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公認会計士による上場企業CFO&CSOの業務内容、仕事の魅力は?

このインタビューでは公認会計士として監査に従事したあと、財務、戦略立案、M&Aアドバイザリー業務を経て、プライベート・エクイティ投資業務で経験を積み、現在は株式会社JRCにおいてCFO兼CSOとしてご活躍されている常川陽介さんにお話をお伺いしました。

公認会計士としての経験がどのように役に立ったのか、また監査法人とは違ったやりがいについてなど、お話いただきましたのでぜひ参考になさってください。

目次

■ 上場企業CFO&CSOに必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

■ 上場企業CFO&CSOの業務内容

■ わたしの場合

■ 上場企業CFO&CSOの業務のやりがいやメリットは?

■ 上場企業CFO&CSOの採用ニーズ

■ 上場企業CFO&CSOの経験を活かした、その後のキャリアパスは?

■ 上場企業CFO&CSOに必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

わたしは現在、株式会社JRCでCFO兼CSOとして働いています。

株式会社JRCはコンベア部品事業で屋外用ベルトコンベヤ部品の製造・販売を行っており、国内52%というトップシェアを誇っています。

また2019年よりロボットSI事業を立ち上げ、使いやすく導入しやすい高品質なロボットシステムの開発を行い、こちらは高成長中の部門となっています。会社としては、2023年に東証グロースに上場いたしました。

CFOというと今までは経理財務担当役員という意味合いが強かったと思います。近年事業のグローバル化が進む中、戦略の立案と実行をCEOの右腕として支えるという意味合いも強くなっていると感じています。

そのため経理・財務だけではなく、企業の価値をあげるために様々なステークホルダーと対話する中心的役割を担い、IR・SR、経営戦略、M&Aなどについても責任があるという意味でCFO兼CSOと名乗っています。

企業の規模やフェーズによって役割は違ってくると思いますが、求められる志向性としてはやはり様々な人と対話ができるコミュニケーション能力が重要ではないでしょうか。

■ 上場企業CFO&CSOの業務内容

すべての業務内容をご説明することはできませんが、会社のシステムを簡単に説明すると、資金を集め、それを管理し、そのお金を使って成長するというサイクルになっています。

その部分でのCFO兼CSOの役割についてわかりやすくお話いたします。

1. 資金調達

公認会計士ですと会計知識はもちろん、監査などで会社全体について理解しているという強みがあります。当然、資金調達に関しては、ベンチャーキャピタルや投資銀行の経験がある方たちが実務面では優れているかもしれませんが、会社のシステムに関する知識があればキャッチアップも可能でしょう。

エクイティファイナンス、またどんな人から資金調達すればいいのか、などの実践的な部分に関しては学びながら対応していく必要があります。

2. 資金管理

わたしの場合はできあがった月次報告、四半期報告などを見て、変だなと思う部分がないかを確認しています。

公認会計士としては得意な分野だと思うので、お金の流れから数値を予測して報告書をチェックしています。またこういった確認は、対外的な報告などの管理業務にもつながっています。

3. 会社の成長戦略

経営陣とともに会社の中期経営戦略の策定を行います。

コンサルティング業務などの経験を活かせる分野ですが、監査経験のみの公認会計士は苦手かもしれません。事業感覚を身につけている必要があります。

4. 会社を長期的に持続させるためのサステナビリティ

わたし自身も今、勉強しながら取り組んでいる業務です。

社会課題への取り組みと、企業の成長が一致するのがベストだと思っているので、そのあたりを意識しています。具体的にはサステナビリティ推進委員会を立ち上げて、軌道にのせようとしている段階です。

■ わたしの場合

わたしは新卒から5、6年監査法人に在籍し、その後、新日本有限責任監査法人、デロイトトーマツコンサルティング合同会社で財務、戦略立案、M&Aアドバイザリー業務等に従事してきました。

