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会計士のワークライフバランス・年収について知っておくべき人生戦略

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「働き方改革」というワードとともに語られることの多い、「ワークライフバランス」という言葉。
会計士の方も、転職を検討する際に意識されると思います。
実際、転職をされる多くの会計士の方の多くが、「残業時間」を気にしています。
例えば監査法人にいる会計士が転職する際に、コンサルティング会社、会計事務所・税理士法人、事業会社(経理など)を選択肢として考えると思いますが、実際、その転職でワークライフバランスを実現することはできるのでしょうか。
大手監査法人出身で経営コンサルティング会社を経て、現在は飲食店を経営する会計士が「会計士のワークライフバランス」についてご紹介します。

目次

1.そもそも、公認会計士にとってのワークライフバランスとは?

2.ワークライフバランスを考えるときに大切な3つのこと

3.「人生戦略」の描き方

4.わたしの場合

5.まとめ

1.そもそも、公認会計士にとってのワークライフバランスとは?

会計士にとってワークライフバランスが取れているというのは、どのような状態なのでしょうか。それは単に、1日におけるプライベートの時間が長いことだけではないでしょう。

年間スケジュールにおける忙しさや、将来のキャリアにおいてフルタイムで働くのかどうかなど、長期の時間軸で考えることも論点の一つになると思います。ベストの形は人によって異なると思います。

また、会計士は比較的転職がしやすい職種だと思います。このため、一生のキャリアプランを決めてしまうことは必須ではないと思います。こう考えたときに会計士にとってのワークライフバランスとは、3年先くらいまでの比較的近い将来を見すえた働き方を考えることが重要なポイントになるでしょう。

2.ワークライフバランスを考えるときに大切な3つのこと

ワークライフバランスを考えるときには「将来在りたい姿を決定する」「年収について考える」「プライベートや仕事以外のやりたいこと、大切なことは何なのかを明確にする」が必要です。

その方針によって、「何を基準にバランスを取るのか」が変わってきます。たとえば、経営層と近い距離間が求められるような「キャリア志向を目指す場合」は、人脈や経営者感覚のリテラシー向上のための社外活動が多くとなるかもしれません。「監査法人で監査人、一般企業で経理担当やマネージャーを目指す場合」は、会計スキルという専門能力を磨く時間が重要なバランスの観点となるでしょう。「税理士事務所などで税務を行う場合」は、専門とする内容によって忙しさやハードさが変わるでしょう。どのようなバランスとするかは、どのような仕事や役割を担うかによりイメージしやすいかもしれません。

(1)将来在りたい姿を決定する

会計士が職業人としての道を考えた場合、大きく分けると「専門家として生きるのか」、「企業や法人に所属する組織内会計士として生きるのか」、「経営者として生きるのか」の3つになります。

先ほども申し上げたとおり、どの道も開かれていて、途中でキャリアの変更がしやすいのが会計士という立場の魅力でしょう。とはいえ、生涯という長い目で見たキャリアをどうするのか、より条件がよい状況を選択できるためには、早い段階で将来に在りたい姿を決定することがポイントになりそうです。

(2)年収について考える

同じ能力でもキャリアによって大きく異なります。年収を重視したいのであれば、CFOや経理マネージャーなどの管理職ポジションに就くことが早道です。しかし、相続など希少なノウハウの専門家として生きることも経験や実績を積み上げた後は高い水準を期待できるでしょう。組織内会計士として大企業の一員としてのキャリアを選ぶ場合は、あまり年収は期待できないかもしれないですが、代わりに安定した働き方のできる環境が手に入りやすいかもしれません。

(3)プライベートや仕事以外のやりたいこと、大切なことは何なのかを明確にする

会計士のよいところは仕事の閑散期には、自由な時間を手に入れやすいということです。まとまった休みもとりやすいです。

仕事だけでなく、プライベートも充実させやすいといえるでしょう。自分にとって何に余暇の時間を使うと満足が高いのか、自分探しをしてみることもワークライフバランスを考えるポイントになりそうです。

