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【最新版】公認会計士 合格後にやるべきこと完全ガイド|試験終了からキャリア設計まで

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ジャスネットコミュニケーションズ エグゼクティブエージェント
公認会計士 齊藤健太郎

公認会計士試験を終えたあなたへ──

この記事では、公認会計士試験の試験終了後・合格後に焦点を当て、公認会計士試験終了直後から合格後の進路選択まで、時系列に沿って徹底的に解説します。

目次

合格後の行動次第で、公認会計士としてのキャリアの質は大きく変わっていきます。ぜひ最後までお読みください。

■ 公認会計士試験終了から合格発表までの過ごし方【約2か月】?

公認会計士の論文式試験は8月下旬(今年は2025年8月22日~24日)に行われますが、3日間の論文式試験がタフの一言です。合格発表は11月中旬(今年は11月21日)に行われますので、おおよそ3ヶ月の空白期間が生じることになります。こうした空白期間をどのように過ごしているのでしょうか。

(1)過ごし方① 心身のリフレッシュ(1〜2週間)

試験が終わった直後は、「完全にオフにする期間」が必要です。勉強漬けの日々で疲弊している脳と身体をリセットしましょう。

【具体的なリフレッシュ方法】

  1. 旅行(国内外問わず自然や文化を楽しめる場所へ)
  2. 趣味に没頭(ゲーム・音楽・読書・アートなど)
  3. 長期放置していた人間関係の再構築(友人との再会)
  4. 新たな資格取得(TOEIC、英検、宅建など)に励む
  5. 睡眠のリズムを正常に戻す

【ポイント】
受験期間中は何らかの「うしろめたさ」が存在しています。この時期に「罪悪感なし」で休むことが、合格後のモチベーション維持に繋がります。
ただ、この時期には監査法人への就職に向けた専門学校イベントがすでに開始しています。試験完了の翌日にはこうした情報がリリースされている可能性があるので、この点には注意が必要です。

(2)過ごし方② 情報収集(3〜4週間目)

合格発表後に就職市場が一気に動きますが、その波に乗るためには、あらかじめ情報武装をしておくことが鍵です。試験勉強していると気づきにくいことですが、合格後もある意味公認会計士同士の競争が始まります。他者の動向を探る上で、まずはこちらのリクルート4法人協定の通達は熟読しておくことをお勧めします。

専門学校イベントがすでに開催されているようですが、監査法人説明会もこの時期に行われます。

通達には監査法人イベントが合格発表後には行われないと明記されています。このイベントに参加するか否かで監査法人への就社の合否が分かれるので、合格にある程度手応えがあり、監査法人への就社を希望するならば必ず参加しなければなりません。

なお、この時期にチェックすべき情報としては、以下の点ではないかと思います。

  1. ① 各監査法人の特徴(Big4 vs 中堅監査法人)
  2. ② 就職説明会や採用イベントの開催日程
  3. ③ 業界動向(会計業界のトレンドなど)
  4. ④ 日本公認会計士協会の公式サイト
  5. ⑤ 予備校の進路ガイドブック(CPA、TAC など)
  6. ⑥ 公認会計士としての進路(監査法人以外の進路も視野に入れる情報収集)

(3)過ごし方③ キャリア準備(5〜13週間目)

一言で言って長いですよね。この時期は、人によっては公認会計士試験の勉強をする気にならないのではないかと思います。いろいろな過ごし方があります。

  1. ① 短期バイトで小銭を稼ぐ
  2. ② 別の資格取得の勉強をする
  3. ③ ひたすら読書をする。
  4. ④ 来年の試験勉強に向けた準備をする(短答式試験の期限が切れるのであれば再受験準備、来年の論文式のための答練の復習など)

わたしは②以外はどれも経験したように思います。
自身の後悔をもとに、②について調べてみると、意外なことがわかりました。

●宅建の試験日:2025年10月19日(日)

民法選択者にはよいかもしれません。ただ申し込みは、6月上旬~7月下旬なので、あらかじめ申し込みをしておく必要があります。

●英検の試験日:2025年10月5日(日)