監査法人では財務デューデリジェンスしかできませんが、コンサルではM&A戦略・実行と、企業が変わる瞬間に立ち会えることを面白いと思っていました。

しかし、コンサルでも買ったあとは、また次の案件に移ります。買ったあとにどうやってそこから成長するのか、それに貢献したいという想いが募っていきました。

そこで2017年12月にインテグラル株式会社に入社。プライベート・エクイティ投資業務に従事し、企業の成長を支援してきました。その時に株式会社JRCを担当したのですが、上場後もまだやりたいことがあるとCFO兼CSOとして転籍したという経緯になります。

■ 上場企業CFO&CSOの業務のやりがいやメリットは?

わたしは監査業務もとても好きでした。チーム全体でひとつの報告書を出すために協力して理論を積み上げていき、この企業が適正かどうかを判断するという過程でコミュニケーションをとっていくのが、自分に向いていたのだと思います。

一方でもっと企業の成長に寄与したいと思った時に、監査というのは分野が違います

もっと事業の成長に貢献できるところで働きたいと思い、転職をする中で必要なスキルを身につけて現在の職に就きました。

今現在のCFO兼CSOの立場としては、経営視点を持って社員と一緒に悩みながら成長を重ねる。その結果、社員が幸せになり、さらにはステークホルダーも幸せになる、というその過程にやりがいを感じています

■ 上場企業CFO&CSOの採用ニーズ

1. 求められるスキル、人材

(1)CFOとして求められるスキルは?

CFOとして必要なスキルで言うと、従来の経理業務に関しては公認会計士であれば業務の親和性も高く、キャッチアップできると思います。

一方で資金調達などでは、ベンチャーキャピタルや大企業の財務部などで勤務経験のある人が経験を活かせると思います。

(2)CSOとして求められるスキルは?

またCSOとして事業を成長させるという点においては、コンサルファームや大企業の経営企画などで培ってきたスキルが役に立つ分野ではないでしょうか。

(3)自分で可能性を狭めない

監査経験のみの公認会計士から、いきなりCFOやCSOに就任できる人は少ないかもしれません。ただ最終的なキャリアをそこに設定するのであれば、上記のような経験を積んでいくのが良いと思います。

若手の公認会計士の方からキャリア相談などを受けると、皆さん非常に謙虚で、ある意味自分に対して自信がないなと感じることがあります。

監査をしていく中で得られるスキルは多数あり、わたし自身も監査法人時代には思わなかった方面で、今になって役に立っているなと感じることもたくさんあります。自分で可能性を狭めず、まずはやりたいと思ったことにチェレンジする気持ちも大切なのではないでしょうか。

2. 面接の際に心がけること

公認会計士である以上、軸の部分に会計の知識があり、また様々なことをキャッチアップできる能力はあると思います。

面接などでは、将来自分がやりたいと思う目標に対して、今現在で何か足りていないのか、またそれをどのように学んでいくのかをアピールできればいいのではないでしょうか。

全ての仕事を自分だけで請け負う必要はありません。周りとどう協力し、自分自身もどうやって成長していくかのイメージを持つことが重要に思います。

3. 転職で気を付けるポイント

株式会社JRCは1961年創業の歴史ある会社ですが、現在の社長が就任した際に、企業理念をブラッシュアップしました。

その中に「新しいことに挑戦する」というスピリットがあるのですが、そういった理念を掲げたことで中途採用なども活発になり、また新規事業に挑戦するというアグレッシブな方向性も出てきました。

こういった企業カルチャーに合うかどうかも、転職の際には重要だと思います。

■ 上場企業CFO&CSOの経験を活かした、その後のキャリアパスは?

その方の志向次第になるとは思いますが、会社の成長を見守りたいと思っている場合は、そのまま現在のポジションで頑張っていくことになると思います。

また仕事をしていく中で経営全体に対する目線がレベルアップしてくので、別の会社のCFOとして働く、IPOを目指すベンチャー企業に転職するなども可能ではないでしょうか。

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