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努力の先に夢がある!? 税理士のステージ別・年収比較
~会計事務所のパートから、勤務税理士、独立開業まで

税理士 定岡佳代(絵と文)

図1

実際に資格を取得するまでに、長い勉強時間がかかる税理士。さらに資格を取得してからも、毎年改正される税法について知識のアップデートは欠かせない職業です。

そんな税理士の年収について気になる方も多いのではないでしょうか?
「税理士 年収」で検索すると多数の記事がヒットしますが、税理士として勤務経験者の実際のリアルな年収にまで切り込んだものは、実はそうそうあるものではありません。

ここではわたしの経験をもとに、税理士の年収についてお話いたします。
最後の開業税理士は、はたして長年の努力が報われるくらい夢があるものでしょうか…??

税理士を目指している皆さんは、ぜひご一読ください。

■勤務税理士の平均年収の実態(中小税理士法人)

まず最初に、勤務税理士の平均年収については、下記の記事をご覧ください。

勤務先の規模にもよりますが、中小税理士法人に勤める税理士全体の年収は、500~700万円くらいが平均になります。これが大手税理士法人になると以下のような表になります。

                                           
Big4税理士法人勤務者の年収(※Google検索より)
職位年収レンジ
アソシエイト320万円~550万円 (残業代別)
シニアアソシエイト540万円~630万円(残業代別)
マネージャー820万円以上
シニアマネージャー970万円以上

■ 税理士のステージ別・年収比較

以下でお話することは、あくまでわたしの経験や周りの税理士の方のお話などから推察されるものです。よって、全国全ての税理士に当てはまるわけではないことを先に申し上げておきます。

(1)会計事務所・パート(科目合格なし)

Ex:時給1200~1500円×7時間(1日)×週3~5日

わたしが税理士を目指した際に、実務経験を積みたいと思い最初に選んだ働き方です。パートでの経験も、積み上げ計算で実務経験にすることができます。条件としては上記のような働き方が多いのではないでしょうか。

子育て中の方、正社員勤務が難しい方、勉強時間を確保したい方にはおすすめの働き方です。

大手会計事務所の場合はパート勤務でも福利厚生などがつく場合もあり、わたしが働いていたところは月数千円の食費補助がいただけました。

(2)中小会計事務所・正社員(税理士資格なし)

Ex:年収400万円(うち賞与50万円)+残業代120万円(月10万円と仮定)

税理士資格はなくとも残業代がつくので、税理士資格を持っているよりも意外と稼げるのがこの立場かもしれません。

残業をすればするほど年収もあがりますので、時給換算した場合では2,000円を超えるケースもあると思います。

(3)中小会計事務所・正社員(税理士資格あり)

Ex:年収400万円~800万円(月190時間勤務と仮定)

努力の末、やっと税理士資格を取得すると、ここからのスタートになります。しかし初任給だと400万円~のところも多い印象です。

わたしの場合は3年勤務して、当初の年収から100万円ほどは上がりましたので、年収の伸び率は高いのではないでしょうか。

ただし資格があるため高い役職につくと残業代がつかない場合もあります。その場合は時給に換算すると、税理士資格がない場合と大きく変わらないかもしれません。また、パートナーと呼ばれる社員税理士になると、800万円以上であることも少なくありません。

(4)大手税理士法人・正社員(税理士資格あり)

Ex:年収400万~1500万円

大手税理士法人の職位別年収グラフは最初に掲載いたしました。新卒で就職した場合、3~4年でシニアアソシエイトに昇進するケースが多いようです。さらに職位があがれば当然ですが年収もあがり、パートナークラスでは1500万円前後の年収の方もいらっしゃいます。

勤務税理士のよいところはリスクがなく、安定しているところです。また大手上場企業の案件が多いため業務内容も多岐に渡り、様々な経験が積めるところでしょうか。

キャリアパスとしても可能性が広がり、大手税理士法人から大手上場企業の管理会計などに転職するということも考えられます。

(5)開業税理士

Ex:売上800万円~(年収ではなく売上になります)+α
年間顧問料54万円×15件=810万円

①顧問料の売上
法人顧問に特化している、一般的な会計事務所のケースをお話いたします。どのようなサポートをするかにもよりますが、月の顧問料は平均で3万円程度(決算料は別)でしょうか。

これに決算料を半年分とすると、3万円×18カ月=54万円が年間平均かと思います。顧問数を増やせば、月の売上がダイレクトに上がるのが魅力的です。

②それ以外のプラスαの売上
この顧問料売上にプラスして、スポット業務である相続税申告や、年一回の所得税の確定申告がありますので、売上にプラスすることができます。

相続税の申告料は会計事務所によって金額が違うと思いますが、最低でも20万円から、評価額が大きい案件ですと100万円近くになる場合もあります。

所得税の確定申告料はだいたい1件5万円~、事業所得・不動産所得・譲渡所得がある場合は10万円を超えます。受注人数を増やせば1シーズンで100万円以上の売上を見込めるでしょう。

これはあくまで一例ですので個々人で違いがあるとは思いますが、売上を伸ばしていけば年収も増えていきます。

頑張り次第で上を目指せるのが開業税理士のいいところで、開業から5年程度で売上が1,000万円を超えるケースもめずらしくありません

■ まとめ

これから税理士を目指す皆さんの参考になりましたでしょうか。
既にお伝えしたとおり、開業税理士の年収は自分の頑張り次第ですが、そのほかにもいいところは挙げると下記の通りでしょうか。

・自分のペースで仕事ができる
・定年がない
・働く場所を選ばない
・税理士だけではなく、様々な人とつながりができる(セミナーやイベントに参加したりなど)

総じて、「自由であること」が開業税理士の魅力だと思います。

年収は働くモチベーションとしてとても大事ですよね。このコラムがこれから税理士業界ではたらきたいと思っている人の参考になれば幸いです。

執筆者プロフィール

定岡 佳代(さだおか かよ)
税理士

兵庫県出身。1980年生まれ。神戸大学工学部建設学科、神戸大学大学院自然科学研究科(土木工学)修了。

関西で技術職に就くも、結婚・出産・上京を機に専業主婦に。次男の妊娠中に簿記の勉強を始め、日商簿記3級・2級に独学で合格。そこから税理士試験に挑戦し、パート勤務、大学院通学と並行しながら3科目合格。立教大学大学院経済学研究科を2020年3月に修了。2021年4月、税理士登録。

硬式野球男子2人の母。「税理士を目指すママ」コミュニティで知り合った友人のママ税理士4人で、セミナーや対談など活動をしている。都内の税理士事務所、税理士法人で約10年の修行を経て、2023年8月に独立開業。

「お客様はピッチャー、私はキャッチャー。どんな球でも受け止める。」をモットーに、お客様との対話を大切にしている。

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