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公認会計士の独立開業って儲かるの?収入源と年収のホントのトコ

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公認会計士の独立開業は、リスクが高いと思われていませんか?彼らが監査法人から独立後に、どこから収入を得ているのか、どのくらいの年収になるのか、漠然としたイメージしか持てない方が多いかと思います。

会計士の平均年収は、約800万円といわれていますが、独立開業している公認会計士は、どのくらいの年収を、どうやって稼いでいるのでしょう?

この記事では、大手監査法人から独立後、一貫して会計の仕事をされている公認会計士に、独立するタイミング、独立後のクライアント、年収について語っていただきました。独立を考えている会計士の方は、確認しておきましょう。

1.独立って、儲かるの?

(1)監査法人から独立後の会計士の仕事

独立後の会計士の仕事は様々です。ご存じの通り「公認会計士」という資格自体で認められている業務は会計監査のみですが、独立後は、会計士業として派生したものとして、下記の業務に携わっている方が多いかと思います。

  • ①会計コンサル(上場会社決算業務支援、内部統制構築・運用支援、IFRS支援等)
  • ②IPO・M&A・資金調達・事業再生等に関わるコンサルティング
  • ③税務業務 等

周りの独立している会計士を見ていると、これに中堅以下の監査法人の監査補助や中小監査法人のパートナーの仕事を併用している人が多いように見えます。

わたしの場合は、下記の業務を主にしています。

  • ①ベンチャー/スタートアップ企業の資本政策やエクイティファイナンスの相談・株式価値算定
  • ②IPO支援、M&Aのアドバイザーや財務DD・バリュエーション
  • ③ベンチャー/スタートアップ企業の会計税務業務
  • ④経営者個人の資産管理会社の運営サポート
  • ⑤個人(所得税・相続税)のタックスプランニングや税務申告

その他、依頼に応じて、IFRSの案件や民事再生の財産評価等、適宜対応します。また、ベンチャー企業の社外役員に就かせていただいたり、スタートアップへの少額出資等もしたりしていることもあります。

(2)独立する際に、必要な準備(クライアントについて)

次に独立する際のクライアントについてのお話をします。もちろん、クライアントや仕事の目途は、独立前にあるに越したことはないでしょう。

独立後に、「この分野で専門にやっていく」というのを明確に決めていて、その分野の業務経験がないようであれば、その業務を専門としている事務所に入って経験値を積むことは当然した方がよいでしょう。

また、周りを見ていると、古巣の先輩やパートナーから仕事を紹介してもらって、独立当初の目途を立てている人も多いようです。

ただ、独立前の人脈や知見の蓄えはいずれなくなります。独立後にも新規に新しい分野に挑戦したり仕事の案件を獲得したりしていくことができなければ、立ち行かなくなってしまいます。ですので、私見ではありますが、成功するか失敗するかは、独立前の準備よりも「気概」の方が大事です。

独立後に仕事がなければ、知り合いの独立している先人に頼って仕事を手伝うなり、仕事自体はいくらでもありますし、一定以上の能力がある方であれば、金銭的な「割り」を気にしなければいくらでも経験を積めます。

わたしは監査法人でIPO準備の監査業務はしていましたが、ほとんどの業務は独立後に切磋琢磨して経験をしてまいりました。自分の得意分野や独立前の業務の経験値も大事ですが、努力次第では独立後にも新しい分野への挑戦はいくらでもできますし経験も積めますので、独立前に心配はいりません。

自分で経験のない分野等の相談が来た際は、できる人に紹介したり、経験のある人を探してきたりしてお願いして一緒にやればいいわけです。余談ですが、このような時は、自分が無用に取り分を得ようと欲張らないことが長期的に良好な信頼関係を構築していく上で重要です。

逆に、「クライアントをどう探して営業すればよいのか」というのが分からず、目途もたっていなくて自信もない状態なら、心構えとして準備不足なのかもしれません。

(3)独立に踏み切るタイミングは?

