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税理士の転職はいつが狙い目?最適なタイミングについて徹底解説

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2025年11月4日 ジャスネットキャリア編集部

税理士として働いている方の中には、キャリアアップや働き方の改善を目指して転職を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ転職を決意しても「いつ動き出せばいいのだろう」と悩んでしまうものです。税理士業界には独特の繁忙期と閑散期があり、転職活動のタイミングによって成功率が大きく変わってきます。この記事では、税理士の転職に最適な時期や、業種別の転職先の特徴、具体的な準備方法まで詳しく解説していきます。

目次

■税理士の転職に最適な時期とは

税理士の転職を成功させるためには、業界特有のリズムを理解することが欠かせません。一般企業とは異なる税理士業界ならではの繁閑の波を把握し、自分にとって最適なタイミングを見極めることが重要です。

(1)税理士業界の繁忙期と閑散期

税理士業界には、税務申告業務を中心とした明確な繁忙期と閑散期が存在します。これらの時期を理解しておくことで、転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。

①税理士業界の繁忙期

税理士業界の繁忙期は、主に確定申告の時期である1月から3月、そして法人の決算が集中する5月から6月頃となります。特に確定申告期間中は、個人顧客を抱える事務所では連日深夜までの残業が続くことも珍しくありません。また、12月も年末調整や年末決算の準備で忙しくなる時期です。

この時期は業務量が膨大になるため、転職活動に時間を割くことが難しくなります。面接の日程調整も困難になりますし、現職の業務に追われて履歴書や職務経歴書の作成もままならないという状況に陥りがちです。さらに、採用する側の事務所も繁忙期には新しい人材を受け入れる余裕がないため、求人数自体が減少する傾向にあります。

②税理士業界の閑散期

一方で、税理士業界の閑散期は7月から11月頃となります。この時期は確定申告や法人決算のピークが過ぎ、比較的落ち着いた業務環境になります。特に8月から9月にかけては、夏季休暇を取得する事務所も多く、精神的にも余裕が生まれやすい時期といえるでしょう。

閑散期には転職活動に充てる時間を確保しやすくなります。じっくりと求人情報を吟味したり、複数の事務所と面談を重ねたりすることも可能です。また、採用する側も新しい人材を迎え入れる準備が整っており、丁寧な選考プロセスを経ることができます。

(2)税理士の転職タイミングは?

税理士の転職に最も適したタイミングは、閑散期である7月から11月の間に転職活動を開始し、年明けの1月から3月頃に入職するというパターンです。このスケジュールであれば、繁忙期を避けて余裕を持って転職活動ができますし、新年度のスタートに合わせて新しい職場で働き始めることができます。

ただし、必ずしもこのタイミングにこだわる必要はありません。自分のキャリアプランや現在の状況を踏まえて、最適な時期を選ぶことが大切です。例えば、現職でボーナスを受け取ってから転職したいという場合は、ボーナス支給後に活動を本格化させるという選択肢もあります。多くの事務所では夏と冬の年二回ボーナスが支給されますので、7月や12月の支給後に動き出すのも一つの方法でしょう。

また、キャリアアップを目指す場合には、ある程度の実務経験を積んでから転職することをおすすめします。一般的に、税理士として3年から5年程度の経験があると、より幅広い選択肢の中から転職先を選ぶことができます。この経験年数があれば、専門性の高い業務に携わることも可能になりますし、年収アップも期待できるでしょう。

■Big4への転職時期

Big4と呼ばれる大手税理士法人への転職を目指す場合、タイミングの考え方は一般的な会計事務所とは少し異なります。Big4とは、デロイト トーマツ税理士法人、PwC税理士法人、EY税理士法人、KPMG税理士法人のことで、これらの法人は国際的な案件や大企業の税務アドバイザリー業務を手がけています。

【参考記事】
Big4税理士法人とは?転職する前に知っておきたいポイントを解説
https://career.jusnet.co.jp/tax/tax_04_45.php

Big4の採用活動は、比較的年間を通じて行われている傾向があります。これは、案件ベースでの人材ニーズが発生することや、組織規模が大きいため常に一定数の採用枠があることが理由です。特に9月から11月にかけては、翌年度の体制を見据えた採用活動が活発化する時期となります。

ただし、Big4への転職には高度な専門性や英語力が求められることが多く、しっかりとした準備期間が必要です。国際税務や移転価格税制、M&Aに関する知識やアドバイザリー経験があると有利になります。また、面接プロセスも複数回に渡ることが一般的ですので、最低でも3ヶ月程度の転職活動期間を見込んでおくとよいでしょう。

Big4を目指す方は、繁忙期であっても求人が出ていれば積極的に応募することをおすすめします。特に専門性の高いポジションは募集自体が少ないため、タイミングを逃さないことが重要です。

■税理士の業種別転職先

税理士資格を活かせる転職先は、会計事務所だけではありません。それぞれの業種によって働き方や求められるスキルが異なりますので、自分のキャリアビジョンに合った転職先を選ぶことが大切です。

