公認会計士試験に受かりやすい大学とは?

公認会計士試験に受かりやすい大学とは?

公認会計士試験の大学別合格者数ランキングを見てみますと、毎年、上位の常連大学は決まっているようです。これらの大学を目指すことが会計士になる第一歩なのでしょうか。はたまた、ランキングには出てこないものの、カリキュラムの充実した大学はあるのでしょうか。

この記事では、会計士試験に受かりやすい大学があるかどうかを、10冊以上の著作を持つ公認会計士が検証します。また筆者が感じた「著名ではないが、公認会計士の受験指導を熱心にしている大学」とは?

1.会計士試験合格者の年齢の分布は?

平成29年度公認会計士試験を見ますと、11.032人が願書を提出し、最終合格者は1.231人で、合格率は11.2%でした。今後もこの傾向は同様とみられ、合格率は10%前後で推移していくものと予想されています。

合格者の平均年齢は、毎年26歳から27歳ですが、年齢分布の中央値は22歳であり、おそらく大学3・4年生の現役大学生の合格が多いことが分かります。

2.公認会計士になるのに有利な大学はあるのか?

次に、公認会計士試験の大学別合格者数ランキングを見てみますと、毎年、常連校が上位に顔を出しています。常連校としては、33年連続で最多合格者を輩出している慶應義塾大学を筆頭に、早稲田大学・明治大学・中央大学、そして、東京大学、京都大学、神戸大学・一橋大学等国立系大学が挙げられるでしょう。

特に慶応義塾大学の合格者数は他校を圧倒しています。公認会計士業界内でも存在感がひときわ強いといえるかもしれません。

ただし、よくよく考えてみますと、常連校は、それ相応に受験者数も多いので、合格者数が多くなる当然ともいえます。そこで、常連校に比して合格者数は少ないものの、合格率が高い大学にも注目して、話を進めたいと思います。

3.公認会計士試験合格者に、慶応の出身者が多い理由とは?

慶応義塾大学は、大学の中で特に資格試験対策の講座があるわけではなく、いわゆるダブルスクールの学生がほとんどであると思われます。では、なぜ、合格者が多いのでしょうか?私が思うには、付属高校からの内部進学者が多いことが一つの理由といえそうです。

内部進学者は、大学以前のややハードな受験を経験する代わりに、最もハードな大学受験を経験せずに進学していますので、受験疲れしていません。なかでも、小学校や中学校の付属校から進学した方々は、高校受験も経験せずに大学まで進学していますので、大学受験や高校受験の代わりに、難関試験に挑戦してみようという考えのもとで抵抗なく公認会計士の試験勉強に入ってくることができるようです。

さらに慶應義塾大学だけではありませんが、内部進学者は高校3年生時の早い段階から、時間的な余裕があるため、大学に進学する前に簿記検定の勉強にすでに入っている生徒も多いでしょう。

しかし、何といっても自分の将来を考える賢い(頭のよさだけではなく)学生が多く、同時に伝統により築かれてきた「よき先輩たちの」姿を、参考として自然と見る環境にあるということが大きいのでしょう。このことは、上述した合格者常連の他大学でも共通していることでしょう。

4.学内で公認会計士対策を行っている大学

ここでは、合格者数上位常連に名前を連ねる大学と、そうではないものの公認会計士試験の受験サポート体制が整っている大学の両者をチェックしていきたいと思います。

(1)合格者数上位常連大学

次に紹介したいのは、大学内で公認会計士試験対策を行っている機関や制度を持った大学です。

中央大学の経理研究所を例にしますと、受講料は一般の予備校等の半額以下で、経理研究所出身のOB公認会計士が現役学生の受験指導を行っています。また、会計や税務のサークルや諸団体も充実しており、やはり伝統の影響が大きいといえるでしょう。このことは公認会計士試験に合格した後も監査法人への就職等にかなり有利に働きます。こちらも、多少の差はあっても常連校にはすべてあてはまることでしょう。

(2)合格者数上位に名前はないもののサポート体制の整っている大学

このように、学内で公認会計士受験をサポートすることに熱心な大学のうち、上述の常連校に名前のない大学を紹介しましょう。その一つに千葉商科大学があります。

この大学では大学内に会計教育研究所という税務・会計の研究・教育機関があり、ここで受験指導を熱心に行っています。年に2回ほど募集を行い、生徒に密着した受験指導を行っています。その結果、落伍者の発生を極力抑えて、公認会計士・税理士試験合格のみに限らず、日商簿記検定1級試験に合格させているようです。わたしの事務所にも現役で税理士試験5科目に合格してきた男子学生がいます。

ここでは、千葉商科大学を例に出しましたが、常連校と比べれば、有名ではなく、小規模な大学でも、学内での受験指導を熱心に行う組織や仕組みを構築している大学は、ぜひともチェックしておいてください。

5.大学名以外にチェックしておくべきこと

受験には直接関係しませんが、大学の教授陣について、事前にチェックし、選択の一要素とされてもいいでしょう。なぜなら、会計・監査あるいは税務関係の権威ある方のもとには必然的にその道で頑張ろうとする学生が集まってきます。ゼミ生15名中、公認会計士試験合格者が12名というゼミもありました。ゼミ生同士が切磋琢磨するため、公認会計士や税理士試験に合格しやすい環境を友人同士で自然に作ってくれます。

6.まとめ

以上、合格しやすい大学として述べてきましたが、公認会計士の業界に限らず、A大学とC大学出身者が多く、B大学出身者が少ない、などの状況は、あくまでも現在の結果です。有名大学よりも、受験サポートに熱心な大学が近道かもしれません。

ある塾講師によれば、同じ東京大学の合格者でもトップとビリでは100点の差があるそうです。つまり、トップとビリの間に他大学の人間が何人居るかを考えればいいのです。大学受験は過程で、本来の目標は公認会計士試験であることを忘れずに。

ということで、最後は、やはり本人のやる気で「念ずれば花開く」の世界かなと思います。最後まで挫けずやり遂げれば朗報は飛び込んでくると信じたいものです。皆様の今後に少しでも参考になれば幸いです。

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執筆者プロフィール
白土 英成(しらと ひでなり)
  • 公認会計士・税理士
  • 税務会計研究学会理事・税理士法人メデイア・エス代表社員、オリエント監査法人代表社員

千葉県市川市にて平成元年公認会計士白土会計事務所開設。税理士登録。平成21年田口安克と税理士法人メデイア・エス設立。

著書
『設例・図で見る役員給与の税務』(中央経済社)2007年

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2013年の公認会計士試験に合格。翌14年に新日本有限責任監査法人に入所しました。金融事業部に配属され、転職まで3年間、証券会社の監査を担当していました。会計士の仕事に対して具体的なイメージが湧かないまま…
2018.12.26

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