USCPA(米国公認会計士)とは、米国各州が認定する公認会計士資格です。国際的なビジネスの場が広がるに従い日本国内での需要も高まり、現在、注目されている資格のひとつです。
ここでは公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士という日米の会計の4つの資格を保有して就職、転職、開業の全てを経験した福留聡さんに、USCPA有資格者の年収について、詳しくお話いただきました。
これからUSCPAの資格取得を考えている方などは、ぜひ参考になさってください。
USCPA(米国公認会計士)の年収は?監査法人、税理士法人から事業会社まで
公認会計士・税理士・ワシントン州米国公認会計士・米国税理士 福留 聡
USCPA(米国公認会計士)とは、米国各州が認定する公認会計士資格です。国際的なビジネスの場が広がるに従い日本国内での需要も高まり、現在、注目されている資格のひとつです。
ここでは公認会計士・税理士・米国公認会計士・米国税理士という日米の会計の4つの資格を保有して就職、転職、開業の全てを経験した福留聡さんに、USCPA有資格者の年収について、詳しくお話いただきました。
これからUSCPAの資格取得を考えている方などは、ぜひ参考になさってください。
USCPAの資格を取得した場合に行うことのできる業務内容は、日本の公認会計士同様に監査業務、税務業務、コンサルティング業務です。しかし日本の公認会計士の業務と大きな相違点もあるため、注意が必要です。
USCPA有資格者の転職については、こちら「USCPA(米国公認会計士)が活躍できる転職先と、そのメリット、デリットは?」の記事にくわしく記載されておりますので、ぜひご一読ください。
USCPAの資格を取得して転職をした場合、いったいどの程度の給与水準になるのか。
具体的な数字を提示している記事は少ないと思いますが、転職の際には非常に重要な部分です。ここでは主な転職先候補の給与水準について述べていきます。
監査法人は階層がスタッフ(民間企業でいう役職なし)、シニアスタッフ(主任、係長クラス)、マネージャー(課長クラス)、シニアマネージャー(部長クラス)、社員(パートナー、民間企業でいう取締役)、代表社員(パートナー、民間企業でいう代表取締役)に分かれています。
大手監査法人所属の場合、監査法人の業績の影響により年間50万円~100万円前後は各階級で影響受けますが、以下の金額が目安になります。
マネージャー以上は残業がつかない分、監査法人の業績や個人の査定等により影響を受け、パートナーは営業獲得額や獲得件数によっても報酬は異なります。
USCPAの場合、大手監査法人、中小監査法人とも日本の公認会計士と給与体系が異なるケースが多く、年棒で上記の各年次各階級50万円~100万円少額になるのではないでしょうか。
例えば、専門職員と専門員というように日本の公認会計士と分けられ、USCPA試験合格者はジュニアスタッフから初めて、評価が一定以上なら日本の公認会計士と同じテーブルで評価するといったことがなされています。
大手監査法人系の税理士法人に所属した場合、USCPAの給与は日本の公認会計士・税理士と同水準が支払われる場合が多いです。
大手の税理士法人も監査法人と階層は同様ですが、それぞれ給与水準が監査法人より定額で50万円~100万円、場合によってはそれ以上低い給与水準になっています。
さらに規模が小さい中堅税理士法人の場合は、マネージャーで600万円程度が相場であり、監査法人に比し、300万から400万程度低いことが一般的です。
もちろん監査法人と同水準に近い給与を支払う税理士法人もあります。
その場合ですが、公認会計士が設立した税理士法人が多く、多数所属している公認会計士の給与に引っ張られて高い給与水準が設定されているケースが多いです。
大手監査法人系の財務デューディリジェンス会社所属の場合、一部の例外を除き、多くのBig4系ファームでは階層に関係なく給与定額制+業績賞与方式を採用しています。定額制としては大手監査法人の同階層より100万円程度以上は多い給与水準となっていますが、退職金もない会社も多いです。
M&Aが集中するときは夜遅くまで残業が続くなど体力的に監査法人より厳しい面があるため、そのぶん給与水準は恵まれていると言えるでしょう。しかし時間単価で考えると監査法人や税理士法人より低くなる可能性もありますので、給与水準のみで転職すると大変なことになります。
