2014年10月6日
太陽光パネル等の市場が、各種の関連制度改正により好調を保っています。 最近は、家庭用だけではなく、会社や不動産オーナーによる発電・売電に「投資」としてスポットが当たったことから、 事業用発電機の売り上げが右肩上がりに伸びている状態です。
資源エネルギー庁によると、太陽光パネルの市場規模は平成4年度の発電量70万kwhから平成24年度は911kwhと、10倍以上の伸び。
とくに、固定価格買取制度を開始した平成24年度は前年度531kwhから倍増し、なかでも非住宅用(事業用)の割合が急上昇しました。
事業用の急速な伸びからは、固定価格買取制度により、将来利回りが予測しやすくなったことが、投資案件としてポジティブな影響を与えたことが伺えます。
事業者向けに発電設備業者の営業活動が活発化していることを感じている方も多いでしょう。
また、事業用設備の伸びには、固定価格買取制度のほか税務も大きく関連しています。
事業用の太陽光パネルには、出力料が10KW以上の設備であることなどの要件を満たす場合、即時償却制度があり、法人税圧縮効果があります。
こういった背景から、自社株を後継者に引き継がせる前に、償却制度を利用して株式評価を下げる事業承継対策としても注目が集まっています。
税務が深く関連する太陽光発電設備への投資判断には、税理士が助言役として大きな役割を担っています。
投資の可否判断を行うためには、所得税・法人税額も考慮しながら、キャッシュフローを計算し、ファイナンス的な知識をもとにした情報が必要です。
客観的・中立的な立場からの助言を行う専門家として、税理士は最適です。
また、中小企業にとって税理士は「ワンストップサービス」の窓口。
太陽光パネルの設置には、施工事業者のほか、契約実務を行う弁護士、不動産関連の手続きを行う司法書士や不動産鑑定士等、士業との連携が必要となることがあります。
事業参入を考える経営者が、真っ先に相談できるアライアンスの中心的存在として税理士の存在感は大きいでしょう。
会計事務所の中には、太陽光発電パネル設置に関する総合的なサポートを、事業化するところが出てきています。
会計事務所の求人に応募する際も、太陽光関連の設備投資のサポートを行った経験は、確実にアピールしておきたいことです。
また、太陽光発電機器の設置提案、施工を行う事業者のあいだでも、税務・会計の専門家の知識と経験が必要とされています。
関連企業が会計の専門家を募集する案件も増えている状況です。
太陽光発電は、税理士のキャリア形成の観点からも、ひとつのキータームとなる様相を呈しています。
税理士の皆様は、まず頻繁に改正される関連税制についての知識を固めたあと、固定価格買取制度、
発電設備に関する知識、投資効率のシミュレーション等々、知識を広げていくことをおすすめします。