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Big4税理士法人と中小規模の税理士法人の違いとは?

目次

■必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

■Big4税理士法人での業務内容

■Big4税理士法人での業務のやりがいやメリットは?

■Big4税理士法人の採用ニーズ

■Big4税理士法人の年収はどのくらい?

■Big4税理士法人の経験を活かしたその後のキャリアパスは?

税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)の地方事務所で多様な経験を積んだあと独立開業した井上幹康さんに、中小規模の税理士法人とBig4の違い、また経験できる業務の違いなどを具体的にお話いただきました。

■必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

中小の税理士法人とBig4と呼ばれるような大手事務所の一番の違いは、やはりクライアントの規模になると思います。

上場企業はもちろん、たとえ中堅規模の企業だったとしても取引の規模が大きいところばかりなので、日々、新しい経済活動を行っており、お客様からの質問も税務の参考書には記載されていないような難しいものが多く、対応にも時間がかかります。

自分だけで回答を出せない場合も多く、社内で共有したうえで先輩や上司に相談してから返答するということも必要でした。税法に照らし合わせて、きちんと調べた根拠のある回答を示さなくてはいけないため、根気のいる作業になりますし、残業も多いです。

ですから必要とされる志向性としては、「粘り強さ、根気強さがあり、新しいことを学び続けられる人」になるでしょうか。また導きだした結論を社内で確認、質問できるようなコミュニケーション能力も欠かせないと思います。

前年の例などを踏襲することが多い中小の税理士法人に比べ、大手事務所ではお客様からの質問や相談なども多種多様で数も多くなります。日々の業務をこなす中で、多数の新規の質問や相談などを平行して処理していくので、高度な業務の整理能力も必要になるでしょう。

■Big4税理士法人での業務内容

ここではBIG4税理士法人での業務内容についてご説明します。法人税中心の会計事務所の仕事とどこが違うのか、またこれまでの経験や知識が活かせるポイントを記載します。

(1)法人の税務顧問

基本的な業務内容としては税務、会計相談、申告書を作成して提出するなどの申告業務になります。中小の税理士法人との違いは、経理部があるような規模の会社が多いため記帳代行の業務などはなく、税務相談や先方で行った決算の確認やチェックをする形になります。

さらに上場企業だからこその税務の論点、会計基準に応じた税務処理が必要になりますので、月1回程度で訪問し相談に回答するため、日々の研鑽は欠かせませんでした。

また四半期決算のお手伝いなどではスピード感が求められますので、割とタイトなスケジュールで作業をすることになります。

(2)法人の事業承継支援、コンサルティング業務

中小企業でも経営者の代変わりなどの場面で株式の評価、相続税や贈与税などのかなり専門的な知識が必要になってきます。

顧問業務をしている税理士がそういった業務に不慣れな場合も多く、その場合は特殊な事業承継税制なども理解した上で、銀行と一緒にサポート業務を行っていました。

(3)セミナーの講師

わたしの場合は会社が自主企画で行うセミナーの講師を務めていました。内容は一般向けの税制改正の解説などで、対象は一般企業の経理、財務担当の方です。

必ずしも営業をかけるわけではないですが、ある程度は参加者から顧客になっていただくための集客を目的としていました。

(4)税務コンサルティング業務

IPOを目指す企業の税務支援、M&Aの際の税務デューデリジェンス、組織再編のコンサルタント業務など、通常の税務顧問ではやらないような専門的な業務もサポートしていました。

入社したばかりでは担当することができない難易度の高い業務で、まずは法人の税務顧問業務に慣れ、2~3年経験を積んでから担当するのが一般的な印象です。

(5)国際税務など

国際税務や移転価格税制などの特殊な税制は、東京都内の専門チームが担当していました。

わたしが在籍していた地方事務所には専門チームはなく、全業務をまんべんなく担当していました。あまりに難易度の高いものに関しては、スペシャリストでもある都内の専門チームに意見を聞くこともありました。

(6)わたしの場合

わたしの場合、早稲田大学大学院を卒業後、IT系上場企業の経理財務部門で仕事をしたあとに税理士を目指しました。簿記論、財務諸表論、法人税法の3科目合格した時点で、税理士法人トーマツ(現デロイトトーマツ税理士法人)に入社します。

上場企業の経理の経験があるため、人よりは経理の知識があると自負していたのですが、実際は様々なお客様と直接やり取りをするような仕事の形態であり、コミュニケーション能力もかなり必要で、慣れるまでに時間がかかりました。

テクニカルな部分でも、会社によって様々な申告書があり、期限がある中で対応することが大変でした。最初は上司、先輩についていき、積極的に自分から質問して法人の顧問業務を学ぶ日々だったのを覚えています。

Big4の地方事務所の場合は、スペシャリストとして一つの業務に特化するのではなく、広く様々な経験を積むことができるので、いずれ独立開業を考えている場合は、とてもよいのではないでしょうか。

■Big4税理士法人での業務のやりがいやメリットは?

大きな規模で経営をしているお客様たちはやはりレベルが高いので、自分も日々、学ぶことが多いのが、仕事のやりがいにつながっていました。税務署とのやり取りや、難しい問題を期限内に解決できたときに、お客様の役に立てたと感じることもやりがいでした。

またIPOやM&Aなどを支援したお客様が事業を成長させていく様子を目の前で見られること、知名度や社会貢献性の高い企業を裏方としてサポートすることができることなども、やはり大手税理士事務所ならではの醍醐味だと思います。

■Big4税理士法人の採用ニーズ

(1)求められるスキル、人材

今は税理士業界も売り手市場なので、税理士科目は1,2科目合格のレベルでもBig4などの大手事務所に採用される可能性は高いと思います。

粘り強さ、コミュニケーション能力は必須ですが、さらに事務所に貢献する気持ちや、Big4の個々の社風を理解して、自分のやりたいこととそれをリンクさせるような前向きな姿勢が評価されると思います。

(2)転職で気を付けるポイントや難易度

いずれ独立開業したいという姿勢は、面接官によっては前向きで意欲があると捉えてくれる場合もありますが、経験を積みたいといった自分本位な転職理由を述べるのはやはり問題ありだと思います。

そもそも採用から2,3年は上司や先輩に育ててもらっている期間です。まずは自分がどのように貢献できるか、どういった姿勢で仕事に取り組むかなどのポジティブな理由をアピールしましょう。

■Big4税理士法人の年収はどのくらい?

これはあくまで私の実体験ベースのお話しですが、税理士資格がない状態だと残業代込みでも400万円程度ではないかと思います。

■Big4税理士法人の経験を活かしたその後のキャリアパスは?

Big4の中で上を目指すキャリアを考えると、新卒・中途採用どちらの場合でも、実績を積むことでマネージャーまではいけるのではないでしょうか。その先のパートナーになるためには、営業力、人材育成、会社への貢献度など、様々な条件が加味されますので、とても難しい道ではあると思います。

また辞めたあとに同じBig4系の税理士法人に転職したり、一般の上場企業の経理部長IPOを目指す企業のCFOになったりする方もいらっしゃいます。また、わたしのように独立開業するパターンもあると思います。

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