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公認会計士の修了考査|合格後の会計士登録までに必要なこと3選

公認会計士の修了考査|合格後の会計士登録までに必要なこと3選

世間で公認会計士になるための国家試験と呼ばれている、「短答式試験(12月と5月に実施)」、「論文式試験(8月に実施)」に合格しても、実は公認会計士になれません。この論文式試験に合格した場合には「公認会計士試験合格者」になるだけなのです。

公認会計士試験合格者となった後には①実務経験(2年間)②補習所通学(基本3年間)③修了考査合格の3つの要件を満たす必要があります。

この記事では、論文式試験に合格後、晴れて公認会計士になるまでの過程をご紹介いたします。

1.まずやるべきは、実は就職活動

まずは、公認会計士登録の要件を満たすための「実務経験」を積むことが必要となります。
ここではその「実務経験」の要件を満たすために必要な実務の内容と、実務経験を積むための就職活動について説明します。

(1)会計士登録条件としての「実務経験」

2年間の実務経験を積むためには、大きく分けて2つの方法が存在します。それが「業務補助」もしくは「実務従事」です。

両者の説明を簡単に解説しますと、前者の「業務補助」が公認会計士又は監査法人の監査証明業務に携わり、その補助の役割を果たすことです。また後者の「実務従事」については事業会社等に常勤として勤務しておりかつ、法令で定められた業務(公認会計士法施工令第2条に規定される業務)を行っていたかどうかを個別に判断されることになります。

(2)会計士試験合格者の就職活動

会計士試験合格者の多くは、監査法人に就職します。その中でも大手監査法人へ就職する割合は8割以上といわれています(わたしが合格した平成24年度の合格者数が約1,300人のうち大手監査法人に就職した人数は900人以上でした)。

なぜ大手なのか、一般的にいわれています大きな特長としては2点あります。
1点目は誰しもが知っている上場会社のクライアントを多く持っているため、最先端の監査経験を積めることです。2点目は海外の会計事務所と提携しているため、将来のグローバルな活躍も視野にいれられることです。

ただし一概に大手監査法人がよい、中小監査法人が悪いとはいえません。わたしの私見では「専門性に特化したい」「監査したい企業がある」「将来はグローバルに活躍したい」という展望がある場合には大手監査法人を、「監査だけではなくM&Aやコンサルティングなど幅広い業務を経験したい」「事務所のマネジメント側に早く携わりたい」という展望がある場合には中小監査法人をお勧めします。

2.実務補習制度とは?

先に挙げた公認会計士になるための要件の1つである「補習所通学」(公認会計士試験合格後に行う座学の実務補習制度)について説明します。

(1)実務補習の内容

一人前の公認会計士となるために必要な技能を習得する「実務補習」(座学研修)は、平日の夜もしくは土日に実施されます。実務補習の内容は大きく分けて「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」の5つに分類され3年間に渡って研修を受講します。また研修を受講し3年間で10回の考査と6回の課題研究提出で一定水準の点数を取ることが要求されます。

なお、公認会計士試験合格前に実務要件を満たしている方々については、実務補習の期間短縮(最短1年)を実施することも可能です。

(2)実務補習はどこで受けられる?

実務補習は東京、東海、近畿、九州の4つの実務補習所に分けられ、各補習所の指定の場所(東京実務補習所の場合は主に市ヶ谷にある公認会計士会館)で受けることになります。

3.修了考査とは?

2年間の実務経験と3年間の実務補習制度を経たあとに、最後の関門として待ち受けているのが修了考査試験です。ここでは修了考査について説明します。

(1)修了考査はどんな試験なの?合格率は?

修了考査の内容は、実務補習で勉強する内容の「監査」「会計」「税務」「経営・IT」「法規・職業倫理」の5つの科目を2日間に渡って受験する試験です。2日間で合計12時間と論文式試験と同じくらいのハードな日程となります。

なお、合格率は論文式試験が約35%に対して、その倍の約70%あります。比較的合格しやすい試験となっております。

(2)試験はいつ行われる?いつ勉強を始めるべき?

