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「国際税務を強みとする税理士法人」の業務内容、仕事の魅力は?

目次

■国際税務の仕事はハードルが高いのか?

■「国際税務を強みとする税理士法人」の業務内容

■わたしと国際課税の出会い

■必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

■「国際税務を強みとする税理士法人」の業務のやりがいは?

■「国際税務を強みとする税理士法人」の採用ニーズ

■「国際税務を強みとする税理士法人」の年収はどのくらい?

■「国際税務を強みとする税理士法人」の経験を活かしたその後とのキャリアパスは?

この記事では国際税務を強みとする税理士法人で長く働く税理士の方に、業務の内容や仕事のやりがいを語っていただきました。

■国際税務の仕事はハードルが高いのか?

国際税務と国内税務はいずれも国内法を基礎としており、これらを取り立てて区別する意味はありません。

すなわち国際税務は、日本に進出して事業を行っている外国法人や外国人に対する国内法の扱いであるとともに、外国に進出して外国で課税される内国法人や日本人に対する国内法の扱いであることから、「国内法」の扱いである点で国内税務と何ら変わるところはないのです。

ゆえに国際税務にハードルの高さを感じる必要はないということです。

■「国際税務を強みとする税理士法人」の業務内容

国際税務問題は、国内税法と租税条約の組合せによって解決することになっています。

国内税法の適用に当たっては、常に民法や商法、会社法、借地借家法等の私法との関係を前提とする必要があることはみなさんご存じの通りです。このため、家でいえば一階が私法で、二階が国内税法ということになるのですが、その上の3階に租税条約があるというのが国際税務であるとお考えいただければ分かり易いと思います。

したがって、一般的な会計事務所に勤務経験のある方なら、国際税務にも違和感なく取り組むことができると思います。ただし、従来の仕事では国際課税関連の条文はあまり読む機会がなかったという方が多いと思いますので、一度改めて国内税法の全体像を確認し、その中で国際課税に関連する条文がどこにどのような形で規定されているかを見て、国際課税がどのようなものかを大まかに感じとることが重要だと思います。

なお、租税条約がどのような機能を持っているか、国内税法とはどのような関係にあるかということは、実務経験の積み重ねと条約法規の学習によって身につくようになります。

弊社(*編集部注 フェアコンサルティンググループ)の国際税務に関する代表的な業務は次の(1)~(4)のとおりです。

(1)移転価格税制関連業務

①移転価格ポリシー構築・導入/運用支援業務
移転価格税制を遵守するために必要な仕組みの構築と運用支援

②移転価格文書化支援業務
租税特別措置法で定められている移転価格文書の作成等の支援

③移転価格課税リスク分析サービスの提供
個別取引やプロジェクトに潜在する移転価格課税リスクの割出しと、その排除又は軽減のために必要な指導又は助言の提供

④寄附金課税リスク分析サービスの提供
個別取引やプロジェクトに潜在する寄附金課税リスクの割出しと、その排除又は軽減のために必要な指導又は助言の提供

⑤移転価格税務調査に関する支援業務
移転価格税務調査に立ち会い、代理人として当局と交渉

⑥事前確認申立、相互協議及び訴訟に対する支援業務

(2)タックス・ヘイヴン対策税制関連業務

①合算課税関連申告書別表作成支援
タックス・ヘイヴン対策税制に関連する申告書別表の作成、及び申告書に添付すべき資料又は保管しておくべき資料の整備

②合算課税リスクの分析・検証
特定外国子会社等の実態分析、及び合算課税のリスクの有無の検証

③国際事業再編・組織再編に伴う合算課税リスクの検証

(3)国際源泉課税と外国税額控除

①国際源泉課税に係る租税条約の減免措置の適用支援
②居住者・非居住者の判定に必要な検討
③控除対象外国法人税の判定、控除限度額計算の支援、及び租税条約の関連規定の検討

(4)海外課税問題への対応

日本企業の海外拠点、及び出向者に関する課税問題への対応

■わたしと国際課税の出会い

わたしが国際課税に深く関わることになったのは、東京国税局国際調査課の新設2年目に同課に配属されたことがきっかけです。

当時は、日本企業が海外に工場を建設するというような状況にはなく、都市銀行がニューヨークやロンドンに支店や駐在員事務所を設置して日系企業に対するサービスを始め、ゼネコンやエンジニアリング会社が東南アジアに建設事務所を置いてODAで建築土木事業を行ったり、大手海運会社がパナマやリベリアにペーパーカンパニーを作って便宜置籍船を保有して海運事業を行ったりしていました。1980年代初めのことです。

