2015年2月12日
税理士は、顧問先のニーズに合った新しい業務を行うことでスキルアップができます。
しかし、顧客が長年変化しない事務所や、税務や記帳代行のみを行う事務所に勤めていると、新規の業務スキルを身に付ける機会が乏しいという現実があります。
そこでおすすめしたいのが、勤務税理士が、事務所の「営業活動」を行うことによるスキルアップです。
おそらく、勤務税理士の皆様の中で営業を積極的に行った経験のある方は多くはないと思います。
新規顧客獲得のためのテレアポや飛び込み営業を専門技術のある会計人が行うことは、人材配置の観点からも効率的とは言えません。
しかし、勤務税理士に顧客獲得について期待されていないわけではありません。
表立って営業活動を行っていなくても、顧客獲得、業務拡大のきっかけを作ることは可能です。当然、そのような税理士は、事務所内の評価も高くなります。
営業においては、顧客の課題を発見し、有益なソリューションを提案する能力が非常に重要になってきます。
そして、これは関与先の経営状況をつぶさにみることのできる担当税理士にとっては、非常に強みがある分野といえるでしょう。
具体的にここで注目したいのが、「アップセル」「クロスセル」という手法です。
アップセルとは、従来購入していた商品・サービスを、単価の高いものにかえるよう勧める営業手法のことをいいます。
税理士業務では、決算のみを行っていた顧客に対して課題を伝え、解決のために顧問契約を結び、月次訪問・月次決算を行うプランへ移行を促すことなどが、アップセルにあたります。
クロスセルは、今まで購入していたものに加え、他の商品の購入も勧める手法です。
税理士業務では、記帳代行や申告業務を提供している顧客に向けて、資金繰りや事業計画策定などの課題を解決するために、
ソリューションとしてのコンサルティング契約を促すといったことが考えられます。
こういった営業に必要な観点こそが、税理士の業務範囲を広げ、新しいスキルを身に付けるきっかけになってくれます。
この他にも、事務所のブログやHPに顧客の役に立つような情報をマニュアルやコラムとして公開し、その情報を見た顧客からの問い合わせを増やすといった営業手法や、
SNS上で開催されている経営者や個人事業主の集まりに参加したり、個人的なつながりを広めたりする、などさまざまな方法があります。
税理士としてのスキルアップや集客に共通して必要なことは、新しいことに積極的に挑戦し、独自の人的つながりをつくり出そうとする姿勢です。
企業の営業ノウハウの中には、自分自身の業務の幅を広げるための方法論が詰まっています。
税務・会計のプロの知見をフルに活用したスキルアップを考えてみてはいかがでしょうか。