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「公認会計士はやめとけ」は本当か?後悔しないために知るべき現実と成功の道

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公認会計士 齊藤健太郎&ジャスネットキャリア編集部

【結論】公認会計士試験は厳しいが、挑戦する価値はある!

公認会計士はやめとけ」という声を耳にしたことはありませんか?
実は、この言葉を発しているのは、試験に合格した人や現役の公認会計士が多いのです。

なぜなら、試験が過酷で合格までの道のりが長く険しいからです。しかし、実際、公認会計士になった人の多くは「取得してよかった」と感じています。

それは、公認会計士が高収入・高ステータス・安定性を兼ね備えた資格だからです。

本記事では、公認会計士を目指す上でのデメリットや苦労と、それでも挑戦すべき理由について、詳しく解説します。

目次

1. 公認会計士はやめとけと言われる理由

2. それでも公認会計士に挑戦するべき理由

3. 公認会計士試験の難易度と合格率

4. 公認会計士のキャリアと年収

5. 試験勉強の大変さと合格への道筋

6. 公認会計士の将来性と市場価値

7. 公認会計士を目指すべき人の特徴

8. 公認会計士を諦めるべき人の特徴

9. 公認会計士試験に合格するための勉強法

10. よくある質問(FAQ)

【まとめ】それでも公認会計士試験に挑戦すべき!

1. 公認会計士はやめとけと言われる理由

「公認会計士はやめとけ」と言われる主な理由は、以下のようなものがあります。

①試験が超難関

  • 合格率は10%前後(令和5年試験は10.1%)
  • 勉強期間は最低でも2,000~3,000時間
  • 短答式試験・論文式試験の2段階制

②勉強漬けの生活になる

  • 大学生活や仕事と両立が難しい
  • 友人との時間や趣味、キャンパスライフを犠牲にする可能性がある
  • 勉強期間が長く、まわりに挫折する人が多い

③合格後も努力が必要

  • 監査法人に就職してもハードワークが待っている
  • 会計基準の改正が頻繁にあり、学び続ける必要がある

④受かる保証がない

  • 何年も勉強しても受からない人がいる
  • 途中で辞めたら、今までの時間とお金が無駄になる可能性がある

公認会計士試験に挑戦するとなると、みんなが大学生活を満喫している、就職活動をしている最中も受かる保証がない勉強をしなければなりません。実際になってみると大学生活の記憶はあまりなく、自分は「●●専門学校卒」だと自虐ネタにする会計士がいるのも事実です。

また社会人においても、立派な会社に就職し、社内で様々なことに挑戦し、ステップアップしていくという道がすでにあるわけです。わざわざ資格取得に時間をかけ、資格を取ったとしても、一から地道な作業からキャリアを再スタートさせるというリスクをかけてまで行う必要があるのかという自問をされる会計士もいます。

そう考えますと「大学生活を謳歌する」、「会社の中で出世を目指すというのも得難い経験」ですので、そこまでして公認会計士の資格を取るべきなのかという自問から発せられた「公認会計士は、やめとけ」になるかと思います。

2. それでも公認会計士に挑戦するべき理由

公認会計士試験に挑戦し、資格を取得することで得られるメリットは大きいです。

①資格を取ればキャリアの選択肢が広がる

  • 監査法人だけでなく、コンサル、投資銀行、CFOなどの道が開ける
  • 独立開業や企業内会計士として活躍先を幅広く選べる

②高収入が期待できる

  • 監査法人の初任給は約500万円
  • 30代前半で年収1,000万円超えも珍しくない

③どこでも通用するスキルが身につく

  • 会計・財務の知識はどの業界でも必要
  • 経営者や投資家としても役立つ
  • グローバルでみても会計スキルや監査スキルは、仕事を行うツールになる

④一生使える国家資格

  • 資格を持っていれば仕事に困ることは少ない
  • AI時代でも会計士の仕事はなくならない

結局、「資格」を持つということは、「公認会計士」という職業を選択するということなのかなと思います。そのためどこに所属するということはなく、あくまで「資格=職業」として生きていける、しかもその資格だと高収入も期待できるという所が魅力なのかと思います。

会社内の仕事はいつどんな形でなくなるかわからないという時代、資格を身に着けておけば資格は基本裏切らない、裏切らない資格を武器に世の中で活動できる,という点が魅力なのかと思います。

