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税理士補助は年収が低い?高収入を得るための方法を徹底解説

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2025年10月8日 ジャスネットキャリア編集部

税理士補助として働く方、またはこれから税理士補助を目指す方にとって、年収は非常に気になる問題でしょう。「税理士補助は年収が低い」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際のところはどうなのか、そして高収入を得るためにはどのような方法があるのかを詳しく見ていきましょう。

税理士補助の年収は、地域や経験年数、雇用形態、保有する資格などによって大きく変わってきます。一般的には300万円から600万円程度の範囲で推移していますが、戦略的にキャリアを積むことで、さらに高い年収を実現することも十分可能です。

目次

■税理士補助とは?

(1)税理士補助の役割と業務内容

税理士補助は、税理士の指導監督のもとで税理士業務を支援する重要な存在です。 会計事務所や税理士法人において、日々の経理処理から税務申告書の作成まで幅広い業務を担当しています。 具体的な業務内容は、以下の通りです。

①帳簿の記帳作業

クライアントから提供された領収書や請求書を基に、会計ソフトを使用して日々の取引を正確に記録していきます。この作業は税務処理の基礎となる重要な業務であり、細かい注意力と継続性が求められます。

②月次決算書の作成

毎月の売上や経費を集計し、クライアントの経営状況を把握できる資料を作成します。これにより、クライアントは自社の財務状況を定期的に確認でき、経営判断の材料とすることができます。

③年末調整業務

従業員の所得税を正確に計算し、必要な書類を作成します。この時期は非常に忙しくなりますが、多くの案件を効率よく処理するスキルが身につきます。

④税務申告書の作成補助

さらに、法人税や所得税、消費税などの各種税務申告書の作成補助も行います。税理士の指導のもと、複雑な税務計算を行い、申告書を完成させていきます。この業務を通じて、税法に関する知識を実務で活用する経験を積むことができます。

⑤クライアント対応

電話での問い合わせ対応や、必要書類の収集依頼など、クライアントとの円滑なコミュニケーションを図ります。この経験により、コミュニケーションスキルやビジネスマナーも自然と身についていきます。

(2)税理士との違い

税理士補助と税理士の最も大きな違いは、 独立して税理士業務を行えるかどうかです。 税理士は国家資格を持つ専門家として、税務代理、税務書類の作成、税務相談といった独占業務を単独で行うことができます。

一方、税理士補助は税理士の指導監督のもとでこれらの業務に従事します。つまり、税理士補助が作成した申告書や税務書類は、必ず税理士によるチェックと承認が必要となります。この点で、責任の所在と業務の範囲に明確な違いがあります。

しかし、税理士補助の役割は決して軽視できるものではありません。実際の業務においては、税理士補助が大部分の実務を担当し、税理士が最終的なチェックと責任を負うという分業体制が確立されています。経験豊富な税理士補助は、新人の税理士よりも実務スキルが高い場合も少なくありません。

また、税理士補助として働きながら税理士試験の科目合格を目指す方も多く、将来的な税理士資格取得への重要なステップとしての側面もあります。実務経験を積みながら理論を学ぶことで、より深い理解と実践的なスキルを身につけることができるのです。

■税理士補助の年収

(1)地域別の年収差

税理士補助の年収は、勤務地域によって大きな差があります。これは生活コストの違いや地域経済の活性度、会計事務所の集積度などが影響しているためです。

首都圏、特に東京都内で働く税理士補助の年収は最も高い傾向にあります。 平均的には350万円から500万円程度が相場となっており、経験豊富で高いスキルを持つ税理士補助であれば600万円を超えるケースも珍しくありません。東京には多くの大手会計事務所や税理士法人が集中しており、競争が激しい分、待遇も良くなる傾向があります。

一方、 地方都市や郊外地域では年収水準が下がる傾向があります。 280万円から380万円程度が一般的な相場となっていますが、生活コストも都市部より低いため、実質的な生活水準はそれほど大きく変わらない場合もあります。

ただし、地方であっても特色のある会計事務所や、特定分野に特化した事務所では高い年収を提示するケースもあります。例えば、医療法人や社会福祉法人を専門とする事務所、国際税務に強い事務所などでは、専門性の高さから都市部並みの待遇を受けられる可能性があります。

