第3回 事前通知の確認事項

第3回 事前通知の確認事項

1.事前通知のなかで要注意の項目は?

税務署が税務調査を行う場合、原則として調査先に事前通知を行わなければならないことになっています。この事前通知ですが、以下の事項が連絡されます。

  • ①調査開始日時
  • ②調査場所
  • ③調査の目的
  • ④調査対象税目
  • ⑤調査対象期間
  • ⑥調査の対象となる帳簿書類その他の物件
  • ⑦その他一定の事項

これらのうち、特に注意したいのが⑥と⑦です。

⑥については、調査官が調査で確認したい資料が通知されますので、できるだけ細かく聞いて下さい。売上や原価など、税務調査でよく確認される事項は別にして、国際取引の資料など、通常はあまり予告されない資料が連絡されることがあります。このような資料が連絡されれば、当然ながらそこを狙った調査がなされることになりますので、あらかじめ間違いがないか、調査前にチェックしておく必要があるでしょう。

加えて、よく「税務調査でどんな資料を用意すればいいですか?」といった質問を受けますが、その回答は「国税から連絡を受けた資料だけ用意する」ということになります。資料を出しすぎて税金をたくさん取られた、という事例が多くありますので、細かく正確に聞き取り、指示された資料だけを用意することとしてください。

2.税務職員の経歴は確認できる

次に、⑦ですが、一定の事項の中で重要なのは税務調査の担当者です。税務調査は、担当者の能力によって大きく結果が変わります。このため、担当者の氏名と所属をしっかりと聞いて、だれが調査に来るのかあらかじめ把握しておきましょう。

ここで、よくミスする点が、メインの担当者だけを聞いて、同行者を聞かないというケースです。税務調査は、メインの担当者とサブの担当者など、二名以上で実施することもよくありますが、法律上は、メインの担当者だけ連絡すればいいことになっています。

このため、調査官によっては、メインの担当者しか連絡しないことがあり、となると同行者の情報が分からないことになります。メインの担当者は経験が少ないため、今回の税務調査は甘いと考えていたところ、同行者が熟練の調査官だったため痛い目にあった、というケースが多くありますので、必ず「何名で来るか」、そして「同行者全員の氏名をフルネームで聞く」こととしましょう。

なお、税務調査の担当者などの氏名が分かれば、その担当者の経験などは、株式会社税経という会社が発行している『10年職歴』という書類で調べることができます。この10年職歴をご覧いただければ、税務職員がこの10年間の職歴(おおむねどんな仕事を中心にしてきたか)がわかりますので、あらかじめ税務調査の厳しさを把握することができます。

税務調査の人事の傾向として、税務調査の実行部隊であればずっと実行部隊、総務の仕事をすればずっと総務など、職歴が継続することが多くあります。これを見るだけでも経験を事前に把握できますから、税務調査対策上大いに参考になります。

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執筆者プロフィール
松嶋 洋(まつしま よう)
  • 元国税調査官・税理士

昭和54年福岡県生まれ。平成14年東京大学卒。国民生活金融公庫(現日本政策金融公庫)、東京国税局、日本税制研究所を経て、平成23年9月に独立。現在は顧問業務の他、税務調査対策・税務訴訟等のコンサルティング並びにセミナー及び執筆も主な業務として活動。とりわけ、平成10年以後の法人税制抜本改革を担当した元主税局課長補佐に師事した法令解釈と、国税経験を活かして予測される実務対応まで踏み込んだ、税制改正解説テキスト「超速」シリーズは数百名の税理士が購入し、非常に高い支持を得ていた。

著書に『最新リース税制』(共著)、『国際的二重課税排除の制度と実務』(共著)、『税務署の裏側』、『社長、その領収書は経費で落とせます!』などがあり、現在納税通信において「税務調査の真実と調査官の本音」という300回を超えるコラムを連載中。

【セミナー講師実績】
・税理士会統一研修:「誤解だらけの税務調査実務とその対応策」
・東京税理士会麻布支部:「税理士が見落としがちな税務の盲点」
・鳥飼総合法律事務所:「相手を知ることで勝てる税務調査交渉術」
・アックスコンサルティング:「自社株対策(組織再編とグループ税制の活用)」
・アックスコンサルティング:「事業承継税制(平成25年度改正)」
・ビズアップ総研:「税務調査対策(事前準備と交渉術)」
・インスパイアコンサルティング:「印紙税税務調査対策」

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