大手監査法人系以外のデューディリジェンス会社の場合も概して仕事がハードなぶん、給与水準は恵まれています。2009~2012年のように景気が悪いとM&Aが減り、業績賞与額中心に低下し、給与水準は低下傾向になることもあります。
USCPA有資格者の場合は、日本の公認会計士と同水準の給与の会社が多いと思います。
大手監査法人系の会計系コンサルティング会社の場合、残業代支給なしの会社が多く、そのぶん監査法人の同じ階層と比べて50万円~100万円程度は高い給与が設定されています。しかし残業等含めて考えると監査法人と同水準と言えるかもしれません。
コンサルティング会社も、ファイナンシャルアドバイザリーまたはトランザクションアドバイザリー等財務デューディリジェンス会社に働き方は近く、プロジェクトが佳境になると残業続きで忙しくなる傾向にあります。また仕事量も景気に左右されるため、給与や業績賞与も当然のことながら上がる場合もあれば下がる場合もあります。
USCPAの給与は、日本の公認会計士と同水準のコンサルティング会社が多いです。
USCPAが一般事業会社の経理部など民間企業に勤務する場合、給与水準は勤務する企業によりけりです。資格が評価され給与に反映されるかどうかも、会社によるとしか言えません。
監査法人の給与水準は、一般的に大手メーカーより高く、大手商社、大手金融機関、大手マスコミよりは低い給与水準となっています。
ただし監査法人や税理士法人は、福利厚生が中小企業並みで、退職金も少ないかほとんどないので、福利厚生を含めたトータル的に見ると大手メーカーなどの一般事業会社の方が監査法人より待遇が良い場合もあります。
転職先として日系一般事業会社を選ぶ場合は給与の金額だけではなく、資格が評価されるのか、福利厚生はどのようになっているかなどの視点も持って、転職先を選ぶといいでしょう。
勤務する企業によりけりではありますが、外資系民間企業の給与水準は一般的に日系企業より高い場合が多いです。
アカウンティングマネージャーや内部監査で年棒800万円~1,200万円等、英語能力の付加価値が評価され高い給与水準となっている場合が多いです。
事務所開業の場合、給与は当然まちまちであり、営業努力や年商や雇用する従業員数によると言えます。
給与は個人の努力次第ですが、USCPAの資格のみで開業するケースは稀であり、日本の公認会計士や税理士資格を保有したうえで独立している場合が多いのではないでしょうか。
その場合は、外資系企業のクライアント、米国の会計、税務、英語能力等を使って業務する場合が多いので、日本の公認会計士や税理士だけ保有する事務所よりも年商、給与水準が高い事務所が多いと思われます。
USCPA資格保有者としての市場での相場観を知ることは転職を有利にすすめるうえで非常に大切です。
この記事を参考に転職する際は給与水準だけではなく、福利厚生や仕事のやりがい、キャリアアップのための経験ができるかなどを総合的に判断して納得のいく選択をしていただければと思います。
福留 聡事務所は、新宿区の日米税理士事務所兼日米公認会計士事務所で、日本で最初の日米公認会計士兼日米税理士事務所であり、豊富な実務経験と出版経験を要する日米公認会計士・日米税理士が国内案件から海外案件、個人事業主から上場企業、外資系企業までお客様の多様なニーズにお応え致します。また、Skypeを用いて全国対応、海外対応している数少ない国際会計税務事務所です。
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『7つのテーマがわかるIFRS実務ガイドブック』(税務経理協会)2016
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『7つのステップでわかる 税効果会計実務 完全ガイドブック』(税務経理協会)2016
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『7つのステップでわかる 税効果会計実務入門』(税務経理協会)2014
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『経理業務を標準化する ワークシート活用ガイド』(中央経済社)2013
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