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公認会計士になるには?資格学校(専門学校)の選び方

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公認会計士を目指そうと決意した場合、当然のことですが、次に必要になるのは「どうやって公認会計士試験に合格するか」ということです。

勉強をするにも、独学、予備校(専門学校)への通学、通信講座など、いくつかの選択肢があります。大学とは別に資格試験の専門学校に通う、いわゆるダブルスクール族になることが合格への一般的なスタイルですが、いくつかある予備校の特徴について、知らない方も多いかもしれません。そこで、今回は主な予備校の比較をお届けします。

■そもそも公認会計士試験のための予備校とは?

予備校と聞いてまず思い浮かべるのは、高校や大学受験のための予備校かと思います。公認会計士についてもまったく同じで、公認会計士試験合格を目標に各予備校がそれぞれに趣向を凝らした講座を展開しています。

通っているのは大学生が多い一方、社会人の方も少なからずいらっしゃいます。また、公認会計士試験における予備校、専門学校として有名な学校は下記の5校があげられます。

  • 資格の大原
  • 資格の学校TAC
  • 東京CPA会計学院
  • LEC東京リーガルマインド
  • クレアール

資格の大原は、テレビCMでもおなじみです。資格の学校TACは上場もしていることでも知られ、多くの公認会計士試験合格者を輩出しています。かつては、この2校が会計士試験受験においての大手と言われ、しのぎを削っていましたが、最近は東京CPA 会計学院が大幅に合格者数を伸ばしてきています。

それでは、どの予備校に通うと、公認会計士試験に確実に合格できるのでしょうか?

結論から言うと、「ここに通えば、絶対に合格できる!」という予備校はありません。ただ、それぞれの予備校の特徴を踏まえた上で、うまく利用することができれば合格する確率も間違いなくあがることでしょう。

少しでも読んでいただいている皆さんの参考になるよう、それぞれ特徴を簡単にまとめました。

(1)資格の大原

テレビCMなどの効果もあり、「資格といえば大原」というイメージが浸透していると思います。公認会計士試験においても、毎年安定して多くの合格者を輩出しており、令和4年度(2022年)の公認会計士試験の合格者(論文式試験)は1456名ですが、内334名(社会人講座等299名、専門講座35名)でした。(「資格の大原」WEBページより)

過去も多くの実績を残しており、東京はもちろん地方(函館市、盛岡市、千葉、津田沼、柏、水戸、宇都宮、高崎、甲府、長野、松本、富山など)の様々なエリアに進出しているのも特徴の一つです。また、講師は常勤講師(90%以上)となっており、公認会計士試験受験に特化した受験指導を受けることができ、質問などもしやすい環境となっています。

また、会計専門職大学院も併設されており、監査論の第一人者、八田進二教授も教鞭をとられています。

(2)資格の学校TAC

平成18年(2006年)に導入された公認会計士新試験制度以降の合格者累計9,717名という実績を誇ります。令和4年度(2022年)の公認会計士試験の合格者は410名、TAC本科生カリキュラム修了者の合格率51.9%という結果が得られています。(「資格の学校TAC」WEBページより)

校舎数も多く、東京はもちろん地方(熊本、高松、岡山などは提携校)にも展開しています。また、資格の学校TACの特徴の一つとして挙げられるのは、「合格者講師」というシステムになります。公認会計士試験に合格した方が講義をしたり、指導にあたったりすることはもちろん、受験勉強中に生じる様々な悩みや不安に対してもアドバイスをします。

(3)東京CPA会計学院

資格の学校TACや資格の大原に比べると全体としての知名度は高くありませんが、公認会計士試験の受験分野においては45年以上の指導実績があり、多くの会計監査業界のビッグネームが卒業生に名前を連ねる会計専門学校の名門です。

公認会計士試験の合格率が非常に高いのも特徴です。令和4年度(2022年)の公認会計士試験の合格者(論文式試験)606名という驚異の数字をたたき出しています。(「東京CPA会計学院」WEBページより)

かつては少数精鋭のスパルタ方式で知られていましたが、すっかり様変わりしたようです。ただし、東京に4校(水道橋校、早稲田校、日吉校、東京本校)と大阪梅田、熊本に1校しかないため、地方展開は弱いといえるでしょう。

(4)LEC東京リーガルマインド

合格者数などは、WEBページでは非公開のようですが、全国に提携校も含めある程度の校舎数を展開しています。

特徴してあげられる点としては、短答合格コースと論文対策講座に分けていることが挙げられます。受講料も他の予備校と比較し、やや安く設定されているので、そのあたりはメリットになると思います。大原同様、会計専門職大学院も設置されています。

(5)クレアール

合格者数などはWEBページでは非公開のようです。校舎は水道橋にしかなく、基本的にはPCで動画を見ながら勉強をするスタイルとなります(その分、受講料は安いです)。また、クレアールの特徴として挙げられるのが「非常識合格法」です。

「非常識合格法」とは…?
『分厚いテキストを使って、細かい論点まで時間をかけて勉強するという、それまでの公認会計士2次試験の受験勉強法の常識とはまったく正反対の「非常識合格法」を考案し、薄いテキストを使って、細かい論点を捨てる講義方法を展開する。』(WEBページより抜粋)短期間で効率よく合格を目指す方には、よい予備校でしょう。

■まとめ

主な5校について簡単にまとめを書きましたが、実際に校舎に行ってみて、予備校ごとの雰囲気を感じることで最終的な判断に繋げることをお薦めします。また、体験授業を受けられるところは実際に受けてみたり、スタッフの方と話してみたりして決めることが重要です。

それぞれの予備校には、コースや授業の受け方などもいろいろな種類があります。「いつまでに合格したいか?」と「どのくらい時間を捻出できるか?」と同時に、ご自身のポテンシャルや強い意志が重要なポイントとなります。

一般には、公認会計士合格までの時間は3000時間と言われることがありますが、筆者は周囲の同僚や後輩を見るにつけその時間内で合格するのは、かなりセンスに恵まれた人だと思います

決して生易しい試験ではありませんが、試験に合格し、実務補習、業務補助を経て終了考査に合格し、晴れて公認会計士になれば、会計プロフェッショナルとして社会から一定の信任を得ることができます。

皆さんが自分に合った予備校を選ぶことができ、公認会計士試験に合格することを心から祈念しています。

執筆者プロフィール

三宅 博人(みやけ ひろと)

【現職】
公認会計士
公益財団法人日本内部監査研究所 研究員
経済人コー円卓会議日本委員会 監事
日本コーポレートガバナンス・ネットワーク 企画委員

【専門分野】
会計監査、コーポレート・ガバナンス、内部監査、リスクマネジメント、CSR(企業の社会的責任)、サステナビリティ 等

【経歴】(関連諸団体のみ)
青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科 客員教授
日本公認会計士協会 会計士補会・代表幹事/最高顧問、国際委員会・委員(国際監査基準担当)、東京会・広報担当幹事
日本公認不正検査士協会 評議員
日本内部統制研究学会(現・日本ガバナンス研究学会)監事
日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム運営委員

【著書】(共著)
『業種別アカウンティングシリーズ』(全10冊 中央経済社)
『内部監査ハンドブック』(東洋経済新報社)
『コーポレート・ガバナンスと経営監査』(東洋経済新報社)
『会計プロフェッションの職業倫理』(同文館出版)
『会計倫理の基礎と実践』(同文館出版)
『監査人の職業的懐疑心』(同文館出版)
『初級者のための経理実務Q&A』(税務務経理協会)

その他、執筆・講演等多数

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