目次
【企業のステージ別】経理部門リーダーに求められる役割と業務内容
4 上場企業(売上数十億規模)

公認会計士 江黒 崇史
■このステージの経理部門リーダーの役割は?
(1)上場企業(売上数十億規模) の経理部門リーダーに求められる役割は?
この規模の企業になると、経理部長が数人から場合よっては財務部と経理部(財務課、経理課のケースも)があり、経理スタッフとしての作業スキルよりもチームリーダーとしての立場が求められるでしょう。
経理部門リーダー(経理部長)として、上場企業に求められる会計処理の知識や開示の基準に加えて、税務や場合によってはM&Aの知識も持っていて当然という期待が持たれる立場となります。
(2)上場企業(売上数十億規模) の経理部門リーダーの業務内容は?
業務自体も決算書の作成からそれに伴う監査法人対応はもちろん、決算早期化検討や決算説明資料の作成、内容確認、証券取引所対応、会社規模によっては決算発表の場で決算数値関係を説明するなど、対外的にも責任が高くなり、企業全体の業務や業界の動向等を把握している必要がある立場となってきます。
(3)上場企業(売上数十億規模) の経理部門リーダーに必要なことは?
税務に関しても社内で税務申告書を作成したり、M&Aの検討機会も増えてきたり、決算書作成を超えた業務が増えてくることとなります。そのため最新の会計基準や税制改正ニュースに加えてM&A関連ニュースにも目を配り、知識の研鑽が必要となってくるでしょう。
さらに上場企業となったことで自社の株主価値向上に向けた取りくみを考えたり、同業他社の決算書分析などを行い自社と比較したり、積極的なスタンスの経理部門リーダーも多いです。
■上場企業(売上数十億規模)で経理部門リーダーになるための資質、ヒント
このような上場会社で経理部門のリーダーになるには、実際に上場企業内で経理やバックオフィス業務を経験したことのある方が求められます。転職の求人案件もそれなりにあるかと思います。
そのため一度は上場会社での経理やバックオフィス業務を経験したことのある方、その経験を次に活かし企業成長を支えたいという方が向いていることでしょう。