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経理の転職に年齢制限はある?年齢別の成功するためのポイントとは

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2025年8月5日 ジャスネットキャリア編集部

転職において、年齢は重要な要素のひとつですが、経理職では特に専門性が重視されるため、年齢よりもスキルや経験が評価される傾向があります。

しかし、現実的には年代によって転職のアプローチ方法や成功のポイントが異なることも事実です。本記事では、経理職での転職における年齢の実情と、各年代での成功戦略について詳しく解説します。

目次

■経理転職市場の現状

(1)年代別の転職希望者の分布

経理の転職市場では、転職希望者が最も多いのは30代ですが、次に多いのは40代、3番目に20代、50~60代の転職希望者というのも少なくありません(ジャスネットキャリア調べ)。経理・財務職ではシニア層の転職が活発であることが特徴です。

(3)年齢別の転職成功率

経理職に絞らない全体の転職市場では、厚生労働省の調査によると、15歳以上の男女の転職希望者の中で、実際の転職成功者の割合は全体平均で45.2%でした。転職成功率を年代別に見ると、全世代の中で、20代の転職成功率が一番高く、年代が上がるにつれて成功率は下がる傾向にあります。この背景には、若手に対する企業の採用意欲の高さと、第二新卒市場の拡大があります。

しかし、 経理職の場合は専門性が評価される ため、経験者であれば年齢が高くても転職成功の可能性は十分にあります。特に、管理職経験やプロジェクトリーダー経験がある場合、年齢が比較的ハンディになりにくい職種と言えるでしょう。

■経理の転職と年齢の関係

(1)未経験者の転職は20代が有利

経理未経験者の転職においては、年齢が重要な要素となります。ジャスネットに登録される未経験の方で経理・財務に転職を希望する年齢が一番多い層は、25~29歳の層です。第二新卒または少し上の年齢層ということになります。

20代の未経験者が有利な理由として、まず、 将来性とポテンシャルが評価されやすい 点が挙げられます。企業は長期的な育成を前提として採用を検討するため、若手の方が教育投資に対する回収期間を長く設定できます。

また、 環境への適応力が高いとみなされる ことも大きなメリットです。経理業務は企業ごとに特色があり、会計システムや業務フローも異なるため、適応できる柔軟さが重要視されます。

経理が未経験でも30代前半であれば転職の可能性は十分にあります。一般的に、30代前半まではキャリアチェンジを受け入れる企業が多く、経理の基礎知識やスキルを身につける時間的余裕もあると考えられるためです。

(2)経験者は30~50代でも転職可能

経験者の場合、年齢による制限は大幅に緩和されます。転職希望者の年齢が上がるにつれ、経理・会計の経験年数も10年以上と熟練者であることが多いです。また、40~50代となると、課長、部長や何かしらの役職を経験している方も珍しくなく、マネジメント面で力を発揮することが期待されます。

経験者の転職では、即戦力としての期待値が高く、特に以下のような経験が評価されます。

ミドル世代の経理経験者の転職で評価される経験
  • 決算業務の責任者としての経験
  • 税務調査対応の実績
  • システム導入プロジェクトへの参画
  • 部下の指導・育成経験

■年齢別の転職活動のポイント

(1)20代の転職活動の進め方

20代での経理転職は、ポテンシャル重視の採用が期待できる年代です。未経験者であっても、適切な準備と戦略があれば十分に転職可能です。

まず重要なのは、基礎知識の習得です。経理未経験の20代転職では、 可能な限り日商簿記2級 の資格を取得しておきましょう。

20代前半から半ばの第二新卒層は、企業から熱意やポテンシャルの高さを期待されるので、積極的に採用される傾向にあります。このため、学習意欲と成長への意志を示すことが重要です。

転職活動では、 なぜ経理職を選んだのか、将来どのようなキャリアを築きたいのかを明確に説明できるよう準備 しましょう。数字に対する興味や、前職で培った分析力、細かい作業への適性などを具体的なエピソードとともにアピールすることが効果的です。

また、会計ソフトの操作スキルを身につけておくことも推奨されます。ExcelやAccess、弥生会計、勘定奉行などの基本操作ができることを示せば、即戦力としての期待値を高めることができます。