(1)会計事務所・税理士法人

最も一般的な転職先が、会計事務所や税理士法人です。小規模な個人事務所から中堅事務所、そして前述のBig4まで、規模や特徴は様々です。個人事務所では所長との距離が近く、幅広い業務を経験できる一方で、中堅以上の事務所では専門分野に特化したキャリア形成が可能になります。

会計事務所への転職では、即戦力としての実務経験が重視されます。特に法人税や所得税、相続税といった実務経験がある方は、どの事務所でも歓迎されるでしょう。また、顧問先との良好な関係構築能力やコミュニケーション力も重要な評価ポイントとなります。

転職時期としては、閑散期である7月から11月が最適です。この時期であれば、新しい職場でじっくりと業務を覚えることができますし、繁忙期に向けて体制を整えることができます。ただし、優良な事務所の求人は早めに埋まってしまうことも多いため、情報収集は常に怠らないようにしましょう。

【参考記事】
会計事務所への転職時期はいつが最適?繁忙期と求人動向を解説
https://career.jusnet.co.jp/tax/tax_05_07.php

(2)コンサルティングファーム

近年、税理士資格を持つ方の転職先として注目を集めているのが、コンサルティングファームです。税務コンサルティングや財務アドバイザリー、事業承継支援といった高度な専門サービスを提供する企業で、税理士としての知識を戦略的に活用できる環境が整っています。

コンサルティングファームでは、単なる税務申告業務にとどまらず、クライアント企業の経営課題を解決するための提案力が求められます。プレゼンテーション能力や論理的思考力、そしてプロジェクトマネジメントスキルなど、より広範なビジネススキルが必要となるでしょう。

この分野への転職は、年間を通じてチャンスがあります。プロジェクトベースで人材ニーズが発生するため、特定の時期に偏ることなく求人が出る傾向にあります。ただし、選考プロセスは厳しく、ケース面接や専門知識を問うテストが課されることも少なくありません。しっかりとした準備を行った上で、挑戦することをおすすめします。

(3)一般企業

一般企業の経理部門や財務部門への転職も、税理士のキャリアパスの一つです。特に上場企業や外資系企業では、税務の専門家として高い評価を受けることができます。企業内税理士として働くことで、ワークライフバランスを重視した働き方が実現しやすくなることも魅力の一つでしょう。

一般企業への転職では、税務申告だけでなく、税務戦略の立案や税務リスク管理といった業務に携わることになります。また、社内の他部門との調整や、監査法人との折衝なども重要な役割となります。事務所とは異なる組織文化に適応する柔軟性も求められるでしょう。

一般企業の採用活動は、事業年度の切り替わりである4月や10月の入社を見据えて行われることが多いです。そのため、1月から3月、または7月から9月頃に転職活動を始めるとスムーズです。ただし、欠員補充などで随時募集が出ることもありますので、希望する企業があれば定期的に求人情報をチェックすることが大切です。

【参考記事】
税理士が一般企業へ転職するメリットは?求人事例や年収事情を徹底解説!
https://career.jusnet.co.jp/tax/tax_05_06.php

■転職活動のスケジュールと準備

転職を成功させるためには、計画的なスケジュール立てと入念な準備が欠かせません。思いつきで行動するのではなく、戦略的に転職活動を進めていきましょう。

(1)転職活動の逆算スケジュール

転職活動は、希望する入社時期から逆算してスケジュールを組むことが重要です。一般的に、転職活動の開始から内定獲得までは2ヶ月から3ヶ月程度かかります。さらに、現職の引き継ぎ期間として1ヶ月から2ヶ月程度を見込む必要があります。

多くの税理士の方が気になるのが、ボーナスのタイミングでしょう。夏のボーナスは6月から7月、冬のボーナスは12月に支給されることが一般的です。ボーナスを受け取ってから退職したい場合は、支給後すぐに退職の意向を伝え、引き継ぎ期間を経て転職するというスケジュールになります。

例えば、夏のボーナスを受け取ってから転職する場合、7月にボーナスを受け取り、同月中に退職の意向を伝えます。その後、8月から9月にかけて引き継ぎを行い、10月から新しい職場で働き始めるというスケジュールが考えられます。このタイミングであれば、閑散期に転職活動ができますし、年末の繁忙期前に新しい環境に慣れることもできるでしょう。

ただし、ボーナスにこだわりすぎて最適な求人を逃してしまうのは本末転倒です。本当に行きたい事務所や企業からオファーがあれば、ボーナスよりもキャリアを優先する判断も必要になります。また、転職先でより高い年収が得られるのであれば、一度のボーナスを諦めても長期的には得になることもあります。

(2)転職に必要な準備と心構え

転職活動を始める前に、まず自分のキャリアの棚卸しを行いましょう。これまでどのような業務に携わってきたのか、どんなスキルを身につけたのか、そして今後どのような方向性でキャリアを築いていきたいのかを明確にすることが大切です。

