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会計士業界年収動向 2026【一般事業会社・独立編】事業会社転職・独立で年収はどう変わる?

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2026年7月27日 ジャスネットキャリア編集部

監査法人でのキャリアを積んだ後、「次のステップ」を考える公認会計士が年々増えています。転職先として人気が高いのが、一般事業会社(CFOや経理部長ポジション)と、独立開業(会計事務所・コンサルティング)の2つのルートです。

「転職したら年収は上がるのか、下がるのか」「独立すれば本当に稼げるのか」——こうした疑問に、ふだん転職エージェントとして公認会計士の転職をサポートしている当編集部が、現場のリアルなデータとともにお答えします。

なお、監査法人勤務時の年収については、姉妹記事 「会計士業界年収動向 2026【監査法人編】」 をご参照ください。本記事は、その「監査法人の次」のキャリアにフォーカスした内容です。

目次

■まず押さえる|会計士の年収「全体感」

厚生労働省が毎年公表する「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、「公認会計士・税理士」の平均年収(現金給与額+年間賞与等の合計)は約856万円となっています。これは日本の給与所得者全体の平均(約460万円)を大きく上回る水準です。

ただし、このデータは公認会計士と税理士を合算したものであり、監査法人勤務者から独立開業者まで広い層を含んでいます。実際には「どこで働くか」によって年収のレンジが大きく変わります。

キャリア区分

おおよその年収レンジ

監査法人(スタッフ〜マネージャー)

450万〜1,200万円

一般事業会社(スタッフ〜CFO)

600万〜2,000万円以上

独立開業(軌道に乗った場合)

1,000万〜3,000万円以上


本記事では、この表のうち「一般事業会社」と「独立」の中身を掘り下げていきます。

■一般事業会社の年収相場【役職・規模別】

(1)経理スタッフ・担当者の場合

監査法人から一般事業会社に転職する際、最初のポジションが「経理スタッフ」となるケースは少なくありません。最近では組織のフラット化が進み、経理スタッフ→マネージャー→執行役員の3階層の組織となっているケースもある点に留意が必要です。

監査法人での経験が浅いうち(スタッフ〜シニアスタッフ年次)に転職した場合は、このレンジに収まることが多いですが、監査法人と一般事業会社との給与レンジの違いを考慮して課長職、課長代理職としてスタートすることもあります。

監査法人のシニアスタッフ(年収700〜900万円)と比べると横ばいか、やや下がるケースもあります。

企業によりますが、残業が比較的少ない一般事業会社に転職すると、ワークライフバランスが改善されやすいため、「時間当たりの収入」で見ると実質的にプラスになることもあります。

なお、上場企業や外資系企業の場合、経理スタッフであっても年収800〜900万円台からオファーが出るケースがありますが、その場合は会社の組織構成を把握してから自分がどの職位につくことになりそうか想定しながら転職を行うとよいかと思います。

(2)経理マネージャー・経理部長の場合

経理部門のマネージャーや部長クラスになると、年収は上昇します。中規模の上場企業では800〜1,000万円、大手上場企業や外資系では1,000〜1,300万円前後が相場です。

公認会計士資格を持つ人材は、経理・会計の専門家として即戦力で評価されるため、未資格の経理マネージャーと比べて高い年収水準でオファーされる傾向があります。また、昨今では非財務情報(サステナビリティ)開示対応やIFRS対応への需要が高まっており、こうした分野の知識を持つ会計士のニーズが一段と増しています。

(3)CFO(最高財務責任者)の場合

事業会社における会計士のキャリアの「ゴール」ともいえるポジションがCFOです。大手上場企業のCFOであれば年収1,500〜2,000万円以上、中堅・中小上場企業でも1,000〜1,500万円前後が一般的な水準です。

現場で転職支援をしていると、事業会社未経験の公認会計士がCFOや管理部長のポジションへ転職する際のオファー年収は、おおむね800万〜1,500万円のレンジで上場準備に取り組む事業会社が多いと感じています。

ベンチャー・スタートアップ企業のCFOポジションは特に公認会計士のスキルを求めています。こうした企業は固定給だけで見ると上場企業より低い場合もありますが、ストックオプションが付与されるケースが多く、上場後には数千万〜数億円規模のリターンを得た会計士も実際に存在します。IPO準備中の企業では、CFOへの期待が非常に高く、フェーズによっては早期に経営の中枢に入り込める魅力もあります。

(4)外資系企業の場合

外資系企業は国内企業に比べて全体的に給与水準が高く、公認会計士が経理・財務ポジションで転職する場合でも1,000万円超のオファーは珍しくありません。こうした求人においては、公認会計士に英語でのレポーティング(本国への財務報告)対応や、国際財務報告基準(IFRS)の知識を有していることが期待されています。

外資系でのキャリアに興味がある場合は、監査法人時代から国際案件や英文財務諸表に触れる機会を積極的に作っておくことが、転職交渉での前提条件になります。

一般事業会社の年収(役職別一覧)