現在の修了考査試験は、12月の第2週目の土日に実施されます。

監査法人にお勤めの方ですと試験休暇が10日間与えられ、有給休暇と併せて3~4週間ほど試験勉強期間を設ける方が多いです。ただ監査クライアントの決算期によっては全く休みを取れない方もいらっしゃいます。

なお勉強開始のタイミングは人によりますが、早い方ですと修了考査試験を受ける1年以上前から、遅い方ですと試験の1週間前からという方もいらっしゃいます。

(3)修了考査に落ちたらどうなる?

修了考査試験の合格率は、上記で述べたように約70%です。逆にいうと約30%の方々は、不合格となる試験です。不合格となった場合にどうなるかというと「1年間悔しい思いをする」だけで、実務上はそんなに困ることはないといわれています。ただ、監査法人にお勤めの方で公認会計士の資格が無いと主査を担えないという可能性や、税理士登録をして独立開業するための期間が長引くという可能性はあります。

なお、公認会計士試験の短答式試験とは異なり、2年間の免除期間が設けられる訳ではありません。そのため不合格後も何回でも受験可能です。私の知り合いには苦節8年目にして合格された方もいらっしゃいました。

4.会計士登録について

公認会計士試験合格後、2年間の実務経験と3年間の実務補習制度を経て、修了考査にも無事合格したあとにしなければならないのが公認会計士登録です。ここでは公認会計士登録のメリット・デメリットや登録手続きの詳細について説明します。

(1)会計士登録のメリット・デメリット

公認会計士登録のメリットの1番は「監査報告書にサインをできること」です。それ以外には、公認会計士として独立もしくは監査法人である程度の年次を経たあと、クライアント獲得のための営業をする時に初めて感じるものだと認識しています。

なお、監査法人で働いている限りでは、修了考査合格後すぐには公認会計士登録することのメリットはあまり感じられません。個人的な意見としては、名刺に「公認会計士」と記載されることが嬉しいことくらいだと思います。

ただ、逆に公認会計士登録をするデメリットはないと思います。世間的にもステータスの高い資格であることは周知の事実ですし、将来のキャリアパスや業務の幅も拡がりやすいと思います。

(2)会計士登録に必要な書類

公認会計士登録に必要な書類は、19種類あります(詳細は下記、日本公認会計士協会WEBの3ページ目を参照、https://www.hp.jicpa.or.jp/app_kaigyo/kaigyo_tebiki.pdf)。

その書類の中でも大きく2つに分けられます。1つは自らが区役所や市役所に足を運んで入手する「戸籍謄本」や「住民票」です。もう1つは金融庁や法務局、監査法人に書類作成を依頼して入手する「業務補助等の報告書受理番号通知書の写し」「登記されていないことの証明書」「勤務証明書」です。

各書類によって有効期限が異なり、特に金融庁から入手する「業務補助等の報告書受理番号通知書の写し」は申請してから1~2カ月ほどかかるので要注意です。

(3)会計士登録の手続きの流れ

上記書類を入手したら、日本公認会計士協会に提出し、各月の登録審査会開催日での審査会で書類が問題なく受理されると、晴れて公認会計士登録が完了となります。書類入手から登録完了までの期間は3~6カ月くらいといわれています。

5.まとめ

公認会計士になるためには公認会計士試験の合格のみならず、2年間の実務経験と3年間の補習所通学、修了考査合格が必要となります。さらに、上記を証明するための必要書類を整え日本公認会計士協会に登録申請をして初めて公認会計士として認められるという長いプロセスが必要です。公認会計士は知識だけではなく、実際の業務や知識の研鑽にも重点が置かれていることの表れだと思います。公認会計士になるための道のりは決して簡単ではありませんが、知識や能力の将来性及び社会的貢献度は高い資格であり、今後も活躍の場は多岐に渡るでしょう。

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執筆者プロフィール
R.H
  • 公認会計士

2012年に公認会計士試験に合格。大手監査法人で金融部門に所属し、都市銀行・地方銀行をメインに金融機関の法定監査に従事。また同時に地方銀行の統合プロジェクトや、メガバンクの内部統制のコンサルティング業務も経験。

2017年より外資系金融機関に転職。会計・税務の知識や金融機関での経験を活かした、お客様目線に立った専門性の高い提案を行っている。

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