【目的別】経理の志望動機例文集|転職でそのまま使える高評価テンプレート |経理・財務の転職ならジャスネットキャリア

(2)30代の転職活動の進め方

30代は経理転職において最も重要な年代です。前職での経験を活かしつつ、経理職として新たなキャリアを築く絶好の機会と言えるでしょう。

30代前半までは未経験者でも転職可能ですが、 30代後半になると即戦力としての期待が高まります 。30代前半まではキャリアチェンジを受け入れる企業が多く、経理の基礎知識やスキルを身につける時間的余裕もあると考えられるためです。

転職活動では、 前職での経験をいかに経理業務に活かせるかを明確に示す ことが重要です。営業経験があれば業績を数字で管理した経験、企画業務経験があれば必ずあるであろう数字の分析力と論理的思考力、管理業務経験があれば何かしらの数値の管理やマネジメント能力といった具合に、経験を経理業務に関連付けて説明しましょう。

資格取得については、すでに述べた通り日商簿記2級以上の取得が強く推奨されます。簿記2級の勉強過程で身につく知識やスキルは経理の実務に直結します。特に「仕訳の処理」や「財務諸表の理解」といった基礎的なところは、日常の経理業務に欠かせないスキルのため、未経験者であってもそのスキルが身についていると評価してもらえます。

さらに、実務経験を補完するために、 派遣やアルバイトでの経理業務経験を積む ことも有効な戦略です。短期間でも実際の業務に携わることで、面接での説得力を大幅に向上させることができます。

(3)40代の転職活動の進め方

40代での経理転職は確かに難易度が上がりますが、適切な戦略と準備があれば十分に成功可能です。この年代では、マネジメント経験と豊富な業務経験を武器にした転職戦略が重要になります。

40代の転職成功のカギは、これまでの経験の棚卸しとその価値の再定義にあります。管理職経験、プロジェクトマネジメント経験、危機管理経験、人材育成経験など、経理部門で活かせる能力を明確に整理しましょう。

また、継続学習の姿勢を示すことも重要です。新しい会計基準への対応、デジタル化への適応能力、最新の税制改正への理解など、年齢に関係なく学び続ける意欲があることをアピールしましょう。

転職先の選択においては、その年代の求人がでなさそうな 上場大手企業より、成長企業や新規事業を展開する企業、M&Aを実施する企業など、経験豊富な人材を求める企業をターゲットにすることが効果的 です。また、転職エージェントの活用や人脈を通じた紹介など、複数のルートを活用することも重要です。

■転職成功のための戦略

(1)志望動機の明確化

転職成功のためには、 なぜその企業を選ぶのか、なぜ転職を決意したのかを明確に説明できることが重要 です。未経験者の場合は経理職を選ぶ理由を、経験者の場合は現在の環境から転職する理由を、説得力をもって伝える必要があります。

① 自己分析の重要性

効果的な志望動機を作成するためには、まず自己分析を行いましょう。未経験者の場合は、これまでの経験の中で数字に関わる業務、分析業務、正確性が求められる業務などに興味や適性を感じた瞬間を具体的に振り返ります。経験者の場合は、現在の職場では実現できないキャリアアップや新しい挑戦について明確化しましょう。

② 企業研究

企業研究も欠かせません。応募企業の事業内容、経営方針、成長戦略を理解し、自分がどのように貢献できるかを具体的に示しましょう。業界動向や競合他社との比較分析を行うことで、より深い理解を示すことができます。経理経験者の場合は、その企業特有の会計処理や業界の特殊性についても理解を深めることが重要です。

③ 志望動機

志望動機では、将来のキャリアビジョンも重要な要素です。未経験者は経理職として5年後、10年後にどのような役割を担いたいかを、経験者は現在のスキルをさらに発展させてどのような価値を創造したいかを明確に述べることで、長期的なコミットメントを示すことができます。

【目的別】経理の志望動機例文集|転職でそのまま使える高評価テンプレート |経理・財務の転職ならジャスネットキャリア

(2)自分の強みをアピールする方法

年代や経験レベルに関係なく、転職成功のためには自分の強みを効果的にアピールすることが重要です。経理職への転職では、未経験者と経験者で強調すべき点が異なります。

未経験者の場合、数値への感度と分析力をアピールしましょう 前職での実績を数値で示し、データに基づいた判断や改善提案の経験があれば積極的にアピールします。例えば、コスト削減の実績、予算管理の経験、売上分析による課題発見などが挙げられます。