3. 公認会計士試験の難易度と合格率

公認会計士試験は、日本で最難関の資格試験の一つです。

● 合格率:約10%(短答式・論文式の合計)、さらにその後の修了考査の合格率は50%~70%

試験を受ける人々の母集団の高さも大事なポイントになります。受験資格に大卒以上とされているわけではないので、必ずしもそうではないですが、いわゆるMARCH以上の大学と言われている人々が主に挑戦する資格試験となっています。
つまりは、相当程度のレベルの母集団の中での合格率になることを認識しておくことが必要です。

● 勉強時間:最低2,000~3,000時間が目安とされますが、上限はありません。

この時間数は、大体2年程度で合格する場合に達するとされる目安の時間数です。よって、3年以上の時間を費やすとこの程度の時間では済みません。

● 試験制度:短答式(4科目)+論文式(5科目)

短答式は、財務会計論、管理会計論、監査論、企業法の4科目、論文式は会計学、監査論、租税法、企業法、選択科目(民法、経営学、経済学、統計学)1つの5科目となります。

かつて会計学は、簿記、原価計算、財務諸表論の3つの科目とされていましたものが統合され、会計学となりましたが、実質的な内容は変わりません。

このように科目数が多く、各科目の問いの内容も高度なため、挑戦して突破することが難しく、難関資格とされる所以となります。

4. 公認会計士のキャリアと年収

キャリアパス 年収の目安
監査法人(新人) 500万~600万円
監査法人(マネージャー) 800万~1,200万円
事業会社のCFO 1,000万~2,500万円
独立開業 収入はピンキリ

上の表は、ジャスネットキャリア編集部で実際の求人や過去の転職者の実績をまとめてみた、おおよそ一定の目安の年収額になります。

公認会計士試験に合格した多くの方は、まず監査法人に就職することになります。最初に監査法人に就職することで得られる年収の目安は上記のとおりです。

ほとんどの場合、監査法人に就職する方が、公認会計士が一般事業会社に最初に就職するよりも多くの年収が得られます。しかしながら、福利厚生、退職金制度なども含めて比べてみると一般事業会社の方が良く、トータル額で見るとほとんど変わらなかったという話も聞きます

職位があがるにつれて、一般事業会社に属する方が年収で上回ってくるということもありますし、監査法人に最初に就職することで逆にキャリアの幅が狭まるというリスクもあります。さらに1つの監査法人で通していく公認会計士は少数派なので、公認会計士のキャリアと年収を見てみるときは、長いスパンでみていくことが必要かと思います。

5. 試験勉強の大変さと合格への道筋

(1) 勉強時間の目安

目安として下記のように言われています。

  • 短答式試験まで:1,500時間
  • 論文式試験まで:3,000時間
  • トータル:約2~3年の学習が必要

(2) 勉強を続けることのリスク

試験勉強を続けることのリスクは下記のとおりです。

  • 試験勉強に専念しないと合格確率が下がるため、職歴を得ることができない
  • なかなか合格できないため、金銭的な出費が続く

◆ジャスネットでは以下の記事を掲載しているので参考にしてください。

6. 公認会計士の将来性と市場価値

公認会計士資格の将来性と市場価値はどのように評価されているのでしょうか。よく言われていることをまとめると以下のようになります。

公認会計士の将来性は非常に高いです。その理由は、会計・財務の専門知識を持つ人材の需要が増えているからです。

高まる需要

(1)社会における監査ニーズの拡大と監査の厳格化

企業の財務報告の透明性を確保するため、公認会計士の役割が拡大していること、お金を扱う様々な団体で監査による自身の組織の財務諸表に社会的信頼性の付与が求められていることによります。

(2)M&A(企業買収)の増加

現在日本のM&A市場は拡大しています。M&Aにあたっては、企業価値の評価は不可欠ですが、M&A件数の増加に伴い、公認会計士が財務デューデリジェンスを担当する機会が増えています。

(3)スタートアップ・ベンチャー企業の台頭

CFO(最高財務責任者)として活躍する会計士が増加しています。企業が上場するには、公認会計士監査を受けることが不可欠ですが、財務諸表を作成する側、つまり企業側が公認会計士を自社に迎え入れ、監査をスムーズに進め、上場までもっていこうとする企業が増加しています。

