2015年6月18日
関西経済が回復の傾向を強めています。
日銀大阪支店が発表した2015年3月の近畿地域金融経済概況によると、近畿2府4県の景気判断は「回復している」とされています。これは、従来の「基調としては緩やかに回復している」から17か月ぶりに引き上げられたもの。良好な経済状況は会計専門家の求人にも影響を与えているものと思われます。
日銀は、景気回復の要素となるデータとして、円安等の影響による輸出の増加をあげています。近畿の実質輸出(季節調整済み)のデータを見ると、2010年平均額を100とした場合、2013年はすべての月で100未満の数字となっていましたが、2014年4月からは100を超える月が大半となりました。
そして2015年1月は115.7と、前年同月の96.8から大幅増。今年に入ってからは、1月から3月まで、すべて100を超える数字となっており、輸出額の明らかな回復傾向が見られます。
生産活動も活性化しています。日銀のレポートでは、白物家電などを含む電気機械は在庫調整がみられるものの、汎用・生産用・業務用機械では大型の出荷が見られるとしています。
そして、スマートフォンの新製品などに使われる電子部品の生産も好調。
関西経済を支える製造業が、復活の兆しを見せている状況といえるでしょう。
消費についても堅調に推移しています。日銀のレポートでは、スーパーや乗用車、家電の販売には改善に鈍さが見られますが、外国人観光客の増加、高級品の販売額の増加などにより百貨店販売額が伸びていることなどから「全体としては堅調に推移している」としています。
個人消費の動向を左右する雇用・所得の動向については、「労働需給が改善を続けるもとで、賃金も前年を上回るなど、雇用者所得は一段と改善している」としています。
ただし、消費者物価については消費税増税の影響を除くと前年を上回って推移している状況であり、今後の雇用状況の改善、消費への波及、デフレからの脱却が期待されるところです。
関西経済の復調に合わせ、民間企業の事業展開にポジティブな動きが期待できます。
また、企業の会計・税務ニーズが高まることにより、会計士・税理士の求人の増加につながることも考えられます。
とくに、輸出増による海外取引が増えることから、国際税務へのニーズが高まることが期待できます。また、国際化の観点からは、外国人観光客増加などにより、免税店の業務、外国人観光客へ向けた事業展開のためのコンサルティングなどに携わる会計士・税理士などの会計専門家が増えていくことが予想されます。
そして、関西経済を支えてきた製造業の復活により、サプライチェーン構築など業務プロセスの改善のためのシステム需要が高まることも考えられます。設備投資に関する税務、投資効率に関するファイナンスなどについてのコンサルティング業務が発生することも考えられます。
関西経済において元々強みを持つ分野、そして経済状況の変化や産業構造の転換に合わせ、税理士事務所、監査法人は人材の獲得をどのように変化させるのか、転職を考える税理士・会計士の皆様は注目しておく必要がありそうです。
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