昨今、公認会計士のキャリアも多様化し、監査法人で経験後いろんな道に進まれる方が増えました。税理士事務所、税理士法人もその一つです。
同じ士業の道でも、公認会計士と税理士の場合、異なる部分がいくつかあります。
本記事では、公認会計士が税理士事務所、税理士法人への転職する方法、その後の活躍、注意点などご紹介していきます。
公認会計士が税理士法人、税理士事務所に転職する際に気をつけるべきこと
ジャスネットキャリア編集部
昨今、公認会計士のキャリアも多様化し、監査法人で経験後いろんな道に進まれる方が増えました。税理士事務所、税理士法人もその一つです。
同じ士業の道でも、公認会計士と税理士の場合、異なる部分がいくつかあります。
本記事では、公認会計士が税理士事務所、税理士法人への転職する方法、その後の活躍、注意点などご紹介していきます。
ご存知の方も多いと思いますが、監査法人と税理士事務所の顧問先の規模は大きく異なります。
監査法人の場合、上場を含めた一定規模以上の法人となりますが、税理士事務所の場合9割以上は、中小零細企業もしくは個人事業主です。
税理士事務所の顧問先は、監査法人の顧問先のように経理部(課)やチーム、明確に経理担当者が在籍しているとは限りません。
そのため、経営者(オーナー)やその奥様と対峙するケースが多くなります。彼らの大半は簿記素人です。まず上記の認識をしておかないと、その大きなギャップにつまづくこととなります。
会計監査は数十〜数千万円単位での数字扱いますが、税務の場合は1円単位です。非常に細かい数字を扱うということになります。
そして、毎年実施される税法改正に対応する必要もありますので、人によっては好き嫌いが分かれることもあります。
公認会計士試験でも租税法の勉強はしますが、税理士ほど同分野を専門的に学ぶわけではありません。業務を行いながら、必要な知識を身につけなければなりません。
税理士事務所の顧問先は、多くが中小零細企業・個人事業主です。
顧問料は1件当たり、月/平均1~3万円程。※契約内容(訪問頻度)によって異なることもあります。これは、平成14年まで実在した「旧税理士報酬規程」を参考にしている税理士が多いためです。
事務所職員が一人が担当する顧問先数は、平均で月/10~20社ほど。単純計算をしても最大で月60万円程度の売上となります。>
そこから、固定費等の原価を引いた場合、自ずと収入は限られてしまいます。そのため、監査法人で勤務する職員と税理士事務所で勤務する職員の平均年収はどうしても差が生まれてしまうのです。
同じ数字を扱う職業とはいえ、会計と税務ではどうしても業務に違いがあります。事務所によっては、監査法人時代の収入を維持することが難しいこともあるでしょう。
公認会計士が税理士法人・税理士事務所に転職する際、税務については実務未経験となりますので、初年度は収入がダウンすることあり得てしまうのです。
しかし、これはあくまでも基本業務範疇のお話。
「スポット業務」と呼ばれる資金調達や相続、事業承継・M&Aのようなコンサルティングまで担えるようになれば、大きな収入アップは見込めるでしょう。
また、ご自身で顧問先の拡大も担えるようになれば、さらなる収入アップが見込めます。
ここからは、実際に公認会計士の方がどのような事務所であれば活躍の機会を得ることができるのか、いくつか例をご紹介していきます。
同じ公認会計士同士。キャリアが似た者同士であれば理解も深まります。税理士の場合、上記のように業務未経験として扱われることも多く少し残念な扱いをされてしまうこともあるのです。
税理士事務所の中には、上場関連企業を有する事務所も多く存在します。
上場会計と未上場会計では基準も異なるため、連結会計など上場企業を扱ってきた公認会計士として経験が活かせるのです。
上場企業保有の他、IPO準備や事業承継、M&Aなどのコンサルティングに力を入れている事務所の場合も、公認会計士としてのキャリアを活かせる可能性があります。
公認会計士と税理士。それぞれ異なる独占業務分野ありますが、近年はコンサルティングにおいてはその垣根もほとんどありません。
一般的な税理士事務所の場合、先述の通り、どうしても税務未経験という評価になり、年収ダウンはやむを得ません。
しかし、グループ内に監査法人を有する税理士法人や連結納税などの高度会計も扱う税理士法人であれば、大きく変化せず転職出来る可能性があります。
いかがでしたでしょうか。同じ数字を扱うスペシャリストでも、会計士と税理士で考え方やフィールドは大きく異なります。
その違いを事前に理解しているか否かで、キャリアチェンジ後のマッチング度合いも大きく異なります。会計人として磨いた経験が税務分野でも活かせることを願っています。
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