2014年8月18日
近年、企業活動の国際化の進展により、国際税務のマネジメントが重要になっています。
国際的に事業展開する日本企業にとって、国際税務のマネジメントは重要な経営戦略の一つです。
また最近では、海外子会社との取引において、移転価格税制の適用により巨額の申告漏れが指摘され追徴課税されるケースが増えており、国際税務のマネジメントが注目されています。
税制は国によって異なることが多く、たとえば新興国であるインドの税制は複雑であり、進出するにあたっては税負担を軽減するために、
事前にスキーム構築することが株主価値の最大化の観点から重要になりつつあります。
そのため、国際税務に注目する転職者は多いものの、専門性が高いことから実務経験のある転職者は少ないのが現状です。
しかし、会計監査で連結財務諸表の監査の一環として、海外子会社の監査を行っていれば、海外の会計や税制に触れる機会があります。
また、移転価格税制が適用されたクライアントに税務顧問として関与した経験があれば、移転価格税制が適用された概要やその後の対応について把握することができる機会があります。
そのため、国際税務の経験がなくとも、これまでの業務経験から習得したことの棚卸しを行い、国際税務の業務に直接関連しなくとも、
これに活かせる経験をリストアップしアピールする意識を高く持つことで、他の転職者と差をつけることにつながります。
現地国の税制についての知識を習得することに限界はあるものの、今後の市場成長が見込まれる東南アジア諸国の税制の概要を把握することは有用と考えられます。
また、外国子会社の受取配当益金不算入制度や外国税額控除、海外送金の際に必要になることがある源泉徴収等の租税条約に関する知識は学び直しておきたいところです。
国際税務を行うにあたっては、現地子会社とコミュニケーションをするために英語などが必須となることから、ビジネスレベルの英会話等ができるように語学力の向上に努めることや、
国際税務の経験のある同業者の人とのつながりを持ち、定期的に情報交換し、最新の知識の習得に努めることも大切です。
特に英会話についてはオンライン英会話が普及しており、安価で受講することができ受講時間も自由に設定できるため、
業務が多忙ということを理由にしないで、今から取り組んではいかがでしょうか。
公認会計士 本田直誉