目次
1. 公認会計士の『非常勤』の仕事とは?
- (1)非常勤監査とは、どのような働き方なのか?
- (2)雇用形態や勤務時間は?モデルとなる1日のスケジュール
- (3)非常勤監査の業務内容は?求められる実務経験のレベルは?
- (4)非常勤として働いているのはどんな人?
公認会計士が、監査法人で『非常勤』として働くメリットは?
近年、注目を集める『非常勤』として監査業務に携わること。
一度、監査法人を退職され、独立や何かしらのライフイベントを終えた後に、ふたたび監査法人で働くことを選ぶ会計士が増えています。
非常勤として働くことの魅力はどこにあるのか、はたまた懸念されるのはどのようなことなのか、独立開業後、監査法人にて非常勤として監査業務の経験がある会計士にお話をうかがいました。
このコンテンツを読むことで、公認会計士の監査法人での非常勤の仕事内容、仕事時間、報酬の相場、その他メリット・デメリットを知ることができます。
非常勤監査とは、監査法人にてフルタイム勤務者よりも短い時間で、監査業務に従事することです。平たく言えば、パートやアルバイト形態で監査法人に勤めることをいいます。
監査法人は、公認会計士や公認会計士試験合格者と雇用契約を結びます。一方で、人手不足や雇用の多様化で、会計士と業務委託契約を結び、時間を制限する形で監査業務に従事してもらうことも増えてきました。
わたしは以前、某監査法人に6年勤務した後、独立しましたが、その後2年間ほど監査法人にて非常勤監査に従事していました。
基本的に残業はなく、案件ごとにアサインされ、監査業務を行うのが非常勤監査の働き方です。
公認会計士の多くは、無期雇用かつフルタイムで働く雇用契約を監査法人と取り交わし、正社員として働きますが、非常勤は働ける期間が決まっている有期契約になります。私の場合は、1年ごとに契約を更新していく形態でした。
非常勤の1日のスケジュールは、だいたい以下のようになります。
9:30~ 出社もしくは現場(正社員と同時刻)、監査業務
12:00~13:00 昼休み(チームのメンバーと食事)
13:00~ 監査業務
17:30 退社
基本、正社員の会計士と同じスケジュールになります。
また、最近は新型コロナウイルスの影響で、現場に赴くことなくリモートでの監査業務を行うことも増えています。
基本残業はありませんが、繁忙期やチームの業務内容により2,3時間の残業が発生することもありました。業務終了時には、その日に行った業務内容と業務時間を監査法人に報告しました。
非常勤の業務は、監査法人が行っている業務のサポートがメインになります。
具体的には四半期及び年度決算の財務諸表監査、内部統制監査、任意監査(ショートレビューなど)、IPO支援業務、IFRS導入支援などがあり、アサインされた案件により業務の内容が決まります。
非常勤監査に求められる実務経験レベルについては、上記のような業務を行うので、一通りの監査業務を経験している必要があります。監査法人に勤務していた方であれば、だいたいシニアスタッフ(3年~5年以上)くらいまでのレベルであれば対応できると思います。また、主査(インチャージ)業務をした方であれば、幅広く業務を見ることができるので、より対応しやすいかと思います。
おもに下記が挙げられます。
これ以外に、
などがあると思います。
大手監査法人では、時給5,000円以上が相場です。
仮に、月20日出勤して、1日7時間勤務とすると、月給70万円ほどになります。私の場合は案件ごとのアサインでしたので、だいたい月10日くらいの稼働でした。
中小監査法人の時給は6,000円以上が相場となっており、大手監査法人に比べ単価は高いです。ただし、案件のボリュームにより、勤務時間は少なくなる傾向にあるかと思います。
いずれも、人手不足により時給は上がる傾向にあります。
非常勤は、常勤のようにフルタイムで働くことはないため、時間の管理がしやすくなるというメリットがあります。そういった点では、ワークライフバランスを確保できる雇用形態と言えるでしょう。
また、正社員と異なり、勤務日数や勤務時間、残業の有無などを、監査法人と協議することができ、自分で仕事を選択しやすい環境です。繁忙期は、さすがにこちらの希望が通らないことがあるとは思いますが、時間に拘束されず、自分で働く日数や時間が決められるのは、大きなメリットだと思います。
加えて、非常勤は公認会計士が監査法人を退職し独立した際に、事務所経営が安定するまでの収益確保の手段として挙げられます。
自身の事務所を立ち上げ、経営が軌道にのるまでには空き時間と言っては変ですが、意外と自由に使える時間が多いので、これまでの経験を活かし非常勤として仕事をすることは、選択肢の一つになります。
非常勤で働く上でのデメリットは、雇用契約と違い業務委託契約になるので、働く期間が一時的であるということです。私の場合は、1年ごとの契約でしたし、自分の思うように仕事をいれることができないこともありました。自身のおかれた状況によって異なりますが、非常勤を収入の柱とするのは、難しい側面があるでしょう。
これは、監査法人をやめることのデメリットともいえますが、例えば、監査法人に勤務している場合は、公認会計士協会の会費は、法人が負担してくれます。
しかし、監査法人をやめて、非常勤として会計士業務を行うとなると、年会費の負担は、当然、自身で行わなければなりません。
時給単価は高いですが、上記のような自己負担額も増えるのが非常勤です。また、非常勤には、退職金制度や有給休暇は適用されませんので、その点も考慮する必要があります。
自身が以前勤めていた監査法人にお願いをして、非常勤として監査業務に関与することができます。そうしたい場合には、監査法人のパートナーに相談されるのがいいかと思います。
また、知り合いの会計士・会計事務所の紹介を受けるのも方法の一つです。やはり会計士業界は、人材不足の傾向にあるので、非常勤を募集している監査法人は増えてきています。
JICPA Career Naviは日本公認会計士協会が運営する求人情報サイトです。こちらの利用は、公認会計士及び公認会計士試験合格者に限定されており、様々な求人情報があります。その中に非常勤の求人もありますので、ご自身で確認してみてください。
転職エージェントに非常勤監査希望の相談をすることもきっかけの一つになるでしょう。
転職エージェントは監査法人のパートナーと独自のつながりを持っているケースもあるので、公認会計士協会などにはない求人案件を保有している場合もあります。
あらかじめ転職エージェントに登録し、ご自身の実績などを伝え、希望に合う非常勤監査の案件があれば声をかけてもらえるよう準備をしておきましょう。
税務・会計・監査業務に加え、書籍執筆、セミナー活動など幅広く従事。趣味はランニング、旅。座右の銘は「日々新た」「足るを知る」。
『士業・FP・保険外交員のための生命保険活用講座』(税務経理協会)2015
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転職サイト『マイナビ会計士』において、トピック&コラムの2記事等を執筆。
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