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遅すぎる? 社会人で公認会計士を目指しても大丈夫?

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公認会計士 高橋善也

社会人として働きながら公認会計士を目指すことには、さまざまな不安があるかと思います。そのような方にむけて、キャリアチェンジして会計士になるメリットや、社会人だからこそ勉強に活かせるスキルや経験、また会計士になった後の就職状況等について、30代になってから会計士になった筆者が解説します。

"資格試験は、働きながらの勉強だったので大変だったが、独立した今になって振り返ると、合格しておいて良かったとしみじみ実感している"というのが、筆者の生の言葉です。

目次

■思い切って公認会計士を目指すという選択肢

■キャリアチェンジして公認会計士になる強み

■公認会計士として働くメリット

■公認会計士試験合格後の就職状況は?

■ビジネス・ツールを試験勉強に活かす

■まとめ

■思い切って公認会計士を目指すという選択肢

大学を卒業し、会社員として働き始めると様々なストレスを抱えることが多いと思います。実際にストレスを抱えている会社員の方は多いことでしょう。ストレスを抱えて働いていると、既に就いている仕事のことや、将来的な自分のキャリアについて真剣に考える機会もあるはずです。

その際に、現在の仕事は辞めて、例えば、起業を目指したり、あるいは公認会計士などの資格を取得してキャリアを積んだりという選択肢も、当然、頭をよぎると思います。

ただ社会人として働きながら資格試験にチャレンジすることには不安を抱える方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、社会人として働きながら公認会計士を目指すことに不安を抱えている方にむけて、キャリアチェンジして会計士になるメリットや、会計士になった後の就職状況等についてお話ししたいと思います。

■キャリアチェンジして公認会計士になる強み

(1)社会人になってから公認会計士を目指すのは遅いのか?

会社員からキャリアチェンジして公認会計士になるという選択肢を考えている方や、既に公認会計士の試験勉強中という方もいらっしゃると思います。

またこの際に「社会人になった後に、公認会計士を目指すのは遅すぎるのでは?」「受験するのなら何歳までがリミットなのだろうか?」ということが、不安材料として頭をよぎる方もいらっしゃることでしょう。

結論から言うと、「社会人が会計士を目指しても全く問題ないし、遅くない」と思います(実際、わたしは30歳を過ぎてから公認会計士になり、現在は独立開業しています)。

また年齢的にも、例えば、20代は言うまでもなく、30代や40代の方でも勉強をスタートするには遅くはないと思います(下記【参考】参照)。60歳以上の合格者もいらっしゃいます。

【参考】35歳以上の合格者

35歳以上40歳未満 44人
40歳以上45歳未満 15人
45歳以上50歳未満 6人
50歳以上55歳未満 2人
55歳以上60歳未満 0人
60歳以上65歳未満 1人

(出典)金融庁「令和3年公認会計士試験 合格者調べ」より引用

(2)公認会計士にキャリアチェンジ後に武器となる“社会経験”

社会に出たのちに、キャリアチェンジして公認会計士になる強みは、前職での“社会経験”そのものだと思います。

公認会計士業界での経験しかないよりも、他業界での経験があった方が強みになることは言うまでもありません。

特に、会社員時代に、営業やマーケティング、新規事業開発など、フロント的な業務で成果を出している方であれば、公認会計士になった後に大きなアドバンテージを得ることができると思います(もちろん、バックオフィス等での経験も役立ちます)。

■公認会計士として働くメリット

(1)公認会計士として働く際の5つのメリット

ここでは私が考える公認会計士になることのメリットについてお話しします。

  1. 上場企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業など様々な会社を訪問できる。
  2. 上場企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業など様々な会社の内部を見ることができる。
  3. 上場企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業など様々な会社の重要書類、内部データをたくさん見ることができる。
  4. 上場企業、中堅・中小企業、ベンチャー企業など様々な会社の儲けのカラクリをたくさん知ることができる。
  5. 上場企業やスタートアップ企業から社外役員就任の打診がある。

これはわたし自身が考える公認会計士のメリットです。これらのメリットを享受できる意義はとても大きいと思いますし、公認会計士としての経験が自分自身の強みにより磨きがかかると思います。

こうしたメリットを享受して、自分自身のキャリアを豊かにしたいのであれば、大学を卒業して一度会社員となった後であったとしても、公認会計士になることは有意義な選択の1つになるはずです。

(2)今後、公認会計士に求められる業務

ちなみに、近年はコーポレートガバナンス強化の方向性にあります。

ガバナンス強化の一環として、公認会計士に対しては上場企業やスタートアップ企業から社外役員就任の打診は増えているように感じます。

■公認会計士試験合格後の就職状況は?

