常に勉強と知識のアップデートが求められる経理担当者。
担当業務に必要な専門的な知識を学ぶにはもちろん、法律の改正や新しい制度に対応した知識をもとに正しく会計や税務処理をする必要があります。
そのため、多くの経理、会計関連分野に関連する企業や団体・セミナー会社などで、様々なセミナーを開催していますが「希望に合うセミナーはどこで開催されているのか…」など、情報収集に苦労される方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、経理実務のスキルアップ繋がるセミナー(ウェビナー)や動画コンテンツを提供している9社を比較紹介します。それでは見ていきましょう。
■各社寸評
経理担当者にはおなじみの専門誌「税務通信」で知られている「税務研究会」。
税務研究会が運営する「丸の内税研アカデミー」では、税務・会計を中心として実務情報サービスを展開。
セミナーでは初心者レベルから上級者レベルまで幅広いテーマのセミナーを提供している。また税理士向けに高度な税務知識をテーマにしたセミナーの開催数が多い。経理担当者や税理士などの税務の専門知識を学びたい方は、まずはこのサイトを訪れてみると、希望に合うテーマのセミナーが見つかる可能性が高い。
上場企業やIPO支援、開示実務支援システムなどのソリューション提供を強みとする「プロネクサス」。
同社が提供するセミナーにもその強みを特長としたテーマを取りそろえる。上場企業で勤務している経理担当者、IPOを目指している企業の方には、こちらのサイトがおすすめ。
「CFO養成講座」「経営企画スキル検定(FP&A)実践講座」「経理・財務スキル検定(FASS)対策講座」「経理事務パスポート検定(PASS)講座」など、日本CFO協会が主催する検定試験に対応する講座を提供している。
FASS検定などの日本CFO協会が開発した検定試験を受験したい方、「経理・財務サービス・スキルスタンダード」に準拠して経理・財務を体系的に学習したい方などにはおすすめ。
会社、その他諸団体における財務、経理等の研究、調査及び普及を行う目的で活動を重ねており、1941年創立とこの種の団体としては日本で最も古い歴史を持つ「産業経理協会」。機関誌『産業経理』(季刊)を刊行している。
経理担当者向けの実務セミナーに加えて、経理部長や役員の方を対象とした研究会やセミナーを開催しているのが特徴。
役員や経理部長として知っておきたい専門知識や社外の経理部長や役員同士で、意見交換などをしたい方は、こちらがおすすめ。
当初は、公認会計士の試験合格者向けに、実務補習や修了考査などの開催・運営をしている「会計教育研修機構」。
最近では事業会社を対象に、実務に携わる方々や取締役、監査役等の役員の方々の会計リテラシーの向上に資するために、役員・実務家研修プログラムの提供している。他のセミナー会社と異なり、会計士のCPE単位に対応している講座が多いのが特徴。上場企業などに勤務される役員や会計士などにおすすめ。
経理・会計・税務分野に携わる方々のスキルアップを目的とした「経理実務の学校」を運営する「ジャスネットコミュニケーションズ」。
同社では、より多くの経理担当者にスキルアップの機会を提供できるよう、他社と比べても圧倒的に安い価格で提供している。また、実務系のセミナーだけではなく、転職活動に役立つ転職支援セミナーを開催しているのも特徴。
できるだけ受講料をおさえて経理実務のスキルアップを目指したい方、転職活動に役立つ情報収集をしたい方におすすめ。
「グローバルにビジネスを推進し、社会に変革と活力をもたらす人材を育成すること」をミッションに掲げ、若手・中堅~管理職、経営者まで幅広い層が受講できる、多様なテーマの講座を展開している。日本経済新聞社ならではのネットワークを活かした、著名な講師陣を取りそろえているのも特徴。
経理・財務に限らずマーケティングや営業、法務などビジネスに役立つ12の分野でセミナー提供しているため、幅広くビジネススキルを身につけたい方にはおすすめ。
階層別、分野別、最新トピックなど幅広いテーマで年間2,000講座以上のセミナーを開催。幅広い分野でセミナーを開催しているのは他社にはない特長。
こちらも日経ビジネススクールと同様、幅広くビジネススキルを身につけたい方にはおすすめ。
MUFGビジネスセミナーは、オンライン配信による年間約500本のセミナーを開催。
SMBCビジネスセミナーと比べると、数では少し劣るが、新入社員から経営幹部までの各種「階層別セミナー」や、営業・経理・総務・人事・生産・貿易といった「職能別セミナー」等、多彩な領域の様々なスキルが身につくセミナーを多数開催している。
ビジネススキルを身につけるセミナーを探している場合は、こちらのサイトも覗いてみるとよい。
■まとめ
さて、いかがでしたでしょうか。希望に沿うセミナー会社は見つかりましたか。
各社それぞれのカラーや特徴があり、優劣はつけられませんが、自分が知りたいテーマがある場合は、まずは「丸の内アカデミー」をのぞいてみるとよいでしょう。
そこから「IPOに必要な知識を学びたい」「検定試験に役立つ講座を受講したい」「他社の経理部長や役員と交流を深めたい」「CPE単位を取得したい」などより個別のニーズに合わせて、各社セミナーサイトの利用してみるとよいでしょう。
また、経理担当者は継続した学びが必要になるため、なるべく受講料の負担を抑えたいというニーズも高いでしょう。そういった方には、手前みそにはなりますが、ジャスネットコミュニケーションズが運営する「経理実務の学校」がおすすめです。
経理・会計や制度は変更されることも多く、税務は毎年の大綱が出るたびに何かしら変わります。学び続ける姿勢は経理パーソンにとっては必須。
ざっくりとした講座の方向性はここに述べた通りなので、まずは自分の学びたい方向性を定めた上で、これらの講座に定期的に参加し、最新情報をしっかりキャッチアップしておくことが大切です。