経験者の場合、専門性の高さと実務経験の豊富さを前面に出しましょう 決算業務の責任者としての経験、税務調査対応の実績、システム導入プロジェクトへの参画、部下の指導・育成経験などを具体的な成果とともに示します。また、業界特有の会計処理への精通度や、法改正への対応経験なども重要なアピールポイントです。

共通して重要なのは、正確性と責任感です。経理業務の根幹となる資質だからです ミスが許されない業務環境で、細心の注意を払って業務を遂行できることを具体的なエピソードで示しましょう。期限管理能力、ダブルチェックの習慣、継続的な業務改善への取り組みなどが評価されます。

学習意欲と適応力も大きな強みとなります。 経理の業務は、たとえ豊富な経験・資格があったとしても、継続的に知識を身につけることが求められます。会計基準の変更、税制改正、デジタル化への対応など、変化に対する適応力を示すことが重要です。

コミュニケーション能力も大切な要素です 経理部門は社内外との調整が多いため、円滑な人間関係を構築し、複雑な情報を分かりやすく説明できる能力が重視されます。特に経験者の場合は、経営陣への報告や他部署との連携経験をアピールできれば、より高い評価を得られるでしょう。

経理職の自己PR例文集|転職活動で求められるアピールポイントを紹介 |経理・財務の転職ならジャスネットキャリア

(3)転職エージェントの活用法

経理職への転職において、転職エージェントの活用は有効な戦略です。経理・財務分野に特化したエージェントを選ぶことで、より専門的なサポートを受けることができます。

応募先企業との面接練習や交渉仲介を行っているところもあり、スキルや経験に合致する転職先が見つかるようにサポートしてくれます。

エージェント選択の際は、以下の点を考慮しましょう。経理・財務分野の専門性、求人数の豊富さ、キャリアアドバイザーの質、転職成功実績などです。複数のエージェントに登録し、比較検討するのも良いでしょう。

ジャスネットは、人材紹介だけでなく人材派遣業も行っています。このことで、人事だけではなく、企業経理部の現場責任者や担当者と直接繋がっています。このことで、企業経理の職場環境を把握しているので、あなたにフィットする職場をご紹介することができます。

エージェントとの面談では、率直に自分の状況や希望を伝えることが重要です。年齢、経験、スキルレベル、希望条件などを正確に伝えることで、適切なマッチングが期待できます。また、転職理由や将来のキャリアビジョンも詳しく説明しましょう。

エージェントからのフィードバックは貴重な情報源です。市場価値の評価、応募書類の改善点、面接での注意点などのアドバイスを積極的に活用し、転職活動の精度を高めていきましょう。

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■年齢による転職の壁とその対策

(1)年齢が高い場合の転職の難しさ

40代以降の転職では、確かに一定の困難があることを認識しておく必要があります。40代になると、「日商簿記2級があれば未経験OK」の求人はかなり減ってきます。

年齢が高くなることで生じる主な課題として、求人数の減少、年収維持の困難、新しい環境への適応に対する企業側の懸念などがあります。特に未経験者の場合、教育投資に対する回収期間の短さが企業側の懸念材料となります。

また、同年代の経験者との競争も激しくなります。同じ年齢であれば、経験者の方が即戦力として評価されやすいのは当然です。さらに、管理職ポジションでの採用が中心となるため、マネジメント経験や高度な専門性が求められるようになります。

技術革新への対応も課題のひとつです。デジタル化が進む経理業務において、新しいシステムやツールへの適応能力に対する不安を持たれることがあります。

(2)年齢を逆手に取る戦略

しかし、年齢が高いことは必ずしもデメリットだけではありません。適切な戦略を取ることで、年齢を強みに変えることが可能です。

豊富な社会人経験は大きな武器となります。 危機管理能力、判断力、人間関係構築力など、長年の経験から培った能力は若手にはない強みです 特に、厳しい経済環境を乗り越えた経験や、組織変革に携わった経験は高く評価されます。