こうしたスタートアップ・ベンチャー企業は、公認会計士を必要としています。

◆ジャスネットではベンチャーCFOの記事を掲載しているので、こうしたベンチャーCFOとして活躍している公認会計士の声を参考にしてください。

7. 公認会計士を目指すべき人の特徴

公認会計士試験に挑戦するべき人の特徴は、以下のようなものです。

  • 論理的思考力がある人
  • 数字に強い人
  • 継続的に努力できる人
  • 専門性を身につけたい人

特に「継続的に努力できるかどうか」は重要です。公認会計士試験は短期間で受かるものではなく、2~3年にわたる長期戦になります。そのため、計画的に学習し、コツコツ努力できる人が向いています。

逆に公認会計士は「やめとけ」と言われる人は、そのようなことができないと人に思われているのかもしれません。ぜひ見返してやりたいものですね。

8. 公認会計士を諦めるべき人の特徴

逆に公認会計士を諦めるべき人の特徴もあります。

  • ×長時間の勉強が苦手な人
  • ×安定志向の人
  • ×変化を嫌う人

公認会計士は、合格後も常に学び続けることが求められる職業です。そのため、常に何かを学び続けることが苦手な人や、長時間の勉強が苦痛な人には向いていません。

公認会計士は、いわゆる専門職ですので、その道の専門家としての矜持を保ち続けるという姿勢が必要なのではないかということですね。

9. 公認会計士試験に合格するための勉強法

公認会計士試験に合格するためには、大学の講義に出つづければ受かるということはまずありません。そもそも大学の講義のカリキュラムと資格取得は「学び」の方向性が異なるので当然と言えば当然と言えます。このため多くの公認会計士試験合格者が実践している方法を真似ていくのが最も早い近道と言えるでしょう。

(1) 予備校を活用する

①予備校を活用する理由
公認会計士試験の勉強において、予備校を活用することは非常に効果的です。予備校では、試験範囲を体系的に学ぶことができるカリキュラムが整備されており、独学では理解が難しい専門知識も、経験豊富な講師の解説によってスムーズに習得できます。また、短答式試験や論文式試験の頻出分野を効率よく学べるテキストや問題集が用意されているため、重要ポイントを押さえながら学習を進められます。

②答練を繰り返すことの重要性
さらに、予備校では模擬試験や答練(答案練習)が実施されており、実戦的な演習を積むことができます。特に論文式試験では、論理的な記述力や時間配分が重要なため、答練を繰り返すことで実力を養うことができます。加えて、スケジュール管理や学習の進捗をサポートするカウンセリング制度を設けている予備校もあり、計画的に学習を進めるのに役立ちます。

③ライフスタイルに応じた学習スタイルを選ぶ
オンライン講座を提供している予備校も増えており、通学が難しい人でも自宅で効率的に学習できます。自分のライフスタイルや学習スタイルに合わせて、通学型・オンライン型・通信講座のいずれかを選ぶとよいでしょう。

(2) スケジュールを立てて学習

①学習スケジュールは3つの期間に分ける
公認会計士試験は試験範囲が広いため、計画的に学習を進めることが合格への鍵となります。まず、試験日から逆算して大まかな学習スケジュールを作成し、短答式試験と論文式試験の対策をバランスよく配分します。

学習スケジュールは「インプット期間」「演習期間」「総仕上げ期間」に分けるのが一般的です。最初の数カ月は基礎知識の習得を優先し、テキストを読み込んだり講義を視聴したりする時間を確保します。

その後、問題演習を重視する期間に移行し、過去問や答練を中心に実戦的な対策を行います。試験直前の1~2カ月は、間違えやすい分野の復習や総仕上げに集中し、本番を意識した模擬試験を受けると効果的です。

②平日と休日は学習スケジュールを変える
また、平日と休日で学習時間を明確に分け、毎日の学習ノルマを設定することが重要です。

例えば、「平日は3時間、休日は6時間」といった形で計画を立てたり、週1日は全く勉強しない日を作るなどすると、無理なく継続できます。進捗管理を行うために学習記録をつけたり、予備校のスケジュールと照らし合わせたりすることで、計画通りに進めやすくなります。

(3) 過去問を徹底的に解く

①過去問を解くメリットは?
公認会計士試験の勉強において、過去問を解くことは非常に重要です。第一のメリットは、試験の出題傾向や重要分野を把握できる点です。公認会計士試験では、毎年似たようなテーマが繰り返し出題されることが多いため、過去問を分析することで頻出論点を効率的に学ぶことができます

②実践力が養える
また、問題演習を通じて実践力を養うことができます。特に論文式試験では、解答の構成や論理展開が重要となるため、過去問を繰り返し解くことで解答の型を身につけることができます。さらに、本番と同じ制限時間内で解くことで、時間配分の感覚を養うことができる点もメリットです。

③弱点の明確化
加えて、過去問を解くことで自身の弱点を明確にし、重点的に復習すべき分野を把握できます。間違えた問題を分析し、なぜ間違えたのかを理解することで、知識を定着させることができます。そのため、過去問は一度解くだけでなく、何度も繰り返し解き、確実に理解を深めることが重要です。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 公認会計士試験は本当に難しいの?

