会計や税務の専門家である公認会計士と税理士。一見似ているように見える両者ですが、業務内容、クライアント、年収、キャリアパスはだいぶ異なります。
この記事では「公認会計士と税理士の違い」について、仕事内容や年収、働き方など複数の観点から、わかりやすく解説します。
公認会計士と税理士の違いとは?仕事内容・年収・クライアント・キャリアの違いを徹底比較
会計や税務の専門家である公認会計士と税理士。一見似ているように見える両者ですが、業務内容、クライアント、年収、キャリアパスはだいぶ異なります。
この記事では「公認会計士と税理士の違い」について、仕事内容や年収、働き方など複数の観点から、わかりやすく解説します。
公認会計士と税理士はいずれも企業のお金に関する仕事をしています。それぞれの資格保持者のみが行うことのできる独占業務があり、それが監査と税務です。いずれも公認会計士法と税理士法に明記されています。
公認会計士は、財務書類の監査や証明業務を行う会計の専門家です。上場企業や大企業が作成する財務諸表(貸借対照表・損益計算書など)の信頼性を第三者の立場からチェックすることが主な役割です。
(出展:公認会計士法より抜粋)
税理士は、個人や法人の税金に関する手続きや相談を行う税務の専門家です。主に以下の3業務を行います。
出典:税理士法
項目 | 公認会計士 | 税理士 |
---|---|---|
財務諸表の監査 | ◎(独占業務) | × |
税務申告 | △(税理士登録が必要) | ◎(独占業務) |
節税対策 | △ | ◎ |
会計コンサルティング | ◎ | △ |
上場支援 | ◎ | × |
仕事内容に違いがあるように、公認会計士と税理士のクライアントにも違いがあります。両者の業務内容に鑑み、顧客も「大企業」と「中小企業・個人事業主」に分かれます。
監査業務の対象となるのは上場企業や一部の大企業に限定されるため、公認会計士のクライアントも主にこれらの大規模法人になります。
税理士は幅広い納税者を対象としており、特に中小企業や個人事業主を主なクライアントとしています。一部の大手税理士法人では上場企業を担当することもありますが、多くは中小規模の企業が中心です。
試験合格後は、大手監査法人(いわゆるBIG4)に就職する人が多数。日経新聞(2023年9月)によると、会計士全体の40.6%が監査法人に勤務しています。なお、試験合格直後に限ってみれば、約9割が監査法人に就職するようです。
一方、税理士は会計事務所で一定期間働いた後、独立開業を目指す方が多いです。
国税庁のサイトを見ると、税理士の登録者数81,280人に対し、開業税理士が55,578人、社員税理士が13,293人(令和6年3月末日現在)。約68%が独立開業をしていることがわかります。
なお独立以外では、税理士事務所や会計事務所、一般事業会社の経理や税務部門で働くケースもあります。
ここでは、就職した公認会計士と税理士がどのようなキャリアを積み上げていくかの事例を紹介します。
試験合格後に入社した監査法人でそのまま働き続ける方もいますが、転職する方も少なくありません。
別の監査法人に転職する方もいれば、数字を生み出す側の楽しさに目覚めて事業会社の経営企画部やコンサルティング会社に就職する方も。もちろん、独立する方もいます。
主なキャリアパス例:
特に、上場企業の会計監査や財務デューデリジェンス、内部統制構築支援など、高度な専門性を求められる業務が多いため、キャリアの選択肢が非常に広いのが特徴です。
公認会計士の資格があると、税理士試験に合格しなくても税理士登録をすることが可能です。監査法人を辞めた後、税理士法人などの勤務を経て税務スキルを身につければ、税理士業務もカバーでき、独立開業の幅が広がります。
税理士試験科目は、一度取得すればその期限はないため、働きながら勉強する方が多いです。試験合格後に税理士法人や会計事務所で経験を積み、その後独立開業を目指す人が多いのが特徴です。公認会計士でも税理士でも、独立においては顧問先の開拓が重要になります。
また、キャリアチェンジで、一般事業会社の経理部に転職する方も一定数いらっしゃいます。
主なキャリアパス例:
厚生労働省の職業情報提供サイトjob tag(日本版O-NET)によると、公認会計士の令和5年度版ハローワークの求人賃金(月額)は下記表の通りでした。月額賃金で見ると、公認会計士のほうが給料が多いことが分かります。
資格 | 平均月収(全国) |
---|---|
公認会計士 | 約40.1万円 |
税理士 | 約34.6万円 |
ここからは公認会計士と税理士の年収の違いについて見ていきましょう。それぞれの法人・企業規模の相場ごとに記載してあります。
大手監査法人に所属する場合、各ポジションでの年収はおおむね下記の額になります。監査法人の業績の影響により年間50万円~100万円前後は各ポジションで影響を受けます。
ポジション | 年収目安 |
---|---|
スタッフ | 450万円~600万円程度 (残業除き、残業や業績賞与込みの場合500万円~700万円程度) |
シニアスタッフ | 650万円~800万円程度 (残業除き、残業や業績賞与込みの場合750万円~1,000万円程度) |
マネージャー | 800万円~1200万円程度 (残業なしで業績賞与別途有り) |
シニアマネージャー | 1,100万円~1,400万円程度 (残業なしで業績賞与別途有り) |
パートナー | 1,500万円以上 |
パートナーの多くは2,000万円~3,000万円ほどですが、10名前後で構成されるボードメンバーに入るパートナーは8,000万円~1億円ほどの年収を稼いでいる方もいます。
