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新卒で経理職に就職するための戦略ガイド~未経験でも実践的アプローチで内定を勝ち取る方法~

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2025年9月29日 ジャスネットキャリア編集部

経理職は企業の財務基盤を支える重要な職種として、多くの新卒学生から注目を集めています。しかし、数字に強いだけでは内定を獲得することは困難で、企業が本当に求める人材像を理解し、戦略的にアプローチすることが成功の鍵となります。

本記事では、新卒で経理職への就職を目指す方に向けて、企業選びから選考対策まで実践的なガイドを提供します。経理職の魅力や将来性、必要なスキルセットから、効果的な志望動機の組み立て方、面接での差別化ポイントまで詳しく解説していきます。

目次

■なぜ新卒で経理職が人気なのか?その魅力と将来性は?

経理職は、どの企業にも欠かせない役割であり、新卒の学生からも一定の関心を集めています。その理由は、 景気の変動に比較的左右されにくい安定性 と、 数字を通じて企業経営に関わる専門性 にあります。 基礎的な会計知識を身につけておけば、業界を問わず活かせるため、長期的なキャリア形成につながりやすい 点も魅力です。

近年はデジタル化の進展により、単純な入力や計算業務はシステム化されつつありますが、その一方でデータを正しく理解し、周囲にわかりやすく伝える力が重視されるようになっています。新卒の段階ではまず基礎を固めることが中心ですが、経験を積めば財務データを分析し、経営に役立つ情報を提供する立場を目指すことも可能です。

このように「安定した専門職としての安心感」と「将来的な成長の可能性」があることが、新卒から経理職を志望する動機になっています。

■新卒経理職を積極採用する企業とその理由

経験者が有利だと言われる経理業界ですが、新卒で経理職を募集する企業は、大きく分けて三つのタイプに分類できます。

(1) 大手企業や上場企業

大手企業では広く新卒採用を行い、その中から一部が経理に配属されます。必ずしも幹部候補とは限りませんが、研修制度やOJTが整っており、基礎から段階的に学べる環境が整っています。

これを書いている編集部の担当も新卒時は大手企業に入社し、最初の配属で営業を希望したものの、経理に配属になりました。

(2)成長段階の企業

成長段階にあるベンチャー企業やスタートアップでは、事業拡大に伴い経理体制を強化するため、新卒採用を行っています。これらの企業では経理部全体の人数が少なく、そのため一人ひとりが幅広い業務を担当する機会が多くなります。経理システムの構築やITツールの導入など、サポート的な立場だとしても早期から責任のある仕事に関わらせてもらえるため、成長スピードが速いという特徴があります。

(3)会計事務所や税理士法人

会計事務所や税理士法人では、新卒はまず補助業務からスタートします。経験を積みながら徐々に担当業務を広げ、専門性を高めていくのが一般的です。

■企業が未経験の新卒に求める経理の素養4つ

(1) 基礎力と学習姿勢

新卒にいきなり経営課題を分析する力は期待されません。まずは仕訳や資料作成を正確に行う『基礎力』や、教わったことを素直に吸収できる『学習姿勢』が重視されます。分析力や改善提案力は、経験を積む中で磨かれていきます。先輩の教えを素直に聞くのは、意外に重要で、新卒のうちからクセがあると思われない方がよいでしょう。

(2) コミュニケーション能力

コミュニケーション能力も非常に重要な要素です。経理職は営業をはじめ他部署との連携が頻繁にあり、会計処理について分かりやすく説明したり、経営陣に財務状況を報告したりする機会が多くあります。専門用語を使わずに、相手の立場に立って説明できる能力は高く評価されます。

(3)変化に合わせて学びを継続する力

さらに、変化への適応力も重要です。会計基準や税制は頻繁に改正されるため、常に最新の情報をキャッチアップし、業務に反映させる姿勢が求められます。また、新しいシステムの導入や業務プロセスの改善に積極的に取り組める柔軟性も必要です。

(4)責任感と正確性

責任感と正確性も経理職には欠かせない資質です。一つのミスが会社全体に影響を与える可能性があるため、細部への注意力と最後まで責任を持って業務を遂行する姿勢が重要視されます。これらの資質をアピールする際は、具体的なエピソードを交えて説明することで説得力を増すことができます。

■簿記資格だけでは不十分?