履歴書や職務経歴書の作成には、十分な時間をかけましょう。特に職務経歴書では、単に業務内容を列挙するのではなく、自分がどのような価値を提供してきたのか、具体的な成果や実績を盛り込むことが重要です。担当した顧問先の業種や規模、取り扱った税務案件の種類などを詳しく記載することで、採用担当者に自分の実力を効果的にアピールできます。

また、面接対策も欠かせません。なぜ転職を考えているのか、なぜその事務所や企業を志望するのか、自分の強みは何かといった基本的な質問に対して、説得力のある回答を準備しておきましょう。税理士業界では専門知識も問われることがありますので、最新の税制改正についても確認しておくとよいでしょう。

■転職活動に役立つ情報源

転職活動を効率的に進めるためには、適切な情報源を活用することが重要です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法で求人情報を収集しましょう。

(1)求人情報サイトの活用法

インターネット上には、税理士や会計士に特化した求人情報サイトが数多く存在します。これらのサイトでは、勤務地や年収、事務所の規模などの条件で検索できるため、効率的に希望に合った求人を見つけることができます。

求人情報サイトを活用する際のポイントは、複数のサイトに登録することです。サイトによって掲載されている求人が異なるため、幅広く情報を収集することで選択肢が広がります。また、希望条件を登録しておけば、新着求人の通知を受け取ることもできますので、忙しい方でも効率的に転職活動を進められるでしょう。

ただし、求人情報サイトに掲載されている情報だけで判断するのは危険です。事務所の雰囲気や実際の働き方については、サイトの情報だけでは分からないことも多いです。気になる求人があれば、実際に応募して面接の場で詳しく話を聞くことが大切です。

(2)転職エージェント

最も効率的で確実な転職活動の方法が、転職エージェントの活用です。税理士や会計士の転職に特化したエージェントであれば、業界の動向や事務所の内情に精通しているため、的確なアドバイスを受けることができます。

転職エージェントを利用する最大のメリットは、非公開求人にアクセスできることです。優良な事務所ほど、エージェント経由でのみ採用活動を行うことが多いです。また、エージェントが求職者と事務所の間に入って条件交渉を行ってくれるため、年収アップも実現しやすくなります。

さらに、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策、入社日の調整など、転職活動全般をサポートしてもらえることも大きな利点です。特に初めて転職する方や、働きながら転職活動を進めたい方にとっては、心強い味方となるでしょう。

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■閑散期を利用した転職成功事例

実際に閑散期を活用して転職に成功した方の事例をご紹介します。

都内の中堅会計事務所で働いていたAさん(35歳)は、より専門性の高い業務に携わりたいと考え、8月から転職活動を開始しました。

Aさんは繁忙期を避けることで、平日の夕方や休日に複数の事務所と面談する時間を確保できました。転職エージェントのサポートを受けながら、自分のキャリアビジョンに合った事務所を慎重に選び、最終的に国際税務に強みを持つ税理士法人から内定を獲得しました。10月に入社し、年末の繁忙期までに2ヶ月間の準備期間があったため、スムーズに新しい業務に適応できたそうです。

また、Big4への転職を実現したBさん(28歳)の事例もあります。Bさんは個人事務所での実務経験を積んだ後、9月から本格的な転職活動を開始しました。英語力とM&A関連の知識を強みとしてアピールし、複数回の面接を経て11月に内定を獲得しました。1月入社というタイミングで、新年度のスタートに合わせてキャリアをステップアップさせることができました。

これらの事例に共通しているのは、閑散期に余裕を持って転職活動を行い、自分に合った転職先をじっくりと選んだという点です。焦って決めるのではなく、時間をかけて納得のいく転職を実現することが、長期的なキャリア成功につながるのです。

■まとめ

税理士の転職を成功させるためには、業界特有の繁忙期と閑散期を理解し、最適なタイミングで活動を開始することが重要です。一般的には、7月から11月の閑散期に転職活動を始め、年明けから春にかけて入社するというスケジュールが理想的でしょう。

ただし、タイミングだけにこだわるのではなく、自分のキャリアビジョンや希望する働き方を明確にした上で、計画的に転職活動を進めることが大切です。ボーナスの支給時期も考慮しつつ、長期的な視点でキャリアを考えましょう。

転職活動では、求人情報サイトやハローワーク、そして転職エージェントなど、様々な情報源を活用することをおすすめします。特に転職エージェントは、非公開求人へのアクセスや条件交渉のサポートなど、多くのメリットがありますので、積極的に活用してみてください。

繁忙期を避けて余裕を持って準備を行い、自分の強みを効果的にアピールすることで、理想的な転職を実現できるはずです。この記事が、あなたの転職活動の一助となれば幸いです。新しいキャリアに向けて、一歩を踏み出してみてください。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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