中小監査法人においては、大手監査法人と比較した場合、給与水準はまちまちであり、各階層で大手監査法人の給与から残業を除いた定額でプラス、マイナス100万円~200万円程度まで幅があります。
監査法人によっては、シニアスタッフとマネージャーの間にアシスタントマネージャーや、シニアマネージャーとパートナーの間にディレクターを設けています。
公認会計士が一般事業会社の経理部に勤務する場合、給与水準は勤務する企業や、どのポジションで採用されるかによります。
監査法人の給与水準は一般的に大手メーカーより高く、大手商社、大手金融機関、大手マスコミよりは低い給与水準となっています。一般企業に転職する場合は、大手商社、大手金融機関、ファンド等に転職すると、監査法人より高年収を得られる可能性は高まります。
ただし監査法人は福利厚生が中小企業並みで、退職金も少ないかほとんどないケースが多いです。こういったことをトータルで踏まえると、大手メーカーの方が監査法人より待遇がよいとも考えられます。単に給与の額面だけで考えないことも肝要です。
大手監査法人系の税理士法人に勤務した場合、それぞれの給与水準は大手監査法人と同水準かそれより低い場合が多いです(ただし、パートナーに限っては、大手税理士法人のパートナーは大手監査法人のパートナーより給与水準が高い場合が多いです)。
大手税理士法人の次の規模くらいの中堅税理士法人の場合は、マネージャーで600万円程度が相場であり、大手監査法人系の税理士法人と比較し、300万円から400万円程度低い給与水準が一般的です。
独立して事務所を開業した場合の年収は、個人の営業努力、年商や雇用する従業員数等によって幅が生じます。
あくまでも税理士事務所全体としての数値ですが、経済センサスの2021年統計データによると、全国にある税理士事務所約28,000か所の平均売上高は約4,900万円。従業者1人当たりの売上金額は約940万円となっています。
事務所の規模によって売り上げも大きく異なりますが、50人以上の規模の事務所だと売上金額は約11億9,000万円。従業者1人当たりの売上金額も約1,300万円です。
2000年代初頭には独立開業すると、大手監査法人、大手税理士法人のパートナーの年収相場である2,000万円~3,000万円程度稼げる人が多いとされていましたが、ここ数年は税理士の顧問報酬料も下がっている傾向があります。
資産税や相続税に強い税理士は高年収を実現しやすい傾向にあります。
公認会計士は、監査法人での経験を活かし、一般事業会社の経理・管理部門やコンサルティング会社へ転職するケースが多く見られます
公認会計士の転職は純粋な年収増を見込むものだけでなく、「企業側で数字を生み出す仕事がしたい」「福利厚生の整った職場で働きたい」と考えるケースも少なくありません。
税理士の転職先としては、税理士法人・会計事務所・企業の税務部門などが中心です。
一方で、独立志向が強い人が多く、「転職」というよりも、その後の独立開業を見据えたステップとしての職場選びをする人も多数です。
年収面では、勤務税理士のままでは大きく伸びにくく、年収1,000万円以上を目指すには、パートナー昇進または独立開業が現実的な選択肢です。
公認会計士と税理士は独占業務が監査と税務で異なります。それゆえにクライアント層や就職先、給料も違ってきます。
それぞれの仕事の内容を精査し、どちらが自分に向いているのか、どういったキャリアを築いていくのかを考えていきましょう。
福留 聡事務所は、新宿区の日米税理士事務所兼日米公認会計士事務所で、日本で最初の日米公認会計士兼日米税理士事務所であり、豊富な実務経験と出版経験を要する日米公認会計士・日米税理士が国内案件から海外案件、個人事業主から上場企業、外資系企業までお客様の多様なニーズにお応え致します。また、Skypeを用いて全国対応、海外対応している数少ない国際会計税務事務所です。
『公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士 資格取得・就職・転職・開業ガイドブック』(税務経理協会)2014
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『7つのテーマがわかるIFRS実務ガイドブック』(税務経理協会)2016
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『7つのステップでわかる 税効果会計実務 完全ガイドブック』(税務経理協会)2016
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『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(税務経理協会)2014
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『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(中央経済社)2013
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福留聡税理士事務所/福留聡国際会計アドバイザリー株式会社
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公認会計士 齊藤 健太郎
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