(2)経験年数による年収の変化

税理士補助の年収は、 経験年数に応じて段階的に上昇していくのが一般的です。 未経験からスタートした場合の年収推移を見てみましょう。

入職1年目から3年目までは、基本的な業務を覚える期間とされています。この期間の年収は280万円から450万円程度が相場です。まだ独立して業務を行うことは難しく、先輩や税理士の指導を受けながら着実にスキルを身につけていく段階です。

4年目から7年目になると、ある程度の業務を一人で処理できるようになります。この時期の年収400万円から600万円程度となり、クライアント対応や複雑な税務処理も任されるようになります。また、後輩の指導を任されることもあり、リーダーシップスキルも身についていきます。

8年目以降のベテラン税理士補助になると、年収は600万円以上となることも多いです。この段階では、事務所の中核的な存在として重要なクライアントを担当し、税理士と連携しながら高度な業務を処理します。新人の研修や業務効率化の提案なども行い、事務所全体の業務品質向上に貢献します。

ただし、この年収推移は継続的なスキルアップと積極的な姿勢があってこそ実現できるものです。同じ経験年数でも、学習意欲や業務への取り組み方によって年収に大きな差が生まれることも珍しくありません。

■税理士補助の年収を上げるための戦略

(1)税理士試験科目合格

税理士補助として年収を大幅にアップさせる最も確実な方法は、税理士試験の科目合格を積み重ねることです。 税理士試験は5科目合格制で、1科目ずつ受験することができるため、働きながらでも計画的に取り組むことができます。

1科目合格するごとに、年収の上乗せが期待できます。これは単純に資格手当としてではなく、より高度な業務を任されることによる基本給のアップという形で現れることが多いです。科目合格者は税法の知識が深く、複雑な税務処理も安心して任せられるため、事務所にとって非常に価値の高い人材となります。

2科目、3科目と合格科目が増えるにつれて、さらに年収アップの可能性が広がります。3科目合格者であれば、年収500万円から650万円程度も十分狙える水準となります。また、転職市場でも高く評価され、より良い条件の事務所への転職も容易になります。

特に人気が高いのは簿記論と財務諸表論です。これらは税理士試験の基礎科目であり、実務でも直接活用できる知識です。次に法人税法や所得税法といった税法科目の合格が評価されます。これらの科目に合格すると、税務申告書作成の中核的な業務を担当できるようになります。

(2)資格や検定の取得

税理士試験科目合格以外にも、年収アップに直結する様々な資格や検定があります。これらの資格を取得することで、専門性を高め、より幅広い業務を担当できるようになります。

①日商簿記検定

日商簿記検定は税理士補助にとって基本となる資格です。 簿記2級以上を持っていることで、経理業務の基礎がしっかりしていることを示せます。 簿記1級まで取得できれば、会計の専門家としての地位を確立でき、年収アップに大きく貢献します。

②給与計算実務能力検定

給与計算実務能力検定も非常に実用的な資格です。給与計算業務は多くの会計事務所で行われており、この資格を持つことで給与計算のスペシャリストとして重宝されます。特に社会保険や労働保険の知識も身につくため、クライアントからの幅広い相談に対応できるようになります。

③ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー(FP)の資格も税理士補助にとって有益です。税務だけでなく、資産運用や保険、相続といった分野の知識も身につくため、クライアントへのコンサルティングサービスを提供できるようになります。これにより、単純な税務処理だけでなく、付加価値の高いサービスを提供できる人材として評価されます。

(3)経験値の向上とスキルアップ

資格取得と並行して、日々の実務経験を通じたスキルアップも年収向上には欠かせません。同じ経験年数でも、どのような経験を積んできたかによって市場価値は大きく変わります。

幅広い業種のクライアントを担当することで、様々な業界の特殊事情や会計処理方法を学べます。製造業、小売業、サービス業、建設業など、それぞれの業界には独特の会計処理があり、これらの知識を身につけることで専門性を高められます。特定の業界に特化した専門家になれば、その分野での需要が高まり年収アップにつながります。

