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公認会計士試験に受からない。撤退するタイミングの判断

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公認会計士試験受験からの撤退の時期については、誰しもが悩むものです。科目免除が得られる試験制度となってからは、勉強の継続を断念する判断が難しくなっています。

毎年初受験で合格を勝ち取る事例もありますが、モチベーションを高く保ちながら数回受けて合格する人が多いなか、何度受けても受からない人がいるのも現実としてあります。

公認会計士試験受験から撤退しようと考えた場合、諦める時期はいつなのか?何を基準に諦める判断すればよいのか?

この記事では、この非常に難しい判断について解説していきます。

■ 何回ぐらいの受験で受かる人が多いのか

(1)現状の認識

①合格までにどのくらいの時間がかかるのか

公認会計士試験は国家試験の中でも難関資格ですので、合格を志したからには簡単に諦められない試験でもあるかと思います。独学で合格を目指すのは難しいため、多くの人は大学や大学院で勉強したり、専門学校の講座を受講して1年から数年をかけて受験に挑み、合格までに2年から4年程度かかるといわれています。

筆者は、過去に多くの公認会計士受験生と面談してきました。その事例から挙げると、勉強に専念できる環境で、専門学校での学習時間も合わせ、1日12時間以上もの勉強時間を確保して合格した人もいますし、逆にそれだけの時間を確保しながらも、勉強に集中できずに何年やっても不合格となる人もいます。

社会人では、平日は電車の中や昼休みなどのちょっとした合間に勉強をしていて、週末一気に学習を進めて2年で合格したという人もいました。

その方が言うには、時間に制限があったからこそ、集中して効率よく学習を進めたようです。ただ、公認会計士試験は学習時間が多いほど有利ではあるので、勉強に専念できる環境を整え、集中して短期で合格を目指したいところです。

公認会計士試験の学習範囲は広いため、まずはご自身の勉強の進み具合を確認するところから始め、学習計画を立てて、いつまでに合格を目指すのか目標を定めましょう。

②受験にあたって踏まえておきたい年齢のこと

次に年齢についてです。大学在学中から勉強を始める人も多いため、20代半ばまでには合格をする人が多くなっています。大学卒業後も引き続き勉強に専念をする人も多いため、勉強に費やせる時間などを考えても当然のことでしょう。

20代後半から30代にかけて勉強を続ける人も多くいますが、年齢を考えると勉強専念の環境の確保は難しく、仕事との両立を図りながら学習するため、合格までに時間がかかる人も多いのが現状です。

まずは、ご自身の現状をしっかりと把握することは大切です。人それぞれ様々な環境の下で勉強をしていますので、単純に周りと比較することだけで決めつけないことです。

なお、勉強を進める上で、年齢関係なくいえることは、試験合格したあと、当然のように監査法人へ就職という安易に流れに乗るのではなく、公認会計士として将来どうなりたいのかを意識しながら学習して欲しいということです。

つまり、試験合格は公認会計士としてのキャリア通過点に過ぎないということを理解しておくことです。

特に、年齢が高くして合格した場合は、同期が年下になりますので、同期と同じペースで業務にあたるのではなく、年齢に応じたパフォーマンスを発揮していく必要があることを念頭に置いておきたいです。

(2)勉強方法について

公認会計士試験の勉強を何年もかけて進めていくなかで、思うように捗らなかったり、不合格が続いたりすると、気持ちも萎えてきてしまいます。勉強方法を変えるべきなのか、他にするべきことがあるのか、何とか状況を打開したい人向けに、いくつかの方法を取り上げたいと思います。

①勉強をする環境の再構築

まずは、勉強している環境を変えてみることでしょう。環境を変えるというきっかけを作り、気持ちを新たにしてみてはいかがでしょうか。

例えば、大学のみで勉強してきた人が新たに専門学校の講座を受講してダブルスクールにしたり、専門学校の通学生が他の専門学校に変えたりする方法があります。ただし、大きく生活スタイルが変わったり、専門学校により学習内容の深さや進め方が異なったりしますので、あらかじめよく調べた上で決断することをお勧めします。

②学習方法の見直し

次に、学習方法についてです。専門学校などに通学している人は、合格までのカリキュラムに沿って進めていくので問題はないですが、その中でも得意科目や不得意科目が出てくるかと思います。