人材育成能力も優位になるポイントです 後進の指導や育成に携わった経験があれば、これを積極的にアピールしましょう。経理部門では知識の継承が重要であり、指導力のある人材は重宝されます。

業界知識の深さも年齢が高い転職者ならではのアドバンテージです 長年同一業界で働いてきた経験があれば、その業界特有の会計処理や商慣行に精通していることをアピールできます。

安定性と継続性も重要な要素です。頻繁な転職を繰り返さず、長期的に貢献できる人材であることを示すことで、企業側の安心感を得ることができます。

年齢を逆手に取るためには、自分の経験を体系的に整理し、経理業務にどのように活かせるかを明確に示すことが重要です。単なる年功序列的な評価ではなく、実際の価値創造につながる経験や能力をアピールしましょう。

■経理転職に関するよくある質問

Q1:経理職は何歳まで転職可能か

A: 経理職への転職に明確な年齢制限はありませんが、現実的には年代によって転職の難易度や戦略が異なります。経験者であれば50代、60代でも転職の可能性はありますが、未経験者の場合は年齢が上がるにつれて困難になります。

50代の方の場合、日商簿記2級を取ったとしても未経験で入れる就職先は限られています。しかし、これは未経験者に限った話であり、豊富な経理経験を持つ50代であれば、十分に転職の機会があります。

経験者の場合、管理職としての採用や、特定の専門分野でのスペシャリストとしての採用が期待できます。上場企業での決算業務経験、連結決算の経験、IPO準備の経験、M&A関連業務の経験などがあれば、年齢に関係なく高く評価されます。

また、近年は働き方改革や定年延長の流れを受けて、シニア層の活用に積極的な企業も増えています。経験豊富なシニア人材を嘱託社員や契約社員として活用する企業も多く、正社員以外の働き方も選択肢となります。

重要なのは、年齢に応じた適切な転職戦略を立てることです。20代は成長ポテンシャル、30代は即戦力、40代以降はマネジメント力と専門性を軸とした戦略が効果的です。

Q2:転職回数が多いと不利になるのか

A: 転職回数については、経理職では他の職種と比較して比較的寛容に受け止められる傾向があります。課長級以上のマネジメント経験者では、転職回数2~3回の方が多い傾向にあり、これは「スキルアップや昇格を目指せる環境に転職したい」層が一定数存在し、転職を機に目的を達成している方が多いからでしょう。

経理職では、転職によるスキルアップやキャリアアップが一般的であり、むしろ多様な経験を積むことが評価される場合もあります。ただし、重要なのは転職の理由と経験の一貫性です。

転職回数が多い場合でも、以下の点を明確に説明できれば不利になりません。各転職での明確な目的とその達成状況、スキルアップや責任拡大などの成長実績、業界や職種の一貫性、各職場での具体的な貢献内容などです。

短期間での転職を繰り返している背景に合理的な理由があり、次の転職では長期的にコミットする意思があることを示せば、過度に心配する必要はありません。

むしろ問題となるのは、転職回数よりも各職場での成果や学びが不明確な場合です。対策として、職務経歴書では各職場での具体的な成果と学びを簡潔にまとめ、一貫したキャリアストーリーを構築することが効果的です。また、面接では転職理由をポジティブに説明し、次の職場では長期的に貢献する意思があることを強調しましょう。

■まとめ

経理職での転職において、年齢は確かに考慮すべき要素ですが、それ以上に重要なのは専門性、経験、そして継続的な学習意欲です。年代ごとに異なる強みを活かし、適切な戦略を立てることで、年齢に関係なく転職を成功させることが可能です。

経理職でのキャリアは長期戦です。焦らず着実に専門性を高めながら、自分の年代に適した転職タイミングを見極めることが成功の鍵となります。年齢を言い訳にするのではなく、それぞれの年代の強みを最大限に活かし、価値ある人材として市場で評価されるよう努力を続けることが、転職成功への最短ルートと言えるでしょう。

転職市場は常に変化しており、企業の採用ニーズも時代とともに変わります。最新の市場動向を把握し、時代に適応したスキルを身につけることで、年齢に関係なく活躍できる経理人材として成長していくことが可能です。継続的な自己投資と前向きな姿勢こそが、経理職での成功を約束する最も重要な要素なのです。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。
編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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