経理職を目指す多くの学生が簿記検定の取得を目指すと思います。 日商簿記2級を持っていれば基礎学習能力を示すには十分 です。簿記に加えて差をつけやすいのはExcelを中心としたITスキルや、簡単な英語読解力です。ちなみに、これを書いている編集部の担当も経理をやっていた頃、英語で支払いの督促のメールを書いた記憶があります。また、統計や法務の知識はアピール材料にはなりますが、必須ではなく『あるとプラス』程度と考えるのが現実的です。

日商簿記1級や税理士科目合格は評価されますが、新卒採用の経理志望ではオーバースペックと言えるでしょう。日常業務で活かす機会は少ないため、あくまで『学習意欲の高さ』を示すものとして活用しましょう。

■カスタマイズして使える例文あり!効果的な志望動機の組み立て方とは

志望動機は選考において最も重要な要素の一つです。「数字が好きだから」や「安定しているから」といった表面的な理由では、採用担当者の心を動かすことはできません。

(1)経理職への想いを言語化する

効果的な志望動機を作るためには、まず自分の価値観と経理職の接点を明確にする必要があります。例えば、「組織の透明性を高めたい」「企業の成長を数値面からサポートしたい」「正確な情報提供で経営判断に貢献したい」など、 自分なりの経理職への想いを言語化しましょう

(2)その企業を選んだ理由を明確に

次に、その企業を選んだ理由を具体的に説明します。業界特性、企業文化、成長性、事業内容など、 その企業ならではの魅力と自分のキャリアビジョンとの関連性を示すことが重要 です。企業研究を十分に行い、その会社の経理職として働く意義を明確に表現しましょう。

過去の経験との関連付けも効果的です。学生時代のアルバイト経験、ゼミでの研究、サークル活動などで身につけたスキルや考え方が、経理職でどう活かせるかを具体的に説明します。直接的な会計経験がなくても、責任感、正確性、分析力などの資質をアピールすることは可能です。

(3)将来的なビジョンを伝える

将来のビジョンも含めることで、長期的に会社に貢献する意欲を示すことができます。「将来的には管理会計の専門家として経営企画にも携わりたい」「国際会計基準の導入プロジェクトをリードしたい」など、具体的なキャリアプランを描くことが重要です。

(4) 【新卒経理職 志望動機例文集】

例文①:製造業志望(分析力・改善志向アピール型)

私が経理職を志望する理由は、正確な数字を扱うことで企業の信頼と成長を支える仕事に魅力を感じたからです。大学のゼミでは中小企業の財務データを分析し、売上債権の回収状況やコスト構造を把握する経験をしました。このとき「数字を正しく理解することが経営判断の土台になる」と実感しました。御社の製造業での取り組みにおいて、こうした「数字をもとに改善を考える姿勢」を活かしたいと考えています。

将来的には管理会計の知識も深め、経営判断に役立つ情報を提供できる経理担当者へ成長していきたいです。

例文②:商社志望(グローバル志向・コミュニケーション重視型)

私が経理職を志望する理由は、企業活動の「共通言語」である会計を通じて、多様なステークホルダーをつなぐ架け橋となりたいからです。

大学で国際会計論を学び、留学先のドイツでのインターンシップでは、言語の壁を越えて財務数値によるコミュニケーションの重要性を実感しました。会計情報は単なる数字ではなく、企業の想いや戦略を伝える重要なメッセージであると確信しています。御社を志望する理由は、70か国以上での事業展開において、各地域の会計基準や商習慣の違いを調整し、グループ全体の財務ガバナンスを支える経理職の役割に魅力を感じるからです。

学生時代は国際交流サークルの財務担当として、10か国の留学生との共同イベントの予算管理を行い、文化的な価値観の違いを調整しながら透明性の高い会計報告を実現しました。TOEIC850点、簿記2級を取得しており、グローバル環境での会計業務に対応できます。

将来的には国際財務報告基準の専門家として、海外M&Aにおける財務デューデリジェンスに携わり、グローバルな視点で御社の持続的成長を支える経理プロフェッショナルとして貢献したいです。