役職

国内上場企業

外資系企業

ベンチャー(CFO)

経理スタッフ・担当

600~900万円

800~1,100万円

経理マネージャー・部長

800~1,300万円

1,000~1,400万円

CFO

1,200~2,000万円以上

1,500万円~

800~1,500万円+SO

■独立(開業)した場合の年収相場

公認会計士は、所定の手続きを経ることで税理士登録を行うことができます。そのため独立開業後は、税務・会計コンサルティングを主軸にした事業所を開くケースと非常勤監査と会計コンサルティングを併用して活動するケースに分かれます。

こうした独立後の年収は「個人の営業力・専門性・事業モデル」によって大きく異なるのが特徴で、一般的に1,000万〜3,000万円が軌道に乗った場合の相場といわれています。ただし、初年度から安定した収入を得られるかどうかは別の話です。

(1)独立1年目のリアル

独立直後は顧客ゼロからのスタートが多く、事務所の固定費(家賃・システム費用など)が先行します。税務・会計コンサルティングを主軸にしていくと独立1年目の年収が監査法人勤務時を大きく下回るケースも珍しくありません。

このリスクをヘッジする有効な手段の一つが、非常勤の監査業務です。準大手・中小監査法人での非常勤監査の日当は5万円前後が相場とされており、週1〜2日の稼働でも一定の収入を確保しながら顧客開拓に専念できます。

独立後は「いかに早く安定した収入手段を確保しつつ、顧客を積み上げるか」が勝負です。

(2)安定軌道に乗った場合の年収モデル

独立開業した公認会計士が安定した収入を得るための典型的なモデルは、「ストック型収益×フロー型収益」の組み合わせです。

①ストック型収益(安定の土台):税務顧問・記帳代行・非常勤役員

毎月継続的に入る顧問料収入は、事務所経営の生命線です。法人顧客との顧問契約(月額5〜20万円)を積み上げることで、安定した収益基盤を築けます。仮に月額5万円の顧問契約を20社と締結できれば、それだけで年間1,200万円の売上が確保できます。また非常勤役員の仕事も大変魅力的です。1件当たり月額15万円から30万円の役員報酬は、独立後の安定した収益基盤となります。

②フロー型収益(年収を引き上げる柱):コンサルティング・高単価案件

税務顧問は市場競争が激しく単価を上げにくい側面があります。年収2,000万円・3,000万円を目指すには、高付加価値のコンサルティング業務が不可欠です。M&A財務デューデリジェンス、IPO支援、事業再生計画の策定——こうした高単価案件は、1件あたり数百万円の報酬になることもあります。

(3)独立で「年収が上ぶれ・下ぶれ」するポイント

①上ぶれしやすいパターン

  • 監査法人やその後の事業会社勤務時代に築いた専門ネットワーク(経営者・金融機関・士業)を活かして早期に顧客を獲得できた場合
  • IPO支援・M&Aアドバイザリーなど高単価領域に特化できた場合
  • 特定業種(医療・IT・不動産など)に強みを持ち、競合との差別化に成功した場合

②下ぶれ・失敗しやすいパターン

  • 集客・営業の経験不足により顧客を獲得できない
  • 監査法人では縁が薄かった税務実務の知識不足で案件ミスが発生する
  • 固定費を抑えずに事務所を開設し、収入が軌道に乗る前に資金が尽きる


独立は年収の上限が事実上なくなる一方、安定性は組織勤務より低くなります。「稼げるかどうか」は、資格ではなく事業家としての能力によるところが大きいのが現実です。

■監査法人・一般事業会社・独立「年収比較まとめ」

3つのキャリアを横断した比較表です。監査法人編の数値は 「会計士業界年収動向 2026【監査法人編】」 もあわせてご参照ください。

比較項目

監査法人

一般事業会社

独立開業

年収レンジ

450万〜1,500万円

600万〜2,000万円以上

〜3,000万円以上(上限なし)

年収の安定性

★★★★☆(高い)

★★★★☆(高い)

★★☆☆☆(個人差大)

年収の上限

パートナーで頭打ち

CFOで概ね頭打ち

事実上なし

キャリア初期の年収

高い(450〜600万円スタート)

やや低い場合もあり

低い(不安定)

働き方の自由度

★★☆☆☆(繁忙期に制約あり)

★★★☆☆(比較的安定)

★★★★★(完全に自由)

年収アップの手段

昇格(役職ベース)

昇格+転職

顧客数・単価アップ


どのキャリアが「正解」になるかは人によって異なります。「安定した高収入」を求めるなら監査法人か大手上場企業のCFOポジション、「上限なく稼ぎたい」「自分の裁量で仕事をしたい」なら独立開業、「ビジネスの現場に近い場所でキャリアを積みたい」ならベンチャーCFOや事業会社、それぞれに魅力があります。

