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これで覚えられる!仕訳入門~最初の一歩をわかりやすく解説

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「就職先で経理部に配属になった」「今は事務職だが将来的に経理の仕事につきたい」など、経理初心者の方がつまずきがちなのが仕訳入力です。

簿記の基本である仕訳ですが、簿記を勉強してもなかなか理解できないのが仕訳です。そして仕訳の知識がないと会計ソフトの入力業務をすることは難しいでしょう。ここでは「簿記の知識はないが、明日から経理部で働く」という方でも理解できるように、簡易的な仕訳の考え方をお伝えします。

多数の新人経理担当者のセミナーを行っている税理士の田中義晴先生にご教示いただいた、「ここを押さえておけば仕訳はできる」という必読の知識となっています。

■「仕訳」とは?

そもそも「仕訳」というのは、会社で行われている取引のすべての項目をラベリング(勘定科目といいます)し、それとセットで取引金額の数字を記載しておくことです。毎日の数字の積み重ねが、最終的には『決算書』という形で報告され、会社全体の取引内容を把握することができます。

経営者や税理士は決算書を見て、その月にどのようなことがあったのかを把握し、異常があれば仕訳を確認します。仕訳とは全ての基本になる、もっとも大切な業務であることをご理解いただけましたでしょうか。

■仕訳における基本ルール

経理事務の最初の主な業務が「仕訳入力」です。

会社全体のお金の流れを科目(勘定科目)ごとに分類して記録するという、帳簿を作成するための基本的な作業です。勘定科目は「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」といったグループに分かれています。しかし経理を始めたばかりの人は何の勘定科目が「資産」になるのか理解していません。

ここでは明日からでも仕訳ができる知識をお伝えするという目的のため、いったんその説明は省きます。

使用している会計ソフトは各社によってまちまちだと思いますが、仕訳入力は以下のような表に、会社の取引内容を左右に分けて記入をすることが基本です。

借方 貸方 摘要
消耗品費 90,000円 現金 90,000円 社員用ノートパソコン購入

また上記の表に記載されている「借方」「貸方」などの表記も簿記の知識がない場合は混乱のもとになるため、いったんは忘れてください。

経理初心者の方が覚えるべき、もっとも重要なルールはこちらです。

「お金を使ったら現金は右側に、お金をもらったら現金は左側に記載する」

簡単な例をあげてみましょう。

例1:商品が100円で売れた

この場合、会社は100円のお金をもらうので、左側に現金と入力します。

左(借方) 右(貸方)
現金 100円 売上 100円
例2:商品を100円で仕入れた

この場合、会社は100円の支払いをするので、右側に現金と入力します。

左(借方) 右(貸方)
仕入 100円 現金 100円
例3:会社で使用するボールペンを100円で購入した

この場合、会社は100円の支払いをするので、右側に現金と入力します。

左(借方) 右(貸方)
消耗品費 100円 現金 100円

現金を右か左のどちらに記載すれば良いか分かること、それが仕訳をマスターする最短コースです。現金を右に記載すれば、後は自動的に左側の相手勘定を記載するだけです。

いかがでしょうか。まずはこのルールを覚え、その取引内容で会社のお金が増えたのか、減ったのかという事実だけに着目することで、8割の仕訳はできます。なぜなら仕訳の8割は現預金が関係している取引だからです。

キャッチボールのように、「出たら右、入ったら左」と覚えましょう。

■勘定科目とは

次に重要なものが「勘定科目」と呼ばれるラベリングの項目です。

しかしこれに関しては一般的な勘定科目を覚える必要はなく、自分が働く会社の元帳を見て覚えることが、実務では一番の早道だと思います。

例えばボールペンひとつでも、「消耗品費」扱いの会社もあれば、「雑費」扱いの会社もあります。社用車でもガソリン代は「燃料費」、タイヤは「消耗品費」、車両保険代は「保険代」のように分けて仕訳入力をしている会社もありますし、全部で「車両費」とまとめている会社もあります。

社用車の保有台数が多い場合などは、車両費でまとめておくことで、車両費を保有台数で割れば一台当たりにいくらのコストがかかっているかが一目でわかるなど、会社ごとに必要な情報は違ってきます。このように会社ごとに使っている勘定科目が違うため、自社が使っている勘定科目を覚えた方が実務的です。

勘定科目の覚え方は、どの支払先が何の勘定科目になっているのか、それを覚えましょう。総勘定元帳を確認したり、支払先ごとの勘定科目の一覧表を作成したりするのも良いです。

また分かりにくいかもしれませんが、〇〇費、〇〇代というものだけが勘定科目ではなく、「売上」「仕入」「現金」なども勘定科目のひとつです。

■「仕訳」が理解できることで広がる、その後のキャリアパスは?

仕訳ができるというのは経理にとっては運転免許証のようなもので、これができないと経理として働くのは難しいというものです。

会社の現場で起きていることを数字にして記録するのが仕訳なので、取引の内容が理解できていないと仕訳はできません。現場では当然、例にあげたような簡単な取引ばかりではありませんが、「誰がお金を払って、誰がお金をもらったか」というのが整理できれば、必ず仕訳をすることはできると思います。

今後、経理業務の効率化は進み、会計ソフトに入力すれば自動で仕訳までしてくれるという現状から、さらに進んで入力すらいらないという状況になっていくでしょう。

インターネットバンクの情報を会計ソフトがそのまま取り込まれるようになれば、経理部での入力は必要なくなります。しかし仕訳ができるということ、さらに簿記の知識を身につけることは決して無駄ではありません。

知識がなければ、何かイレギュラーな処理が発生したり、ミスが起きた時にそれがどう間違っているのか判断することはできないからです。

本日お伝えしたことは最初の1歩です。ここから知識を深めていくことで、あなたの経理パーソンとしての価値を高めていってください。

執筆者プロフィール

田中 義晴(たなか よしはる)
税理士

大学卒業後、父の経営する税理士事務所に勤務し、2000年に税理士資格を取得。
2011年にはグロービス経営大学院を卒業し、MBAも取得した。

中小企業の事業経営を通じて税務署対策、資金繰りや人の問題、上場企業のようにコスト削減ができないジレンマを経営者の立場から実感している。また、税理士業とは別に小売業、飲食業の経営者としても実業を営んでおり、りそな総研・東京商工会議所などでセミナー講師も務めている。

経営の実情と理論に裏付けられた実践的指導は、多くの経営者から絶大な信頼を得ており、その信念は「経営者が活き活き、精力的に会社経営ができるお手伝いをすること。そして経営者が自分の進むべき道に行くためのサポートをすること」。

経理部門の地位向上を図るために経理合理化プロジェクトを推進中。

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