昔と異なり、いまはS-CBTで毎週受けることができますが、外部試験を受けることをターゲットにするのもよいかもしれません。

●TOEICの試験日:2025年10月19日(日)、11月16日(日)

毎月1回は行われます。40日前をめどに申し込み締め切りが来てしまいますので、注意しましょう。

●日商簿記検定1級試験の試験日:2025年11月16日(日)

簿記1級の試験は合格発表日前に行われます。不合格になり次のスタートを切るためにも簿記検定試験の勉強をしておくのは有意義かと思います。試験日の2ヵ月前を目安に申し込み方法が開示されるようです。

意外といろいろな試験が開催されているので驚きました。
社会人になってしまうとじっくりと勉強に取り組む機会はなかなかないので、こうした別の資格試験の勉強に時間を当てておくのも悪くないかと思い紹介してみました。

■ 合格発表後から就職までの過ごし方

公認会計士試験に合格しても、すぐに働けるわけではありません。
特に監査法人の場合は「内定獲得 → 実務補習 → 勤務開始」までには約1~5か月の時間があります。一般事業会社に就職する場合も同様です。特に学生の方は5か月の期間があります。

以下、時間軸で解説すると以下のようになります。

(1)監査法人の場合

① 0週目(合格発表日)

【やるべきこと】

  1. 合格証明書を受け取る(オンライン登録)
  2. 監査法人・企業の採用ページを確認
  3. 個別面談のアポイント取り

② 1〜2週目

【やるべきこと】

  1. 面接の実施

③ 2〜3週目

【やるべきこと】

  1. 最終面接を突破し、内定獲得

面接では「なぜこの法人なのか」「どんなキャリアを描いているか」が頻出質問のようです。事前準備を行いましょう。と

④ 内定後

【やるべきこと】

  1. 実務補習所の申込。もっとも内定した監査法人の指示に従えば十分だと思います。
  2. 入社準備(PCの設定、社会保険、提出書類など)

(2)監査法人以外の場合

この場合、一般の求人情報に接することになると思います。
ジャスネットなど公認会計士専門の求人サービスを利用することも考えられますが、実はこのルートの市場は開拓されていません。

書類で履歴書を送付することになりますが、正直いって既卒枠で見られるので書類で落ちることが多々あることを想定しなければなりません。

ただ、「公認会計士試験合格者 求人」で検索してもそれなりの求人があるので、その内容で検索を行い、あらかじめ調べておく必要があります。

日本では新卒ブランドがあるので、公認会計士試験合格で優位に立つには、大学3年生で合格しなければ、安定した選択肢を取れないという問題があります。ただ、こうした選択を行わざるを得ない場合ではないと、そのような動きをすることはないというのが現実ではないでしょうか。

しかしながら、こうした監査法人以外に進むという選択を行ったとしても、長期的にみると何とかなるというよりも、結果として通常ルートで得ることができないレアなスキルを身につけることになり、20、30年経ってみると私が知る限り、こうした公認会計士が全員結構いいポジションにいるのも事実です。

このためジャスネットコミュニケーションズのキャリアマップを確認してみることをお勧めします。

【公認会計士のキャリアマップ】
https://mypage.jusnet.co.jp/mypage/flowchart
※公認会計士のキャリアマップをご覧いただくには、新規会員登録またはログインが必要です。

■ 公認会計士 合格後のリアルな進路選択肢

(1)王道ルート|監査法人で監査の実務経験を積む

【監査法人を選択する理由】

  1. 実務補習と業務補助要件の同時達成が可能
  2. 多種多様な業種の上場企業の財務情報に触れられる
  3. 公認会計士としてのキャリアアップや転職の基盤が築ける