(1)公認会計士の就職、転職状況の今後は?

無事に公認会計士試験に合格したとして、その後の就職状況について心配している方も多いのではないでしょうか。

現時点においても、公認会計士は人手不足であると言われていますし、将来的な日本の生産年齢人口の減少も勘案すれば、今後も基本的には公認会計士の売り手市場は続くと予想できます

また、40代で公認会計士試験に合格したとしても、それまでのキャリアが充実していれば、就職活動で苦戦することは少ないと思います。

(2)公認会計士の豊富な選択肢

思うに、公認会計士という職業は、大学の学部に例えれば、経済学部だと考えます。経済学部の学生は卒業後の「選択肢が豊富」という点で似ているからです。公認会計士も、試験に合格して有資格者となった後は選択肢が豊富です。

例えば、自分自身の周りの公認会計士を見るに、監査法人に永久就職する方もいます。このタイプはむしろ少数派で、ベンチャー企業のCEO、CFO、M&Aアドバイザー、外資系のコンサル、金融、証券、上場会社の役員など、実に様々な分野で活躍しています

ただ就職や転職に関してわたしなりの持論を1つ補足するとすれば、人並みのコミュニケーション能力と他人に不快感を与えない程度の身だしなみは必須だと思います。

■ビジネス・ツールを試験勉強に活かす

すでに社会経験がある方であれば、ある程度のビジネス・スキルとビジネス・ツールを用いた実務での経験もあるはずです。

こうしたビジネス・スキルとビジネス・ツールのうち、例えば、PDCAや、WBS(Work Breakdown Structure)は受験勉強ととても相性が良いので、試験の勉強でも積極的に活用すべきです。

実際、わたしの場合も他の業界で社会人としてスタートし、その後に公認会計士になったので、こうしたビジネス・ツールは試験勉強で活用していました。ちなみに公認会計士試験に費やしたのは平日2時間の勉強で4年間です。

学生(受験生)の場合には、ビジネス・スキルとビジネス・ツールを用いた経験がほぼ皆無でしょう。ビジネス・ツール等を試験勉強で有効に活用できない点において、ビジネス経験の豊富な社会人受験生の方が効率的な勉強ができるのではないかと思います。

■まとめ

最後に本記事のまとめをして、締めくくりたいと思います。こちらの記事がみなさまの参考になりましたら幸甚です。

  • 社会人であっても、会計士を目指すのは全く遅くない
  • 他の業界で社会経験があることは、会計士になった後、むしろ強みとなる
  • ビジネスの経験で得たビジネス・ツール等は、試験勉強でも活用すべき
執筆者プロフィール

高橋 善也(たかはし ぜんや)
公認会計士・税理士・司法書士 経済産業省が認定する経営革新等支援機関
簡裁訴訟代理等関係業務認定会員
Advanced-level IPO Professional
税理士司法書士総合事務所 タクミパートナーズ 代表

大手監査法人、大手税理士法人等を経て2012年独立。
大学入学前から「将来は独立をして、経営に近いところで仕事をし、経営者を支える」という思いを抱え、卒業後は異業種からの転職を経て公認会計士に。
公認会計士・税理士としてのキャリアを通じて、税務に関するアドバイザリー業務はもちろん、資金調達支援業務や、財務コンサルティング、M&A関連業務、IPO案件などに多く携わる。クライアントは、30代、40代の経営者が中心。

著書

『中小・赤字企業も実践できる!借入0の資金繰り』(秀和システム)2014年
(※amazonの書籍ページに遷移します)

関連サイト

税理士司法書士総合事務所 タクミパートナーズ
(※外部サイトに遷移します)

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