新しい税制改正への対応力も重要なスキルです。税法は毎年のように改正されるため、最新の情報をキャッチアップし、クライアントに適切なアドバイスができる能力は高く評価されます。税制改正セミナーや研修に積極的に参加し、常に最新の知識を保持することが重要です。

合わせて、コミュニケーション能力の向上も忘れてはいけません。クライアントとの良好な関係を築き、信頼を得られる税理士補助は、クライアントからの指名も多くなります。また、事務所内でのチームワークを重視し、後輩の指導にも積極的に取り組むことで、リーダーシップを発揮する機会も増えていきます。

(4)転職による年収アップ

現在の職場で年収アップが見込めない場合、転職は有効な手段となります。 税理士補助の転職市場は比較的活発で、経験とスキルを持つ人材への需要は安定しています。

転職による年収アップを成功させるためには、まず自分の市場価値を正確に把握することが重要です。現在の経験年数、保有資格、担当可能な業務範囲を整理し、どの程度の年収が妥当なのかを調査します。転職エージェントや求人サイトを活用して、同程度のスキルを持つ人材の相場を確認しましょう。

転職先の選択も戦略的に行う必要があります。単純に年収だけで選ぶのではなく、将来的なキャリアパスや成長可能性も考慮しましょう。大手税理士法人では体系的な研修制度や明確な昇進ルートがある一方、小規模事務所では幅広い業務に携わり早期に責任のある仕事を任される可能性があります。

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■税理士補助の転職成功事例

(1)別の会計事務所への転職事例

Aさんは地方の小規模会計事務所で5年間税理士補助として働いていましたが、年収350万円から上昇の見込みがありませんでした。そこで、都市部の中規模事務所への転職を決意しました。
転職活動では、これまでの経験を具体的にアピールしました。100件以上の個人事業主の確定申告を担当した経験、法人税申告書作成の実績、クライアントからの信頼の厚さなどを具体的な数字と共に示しました。また、簿記1級と税理士試験の簿記論に合格していることも大きなアピールポイントとなりました。
結果として、年収450万円の条件で転職に成功しました。新しい事務所では、これまでの経験を活かしてより規模の大きな法人クライアントを担当することになり、さらなるスキルアップの機会も得られました。転職から2年後には年収500万円までアップし、現在は後輩の指導も任されています。

(2)科目試験合格後のキャリアアップ事例

Cさんは働きながら税理士試験に挑戦し、簿記論と財務諸表論の2科目に合格しました。この科目合格を機に、より専門性の高い業務を求めて転職を決意しました。
転職先では、科目合格者として税務申告書の作成業務により深く関わることができるようになりました。また、クライアントからの税務相談にも税理士の監督のもとで対応するようになり、年収も380万円から520万円に大幅にアップしました。
その後、法人税法にも合格し、3科目合格者としてさらなるキャリアアップを実現しました。現在は主任税理士補助として、部下の指導や新人研修も担当し、年収600万円を超える水準に到達しています。将来的には残り2科目の合格を目指し、税理士として独立することも視野に入れています。

■税理士補助の求人事例

以下は、会計・経理に特化したサイト「ジャスネットキャリア」に掲載された税理士補助の求人事例です。

【未来のマネージャー候補募集】税理士補助の正社員スタッフ

①仕事内容
  • クライアントへ月次訪問
  • 往査(巡回監査)
  • 決算申告
  • オフィス内での月次財務レビュー
  • オフィス内での記帳・集票業務
  • オフィス内での書類作成業務
  • 経営助言業務
②応募条件

【必須】

  • 高校卒業以上
  • 日商簿記2級、全経簿記1級、全商簿記1級またはそれ以上をお持ちの方
  • 事業会社等での経理経験(業界不問)、または会計事務所・税理士事務所・税理士法人等での実務経験が5年以上おありの方

【歓迎】

  • 税理士試験一部科目合格者
  • 税理士資格
④想定給与 450万円 〜 700万円

【賞与年3回/勤務時間相談可】幅広い事業をもつ総合事務所

①仕事内容
  • 個人/法人の申告書
  • 決算書の作成
  • 顧問先の訪問/指導/給与計算
  • 財務ソフト入力など税理士補助業務
  • 経営コンサルティング業務等の補助 など
②応募条件

