作業の積み重ねです。これらの作業を適当に処理してしまうと、後で大きなミスにつながる可能性があります。また、税務調査などで詳細な資料の提出を求められた際に、適切に対応できなくなるリスクもあります。

(3)責任感が薄い人

経理業務は企業の財務情報を扱う重要な職種であり、ミスや怠慢が企業経営に深刻な影響を与える可能性があります。そのため、 責任感が薄く、自分の業務に対する責任を十分に感じられない人 は、経理職には不向きです。

決算作業や税務申告などの重要な業務では、法的な期限が設定されており、これらの期限を守ることは企業の義務です。期限に対する意識が薄かったり、「誰かがやってくれるだろう」という他人任せの姿勢を持つ人は、経理チームの一員として機能することが困難です。

■経理業務の魅力とやりがい

(1)経営に近い立場での仕事

経理職の大きな魅力の一つは、企業経営の中核に関わる業務を担当できることです。 財務データを通じて企業の現状を把握し、経営陣の意思決定をサポートする重要な役割を果たします。この立場から、企業の成長や変化を数字で実感できることは、大きなやりがいにつながります。

月次決算や四半期決算の作業を通じて、企業の業績や財務状況をいち早く把握できる立場にあります。売上の増減、コストの変動、投資の効果など、企業活動の成果を数字で確認できることは、経理職ならではの特権です。また、これらの情報を経営陣に報告する際には、単なる数字の羅列ではなく、経営に役立つ分析や提案を行う機会もあります。

(2)専門性の高いスキルの習得

経理業務を通じて、高度な専門スキルを身につけることができる のも大きな魅力です。会計知識、税務知識、会計システム操作能力など、多岐にわたる専門性を習得できるため、キャリアアップにつながる経験を積むことができます。

日商簿記検定の上位級取得や税理士などの難関資格への挑戦も、経理業務の経験があることで現実的な目標となります。これらの資格は社会的な評価が高く、転職やキャリアアップの際に大きな武器となります。また、資格取得の過程で得られる知識は、日常業務の質の向上にも直結します。

■経理に必要なスキルと資格

(1)Excelスキル

現代の経理業務において、Excelスキルは必須の能力となっています。単純なデータ入力だけでなく、関数を使った計算処理、ピボットテーブルによるデータ分析、グラフ作成による情報の視覚化など、幅広いスキルが求められます。

特に重要なのは、VLOOKUP関数やSUMIF関数などの検索・集計関数の習得です。これらの関数を活用することで、大量のデータから必要な情報を効率的に抽出し、正確な集計作業を行うことができます。また、IF関数を使った条件分岐処理も、複雑な計算や判定を自動化するために重要なスキルです。

(2)日商簿記2級

日商簿記2級は、経理職を目指す人にとって最も重要な資格の一つ です。この資格では、株式会社の会計処理、決算書の作成、工業簿記の基礎など、実際の業務で必要となる知識を幅広く学習できます。

簿記2級レベルの知識があることで、日々の仕訳処理から月次決算、年次決算まで、経理業務の基本的な流れを理解できるようになります。また、貸借対照表や損益計算書の読み方を習得することで、企業の財務状況を正確に把握する能力が身につきます。

工業簿記の知識は、製造業での経理業務において特に重要です。原価計算の考え方や製品コストの算定方法を理解することで、製造業における経理業務の特殊性に対応できるようになります。これらの知識は、転職時の強力なアピールポイントとなるだけでなく、実際の業務においても大きな力となります。

(3)会計ソフトの使用能力

現代の経理業務では、会計ソフトの操作能力が不可欠です。弥生会計、勘定奉行、freee、マネーフォワードクラウドなど、さまざまな会計ソフトが企業で使用されており、これらのシステムを効率的に操作できる能力が求められます。

会計ソフトの基本操作としては、仕訳入力、残高照会、帳簿出力、決算書作成などがあります。これらの操作を正確かつ迅速に行うことで、日常業務を効率化できます。また、データのインポート・エクスポート機能を活用することで、他のシステムとの連携も可能になります。

(4)公認会計士や税理士への挑戦

経理職としてキャリアを積む中で、公認会計士や税理士などの高度な専門資格への挑戦を検討する人も多いでしょう。これらの資格は、経理・会計分野における最高峰の資格であり、取得することで専門家としての地位を確立できます。

公認会計士は、企業の財務諸表の監査や会計コンサルティングを主な業務とします。ただ、資格取得のハードルはかなり高いので、挑戦する前に資格についてよく調べることをオススメします。

税理士は、税務申告の代理業務や税務相談、税務調査の立会いなどを行います。これらの資格取得には相当の時間と努力が必要ですが、これまでの担当にもよりますが経理業務の経験があることで、学習内容を実践的に理解できるアドバンテージがあります。

■経理に向いているか不安な時の対処法

(1)自己分析の重要性

経理職への適性について不安を感じている場合、まずは 客観的な自己分析を行う ことが重要です。自分の性格特性、得意分野、価値観などを整理することで、経理職との適合性を冷静に判断できるようになります。

性格面では、細かい作業への集中力、責任感の強さ、論理的思考力などを自己評価してみましょう。 これらの特性は経理業務において重要な要素ですが、完璧である必要はありません。不足している部分があっても、意識的に改善していくことで適性を高めることができます。

また、数字への興味や会計知識への学習意欲なども重要な判断材料となります。経理業務を通じて企業経営に貢献したいという意欲があるかどうかも、長期的な適性を判断する上で重要な要素です。これらの分析を通じて、自分なりの経理職への向き合い方を見つけることができるでしょう。

(2)相談できる人を見つける

経理職への適性について一人で悩んでいても、なかなか答えは見つからないものです。経理業務の経験がある人や、人事・キャリア相談の専門家など、 相談できる人を見つける ことが重要です。

現在働いている企業に経理部門がある場合は、経理担当者に業務内容や必要なスキル、やりがいなどについて話を聞いてみることをお勧めします。実際の業務の様子や求められる能力について、リアルな情報を得ることができます。また、経理職への転職を経験した人からは、転職時の準備や入社後の苦労なども聞けるでしょう。

転職エージェントやキャリアコンサルタントに相談することも有効 です。これらの専門家は多くの転職事例を見てきており、客観的な視点からアドバイスを提供してくれます。自分では気づかない適性や可能性を指摘してもらえることもあり、キャリア選択の参考になります。

経理・会計分野に特化した転職エージェント 「ジャスネットコミュニケーションズ」は、経験10年以上のベテランが多数在籍するほか、公認会計士、税理士、日商簿記1級とキャリアコンサルタントの資格を持ったエージェントも揃っています あなたの経理キャリアに対する相談にも無料で対応しているので、気軽に連絡してみてください。

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■まとめ

経理職に向いている人の特徴として、 数字への親和性、細かい作業への集中力、強い責任感、論理的思考力 などが挙げられます。これらの特性を持つ人は、経理業務において高いパフォーマンスを発揮し、企業経営に大きく貢献できるでしょう。

一方で、これらの特性が完璧でなくても、学習意欲と改善への取り組みがあれば、経理職として成長していくことは十分可能です。重要なのは、経理業務を通じて企業に貢献したいという気持ちと、専門性を高めていく意欲を持つことです。

経理職への挑戦を検討している方は、まず基礎的な知識とスキルの習得から始めてみてください。実際に学習を進める中で、自分の適性や興味の度合いを確認することができるでしょう。経理は企業経営の根幹を支える重要な職種であり、適性のある人にとっては非常に充実したキャリアを築くことができる分野です。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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