2015年6月25日
大阪市阿倍野区にある超高層複合施設ビル「あべのハルカス」の開業から1年を迎えました。あべのハルカス建設前から、阿倍野地区を中心に大阪市街の再開発は進んでおり、商業地、居住地としての街並みは刻々と変化しています。経済状況との関連で、税務業務にも大きな変化が生まれている状況であり、今後の展開が注目されます。
2014年3月、日本一の高さとなる300メートルの建物に百貨店やオフィスなどを擁する「あべのハルカス」がオープン。多くの買い物客、観光客を集め、1周年を迎えた今年も、その勢いは続いています。
特に外国人観光客の増加が顕著であり、街の様相は国際色豊かなものとなっています。ホテルも客室稼働率が8割で推移。オフィスビルとしての評価も高く、企業による入居率も9割を超えています。
あべのハルカス建設から、周辺の商業施設の改装も進み、最寄駅一帯の商業地は急激に拡大しました。あべのキューズタウン、あべのルシアス、あべのnini、あべのベルタ等、同地区の商業施設のリニューアルも続き、地域は活況を呈している状態です。
商業地区としての発展だけではなく、周辺地域の居住地としての整備も進みました。とくに顕著な伸びを示すのが、不動産市場の好調をうけた高層タワーマンションの建設。デベロッパー各社による積極的な投資、新規の建設が続いています。
不動産経済研究所の「近畿圏のマンション市場動向」によると、2015年3月度の近畿圏のマンション発売は9.3%増。3か月連続で前年同月を上回り、単価は10か月連続のアップとなっています。
そして同研究所の「超高層マンション市場動向2015」によると、2015年以降完成が予定されている20階以上の超高層マンションは、近畿圏は38棟(1万3,661戸)で、前年に比べ12棟(4,014戸)の増加となっています。近畿圏のうち、大阪市内における完成予定の超高層マンションは20棟(7,761戸)で、半数以上を占めています。
オフィスビル、商業施設の増加によるビジネス街の活性化、そしてマンション建設などによる居住地としての発展は、地域での会計業務にも変化をもたらします。
まずオフィス街の発展により、全国の企業の大阪市内への進出に伴う会計税務、新規事業の創出、起業に関わる業務の増加が期待できるでしょう。また、企業再編による資金調達やM&A業務などのニーズが増加することも考えられます。
相次ぐタワーマンションの建設では、相続物件としての利用を考慮する必要があります。マンション最上階は、路線価などによる不動産評価額と、実売価格の差が生じることから、相続対策として有効です。大阪市へのマンション建設が相続税務においてどのように活用されることになるのか、税理士として情報収集をしておきたいところです。
大阪の再開発を見据え、会計事務所、監査法人においても事業展開、そしてスキルの高い人材の獲得が行われる可能性があります。関西での会計士・税理士の求人動向にも注目が集まります。
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