それから、移転価格税制や過小資本税制、過大利子支払税制が次々に創設され、帰属主義への転換を経て現在のBEPSへの流れに繋がっていったのは既に皆さんご存じの通りですが、わたしは、このような国際課税制度の急激な整備・充実の歴史をライヴで見てきました。現在まで、とにかくその変化のスピードに遅れないように必死に追いかけてきたというような感じがします。

その後、税務大学校勤務を最後に50歳手前で退官し、3人の仲間と弊社を設立しました。その当時、大型の移転価格課税が続くなか、企業の課税リスクの軽減に民間側から取り組みたいと考えたことが退官と会社設立の理由のひとつでした。

■必要とされる志向性(どんな人に向いているか?)

いわば「頭の体力のある人」が向いていると思います。

わたし自身、分からないことがあったら、とにかくあきらめないで粘り強く考え続けているうちに、ふとしたことがヒントになって突然疑問が解消されたというような経験を何度もしています。

国際税務の場合、取引の背後にある複雑な事実関係を多面的に検討しないと答えが出ないということも少なくないため、粘り強く考えるタイプの人が向いているような気がします。

ちなみに、国際税務問題の検討に際しては英文の契約書を読んだり、現地国の税法を直に検討したりしなければならない場合がありますので、ある程度の英文読解能力は必要です。英語が嫌いな人にはちょっと大変かもしれません。

■「国際税務を強みとする税理士法人」の業務のやりがいは?

国際税務を強みとする事務所のやりがいとしては、特に一般の会計事務所と特に変わるところはないと思います。

強いて言えば、国際税務問題の検討に際しては、精密で多面的な分析をしなければならない場合があり、多くの時間と労力を必要とする結果、長期戦を強いられることもあるわけですが、それだからこそ、問題が解決し顧客の皆様と喜びを分かち合うことができた時の感慨はひとしおといえます。

また繰り返しになりますが、問題の解決のために考え続ける力(=「頭の体力」)が間断なく試されることになるわけですので、その努力の積み重ねが知らず知らずのうちに自身の地力の強化につながります。こういったことが大きなやりがいの源になっていると思います。

■「国際税務を強みとする税理士法人」の採用ニーズ

(1)求められるスキル、人材

国際税務に必要な知識は、実務経験を通じて得ていけばよいと思いますので、国際税務の経験がなくても特に問題ないと思います。

税法等の条文を読むスキルの習得は必須ですので、常に根拠条文に当たるということを実務のルーティンとして定着させてほしいと思います。

(2)採用されるポイント

「TOEIC何点以上」というような条件はありません。ただ、英文の契約書、技術仕様書、分析結果資料あるいは各種の会議資料などを見る機会が多いので、英語の構文に慣れ、専門用語や慣用句などを確実に習得しておくことが必要となります。

また科目合格者の方には、税理士資格を習得するまで勤務環境の面でサポートしますので安心して弊社の門をたたいてもらいたいと思います。

(3)転職で気を付けるポイントや難易度

働き方は人それぞれですので、どういう条件で働きたいのかについてはっきりと希望をおっしゃっていただきたいと思います。なお、リラックスして面接を受けていただけるよう心掛けていますので、特に面接のために準備していただくことはありません。

■「国際税務を強みとする税理士法人」の年収はどのくらい?

あくまでも弊社の例ですが、幸いにも顧客の皆様から高付加価値のサービスを提供している税理士法人であるとの評価を頂戴しています。専門職としてのスキルが充実していくほど確実に年俸も上昇するようなシステムを取っています。

■「国際税務を強みとする税理士法人」の経験を活かしたその後とのキャリアパスは?

国際税務の業務を経験された方の中には、一般事業法人の経理部門や企画部門に転職された方もおられますし、同業の事務所に入られた方もいます。国際税務の経験者の流動性は高いので、転職は比較的容易なのではないでしょうか。

なお、個人で国際税務に強みを持つ税理事務所を経営している方もいらっしゃいますが、大抵の場合、その方の知見やスキルは相当高度なものです。

国際税務は多面的な検討が必要ですので、国際課税に強みを持つ事務所は、様々な方の知識経験を統合して組織としてサービスを提供しているところが多いのではないかと思います。

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