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AIが“画面の中身”を理解する時代へ──別表4の誤りも指摘する「Google AI Studio Stream」の実力と可能性

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税理士 山中 宏

AIが資料を「見る」時代に突入!

税理士の皆さん、もう “文字入力だけのAI”の時代ではありません。Excelや別表4を画面で“見せて”、その内容について質問し、回答を得る──そんな業務のやり方が、すでに現実のものとなっています。

本記事では、Googleの「AI Studio Stream」機能を活用して、実際の業務でどのようにAIと“共同作業”ができるのかを、税理士である自身のやり方をもとに解説。売上計上漏れへの対応や、複雑な資料の読み解きまで、AIがまるで「補助者」のように寄り添う新しいAI活用法をご紹介します。

目次

■ Excelシートや別表4を“見せて”、質問して答えてもらう新時代の業務支援

わたしたちがAIと接する方法は、文字のやりとりだけではなくなってきました。特に注目されているのが「画面に表示された資料をAIに見せて、その内容について質問する」という、新しい対話スタイル。これを可能にしているのはGoogle AI Studioです(登録方法は最後に記載してます)。

■ Google AI StudioのStreamの活用例

Google AI StudioのStreamという機能は、まるでAIが“目”と“脳”を持っているようです。

(1)具体的な活用例:Excelシートを見せて計算式を質問する

税例えば、次のような手順でAIにExcelの内容を読み取らせ、アドバイスを受けることができます。

①スクリーンショットを撮る
Excelシートの全体が写るように、画面を撮影します。

②Google AI Studioのインターフェースから、撮影した画像をアップロードします。

③音声入力機能を使って、「C5セルにC2からC4の合計を入れる式を教えて」と話しかけると、AIが内容を理解して答えてくれます。

④AIの回答例:
「C5セルに入力する式は =SUM(C2:C4) です。この式により、C2〜C4の合計が表示されます。」

これにより、画面を見せながらアシスタントにリアルタイムで相談しているような感覚を得られます。

(2)税理士の現場でも活用可能:別表4の誤り指摘も

この技術は、税理士の実務にも非常に役立ちます。

たとえば、法人税の別表4のスクリーンショットをAIに見せて、「売上計上漏れがあった場合、どのように反映すべきか?」と質問したところ、次のような正確な回答が得られました。

①AIの回答例:
「当期利益の欄は変更せず、売上漏れ分を加算調整として記載し、所得金額を計算してください。」
つまり、AIが画像上の表構成と数字の関係を理解した上で、適切な税務処理の方向性を提示してくれるのです。

②以下はスクリーンショットです。

スクリーンショット

まるで、隣にベテラン補助者が座って別表4を一緒に見ながら相談に乗ってくれるような感覚です。

■ Google AI Studioを税理士は、どんなことに応用できるか?

この「見せて、質問して、答えてもらう」体験は、以下のような実務シーンで応用可能です。

(1)グラフや分析資料の読み取り
「このグラフから分かる傾向を3つ教えて」

(2)Webデザインレビュー
「この画面構成、ユーザー目線で改善点ある?」

(3)プログラムのエラー画面の読み取り
「このエラーの原因と解決法を教えて」

(4)マニュアルや図面の解説
「この家電の操作手順、簡単に説明して」

(5)フローチャートの要約
「この業務プロセス、どういう流れか説明して」

■ 注意点と限界も理解しきましょう

Google AI Studioも、もちろん万能ではありません。以下の場合は適切な回答がされませんでした。

(1)画像認識の精度

文字が小さい、画像がぼやけていると正確な認識ができない場合もあります。

(2)情報の“更新”はされない

Excelの中身を直接編集できるわけではなく、あくまで「見せられた画像」だけが対象です。内容を変えた場合は再度アップロードが必要です。

■ Google AI Studioの登録方法

利用方法は簡単。Googleで「Google AI Studio」と検索してGoogleアカウントがあればすぐに始められ、最新の「Gemini 2.5 Pro」も使えてすべて無料で利用可能です。

これまで人手や時間がかかっていた資料整理や会話型相談が、誰でも・今すぐ・無料でできるようになっています。これからの業務には、「AIとの共同作業」という新しいスタンダードが加わっていくでしょう。

■ まとめ:AIと「画面共有」で広がる可能性

AIを使って、Excelや別表、設計資料などの画像を共有しながら業務相談ができる時代が到来しました。

税理士としての実務やコンサルタント業務においても、資料を「見せて」内容を「聞き」、その場で「答えをもらう」──そんな直感的で高度なサポートが得られるのです。

AIの「目」と「脳」をフル活用して、あなたの業務にもうひとつの“アシスタント”を加えてみてはいかがでしょうか。

執筆者プロフィール

山中 宏(やまなか ひろし)
税理士/山中宏税理士事務所

1995年中小企業診断士取得、2014年税理士登録、2020年ウェブ解析士取得。2021年6月山中宏税理士・中小企業診断士事務所開業。

会計事務所、大手自動車メーカー他実務経験が豊富。管理職経験が長く会社間や人とのコミュニケーション能力が高い。

現在では税理士として決算、税務相談、確定申告を行うだけでなく、中小企業診断士・ウェブ解析士として実地のコンサルティング、ウェブ集客・SNS集客を通して売上拡大、集客拡大の支援を行う。

関連サイト

山中宏税理士・診断士事務所

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