単純に学校のスケジュールに従って学習を進めるだけでなく、どこかのタイミングで振り返ってみてください。不得意な分野を放置することなく学習を進めることで遅れをとることの無いようにしたいものです。また、勉強方法については合格者体験談などもありますが、あくまでも参考程度にして、自分に合った学習方法を見つけて欲しいと思います。

独学や通信講座の場合は孤独との戦いでもあるので、自分の学習方法で結果が出るのかどうか、わからなくなることもあります。模擬試験で感覚をつかんだり、短期の講座を利用して学友を作り情報交換をしたりするのも学習方法を見直しのきっかけとなり、励みになるかと思います。

数年にわたって学習をしていくので、何かを変える場合は一人で悩まず専門学校の講師など、第三者の意見を参考にしながら進めるのが賢明です。

■ 公認会計士試験を諦める場合、何を基準に判断するのか

そもそも公認会計士試験の受験生は大学生や卒業後も勉強に専念する人が多いため、20代前半で比較的時間の取れる環境の人の合格が多くなっています。

会計の最高峰の国家資格で試験合格すると、大きく人生が変わります。また税理士試験のように一科目ずつ合格を積み上げていくという試験でもなく、何度もチャレンジすることは現実的ではないため、断念する決断をするのは容易ではありません。では、一体いつがやめ時なのか?いくつかの要素を元に考えていきたいと思います。

(1)年齢のリミットと就職について

2024年の現在、監査法人の定期採用については、売り手市場が続いており、しばらくはこの環境は続くものと思われます。

20代で合格した場合は、比較的容易に監査法人に入所できますが(一概に年齢だけではないため、あくまで参考程度にお考えください)、30代以上では、試験合格だけでなく、社会人経験で何かしらの強み(金融業界出身、システムに強い、語学が堪能、経理経験があるなど)があると、入所しやすいといえます。その経験自体が法人にとって強みとなるため、採用意欲に繋がるためです。

ただ、大学卒業後も試験勉強に専念し続けて社会人経験が無い場合には、受験を断念した際に、監査法人以外の就職を検討しなければならないため、年齢が若いほど就職には有利となる場合が多いです。

一般企業の場合は、通常、新卒から様々な経験を積んでいくため、その人との比較をされます。このため就職に関しての状況は、常に把握しておく必要があります。

(2)学費について

専門学校などに通学すると、それなりに学費も発生します。親からの支援があれば試験勉強に集中できますが、アルバイトなどをしながらの場合は、学費を捻出するのに苦労されるかと思います。独学での合格は困難ですので、専門学校の費用についても考えておく必要がありそうです。

(3)成績について

短答式は合格するのに論文式に一向に合格できなかったり、ある科目だけ著しく弱かったりなど、壁にぶつかることもあります。

公認会計士試験は、バランスよく得点を重ねていく必要もあるので、専門学校などで実施している模擬試験結果を参考に、ご自身の強い科目と弱い科目をしっかりと分析されることをお勧めします

はじめから強い科目に集中してさらに点数を上げるよりも、弱い科目に注力して成績を伸ばすほうが結果的に高得点に繋がることもあるので、戦略的に各科目の対策をしてみてください。専門学校によっては個別指導している所もあります。得点のとり方については、ぜひ専門家である講師にご相談されるとよいかと思います。

3.まとめ

長く勉強を続けてきた公認会計士試験を途中で辞めるというのは、大変難しい判断になるかと思います。ただ延々と勉強を続けることは難しいため、ご自身の成績、合格目標年度など、いくつもの要素を複合的に考え、就職の市場動向など常にアンテナを張りながら冷静に判断して欲しいと思います。

公認会計士を目指すことを辞めたとしても、いままで学んできた知識が無駄になるわけではありません。次の記事では、「公認会計士試験から撤退した後の就職について」をご紹介していきます。

執筆者プロフィール

石黒 健次(いしぐろ けんじ)
ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 エージェント

大学卒業後、大手商社系列の旅行会社で法人・個人旅行を担当。その後、経理・会計分野に特化する転職エージェントとして10年以上の経験を持つ。
大手専門学校の会計系講座担当の経験があり、公認会計士試験受験生の就職相談や面接対策などで全国を渡り歩き、監査法人の定期採用にも詳しい。無理に転職を勧めるのではなく、転職しない選択肢も含めて最適な道に導けるよう心掛けている。

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