いつ独立するのがよいのか、そのタイミングについて聞かれることもありますが、誰にでも当てはまる正解はありません。大きなブランド力のある組織で働いてこそ得られる経験もあり、独立して得られる経験もあります。

わたしの場合は若気の至りもあり、監査法人に3年在籍して会計士補から公認会計士になった途端に独立しました。一方で、若かったことによる成長意欲や仕事に注ぐパワーも強かったので、色々な経験値を得られたと思います。後悔はありません。

ですので、「独立しようと思い立った時」というのが正解です。独立して、一人で業務を続けていくという環境に適応するためにも、迷いがなければ早い方がよいでしょう

ただ、独立して自分で仕事をしていくことは、裁量面での自由があるのと引き換えに、仕事を得られるかどうか、得られた仕事を継続していけるかどうかといった側面では非常に不安定です。

「やるぞ」という意気込みや期待より、不安や自信のなさの方が大きいなら、正直なところ止めておいた方がよいでしょう。この記事を読んでいる方へのアドバイスとしては、「迷いがあるのなら止めておいた方がよいだろう」と思います

2.独立した会計士は、どのくらい稼いでいるのか

上述したように、公認会計士には会計監査という業務があります。

周りの独立開業している会計士を見ていますと、中堅以下の監査法人の監査補助をしながら自分の業務をしていたり、自身の事務所の立ち上げ期に出稼ぎのように(半ば)専任で、中堅以下の監査法人の監査補助をしていたりする人もたくさんいます。

わたしは相場に詳しいわけではありませんが、監査法人によって3~5万円ほどの日当のようです。独立する公認会計士はそこまで多くないので、監査補助の仕事がなくならない限り、普通の生活をする年収は確保できるでしょう。この意味では、会計士は恵まれた環境にあるといえます。

独立会計士の平均的な年収は周りの人から聞いたことがないので分かりませんが、平均以上に頑張っている人は1千万円~3千万円くらいが多いのではないかと思われます。それ以上のアップサイドは、下記のことが考えられます。

  • ①ベンチャー企業の株式を持ちながらIPOを手掛ける
  • ②M&Aや不動産取引の上流に入って行き、トランザクションの成功報酬等を得られるモデルを築く
  • ③国際税務等の特殊性の高い分野で独自の地位を作る
  • ④組織を拡大して経営者になる

3.独立に失敗したら

ポジションや年収にそこまでこだわったり、あまりにも年齢が高すぎたりしなければ、監査法人や会計事務所に戻ることはいつでも可能でしょう。

また、上場・未上場を問わずベンチャー企業等でのCFO候補や経理部門への就職も可能でしょう。独立気質のある人ならベンチャー企業の空気にも慣れやすいのかなと思われます。

4.まとめ

上述のように独立しても取り返しがつかないようなことにはならないことが多いですので、挑戦したい人は若いうちに挑戦されるのもよいでしょう。

独立して仕事をしたいかどうかは、ご自身がどのように仕事をしていきたいか、どのように生きていきたいか、という中での選択肢かと思います。

会計士全体では独立は主流ではないかと思いますが、意欲ある独立会計士が増えて業界が活気づくと面白いかなと思いますし、そのような方々と仕事上でコラボできると嬉しいです。

執筆者プロフィール

伊藤 英佑(いとう えいすけ)
公認会計士 税理士

伊藤会計事務所代表/早稲田大学政治経済学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。
大手監査法人を経て、2005年 伊藤会計事務所開業(現任)、ベンチャー企業の支援業務及び資産管理サービスを行う。複数のベンチャー企業の非常勤・社外役員も歴任。資本政策、IPO、M&Aに強い。
資産管理サービスは、相続税・法人税・所得税等の税金対策及び税務申告、資産活用全般やライフプラン向上を見据えた総合的なコンサルティングやフィナンシャルサービス等を個人・法人へ提供している。 長期分散投資を志向した資産運用も自ら行っており長年の経験がある。

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