Big4に入所するルートでは…

  1. 海外出向のチャンス
  2. 多国籍クライアントとの対応経験の機会
  3. 上場企業監査のノウハウ蓄積

中堅・地方監査法人に入所するルートでは…

  1. ワークライフバランス重視
  2. 地域密着型のサービス

(2)準王道ルート|事業会社でのキャリア形成

【選択肢の内容】

  1. 上場企業の経理部門、財務部門への配属
  2. 証券会社のIPO支援関連業務
  3. IR(投資家向け情報発信)業務

特徴:安定志向/長期雇用を求める方に向いている
ワンチームでの意思決定を重視する人に合う

(3)現実的な将来選択|3〜5年後の転職や独立

【一般的な流れ】
監査法人で3~5年実務経験を積む
⇒修了考査に合格する
⇒スペシャリスト領域(IFRS、M&A、税務など)での強み作り
⇒転職・独立

【現実的な選択肢】

  1. 経営コンサルタント
  2. 会計士+税理士のダブルライセンス開業
  3. スタートアップ企業のCFO就任

注意事項:合格直後にいきなり独立する例は非常に稀です。
信頼や顧客基盤の構築が難しく、リスクが大きいです。

■ よくある質問(FAQ)

Q1:合格後すぐに働き始められますか?

A1:一般的には合格から1〜5か月後に勤務開始です。それまでに内定・実務補習所の手続きが必要です。

Q2:独立開業を目指していますが、すぐに可能ですか?

A2:基本的には難しいです。まず監査法人や事業会社での実務経験が前提になります。

Q3:Big4監査法人に入れなかった場合の選択肢は?

A3:中堅監査法人や税理士法人、事業会社の経理職など、実力を発揮できる場は多くあります。

Q4:就職活動で何を重視されますか?

A4:人柄・コミュニケーション力・将来のビジョンが重視されます。例外はあると噂では聞きますが、成績だけでは選ばれません。

Q5:監査以外のキャリアを選ぶのはありですか?

A5:会計士資格を持った状態で、M&A、ベンチャー支援、コンサルティング分野へ進む人も増えています。そのため、そういった道を選択した公認会計士の話を聞いたり、ブログや記事なども読んでみましょう。

Q6:合格後、何を勉強すればいい?

A6:まずは実務補習対策やExcel操作、会計実務(連結、IFRS)、ビジネスマナーなどが実践的です。

■ まとめ

公認会計士 合格後は「行動力」と「計画性」が未来を決めます。
つまり合格はゴールではなく、「専門家としてのキャリアのスタートライン」です。
休むべき時に休み、学ぶべきことを学び、動くべきタイミングでしっかり動く──
このバランスが、あなたの未来を決めると心得てください。

■関連リンク(公式情報)
以下は、大手監査法人や公認会計士制度に関する公式リンクを記載します。信頼性が高く、キャリアの判断材料として活用できます。

サイト名 内容 リンク
日本公認会計士協会(JICPA) 公認会計士制度・実務補習・登録手続きの詳細 https://jicpa.or.jp/
PwC Japan有限責任監査法人 総合採用サイト 新卒・既卒採用情報、入社時期も記載あり https://www.pwc.com/jp/ja/careers/assurance.html
有限責任監査法人トーマツ(Deloitte) 合格者向けの採用スケジュール https://www2.deloitte.com/jp/ja/careers.html
EY新日本有限責任監査法人 合格者・経験者向け採用ページ https://www.shinnihon.or.jp/recruit/
あずさ監査法人(KPMG) キャリア採用・新卒採用情報 https://kpmg.com/jp/ja/home/careers.html
執筆者プロフィール

齊藤 健太郎(さいとう けんたろう)
ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 エグゼクティブエージェント
公認会計士・税理士/齊藤公認会計士事務所

横浜国立大学経済学部卒業
横浜国立大学国際経済法学研究科修了:専攻は会社法

2003/2-2006/9
エイチエス証券株式会社引受審査部所属
2006/9-2010/7
あずさ監査法人第5事業部(IPO専門部署)所属
2010/8-2012/10
あずさ監査法人 IT監査部所属
2012/10-2017/11
LINE株式会社 内部監査室 マネージャー
2017/11-2020/9
ライフアンドデザイングループ 取締役CFO
2020/10-2023/1
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