目次
■必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)
■「上場企業の経理部」での業務内容
- (1)主計業務
- (2)四半期報告書、決算短信、有価証券報告書などの作成
- (3)税務対応
- (4)税務調査の対応
- (5)国際税務関係
- (6)予算確定のために各部署に対して予算のコントロールをする
- (7)工場経理の原価計算など
- (8)わたしの場合
上場企業の経理部、その業務内容とやりがいは?
この記事では税理士の資格を持ち、上場企業経理部での勤務経験のある方に、税理士目線で業務や仕事のやりがいを語っていただきました。
上場企業の経理部で働く場合、何よりも几帳面で正確性が高いことが求められると思います。特に上場企業の場合は、自分のミスが株価に影響を与え、何万人もいる株主にまで損失を与えてしまう可能性があるため、常に緊張感をもって仕事に臨まなくてはなりません。
会計事務所で中小企業に対して仕事をしているレベルではなく、より綿密な注意力が必要とされます。上場企業では決算のたびに監査も行われており、そこで修正が入ると大きな問題になることもあるので、経理部のプレッシャーも半端ではありません。
また、お客様とのコミュニケーションが中心の会計事務所と違い、上場企業は社内の人間とのやり取りが第一になります。組織になじみ、様々な部署と円滑に業務を行うことが必要とされますので、高いコミュニケーション能力も必要です。
会社内から「この取引について会計・税務的にどう思うか」などの質問も多数きます。経理部としての見解だけではなく、例えばコンプライアンス的によくない、などの意見もはっきり言えるようなことも必要です。
取引が出たときに会計処理を考える、会計処理基準が変わった時の対応を考えるなどの業務です。
わたしは退職給付引当金の担当だったのですが、上場企業では何万人も在籍している従業員の引当金を積み立てており、中小企業で行っていたものとは件数も金額も難易度も全く違いました。
出向している人や海外の子会社、日本の子会社の場合はどうするのかなど、会計処理基準など自分でもかなり勉強して対応しなくてはなりませんでした。
決算発表の資料なので、財務諸表論の知識が活かせる分野ではあります。
ただし上場企業の場合は処理を一つするにしても、自分の直接の上司、部長、さらにその上へと承認をとる必要があるので、確認のための資料などを用意しなくてはならず、そのために時間がかかるので前もって準備することが大切です。
連結納税(グループ通算制度)の処理について子会社への説明会などを行っていました。年に1回子会社の税務担当に説明会は必ず行っており、税制改正があった場合の対応などを指示していました。
上場企業への税務調査は半年間にわたって行われるため、その場所の確保、他部署の方との調整なども業務に入ります。
税理士であれば国税局からの質問がどのように来るのか、どんなことが聞きたいのかなどが知識としてあるので、他部署の方には事前に伝えて、業務が円滑にすすむよう配慮していました。
当時は事前確認制度(APA)という、国外に関連会社を持つ企業が移転価格税制に係る課税リスクを回避できる制度があり、それを利用していました。
海外の税務調査について自分でも勉強しましたし、取引ごとに契約している税理士法人の国際税務に精通した方に相談しながら対応しました。
来期の売上目標、利益目標に沿って、どのくらいの費用が使えるのかを各部署に割り振り、全体の調整をする業務です。
新卒の方は最初に取り組むことが多い業務ではないでしょうか。
中途で入社した税理士や公認会計士がやることは少ないですが、新卒で入社した人が経理の理解を深めるために担当することがあると思います。
わたしは税理士の勉強をしながら36歳の時に国内自動車メーカーの国内経理部会計グループに就職しました。最初は主計業務担当になり経理処理を検討したり、決算短信や有価証券報告書、会社法計算書類などを作成する部署に配属になりました。
それまでもわたしは中小企業診断士の資格を取得し、大小様々な企業で働いてきましたが、上場企業の規模の大きさに驚いたことを今でも覚えています。
経理部門だけでも数百人の人がおり、誰が何をやっているのか、把握するだけでも大変でした。すこしでも早く業務に慣れようと、いろいろな人に話しかけたり、食事や飲み会なども積極的に参加して、社内の関係を作るよう努力しました。
大きな案件でなければ最初から最後まで一人で仕事を担当することもある税理士の仕事と違い、上場企業では自分がやっている仕事はほんの一部で、どんなことをやるにしても社内の調整は欠かせず、手続きなどもたくさんあります。社内での関係が上手くいっていれば、手続きなどもスムーズに進みますし、とにかく人間関係を構築することが大切でしたね。
結局、そこで10数年働き、自動車メーカーにおける移転価格税制、各国の税務に関する知識、連結納税(グループ通算制度)、さらに上場企業の会計の経験を積みながら、税理士の資格も取得しました。最終的にはマネージャーとして20人以上の部下もいましたので、モチベーション管理なども学ぶことができました。
やはり上場企業の場合は、最終的な数字が新聞やテレビなどで発表されたりもするので、自分が関わったものがニュースとして報道されることに誇らしい気持ちを持つことはありました。翌日の株価に影響があったりして自分が大きな仕事をしているという醍醐味があったと思います。
また、わたしは仕事をしていく中で直属の上司をとても尊敬していたので、その上司に喜んでもらえるというモチベーションもありました。
新卒採用が多いイメージの上場企業ですが、税務部門は専門性が高く、なかなか人が育たないこともあって、中途採用はかなり行われていると思います。
税理士資格を持っていなくても、科目合格しているなどでもアピールポイントにはなるのではないでしょうか。
また社内の人間関係が重要なため、最初に述べたコミュニケーション能力、さらに英語力も必須です。経理部が直接、海外の取引先と英語でコミュニケーションを取ることもありますし、英語で会議が行われたりもするので、英会話の能力も求められます。
管理職になるにはTOEIC何点以上などの基準もあり、社内研修も充実しているので、入社してからも英語力の研鑽は欠かせないと思います。
わたしが言うのもなんですが、税理士の勉強をしている方は真面目で黙々と仕事をするような人が多い印象です。しかし上場企業の場合、社内コミュニケーションは必須になりますので、採用面接の際はそこの部分を重視していました。
税理士資格を持っていたり、科目合格している場合、税務の知識があるというのは保証されていますし、知らない部分などは学んでいけます。
むしろ難しいのは入社してからの社内での人間関係の構築で、仕事に直結してきますので、それができるだろうなと思わせてくれる人を採用していました。
企業の場合は年収のベースがあり、税理士資格を持っているからといって資格手当などでプラスになったりすることはありませんでした。
上場企業なので、一定以上の給与は保証されており、組合などもきちんとしているので、守られている部分も多かったです。福利厚生も充実していますし、さらに休みなどもきちんと取ることができました。
上場企業の経理部を経験していると、事業の規模などから他の上場企業への転職が容易になると思います。また英語のコミュニケーション能力も身についているので、日本企業に限らず外資系企業などへの転職も視野に入ってくるでしょう。
もちろん待遇もいいので、そのまま定年まで勤めあげる人も多いと思います。
わたしのように上場企業から独立する税理士は珍しいかもしれません。
独立する場合は個人の確定申告、相続税などは上場企業の経理部では経験のないところなので、あらためて勉強する必要があるのと、仕事をとってくる営業力なども必要になってくると思います。
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