(4)これらを踏まえ、会計士のあなたが描く人生戦略はどういうものか

これはわたしの思い込みかもしれませんが、会計士になるだけの努力をできた方というのは、ビジネスの世界で活躍したいと考えているところがあるのではないでしょうか。

もちろんその程度はいろいろあるでしょう。せっかくなら華々しく、会計を武器に活躍する経営者というゴール設定をし、閑散期には家族とゆっくり過ごし趣味にどっぷり費やす時間を手に入れるという欲張りな人生を目指して努力してみるのもいいでしょう。

何が言いたいかと申しますと、「会計士」というのは業界の動向はどうあれ、優良なライセンスであり、大きな強みです。その強みを活かして、仕事もプライベートも密度の高い、充実したワークライフバランスを人生戦略の礎とすることをお勧めしたいと思います。

できるができないかはさておき、あなたが描きたい人生とは何か今一度考えていただけたらと思います。

3.「人生戦略」の描き方

(1)次のステップに移る前に注意するべきこと

先述の通り、会計士のよいところはキャリアを変更しやすいことです。また、異なるキャリアへの再チャレンジも比較的しやすいです。とはいえ、短い期間で何回もの転職はすべきものではありません。過ぎた時間は戻らないものです。

「石の上にも3年」を目安に、どういった人生をこれから過ごしたいのか具体的にイメージしましょう。目先の給与条件だけなどでなく、そこで何を得たいかや、どのようなプライベートの時間を過ごしたいかなどを考えることが重要でしょう

(2)具体的な実行法について

キャリアを選ぶ際、起業する以外には転職がそれを実行する手段となります。転職市場は状況によってよい求人の数は大きく変わります。このため短期的な活動で終わらせようと考えず、半年~1年くらいかけるくらいのつもりで取り組むとよいでしょう。

よい求人が出やすい時期などを狙いつつ、いつでも転職するくらいのつもりで早くから情報を集めたり、履歴書や職務経歴書を書いておいたりすることが重要です

せっかく見つけたよい求人は、他の人も狙っているものです。自分のスタンスが固まっていなくて逃してしまうことほどもったいないことはありません。早く情報収集を開始し、どういったところに就職したいか、どのようにワークライフバランスを取りたいかイメージを固めておくことが具体的な実行をするうえでのポイントです。

4.わたしの場合

わたしの場合は大手監査法人に勤めていたころから、会計士としてだけでなく、いろいろな経験を積んでビジネスマンとして力をつけたいという気持ちがありました。

このため前職を探すときは、そのような観点からコンサルティング業界を志望しました。転職してコンサルティング業界にいくということは、コンサルとしては1年目ということになります。新入社員からやり直すことになる時間のもったいなさを感じていました。

このため会計士という経験を活かして入社し、転職後も最初は財務の仕事を中心にひたむきに取り組みました。だんだんと財務以外の仕事も任せていただけるようになり、経験したかった経営に携わるコンサルらしい仕事も経験できるようになりました。

うまくいったのは、どういったキャリアを描きたいかイメージを明確に持って、それを転職エージェントや転職先の上司に相談をし、サポートをしてもらったおかげだと思います。

ご自身のなりたいイメージを周りの方に伝えられないとサポートもできません。自分のスタンスを明確にする大切さを肌で感じた経験でした

5.まとめ

会計士の人生戦略において大事な要素は、どのようなワークライフバランスを送りたいのか、どのようなキャリアを積みたいのか明確にすることです。「人生戦略」を謳った記事ではありますが、将来の長い先までを具体的に決める必要はありません。直近3年くらいの過ごしたい人生について明確にすることが成功する要因といえるでしょう。

執筆者プロフィール

松本 佑哉(まつもと ゆうや)
公認会計士

立命館大学経営学部卒、滋賀県出身。
大手監査法人に勤務し、広告代理店やエンターテイメント企業を中心に担当。同時にプライベートでマーケティングやマネジメントスキルを現場のトップ集団から学び習得。その後、みらいコンサルティング株式会社に入社し、新規事業開発、事業再生、事業調査、財務調査、事業計画策定と幅広くプロジェクトマネージャーとして活動。平成28年9月に独立し、フリーランスの公認会計士として監査役や監査業務などを実施している。

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