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日商簿記2級の勉強時間はどれくらい?
社会人が合格するためのスケジュールと対策

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簿記講師 鯖江 悠平

日商簿記2級は経理会計分野のみならず多くの企業から求められる資格のため、転職やスキルアップのために取得したいと思う方も多いのではないでしょうか。

しかし試験はやや難易度が高いため、十分な勉強時間を確保する必要があります。

ここでは長年、会計専門学校で簿記講師を務める鯖江悠平さんに、「日商簿記2級の勉強時間や合格までのスケジュール」についてお話いただきました。

社会人でまとまった勉強時間が取れないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

■ 社会人が日商簿記2級に合格するためのポイント

あなたがもし「今まで簿記の勉強はしたことがない」という場合、まずは日商簿記3級を取得することを目標にするようアドバイスをします。期間は2か月。そのうえで、次のステップとして確実に1回で日商簿記2級に合格するスケジュールをお伝えいたします。

【2025年版】無料で学べる!日商簿記3級 おすすめオンライン講座5選 良い点と悪い点
https://edu.jusnet.co.jp/edu_article/certification/bookkeeping_article/24301/

日商簿記2級は、商業簿記と工業簿記をバランスよく理解しなければならないため、まずは3級をしっかりと理解できていることが重要です。

そのうえで難易度が高くなり、合格率は毎回20%〜30%程度と比較的低いため、しっかりとした対策が必要です。社会人にとっては仕事やプライベートとの両立が課題となるため、無理のない効率的な学習スケジュールを組みましょう。

■ 日商簿記2級に必要な勉強時間の目安

社会人が日商簿記2級に合格するためにはおよそ300~500時間の勉強が必要と言われています。

全くのゼロからスタートの場合、3級合格まで2か月、そこから2級合格まで半年のイメージです。

また勉強方法にも様々な選択肢がありますが、やはり2級になってくると難易度が上がりますので、理解できない部分を質問できる環境が必要だと思います。できるだけ独学で勉強したい方もいるとは思いますが、わたしは通信教育やスクールを利用するのが近道ではないかと思います。

(1)独学の場合

メリット:
自分のペースで勉強できる。費用が安い。
デメリット:
わからない部分について質問できない。つまずきやすい論点などのアドバイスがもらえない。

(2)通信教育やスクールを利用した場合

メリット:
理解できない部分、間違った問題などへの質問ができる。
プロの講師の解説やカリキュラムがあるため、効率よく学習できる
デメリット:
費用がかかる

■ 社会人向けおすすめ勉強スケジュール

社会人が合格に必要な勉強時間を確保するためには、平日・週末のバランスが重要です。特に平日は無理のない範囲で毎日継続し、週末にまとまった時間を確保すると効果的かつ効率的だと思います。

(1)平日・週末のバランス例

◆平日:1日1.5時間×5日間=7.5時間(1週間)

平日はスキマ時間を利用して、インプットすることを重視した勉強をしましょう。
例えば、通勤時間の行き帰りに動画を30分ずつ視聴する、テキストを読むなどです。朝の時間や寝る前の時間なども意識することで、トータルで勉強時間を確保します。

◆土日の週末:3~5時間×4回=20時間(1カ月)

休日は問題を解くなど、まとまった時間を要するアウトプットの勉強をします。間違った問題を解きなおすなど、何度も繰り返して問題に慣れることが重要です。

(2)合格までの時間配分

◆3級合格まで(合計100時間)

講義40時間+アウトプット20時間+試験対策20時間+復習20時間

◆2級合格まで(合計200~400時間)

商業簿記:講義70時間+アウトプット50時間
工業簿記:講義40時間+アウトプット20時間
過去問、模試対策 最低20時間

日商簿記2級は「商業簿記」と「工業簿記」の2分野から出題されます。様々なパターンの問題が出題されるため、答案練習や過去問を含めて10回程度解くことをおすすめします。

■ 商業簿記の学習ポイント

仕訳→試算表→決算整理→財務諸表の流れを理解することが最も重要です。

日商簿記2級は3級に比べて問題文も長くなってきますので、しっかり文章を読み、問われていることの前後の処理についてもイメージできるようにしましょう。

特に仕訳問題はできる限り問題数を多く解き、感覚が身につくまで慣れることが重要です。

■ 工業簿記の学習ポイント

実は工業簿記は理解すると得点源になる科目なので、完璧に仕上げることを目指しましょう。こちらも商業簿記同様、流れを理解することが重要になり、問題演習を繰り返すことで原価計算の流れをつかむのがポイントです。

■ 過去問・模試の学習ポイント

自信を持って1回で日商簿記2級に合格するためには、本試験と同じ形式・制限時間で、模試を10回以上実施することが必須です。間違えた箇所は必ず復習して、苦手を潰す作業を繰り返します。

また、できなかった理由をパターンに分けて、それに合った対策をとりましょう。「根本的に理解が浅かった場合は、もう一度動画で勉強する」「単なるミスで間違えた場合は、同様の問題を解いてみる」など、アウトプットが最も重要だと思います。

■ 社会人が効率的に勉強するには?

(1)インプットとアウトプットのバランスを意識する

理論や仕訳のルールを理解するためのインプットと、問題演習で理解度をチェックするためのアウトプットがありますが、特に重要なのはアウトプットです。講義を聞いて理解はできるものの、実際に問題を解いてみると手が動かないのが簿記なのです。

できるだけ多様な問題を解き、一度やった部分もしばらく期間をおいてから見直すことも意識しましょう。

(2)スキマ時間を活用する

働いている場合、必ずしもまとまったアウトプットの時間が取れるとも限りません。

前述の平日・週末のバランス例で挙げたように、通勤時間や休憩時間を使ってテキストや動画を確認したり、アプリで仕訳問題や模擬問題を解いたりと、意識してスキマ時間を活用するようにしましょう。今までテレビやスマホを見ていた時間を学習時間へ変えるだけでも変わりますよ。

(3)模試を活用して本番に慣れる

前述したように、わたしは本番に近い環境で模試を10回以上実施することが、合格するためには必要だと思っています。最初から制限時間内に終わらなくてもいいのですが、最終的には試験時間内に全問を解けるよう、解く順番なども身につけていく訓練を繰り返しましょう。

簿記を理解している方こそ試験に合わせた時間配分ができるようになると、本番でのミスを減らせます。

■ まとめ:日商簿記2級合格に向けた行動プラン

社会人が日商簿記2級に合格するためには300~500時間の勉強が必要です。一番のハードルは、社会人として働きながら勉強時間を確保することではないでしょうか。

学習が一生続くわけではなく、ある程度頑張り時を乗り越えることにより、転職の際にも非常に高い評価を得られるのが日商簿記2級です。

こちらのコラムも参考に、モチベーションをあげるようにしてください。

日商簿記2級のココがすごい! 資格取得者の年収・転職成功事例まで徹底解説
https://career.jusnet.co.jp/keiri/keiri_67_01.php

また「もっと短期間で簿記2級に合格したい」と思う方は、こちらのコラムもぜひお読みください。

【100日後にいきなり日商簿記2級合格!】
簿記3級を飛ばして合格できる最短勉強スケジュール

https://edu.jusnet.co.jp/edu_article/certification/bookkeeping_article/75735/

効率よく学習を進めて、ぜひ合格を目指しましょう!

執筆者プロフィール

鯖江 悠平(さばえ ゆうへい)
簿記講師

簿記専門学校卒業後、専門学校の簿記会計講師を担当。

これまで簿記会計の授業だけではなく、テキストや問題集等の教材開発、学生の就職相談や卒業生の転職相談など幅広く業務に携わっている。

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