【必須条件】

  • 決算申告書まで作成経験のある方
  • 会計事務所でのご就業経験のある方

【歓迎条件】

  • 税理士科目合格者の方
④想定給与 月給制: 30万円 〜 50万円

残業がなくワークライフバランス◎!会計事務所での税務担当者募集

①仕事内容
  • 会計システムへの仕訳入力
  • 決算書・税務申告書の作成
  • 給与計算
  • 顧問先訪問のサポート など
②応募条件

【必須条件】

  • 会計事務所での就業経験、もしくは事業会社での経理実務経験
④想定給与 360万円 〜

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■税理士補助の年収に関するよくある質問

(1)未経験での年収はどのくらいか?

税理士補助として未経験で就職する場合の年収について、多くの方が気になるポイントです。 一般的に未経験者の年収は280万円から350万円程度からスタートすることが多いです。

ただし、この金額は地域や事務所の規模によって大きく変わります。東京都内の中規模以上の事務所であれば320万円から380万円程度、地方都市では250万円から320万円程度が相場となっています。

未経験であっても、他業界での社会人経験や簿記などの関連資格を持っている場合は、より高い条件での採用も期待できます。特に経理経験者や金融機関経験者は実務に活かせるスキルがあるため、初年度から350万円以上の年収を提示される場合もあります。

また、大手税理士法人では新卒採用制度があり、研修制度も充実しているため、未経験でも安心してスタートできます。これらの法人では初年度年収350万円から400万円程度が一般的で、体系的な教育により早期のスキルアップが期待できます。

(2)パートタイムの年収は?

パートタイムで働く税理士補助の年収は、勤務時間や経験によって大きく変わります。時給ベースでは1,200円から1,800円程度が一般的で、経験豊富な税理士補助であれば2,000円を超えることもあります。

週3日勤務で1日6時間働く場合を例にとると、年収は約140万円から220万円程度となります。この場合、扶養控除の範囲内で働くことも可能で、配偶者控除を受けながら働きたい方には適した働き方です。

パートタイムでも経験を積めば時給アップは十分可能です。最初は未経験で時給1,200円からスタートしても、2年から3年の経験を積めば時給1,500円から1,800円程度まで上昇することが一般的です。

また、税理士試験の科目合格をすることで、パートタイムでも時給2,000円以上の高時給を実現している方もいます。専門知識があるパートタイム税理士補助は事務所にとって貴重な戦力となるため、好条件での勤務が可能になります。

■まとめ

税理士補助の年収は決して一律ではなく、地域、経験年数、雇用形態、保有資格など様々な要因によって大きく変動します。確かに未経験からのスタートでは年収300万円程度と決して高くはありませんが、戦略的にキャリアを積むことで600万円以上の高年収も十分実現可能です。

年収アップの鍵となるのは、税理士試験の科目合格と実務経験の蓄積です。1科目合格するごとに年収は上昇する傾向にあり、3科目以上の合格者になれば転職市場でも高く評価されます。また、簿記検定やその他の関連資格を取得することで、専門性を高め付加価値のあるサービスを提供できるようになります。

転職も年収アップの有効な手段です。現在の職場での成長が見込めない場合は、より良い条件の事務所への転職を検討しましょう。特に大手税理士法人や専門特化型事務所では、経験豊富な税理士補助に対して魅力的な条件を提示してくれることが多いです。

税理士補助は決して年収の低い職業ではありません。適切な戦略とたゆまぬ努力により、十分に満足できる年収を実現することができる、やりがいのある専門職なのです。これから税理士補助を目指す方も、現在税理士補助として働いている方も、自分なりの成長戦略を立てて、理想のキャリアと年収の実現を目指していきましょう。

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執筆者プロフィール

ジャスネットキャリア編集部

WEBサイト『ジャスネットキャリア』に掲載する記事制作を行う。
会計士、税理士、経理パーソンを対象とした、コラム系読み物、転職事例、転職QAの制作など。

編集部メンバーは企業での経理経験者で構成され、「経理・会計分野で働く方々のキャリアに寄り添う」をテーマにしたコンテンツ作りを心がけていてる。

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