令和のいま、転職する企業を選ぶ際、「規模が大きいから良い」「みんなが知っているから安心」という理由で選ぶ時代ではありません。それは、会計事務所の転職においても同じです。
これからは定性的な部分も考慮して転職先を選ぶ時代となります。
本コラムでは、皆様の希望や適性に応じて、各事務所の規模ごとに得られるメリット・デメリットを紹介します。ご自身に合った規模の事務所を見つけていただければ幸いです。
転職に規模は関係ない?!あなたに合う会計事務所の選び方【決定版】
ジャスネットキャリア編集部
令和のいま、転職する企業を選ぶ際、「規模が大きいから良い」「みんなが知っているから安心」という理由で選ぶ時代ではありません。それは、会計事務所の転職においても同じです。
これからは定性的な部分も考慮して転職先を選ぶ時代となります。
本コラムでは、皆様の希望や適性に応じて、各事務所の規模ごとに得られるメリット・デメリットを紹介します。ご自身に合った規模の事務所を見つけていただければ幸いです。
まず、こちらの画像を参照ください。
ここでは、大規模法人(全国規模)・中堅(地域大手)・個人(地域密着型)の3つに分類しています。
規模が大きくなればなるほど、経験できる業務の幅は拡がる可能性が高く、上場会計やスポット(事業承継やM&A)業務など携われる可能性もあります。
また、福利厚生も充実していたり、何か生活面での突発的に事案(コロナの罹患、子どもの急病)があり休まなくてはならない場合も、周りの社員が柔軟に対応してくれるなどのバックアップ体制があります。腰を据えて働きたい方にはおすすめの環境です。
しかし、企業規模が大きいほど採用ハードルも高くなります。また、効率化のために業務が細分化され、希望する業務を担えない可能性もあります。
さらに、昇給・昇格が難しいケースもあるため、キャリアアップを望む方には不向きかもしれません。足腰の強い組織は、ある程度上役ポジションが詰まっていますので、昇格が難しいケースもあります。
例えば、弊社でも新卒から大手法人で数年勤務し、転職の登録に来られる方が一定数います。多くの場合が「これ以上の昇給・昇格が見込めない」や「10年上の先輩の現状(キャリア)を見て、夢を持てなくなった」など、キャリアビジョンに不満を持つ方々です。
地域大手の法人は、全国規模の法人と比べて規模では見劣りしますが、その地域では絶対的なシェアを誇ります。該当地域だけで見れば、大手や全国クラスの法人よりも多くの経験が得られることもあります。
また、福利厚生や働き方についても融通が利き、地域に根ざした法人だからこそ、その地域の特性や文化をよく理解していたりもします。祭りが多い地域などでは、そのシーズンになると休みが増えたり、独特な顧客(屋台を運営している個人等)を持つこともあります。
地域密着型の税理士事務所から次のステップに考えた場合、転勤や異動が難しい方にはこちら地域大手税理士法人がオススメです。
地域密着の小規模事務所の場合、大規模法人のメリット・デメリットが反転します。ただし、小規模事務所の場合、所長のスキルを直に学ぶことができ、成長速度が速くなることもあります。
また、歴史の長い事務所は既に顧客との関係が確立していることが多く、繁忙期・閑散期の波を受けにくいメリットがあります。
中堅以上の事務所は通年で採用していることが多いですが、小規模事務所の場合、増員か欠員かでその後に大きく影響を及ぼします。
高齢の所長の場合、これ以上の拡大を望むことが少ないため、求人は「欠員が出た時だけ」ということが多いです。募集背景は面接時に必ず確認しましょう。
欠員補充の場合、組織全体に余裕がなくなるため、教育や研修の時間が取れないことがあります。この点は面接で確認可能です。必ず確認しておきましょう。
税理士事務所での業務形態について、ご説明します。多くの場合、以下の3種類があります。
小規模事務所の多くは、③の一気通貫です。
内勤とは、事務所内で入力業務をメインとした働き方です。仕訳入力や決算書類、申告書類の作成、給与計算などが主な業務です。税務書類を作成する際は税法の知識も必要です。
顧客先訪問の移動時間がないため、ワークライフバランスを重視しやすくなりますが、昇給昇格スピードは外勤の方よりも遅くなります。
外勤業務は顧客訪問がメインで、TKC全国会に属する事務所の場合「巡回監査」とも呼ばれます。契約内容によって訪問頻度は異なりますが、訪問または来訪してもらい、企業(個人)の税務相談に対応します。
経営者が税理士に求めるのは相談やアドバイスです。節税対策や経理の指導、経営に関する助言、事業のリスクマネジメントなど、内容は多岐にわたります。
また、顧客対応を通じて新しい顧客を紹介してもらったり、自社セミナーの開催や金融機関にアクションを行うのも外勤の仕事です。金融機関が主催のセミナーでは、講師として所属の税理士が呼ばれる形となります。
そういった機会に名刺交換等をし、税務のセカンドオピニオンをきっかけに顧客を増やす営業スタイルとなります。顧客が増えれば事務所の売上も増え、その分労働分配率も高くなります。
このように顧客が増えれば比例して事務所の売上も増えます。つまり、外勤の方がその分の労働分配率も高くなるということになるのです。
外勤を経験することで、対人関係スキル、つまりコミュニケーションスキルが身につきます。コミュニケーションスキルはどんな仕事でも必要なスキルです。そのため、「人と話すのが好き」「稼ぎたい」という志向を持つ方には、外勤ポジションがおすすめです。
多くの事務所では外勤ポジションの採用が積極的に行われるため、採用ハードルも下がります。税務未経験でもコミュニケーションスキルがあれば、早い段階から活躍できる環境もあります。
税務書類作成部隊(内勤)と顧客対応部隊(外勤)に分かれている事務所の場合、税務知識が必要なのは書類作成部隊のため、外勤部隊は税務知識がなくても活躍できるという理屈です。
エージェントである筆者は、これまで多くの求職者の皆様をサポートしてきました。
近年、求職者の方々の傾向としては事務所規模よりも社風や得られる経験、価値観の一致など「定性」的な面を意識される方が増えています。税理士事務所はサービス業でもありますので、規模ではなく、あなたの志向に合う事務所かどうかを面接などで確認することをおすすめします。
また、インターネットの情報は古いものや主観的なものも多いため、ご自身の五感をフルに活用して確認することが肝要です。素晴らしい事務所は全国各地に数多く存在します。
あなたの価値観や考え方を明確に提示することで、事務所側の反応も変わります。ぜひ、あなたに合った事務所を見つけてください。
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