■年収を上げるために会計士が取るべきキャリア戦略

(1)事業会社でCFOを目指す2つのルート

ルート①:IPOルート

スタートアップ・ベンチャー企業にIPO準備のリーダーとして入社し、上場達成を通じて経営層の信頼を勝ち取る王道パターンです。IPO後も引き続きCFOに就任し、その後は上場企業CFOとして次の転職市場でも高く評価されます。

ルート②:ファイナンス×ベンチャーCFOルート

投資銀行やFAS(財務アドバイザリー)でファイナンスのスキルを磨いた後、スタートアップのCFOに転じるパターンです。近年は「IPO達成」だけでなく「上場後の財務・事業戦略」に強いCFOの需要が高まっており、このルートで活躍する会計士が増えています。

いずれのルートも、CFOポジションへのオファー年収は800〜1,500万円+ストックオプションが一般的です。

(2)独立前に踏むべき3つのステップ

独立を目指す場合、監査法人から即独立するより、中間段階でのキャリアを積むことを強くお勧めします。

ステップ1:税務実務の習得 税理士法人・個人会計事務所への転職または非常勤勤務で、税務申告・顧問業務の実務を身につける。監査とは視点が異なる税務の世界を知ることで、独立後の案件ミスリスクを大幅に下げられます。

ステップ2:顧客・人脈の獲得 独立後の顧客の多くは「紹介」から生まれます。監査法人時代・転職先での人間関係を丁寧に維持し、金融機関・弁護士・他士業とのネットワークを積極的に築いておきましょう。

ステップ3:専門領域の確立 「会計士の独立」は競合が多い市場です。特定業種(医療・介護・IT・不動産・学校法人・IFRSなど)やサービス(M&A、IPO、事業再生)に強みを持つことで、価格競争に巻き込まれない差別化が図れます。

(3)資格の掛け合わせで市場価値を上げる

公認会計士資格に加えて以下の資格・スキルを持つことは、転職市場での評価や機会をさらに高めることがあります。

  • USCPA(米国公認会計士): 外資系企業や国際業務への転職で強みになる
  • 中小企業診断士: 独立後の経営コンサルティング業務と相性がよい
  • 英語力(TOEIC 800点以上・ビジネス英会話): 外資系転職や本国レポーティングで必須

■【2026年最新動向】会計士マーケットの変化と年収への影響

(1)サステナビリティ開示義務化による専門家需要の増大

日本では、金融庁主導のもと、有価証券報告書へのサステナビリティ情報開示の義務付けが進んでいます。SSBJ(サステナビリティ基準委員会)基準の適用が順次拡大される中、非財務情報の会計的整合性を担保できる人材への需要が増加しています。財務・会計の専門家である公認会計士は、こうした分野で他の専門家より有利なポジションにあります。この流れは一般事業会社における会計士ニーズの底上げにつながっており、経理・財務職の年収水準を押し上げる要因の一つとなっています。

(2)ベンチャー・スタートアップ市場でのCFO需要

スタートアップ市場ではIPO準備段階でCFOを求める企業は多いです。かつては「上場の直前に採用」というパターンが多かったものが、近年はより早い段階(シリーズBやCの資金調達後)から財務戦略を担えるCFO人材の採用が進んでいます。この動きは公認会計士にとって、より早い段階で経営に近いポジションへの転職機会が増えることを意味します。

(3)AIによる経理業務の自動化と会計士の付加価値シフト

AIの活用により、仕訳入力・経費精算・帳票作成といったルーティン経理業務の自動化が急速に進んでいます。これは「単純な経理業務者」の需要を下げる一方で、AIが生成した数値を解釈し、経営判断に結びつける高度な専門家への需要は高まります。公認会計士は、この「データの解釈・財務戦略立案・意思決定サポート」という領域でより高い付加価値を発揮できるポジションにあり、長期的には年収水準の上昇につながると見られています。

■まとめ

本記事では、公認会計士が監査法人の「次のキャリア」として選ぶ一般事業会社と独立開業について、年収の実態を詳しく見てきました。

一般事業会社への転職は、経理スタッフ〜CFOという明確なキャリアパスのもとで年収600万〜2,000万円以上を狙える選択肢です。外資系企業であれば経理スタッフでも1,000万円超のオファーが珍しくなく、ベンチャーCFOはストックオプション次第で監査法人のパートナーを超える収入も現実的です。安定性と高収入のバランスを取りながらキャリアを積みたい方にとって、事業会社転職は非常に魅力的な道といえます。

独立開業は、年収に事実上の上限がなく、成功すれば3,000万円以上も十分に狙える一方、初年度は収入が大きく下がるリスクもあります。「資格があれば独立できる」という気持ちだけでは足りず、税務実務の習得・顧客ネットワークの構築・専門領域の確立という準備を着実に積んでから踏み出すことが成功の鍵です。

いずれのキャリアにも「正解」はなく、自分の目指すライフスタイルや収入目標、リスク許容度に応じた選択が重要です。監査法人でのキャリアを活かしてどのように次のステージに進むか、ぜひ一度、転職のプロへの相談を通じて整理してみてください。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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