A. はい、超難関試験です。ただし、適切な勉強法を実践すれば合格できます。合格者の多くは1日5~8時間の勉強を2~3年続けています。まずは、急がば回れで、自分にとって「適切な勉強法」とは何かを模索することが最も合格に近づく道になります。

Q2. 30代からでも公認会計士を目指せる?

A. 可能ですが、フルコミットが必要です。社会人として仕事を続けながら合格した人はいますが、例外的な存在として置いておいた方が良いと思います。そのため社会人が挑戦する場合は、仕事を辞めて勉強に専念する覚悟が求められると考えた方がよいでしょう。

Q3. 公認会計士の生涯年収はどれくらいですか?

A. 公認会計士の生涯年収は、キャリアパスによって大きく異なりますが、約3億~6億円程度が目安とされています。
監査法人勤務の場合、30代で年収1,000万円を超えることが一般的で、40代でパートナーになれば2,000万円以上も可能です。事業会社のCFOやM&Aアドバイザーなどに転職した場合は、さらに高い収入を得るケースもあります。一方、独立開業した場合は年収の振れ幅が大きく、成功すれば億単位の収入も夢ではありません。

Q4. 公認会計士を目指す動機はどのようなものが多いですか?

A. 公認会計士を目指す理由としては、高収入・安定性・専門性の高さが挙げられます。特に、「資格を活かして長く働きたい」「企業経営に関わる仕事がしたい」「会計や財務の専門家として活躍したい」と考える人が多いです。
また、金融業界やコンサル業界で、公認会計士の専門知識を活かして活躍したいという人も増えています。M&Aアドバイザリーや財務コンサルティングなど、公認会計士の知識が求められる分野では、資格を取得することでキャリアの選択肢が広がります。さらに、独立開業を目指したり、グローバルな舞台で活躍したいと考える人も少なくありません。

Q5. 公認会計士でないとできない仕事は何ですか?

A. 公認会計士の独占業務は、監査業務になります。特に、上場企業や一定規模以上の会社は、法定監査が義務付けられており、公認会計士または監査法人しか行えません。また、財務諸表の適正性を証明する「監査報告書」の作成も、公認会計士にしかできない仕事です。

Q6. 公認会計士試験の勉強を辞める人はどのような人が多いですか?

A. 公認会計士試験は難易度が高いため、途中で挫折する人も少なくありません。主な理由としては、「学習時間の確保が難しい」「試験範囲が広すぎてモチベーションが続かない」「短答式試験に何度も落ちてしまい心が折れる」といったものが挙げられます。

また、大学生や社会人受験生の場合、就職活動や仕事との両立が難しく、途中で他のキャリアに切り替えるケースもあります。基本的に公認会計士を目指すことは周りの人と比べると少数派になりますので、継続的な学習を可能とするための学習習慣や環境を自らで作り出し、モチベーションを保つ工夫が重要です。

【まとめ】それでも公認会計士試験に挑戦すべき!

「公認会計士はやめとけ」と言われるのは事実ですが、それでも得られるメリットは計り知れません。

正しい努力をすれば、合格し、人生を大きく変えることができる資格です。

公認会計士試験は厳しいが、合格すれば未来が開ける!挑戦する価値は十分にある!あなたの挑戦を応援します!

執筆者プロフィール

齊藤 健太郎(さいとう けんたろう)
ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 エグゼクティブエージェント
公認会計士・税理士/齊藤公認会計士事務所

横浜国立大学経済学部卒業
横浜国立大学国際経済法学研究科修了:専攻は会社法

2003/2-2006/9
エイチエス証券株式会社引受審査部所属
2006/9-2010/7
あずさ監査法人第5事業部(IPO専門部署)所属
2010/8-2012/10
あずさ監査法人 IT監査部所属
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