■どう準備すれば面接で差をつけられるのか

経理職の面接では、専門知識だけでなく、人物面での評価も重要視されます。面接官は候補者の論理的思考力、コミュニケーション能力、ストレス耐性などを総合的に判断します。

(1) 基本的な会計知識は身につけておく

まず、基本的な会計知識については確実に答えられるよう準備しておきましょう。貸借対照表と損益計算書の違い、減価償却の概念、キャッシュフローの重要性など、日商簿記2級レベルの知識は確実に身につけておく必要があります。ただし、知識の暗記ではなく、なぜその処理が必要なのか、どういう意味があるのかを理解した上で説明できることが重要です。

(2)質問・逆質問の準備を

コミュニケーション能力を示すために、専門用語を使わずに会計概念を説明する練習も有効です。「なぜ決算書が重要なのかを、会計知識のない人に説明してください」といった質問に対して、相手の立場に立った分かりやすい説明ができることは大きなアピールポイントになります。

逆質問の準備も重要です。「御社の経理部門が抱えている課題は何ですか」「新卒に期待する役割はどのようなものですか」「キャリアアップのための支援制度について教えてください」など、自分の成長意欲と会社への関心を示す質問を用意しておきましょう。

(3)模擬面接の実践

模擬面接の実践も面接成功には欠かせません。実際の面接でよく聞かれる質問を想定して練習し、大学のキャリアセンターや友人、家族からフィードバックを受けることで、自分の改善点を客観的に把握できます。

特に、回答の論理性や表情、姿勢などの非言語的要素も重要な評価ポイントとなるため、実際の環境に近い形での練習が効果的です。また、繰り返し練習することで本番での緊張を和らげ、自信を持って面接に臨むことができるようになります。

■なぜ業界選びが重要なのか?キャリアパスを見据えた企業選択を

(1)企業の規模によって経理の業務は変わる

企業の規模によって経理の働き方は大きく変わります。大企業では経理の中でも「連結決算担当」「固定資産担当」など、特定分野を深く極めることができます。中小企業では、経理だけでなく人事や総務も担当することが多く、会社全体の仕組みを幅広く学べる環境です。

上場企業では投資家向けの決算説明資料作成など対外的な業務も経験でき、非上場企業では経営陣との距離が近く、会社の意思決定プロセスを間近で見ることができる傾向にあります。

(2)経理職としてジャスネットに入社すると、多様な経験が積める

また新卒で経理職を目指すなら、ジャスネットでのキャリアスタートもおすすめです。

ジャスネットでは会計・経理分野に特化したプロフェッショナル集団として、社員一人ひとりを「会計の専門家」として育てていく教育体制を整えています 。入社後は研修や実務を通じて基礎から応用まで幅広くスキルを身につけられるだけでなく、様々な企業から負った経理業務を経験できる他、派遣先の企業で実際の経理業務を経験できるのも大きな魅力です。

さらに、派遣先での評価が高ければ、そのままその会社への転職につながるチャンスもあります。つまり、ジャスネットで働くことは「経理の土台を築きながらキャリアの可能性を広げる」第一歩。プライム上場企業や成長企業、さらには税理士など、安定した環境のもとで働くことができます。将来のキャリアを自由にデザインしていきたい方に、ぴったりの環境です。

このように「数字が得意だから経理」だけでなく、どんな環境で何を学びたいかを具体的にイメージして業界や企業を選ぶことが、充実したキャリアを築く第一歩となります。

■まとめ:新卒経理職内定への道筋

新卒で経理職への就職を成功させるためには、 単なる会計知識の習得だけでなく、総合的な人材力の向上が必要 です。企業が求める人材像を正確に理解し、自分の強みと経理職への適性を明確にアピールすることが重要です。

効果的な準備のためには、まず自分のキャリアビジョンを明確にし、それに適した業界や企業を選択することから始めましょう。その上で、必要なスキルセットを体系的に身につけ、具体的なエピソードを交えて自分の価値を表現できるよう準備することが成功の鍵となります。

経理職は専門性が高く、やりがいのある職種です。適切な準備と戦略的なアプローチにより、必ず内定を獲得することができるでしょう。継続的な学習意欲と成長への意識を持ち続けることで、経理のプロフェッショナルとしてのキャリアを築いていってください。

「2026年度新卒向け 個別企業説明会」開催のお知らせ|ジャスネット

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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