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Accountant's magazine vol.71

-アカウンタンツマガジン-
2023年10月01日発行

会計プロフェッションによるコラム「Accountant's Opinion」

「株主に対する違法な「過大配当」の 報道から考える、会社と監査人の責任」

大原大学院大学 会計研究科 教授
青山学院大学 名誉教授博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

「取締役がすべてを認識している必要はなく、私も規則を全然知らなかった。(監査した)公認会計士も知らず、何のために置いているのかということになった」

発言の主は、ニデック(旧日本電産)のカリスマ経営者、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)だ。2023年の株主総会でこのように述べたという(新聞報道による)。

永守氏が「知らなかった」というのは、今年5月に表面化した同社による株主への利益の違法な「過大配当」のことだ。近年、株主還元の強化を求める声が高まるなか、同社も永守氏の号令一下、株主配当の増額と自己株式の取得(自社株買い)を急速に推し進めた。ただし、株主への分配可能額には、債権者保護の観点から、会社法で上限が設けられている。同社は、この上限を超える違法な株主還元を行い、超過額は22年4~9月期の中間配当額201億円、22年9月~23年3月までに実施した自社株買いのうち約87億円の計288億円に上るという。

今回の事案は、意図的な不正ではなく、不注意によるミスなのだろう。しかし、結果が“違法”であることには変わりはない。会社が立ち上げた「外部調査委員会」の報告によれば、配当にかかわる業務を担当する経理部と、自己株式取得にかかわる財務部の連携不足などが原因とされる。日本を代表する“優良企業”の内実に、あ然とするばかり。自ら認めた永守氏以下、取締役会、監査等委員の知識、認識の欠落、経営権の一極集中下でのガバナンス不全が招いた人災だと言わざるを得ない。

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Profile

大原大学院大学 会計研究科 教授 青山学院大学 名誉教授 博士(プロフェッショナル会計学) 八田 進二

大原大学院大学 会計研究科 教授青山学院大学 名誉教授博士(プロフェッショナル会計学)八田 進二

慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程単位取得。博士(プロフェッショナル会計学・青山学院大学)。青山学院大学経営学部教授、同大学院会計プロフェッション研究科教授を経て、名誉教授に。 2018年4月、大原大学院大学会計研究科教授。日本監査研究学会会長、日本内部統制研究学会会長、金融庁企業会計審議会委員等を歴任し、職業倫理、内部統制、ガバナンスなどの研究分野で活躍。

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